エデン条約編IFストーリー トリニティVSアリウスVS便利屋68withセイア 作:ホーンベアーmk-lll
百合園セイアのセーフティハウスから無事脱出した便利屋一同&誘拐したセイアは、近くの森で一度休憩を取ることにした。
「取り敢えず、ここまでくれば大丈夫かな?」
「ゼェゼェ……そ、そうね……」
「あ、アル様大丈夫ですか?ひと一人持ったまま全力疾走していましたが…」
「へ、平気よ。獲物を奪われることに比べればなんてことないわ」
「んん〜!!(休憩するのならいい加減私を降ろしてくれぇ〜!!)」
「……社長、取り敢えずそいつ降ろしたら?」
「そ、そうね……よいしょ……と」
そうしてアルはセイアが入っていたバックをおろす。
「ん〜……(や、やっと降ろしてもらえた……ここまで上下左右に揺さぶられ続けたせいで気分が……)」
「取り敢えず、このままだと窒息しそうだから、一旦外に出そう」
そう考えカヨコは、セイアの入っていたバックを開け、口を塞いでいたガムテープを剥いだ。
「ぷはっ!………ふぅ、し、死ぬかと思った……。」
ようやく解放されたセイアは、心底安心したような表情で空気を吸っていく。
「ごめんねぇ〜?私たち一応悪者だからさぁ〜?」
「そ、そうよ!悪者だから悪者らしいことをしただけよ!
…べ、別にあなたを助けたかったわけじゃないんだから!(……流石にあの場に残していくのはいい気分じゃ無かったってのもあるけど……)」
「は、はぁ……(……そういうものなのか?悪者ってやつは)」
「……ねぇ社長、ちょっとその子に聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
そんな会話をしていると、セイアを横目に見ながらカヨコがアルに進言した。
「え?え、ええ、いいわよ」
「ありがとう……百合園セイア」
アルから許可を貰ったカヨコは、今度はしっかりとセイアを正面から向き合う。
「……何だい?」
「あなた……未来を予知できるって噂は、本当なの?」
一方その頃、アリウス分校では、アリウスの長である大人【ベアトリーチェ】が、セイア襲撃に関しての報告を、アリウスの精鋭部隊であるアリウススクワッドのリーダー【錠前サオリ】から報告を受けていた。
「……百合園セイアの襲撃に失敗した?」
「はい、アズサ達が襲撃をかけようとした直前に爆発が起きたそうです。死体を確認出来なかったそうで、恐らく逃げられたかと……」
「……こちらの情報が漏れていた?……いえ、そのようなことはあり得ません。」
「……それと、襲撃部隊が百合園セイアの元へ向かい途中、見知らぬ生徒と交戦したとも報告が。
当初は護衛かと思ったようですが、周辺に護衛ロボットや、トラップの残骸らしき物が確認され、…また、爆発後、その生徒の行方も分からなくなっており………」
「……つまり、その生徒と共に百合園セイアが逃亡したと?」
「……恐らくですが、その生徒の目的も我々と同じく百合園セイアの襲撃だと思われます。…ですが、我々との接敵で誘拐に切り替えた可能性が有るかと」
「そんなことはどうでも良いのです。今私達の問題は、百合園セイアの暗殺に失敗したという事実……私達の存在が外部に露呈した可能性があるということです。」
「……はい」
(……ともかく、百合園セイアの行方の捜索と彼女を誘拐した生徒の特定をしなければなりませんね……最悪の場合、その生徒もろとも百合園セイアを始末することを考えねば)
場所は戻り便利屋68の4人は、セイアから、自身の未来予知の能力に関しての事や自身がみた予知の事について聞かされていた。
「……というわけだ。私がみた未来はそこまで。そこから先は残念ながら分からない」
セイアの説明を聞いた4人は、それぞれが様々な反応をする。
「……しかし、エデン条約に、アリウス分校か…」
カヨコは、これから起こるである未来に対し、考える事が増えたなと思っている。
「でも凄いわね!未来がわかっちゃうなんて!」
アルは、純粋にセイアの能力をベタ褒めする。
「別に凄くもないし、分かっていても大していいことがないよ何をしても未来を変えられないし、私自身予知を制御できないからね。
…それに、時々自分が現実にいるのか夢に居るのか分からなくなる……」
「た、大変ですね…」
「それでも私は、それはそれで面白そうと思うんだけどなぁ〜」
ハルカは能力の不便さに同情し、ムツキは全てを聞いたうえでも面白そうと思っている。
「ただ……先ほども説明したが、君たちの存在は一度も予知したことがなかったんだ。
今日襲撃を受けることは予知していたが、私を襲撃するのは先ほど君たちも遭遇したアリウスの生徒だった」
「……そ、それってつまり…?」
「…ほんのわずかではあるが、未来が変わったということだろう。
今まで予知した未来でこのようなことは一度も経験がない。
これははたして吉兆なのか、それとも逆に凶兆なのか……正直判断に困る」
「まあ、アリウスから襲撃を受けたことは事実だからね」
そんな会話をしていると、セイアが思い出したかのように、アル達に問いかけた。
「……ところで、君たちはミカから依頼を受けて私を襲撃しようとしたのかな?」
「あっ、はい……そうです」
さも当然かのような口ぶりでセイアが聞いてきたので、ハルカは思わず当然の様にクライアントの情報を喋ってしまう。
当然アルは焦った。
「ちょ!?ハルカ、クライアントに関する情報を漏らしちゃダメじゃない!!」
「ああっ!? す、すいません!!」
「クライアントの情報漏らすどころか正体バラしちゃったね。ハルカちゃん、ドンマイ」
そんな会話をよそに、セイアはその情報から、今回の出来事に関しての個人的な仮説を見出し始める。
「……これは予知ではなく私の勘だが、先ほどアリウスが襲撃してきたのはミカがアリウスに情報を流したからかもしれない」
「ええっ!? な、なんで!?」
「ミカはエデン条約に反対しているし、ゲヘナと手を結ぶならまずは内の問題……アリウスと和解するのが先だと考えていた。 ……アリウスがいまだに存在しているのかどうかも知らないくせにね」
「だけど、現にアリウスは現れた」
「そうだ。もしかしたら、ミカは秘密裏にアリウスと接触することに成功し、君たち同様私の襲撃を依頼したのかもしれない……
そう思ったんだ」
「で、でも、それなら私たちにも教えてくれてもよかったんじゃないですか?」
ハルカの言葉に確かに…となるアルであったが、カヨコは別の可能性を提示した。
「……もしかして、そのアリウスの子たちには私たちも一緒に襲撃するように依頼していたとか?」
「えっ!?」
「……あり得なくはないね。私と共に君たちを病院送りにすることでエデン条約に反対する理由付けにする魂胆だった可能性はある。君たちに襲撃に関する一連の罪を押し付ける形でね。ミカはもともとゲヘナ嫌いだし」
「な、なんですってーーーーっ!?」
その言葉に、アルは白目を向いた。
そんな彼女を他所にセイアは自身の仮説を話し続ける。
「繰り返すけど、あくまでもこれは私の勘だ。本当にそうとは決まったわけじゃない。
偶然アリウスが独自に私の居場所を突き止めて刺客を送ってきたという可能性もゼロじゃないからね」
「ただまあ……あり得なくはない、のかな?」
そのあまりにも壮大な策略に、アルはドン引きした。
「仮にそうだったとすれば、なんでそんな悪どい真似ができるのよ?まるで悪党じゃないの……」
「アルちゃ〜ん?私達も悪党だよ〜?」
そんなアルにムツキはニヤニヤしながら言う。アル自身もはっとなり表情をもどした。
「も、もしかして、私たち大変な陰謀に巻き込まれてしまったんじゃ……!?」
「……ハルカの言う通りだと思う。……社長、事実が明らかになるまで、クライアントである聖園ミカには誘拐の件は報告しない方がいいかも」
「えっ?で、でも、依頼人を騙すような真似をするのは便利屋の評判が……」
「依頼料はまだ受け取ってないんだし、別に報告を後回しにしても問題ないでしょ。
……それに、ターゲットが無事とわかったら、口封じに私たちのもとにアリウスが送り込まれる可能性もある」
「い、言われてみれば……」
「うわ~、なんか思っていた以上に大変な状況~♪」
「もちろん、何の報告も連絡も入れなかった場合、それはそれで相手側から不信に思われるかもしれない。
どうするかは社長の判断に任せるよ」
「ええっ!? 私の!?」
「あ、アル様……」
「……まあ、こればかりは私からもどうこうは言えないね。
私のことをミカに伝えるのか、伝えないのかは君たち自身の問題だ」
「…………!私は…」
こうして、様々な陰謀が渦巻いた夜は、終わりを迎えようとしていた……。
と、言うことでここで百合園セイア襲撃依頼編を終わりとします。次はその後編…つまり次の日の出来事、主にトリニティ、そして余裕があれば一話にアリウスと便利屋&セイアの事も執筆しようと思います。
それでは感想と評価お待ちしています
ではまた次回。