オオタチですか   作:メガオオタチ

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第1話 オタチ

 

 皆さん、ポケットモンスターを楽しんでおられますでしょうか?

 

 【ポケットモンスター、縮めてポケモン。この星の不思議な不思議な生き物。空に、海に、森に、街に、世界中の至る所でその姿を見ることができる。】

 

 で、おなじみのポケモンですよ。えぇ。

 いやぁすごいですよこのコンテンツ。終わることなんてないと思いますよホント。

 世界観や多種多様なポケモン、魅力的なキャラクター…叶う事ならポケモンの世界に生まれたい!なんて思わないですか?思いますよね!!

 

 

 

 そう思っていた時期が俺にもありました。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 キタカミの里、落合河原

 

「タチィィィィィィィィィッ!!?」

「「「グギシャアァァァッ!!」」」

 

 ふざけんじゃねぇ!!バカヤロォお前!アリアドス三匹に勝てる訳ねぇだろ!!

 

 あ、どうもオタチです。や、ホントはもっと自己紹介とかしたいんですけどね?今野生のアリアドスから追いかけられてましてね…たかだか木の実を取るための踏み台にしたくらいで怒りやがって!!カルシウム足りてねぇんじゃねぇか!?

 

「ギシャア!!」

「タチッ!?」

 

 おわぁ!?どくばり飛ばしてきやがった!!飛び道具は卑怯だろ!!お前アレだろ!ヒーローの変身中にも無粋に攻撃するタイプの奴だろ!ふてえヤロォだな!!

 ただ何とか走って逃げれてる辺りこの俺、オタチの素早さの個体値はいいんじゃないの?後は「タケシ!こうそくいどうだ!!」的なノリで何とかなんねぇかな

 

 ただ頑張って走っていてもさすがは生き物、疲れてくる。いかんねこりゃ…どうすっかなぁ…まーだ怒っていらっしゃる…あ、せや。こーゆー時は人間に助けてもらおうそうしよう

 

 

◆◆◆

 

 

 時を同じくしてスイリョクタウン

 

 「はぁ…」

 

 一人の少年がため息をつきながら歩いていた。

 名前はスグリ。ここキタカミの里スイリョクタウンで暮らす少年だ。

 彼にはゼイユという姉がいるのだが…つい朝のこと…

 

「はぁ!?スグ!アンタまだポケモン捕まえないつもり!!?周りの子でまだ捕まえてないのアンタだけなんだからね!アタシが恥かくんだから!!」

 

 と、理不尽に激昂されモンスターボールを頭にグリグリ押し付けられ、仕舞いには

 

「捕まえてくるまで帰ってくるんじゃないわよ!!」

 

 と、叩きだされてしまったのである。

 いかんせんどうにも理不尽な姉なのでうんざりではあるが、確かにゼイユの言うとおりだともスグリは分かっていた。

 

 「はぁ…捕まえるんだとしたら…鬼さまみたいなポケモンがいいべ…」

 

 鬼さま。ここキタカミの里に伝わる伝説なのだが…この話はいずれどこかで。

 

 さて、トボトボとスイリョクタウンから川伝いによさげなポケモンを探していると…ドドドド…と足音と少しの地響きを感じた。

 

「ん…なんだべ…?土煙…?何かがこっちに走って………うわぁ!!?」

 

 音のする方向を見ると必死の形相のオタチが一匹、こちらに走ってくる。その後ろには「おどれブチ殺したらァ!」、という表情がうかがえる感じでブチギレているアリアドスが三匹。

 

 まっすぐにスグリに向かってくる。

 

「わやじゃあぁぁぁっ!!?」

 

 そのまま巻き込まれる形でスグリ←オタチ←アリアドス、の順番で走ることとなる。

 

「お、おれ、なしてこうなるんだあぁぁぁ…!!」

 

 悲痛なスグリの声だけが辺りに響いた。

 

 

◆◆◆

 

 

 うおあぁぁぁぁ!!誰か知らんが子供を巻き込んじまったあぁぁ!!

 ちゃうねん!ここは大人に助けてもらおうと思ってたから!ごめんて!少年!!

 

 …ええいこうなったらハラァ括るしかないな…さすがに倒すとまではいかなくてもこの少年を逃がすことはできるか…!

 何とか速度を速めて少年の横を並走すると、少年は驚いたようにぎょっと目を剥いた。

 

「タチッ…!」

「はぁっ、はぁっ…!!え、オ、オタチ…!?」

「タチ、タチタチ!!ターチ!!」

 

 えーいもう!「逃げろ」って言ってんの!なんだよもう!可愛らしいタチタチしか出ねぇじゃねぇかよ!まんまるお手手が可愛いね!…じゃねんだわ、少年!逃げろっての!!

 

「もしかして…おれに逃げろって…?」

 

 そーだよ!!なんだ、分かってんならさっさと…

 

「で、でも…オ、オタチはどうすんだ!?」

 

 …あー、まぁタダじゃあ済まないだろうなぁ…後ろのアリアドスはヤクザも真っ青な顔して追いかけてきてるんだもんなぁ…

 でもなぁ、さすがに子供を未来ある子供に怪我させるのはオタチ、違うと思うタチねぇ!

 

 ってか少年さぁ?君スカーレット・ヴァイオレットの主人公だったりしない?俺さぁ、スカーレット・ヴァイオレットの情報が出たその次の日に死んじゃったから主人公のビジュとか知らないんだよね…

 

 ってなわけであばよぉ少年!!ここがポケットモンスターの世界なら!!君はこれから色んな冒険をするだろうさ!!皆もポケモン、ゲットじゃぞぉ!

 

「あ!オタチ!!!」

 

 走るのをやめてターンしてアリアドスに向かって走り始めると、アリアドスたちはびっくりした顔を一瞬浮かべるが、すぐにさっきまでの鬼の形相に代わる…おーこわ…

 

 でもよぉ!主人公(暫定)を害することだけはままならねぇ!!

 …あ、巻き込んだことはノーカンね。あれは事故。OK?OK!!自慢の技からげんき!!…覚えてないけど。

 

 まさに一触即発、アリアドスのツメが振り下ろされようとして、さっきの少年が悲痛な声を上げた…その時だった。

 

「ぽに…おッ!!!」

 

 目の前を『棍棒を持った緑色の何か』が横切り、刹那、アリアドスたちが宙を舞った………はえぇ…???

 

「あ、あれは…!もしかして…鬼、さま…?」

 

 愕然とする表情の少年……ってぇ事は!!?

 

 アリアドスたちをぶっ飛ばしたあと、素早く岩場に上がって太陽の光が影となりその容姿が見えないが…!きらりと光る目!ただならぬオーラ…!!

 

 こいつがスカーレット・ヴァイオレットの伝説のポケモンか!!???

 

「ぽに♪」

 

 そのまま棍棒をふりふりと振った後その伝説のポケモンは岩山の方へとものすごい跳躍を見せながら消えて行った……いやぁ伝説のポケモンってすげぇや…!

 

「あれが……鬼さま…!すごい…!!」

 

 おっ、少年もそう思うか!…ははーん?これもしかしたら物語の最初にある伝説のポケモンとの遭遇イベントかなぁ???おっしゃ、いい仕事したぜ!

 

「タチィ…!」

 

 思わず腕組をする俺に気づいた少年がパタパタと走ってくる…お?なんや?礼はいらんぜよ?

 

「えっ、と…オタチ、大丈夫か…?ケガとかって…」

 

 あん?俺はこのとーり五体満足ピンピンよ!いやぁ生きてるって素晴らしい!!

 

「…オタチも見たべ?鬼さま…かっこいいべ…!おれ、いつか鬼さまと友達になりてぇ…!!」

 

 おっほっほっほwwwなーんやこのキラキラァ!!この輝きコイツマジで主人公やん!!ちょっと田舎訛りな感じだけど新しい感じがしていいね!!

 いやぁポケットモンスター スカーレット・ヴァイオレット…ここからはじまるんやなぁ!!

 

「…な、なぁオタチ」

「タチ?」

 

 なんや?どしたん話聞こか?

 

「おれ、まだポケモンさ…いなくて…よ、よかったら一緒に来ねぇか…!?おれたちで鬼さまと仲良くなるべ…!!」

 

 ――――マ?

 

 え、俺が最初のポケモン???ええんか?主人公???

 




感想をくれると1つにつき1回喜びながら、りゅうのまいを積みます。
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