エデン条約編IFストーリー トリニティVSアリウスVS便利屋68withセイア 作:ホーンベアーmk-lll
それではどうぞ
アリウス分校捜索①
百合園セイア襲撃から数日後、トリニティ、ティーパーティにて
「……事件発生から早数日、いまだにセイアさんの行方もわからず、アリウス分校に関する情報も見つかりませんね」
ナギサは苛立っていた。当然理由はセイアが誘拐された事と、犯人であろうアリウス分校の情報が一切分からないからである、そんな彼女をミカは落ち着かせようとする。
「ナギちゃん、こんなこと言うのもなんだけど、セイアちゃんのことばかりを優先するわけにもいかないんじゃないかな?
心配なのはわかるけどさ……」
ミカがそう言うが、その言葉は今のナギサには逆効果であった。
「なにを言っているんですかミカさん!?
生徒会長……それもホストがテロリストに拉致されるという前代未聞の事態なんですよ!?
被害者がセイアさんであることを抜きにしても、トリニティの威信にかけてこの問題は最優先で解決しなければなりません!
それに、エデン条約の締結が日に日に近づいてきている今、ゲヘナにこちらの弱みを見せるわけにはいかないのですから……」
だが、ナギサの発言に、先程まで落ち着かせようとしていたミカもエデン条約とゲヘナの言葉で少し機嫌が悪くなった。
「エデン条約かぁ……ナギちゃん、本気でゲヘナの連中と手を結べると思ってるの?
確かエデン条約って2年くらい前に当時の連邦生徒会が“雷帝”ってやつに対抗するために密かに進めていた同盟を基にしてるんでしょ?
あの頃はトリニティにもゲヘナにも連邦生徒会にも共通の敵がいたから上手くいってたみたいだけど、今はそんなやついないんだし……わざわざ連邦生徒会の仕事してますアピールとも点数稼ぎともとれる茶番に付き合ってあげる必要ないんじゃない?
現に、セイアちゃんは連邦生徒会長から話を持ち出された時ぜんぜん乗る気じゃなかったし……」
「……だからこそですよ。
条約を締結し、エデン条約機構を発足させることができれば、ゲヘナは表向きトリニティの敵ではなくなります。
それでもなおゲヘナの生徒がトリニティで狼藉を働こうものなら、それはゲヘナがキヴォトス全土からの信用を失う十分な理由になる……
いくらゲヘナでも、外交によって公に結ばれた契約に堂々と違反する薄情な輩というレッテルを貼られるのは望まないでしょう」
「……それはちょっと期待しすぎじゃない?
ゲヘナの連中がナギちゃんの思っている通りの存在なら、今日まで誰も苦労はしなかったと思うよ?」
「それは確かにそうです。
しかし、互いが互いを疑い合い続けていては、何事も一生前に進むことはありません。
まずはこちらから……私だけでもゲヘナの方々を信じてみないことにはなにも始まらない。そうではないですか、ミカさん?」
その言葉を聞いたミカは、ナギサに内心呆れながら、この言い争いは無意味だと分かった。
「はあ……頑固だねナギちゃんは……
まあいいや。そこまで言うならナギちゃんはナギちゃんのやり方を続ければいいよ。
私は私のやり方でセイアちゃんを探して、他のことも片付けていくからさ……」
そうしてミカは、ティーパーティの部屋から出ていった。
(もしセイアちゃんをさらったのがゲヘナの連中だったら、ナギちゃん今言ってたことを貫けるのかな?
……それにしても、便利屋の子たちから一向に連絡が来ないけど、どうしたんだろう?
まさか、本当にセイアちゃんはアリウスにさらわれたとか?
……いやいやいや、やっぱりそれはないでしょ!
アリウスがトリニティの自治区内で活動していて、私が便利屋に依頼したセイアちゃん襲撃日にたまたまアリウスもセイアちゃんを狙っていたとか……うん!そんなアニメみたいな事現実におきる訳無いって!
そもそもアリウスにセイアちゃんを狙う理由が無いじゃんね!
……けど、本当に連絡来ないなぁ……うん!、それだったら休みの日に事務所に行けば分かる事だしね☆)
同時刻、ゲヘナ学園、【万魔殿(パンデモニウム・ソサエティ)】では、議長である【羽沼マコト】が同じく万魔殿の議員である【棗イロハ】に対して笑いながら話しかけていた。
「キキキ……イロハ、面白い情報が手に入ったぞ!
ティーパーティーの現ホストである百合園セイアがアリウス分校を名乗る者によってさらわれて行方不明になったそうだ!」
マコトの情報に、イロハは困惑した。
「アリウス?
……もしかして数百年前にトリニティによって潰されたというあのアリウスですか?」
「ああその通りだ!トリニティはまだこのことを公表していないが、事実ならばエデン条約の件を白紙にする理由になる!」
「はぁ………」
イロハは面倒くさそうに返す。
「いやぁ、我ながらこのマコト様の張り巡らした情報網と情報収集能力は実に見事だなぁ!」
「そういった能力をもっと別のところでも活かせれば支持率や知名度も上がると思うんですけどね」
イロハの言葉にマコト若干心にダメージを負った。
「キキキ……まあ、そう言うな
しかし、わざわざ大昔にトリニティに居場所を追われた者たちの名を騙るとは……
百合園セイアを拉致した者たちはいったい何者なのだろうな?
興味深くはないか、イロハ?」
「いえ、別に…」
「まったく……こういう時は相槌を打つように『そうですね』というのが社交辞令というものだろう?」
「だって、どうせ私が肯定しようが否定しようが、マコト先輩は勝手に調べるんでしょ?」
「キキキ……まあな!
とりあえず、トリニティに送り込む諜報員をこれまでよりも若干増やしておくか。
ついでに風紀委員会にはトリニティの自治区との境界線の警備をもっと強化しろと言ってやろう」
「まあ、どうせいつものトリニティの内ゲバ染みた政治闘争ってオチだと思いますけど、警備の強化は賛成です。
ゲヘナが巻き込まれないに越したことはありません。面倒くさいことになりますからね」
と、ここで話を切り上げ作業に戻るイロハとマコト
……しかし、彼らは知らない、まさにその百合園セイアを誘拐した実行犯がゲヘナの生徒だとは……既にゲヘナはトリニティとアリウスのゴタゴタに巻き込まれて居ることを……その事実を知るのは、もう少し未来に知ることになるだろう。
今回の総括
ミカ「アリウスがセイアちゃんを狙ってるわけないよね」 ← 狙ってる
マコト「ゲヘナの生徒がセイアを拉致したなんてことはないだろ」 ← 拉致した
ベアおば「なにがどうなっているんですか?」 ← 本当にね
となっています。これはひどい
そして次話から便利屋68withセイアのカタコンベ探索が始まります。(ベアトリーチェ涙目、だがテメェに慈悲はない)
感想と評価お待ちしています
ではまた次回。