エデン条約編IFストーリー トリニティVSアリウスVS便利屋68withセイア   作:ホーンベアーmk-lll

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はい、今回のその後編は2話で完結するので前編にしました。それでは本編をどうぞ


アリウス分校捜索その後 前編

便利屋68とセイアによるカタコンベ探索から数日後の夜、トリニティ自治区内にて、スズミは、新たにアリウスから派遣されたスパイ、アズサと対面していた。

 

「……あなたが新たにトリニティのスパイとして派遣された方ですか?」

 

「そうだ。転入手続きに必要な書類などはこのアタッシュケースに入っている。確認してほしい」

 

「わかりました。

……ところで、派遣されてきたのはあなた一人でしょうか?」

 

「なぜそう思った?」

 

「偽装されたものとはいえ、転入に必要な最低限のものを入れるのにわざわざこれほどのケースに入れて持ち歩くかと思いまして……

繰り返しお尋ねいたしますが、本当に追加のスパイ要因はあなた一人ですか?」

 

「ああ、そうだ。

わざわざアタッシュケースを持ってきた理由は開けてみればわかる」

 

そうアズサに言われ、アタッシュケースをあげるスズミ、その中身をみたスズミは驚愕した。

 

「なっ!? これは……!?」

 

そんなスズミをみながら、アズサは淡々と自身に課せられた事を話す。

 

「私はスパイとしての役割の他に、もうひとつ任務を与えられている。

百合園セイアの捜索および抹殺だ」

 

「……では、これが例の?」

 

「そうだ。マダムの用意した対生徒用の切り札……『ヘイローを破壊する爆弾』だ。

まだ実際に使われたことは一度もないらしいので、本当に効果があるのかはわからないが……」

 

「…………」

 

アズサの言葉に黙るしかないスズミ、彼女の心には、こんな物を使いたくないという思いがあった。

 

「どうかしたか?」

 

急に黙ったスズミを心配してアズサが声をかける。

 

「……いえ。取り扱いには気をつけなければいけないと思っただけです」

 

「そうか」

 

「では、ひとまず今晩は私の家……拠点に行きましょう。

転入手続きは明日、朝一で行うということで」

 

「了解した」

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、トリニティ学園、サンクトゥス分派の宿舎の門の前に怪しげな白のダンボールを身に纏い、手紙らしきものをポストの中に入れた人物がいた。…その正体は便利屋68の課長、鬼方カヨコであった。その隣には、セイアのドローンが追従していた。

 

「投函完了」

 

『よし。急いで引き上げてくれたまえ。

脱出ルートのナビは引き続き私に任せろ』

 

「わかった。……ところでセイア」

 

『なんだい?』

 

目的を完遂し、後は帰るだけのカヨコであったが、どうしてもセイアに聞きたいことがあるため彼女に質問する。

 

「わざわざサンクトゥス分派の宿舎にこっそり手紙を出すだけなのに、段ボール箱を被っていく必要はなかったんじゃないの?」

 

カヨコの質問に、何を言ってるんだ?と言わんばかりの顔でセイアが答える。

 

『なにを言うんだカヨコ、古来より段ボール箱は必需品と称されるほど潜入工作員から評価されてきた最高の偽装なんだ。

それがあるかないかでも作戦の成功・失敗を左右するとも言われている』

 

「初耳なんだけど……?」(……セイアってこんなキャラだったけ?)

 

説明を聞いても困惑するしかないカヨコ

 

『まあ、とにかく急いで戻ってきてくれ。

君が戻ってくるまではアルが夕飯は食べないと駄々をこねてきかないんだ』

 

「ふふっ。わかった」

 

こうしてカヨコは、セイアのナビを頼りにその場を後にする。その数十秒後、ティーパーティの生徒が2名が門の前に現れる。

 

「今誰かの話声のようなものが聞こえたような……?」

 

「あら? こ、これは!?」

 

と、ここで二人はポストに手紙が入って居ることに気が付く。

 

「差出人不明の手紙!? ま、まさか……!?」

 

「い、急いで上の人に報告に行きましょう!」

 

そうして二人は手紙を携えて、ナギサの元へと急いで報告しに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後、ナギサの自室にて

 

「セイアさんを拉致したテロリストからまたしても手紙が届いたというのは本当ですか!?」

 

「は、はい! またしてもサンクトゥス分派の宿舎のポストに投函されていたそうです」

 

その報告に、ナギサは悔しさをにじませる。

 

「くっ……警備を強化したのに、またしてもティーパーティーの関連施設にテロリストを近づけさせるなんて……!」

 

「……こちらがその手紙となります」

 

「拝見いたします」

 

そうして手紙を広げるナギサは、驚愕した。

 

「こ、これは……セイアさんの直筆の手紙!?」

 

ナギサ、ミカ、そしてサンクトゥス分派およびティーパーティーの生徒たちへ。

 私は今のところ五体満足、体調などに一切の問題はなく元気だ。

しかし、残念なことではあるが、いまだしばらくはトリニティに戻れそうにない。

理由は言わずもがなだ。

 

 この状況がいつまで続くことになるかは私自身にもわからない。

だが、最終的に事態が穏便に解決してくれることを私も願っている。

ナギサとミカは生徒会長が二人だけになってしまい大変な状況だろうが、引き続き頑張ってほしい。

突然このようなことになり私の分の負担も押しつけてしまって本当に申し訳ないが……

●●月××日、サンクトゥス分派首長兼トリニティ生徒会ティーパーティーホスト百合園セイア。

 

その手紙を読んだナギサに真っ先に感じたものは安堵であった。

 

「……間違いなくセイアさんの字で書かれたものでしょう。

手紙の最後に書かれている日付は今日……ということは、セイアさんが無事と考えるべきですね。

しかし、一応この手紙は後ほど正義実現委員会に回して筆跡鑑定をお願いしてください」

 

「かしこまりました」

 

そうしてナギサに命令された生徒は、正義実現委員会の元へ向かった。

その生徒を見送ったナギサは、あることに気づく…そう、手紙の中にもう一枚の紙が入っていたからだ。

 

「おや? 封筒の中からもう一枚なにか紙が……」

 

その紙をみた瞬間、ナギサの顔が真顔となった。

それと同時にナギサの部屋のドアが勢いおく開かれ、ミカが部屋に入ってきた。

 

「ナギちゃん、またセイアちゃんさらった連中から手紙がきたんだって!?」

 

「……ああミカ、いいところに来てくれましたね」

 

「ん? ナギちゃん?」

 

「な、ナギサ様……?」

 

明らかに様子のおかしいナギサに、ミカともう一人は困惑する、次の瞬間、ナギサの顔は真顔から憤怒の表情へと変わった。

 

「ミカ、急いでパテル分派内の戦闘要員に非常招集をかけてください!まだ手紙を投函していったテロリストの一味はトリニティのどこかにいるはずです!正義実現委員会と協力し、ティーパーティーの総力を挙げて捕らえますよっ!!」

 

「な、ナギちゃん、突然どうしたの!?」

 

ナギサの余りの勢いに困惑するミカ、だがナギサは止まらない。

 

「それと、ミレニアムサイエンススクールの生徒会セミナーに急ぎ電話を!

自治区内のさらなる警備強化のためにミレニアム製の最新鋭警備ロボットの大量発注を打診します!!

いや、それだけでは足りません! リオ会長が現在製造しているという戦闘用ロボットの購入も検討して……!」

 

「な、ナギサ様、落ち着いてください!」

 

「そ、そうだよナギちゃん! 怒っててもなにも始まらないよ!」

 

「これ以上セイアさんの……私の大切な友人が辱しめを受けているのを黙って見ていられません!!

いや、これはもはや尊厳の凌辱! トリニティの権威に対するテロリストからの極悪非道な挑戦です!!」

 

怒りが収まりそうにないナギサにどうすればいいか分からない二人、その瞬間、ナギサが持っていた紙がヒラリと地面に落ちた、それをミカが拾う。

 

「ん? これは……写真?」

 

その写真をみた瞬間、ミカもナギサ同様固まってしまった。その様子を見て生徒が話しかける。

 

「あっ……ミカ様、それは……」

 

その写真に載っていたものが気になった生徒はミカに質問する。

 

「せ、セイアちゃんがまたエッチな恰好させられてる写真……

目隠しとボールギャグされて……今度は胸元に『せいあ』って書かれたスクール水着を着せられてる……

しかも、手錠で手足をそれぞれパイプベッドに拘束されて……全身にローションかけられてヌルヌルになってるじゃんね……」

 

「わざわざ口に出さないでくださいミカ!!」

 

未だに怒り心頭のナギサと同様、写真を見たミカもアクションを起こす。それは怒りではなく……爆笑したのである。

 

「……ぷっ。あはははははははははは!

セイアちゃんいくらなんでも幼児体形すぎるでしょ!?

この歳でスクール水着が似合っちゃうとか、さすがに見た目お子様すぎるって!!」

 

「笑い事じゃないでしょう!?

一刻も早くセイアさんをテロリストから救出しなくては、セイアさんが……!」

 

「いや、でも一周回って心に傷を負うどころか喜びに感じるかもしれないよ?

もしかしたらすでになってるか、セイアちゃんもともとマゾだったのかも……」

 

「ミカぁ!!」

 

「お、お二人とも落ち着いてください!! お願いします!!」

 

爆笑するミカ、激怒のナギサ、この瞬間の部屋はまさにカオスとなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後、便利屋68の事務所にて、カヨコは無事に帰還した。

 

「社長、戻ったよ」

 

「お帰りなさいカヨコ! すぐにご飯にするから手洗って待っててちょうだい!」

 

「わかった」

 

アルの言葉に従い手を洗い始めるカヨコ、そんな彼女にセイアが話しかける。

 

「カヨコ、段ボール箱はどうしたんだい?」

 

「途中でゴミ捨て場に捨ててきたよ」

 

カヨコの言葉に信じられないと言った表情をするセイア

 

「そんな!? まだ使えただろうにもったいない……」

 

「また使う時に用意すればいい話でしょ……」

 

セイアとそんな会話をしている間に手洗い等をすませ、カヨコはリビングに向かう。そしてリビングにムツキとハルカが、食べる準備を済ませ、カヨコを待っていた。

 

「カヨコっちお帰り~」

 

「お、お疲れ様です」

 

「うん。ただいま」

 

そんな二人に、カヨコはあくどい笑みを浮かべて話しかける。

 

「……手紙と一緒に例の写真出してきた」

 

「グッジョブ!」

 

「例の写真?」

 

セイアは何の写真か分からず思考する。彼女自身が手紙は書けど、前回同様の様な写真は撮っていないはず……と、ここでセイアは思い出した…そして顔を真っ赤にした。

 

「なっ!? まさか君たち、あの時私に無理矢理スクール水着を着せた際に撮った写真を……!?」

 

「うん」

 

「ムツキちゃんたちを怒らせた罰だよ~ん♪」

 

悪びれもせず答える二人に恥ずかしさと怒りで感情がごっちゃになるセイア

 

「な、なんて奴らだ……君たちに人の心というものはないのか!?」

 

「私たちアウトローだから」

 

「自業自得です」

 

「名誉毀損にもほどがある! ナギサやミカたちに私が変態マゾ狐だと誤解されたらどうしてくれるんだ!?」

 

「開き直ってそういうキャラで以降は売っていくしかないんじゃない?」

 

「そんなキャラクターは予知で見たハナコだけで十分すぎるっ!!」

 

そんな言い争いをしていると、夕飯を持ってきたエプロン姿のアルが現れる。

 

「みんな~、ご飯の用意できたから早く手洗ってきなさ~い」

 

「アル! 君は社員にどんな教育を施しているんだ!?」

 

と、そんな会話をしつつも、なんだかんだセイアは便利屋68の雰囲気に慣れていったのであった。




はい、今回もセクシーフォックス(なお、やったのは便利屋の3人)のお陰で怒りのナギサ降臨、ここからさらにアリウス捜索が苛烈に……ベアトリーチェ涙目(でも全然同情しねぇよ?)ミカは爆笑、原作と違っていい空気吸ってやがる…

感想と評価お待ちしています
ではまた次回
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