オオタチですか   作:メガオオタチ

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第12話 オタチくんのがくえんせいかつ③

 

 どうもオタチです。

 目の前のピンク少女がでんきタイプ使いかと思ったら急に方針転換してじめん・はがねタイプを使ってきました。タイプ詐欺やん。

 

 あなたを詐欺罪で訴えます!理由はもちろんお分かりですね?あなたが俺をタイプで騙し、四天王が統一タイプである常識を破壊したからです!覚悟の準備をしておいて下さい。ちかいうちに訴えます。裁判も起こします。裁判所にも問答無用できてもらいます。慰謝料の準備もしておいて下さい!貴方は犯罪者です!刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい!いいですね!

 

 あ?待てよ?その理論で言ったらダイパの四天王のオーバももれなく訴訟やん。ま、ええかついでにやっちまおう。いくらシンオウに炎タイプがいねぇからってゴウカザルとギャロップだけはどうかと思うぞ…なぁ!シバ!!!お前もそう思うよなぁ!!!

 

 ふぅ!そーいや色違いボルケニオンってどーなったのかね?

 

 さておき…おいおい…なぁんでタイプ統一じゃあないんだ???教えはどうなってんだ教えは!!しかもご丁寧に地面タイプ持ってるからほうでんが効かない仕様じゃねぇかふざけんなぁ!

 

「ドリュウズ!ドリルライナー!!」

 

 出てきて早々ドリュウズはその身を回転させて迫ってくる…!

 おわぁ!あっぶねぇ!でもその回転…俺も身につけてぇなぁ…!!

 

 って言ってる場合じゃねぇな…今の場には俺とヤンヤンマ、そして今出てきたドリュウズ、満身創痍ながらも戦闘意欲を見せてるプラスルがいる…ドッキングできない以上俺がこのまま引き付けてヤンヤンマに狩ってもらう戦法しかねぇか…いや、それよりも…!

 

「っ…!オタチ!プラスルにほのおのパンチ!」

 

 ふむ、どうやらその指示をするならスグリの考えてることと俺の考えてることはほぼ同じだな。

 ここでプラスルを落としに行けばドリュウズは1匹になる。そうなりゃドッキングして空からの攻撃で優位に立てる。それは相手の…タロも避けたいだろうよ。となればドリュウズがカバーに来るが、今の俺のわざはほのおタイプ…防御が硬いとはいえ、ドリュウズに効果抜群の一撃をわざわざ受けるかどうか…!

 

「…!ドリュウズ!プラスルをガード!!プラスルはほうでん!!」

 

 残しにきたか!!ドリュウズがほのおのパンチを受け止め、プラスルへのダメージを肩代わりする…!だが、効果抜群のダメージは痛いぜぇ!?

 

 バチバチとしたほうでんも洒落にはならねぇ…やっぱダブルバトルでの全体ワザって戦略の幅がグンと広がるな…覚えとこ…

 

 …こうもビリビリ喰らってたらさすがに俺たちも厳しいぜ…!どうすっかねぇ…!

 

「ヤン!ヤンヤン!!」

 

 あん?ヤンヤンマが引き付けるって?でもよ?ぶっちゃけほうでんをあと何回受けられるよ

 

「ヤ………。ヤン…ヤンヤ」

 

 げ、あと一撃で無理そう?コリャいかんね…そうなりゃ俺1匹かぁ…うん、無理そうだな…こうなりゃヤケのヤンパチか…!

 覚悟を決める時だな!ヤンヤンマ!

 

 

「ヤンマ…!?…ッ…ヤン!!」

「タチ…!」

 

「え…!?オタチ、まさか…!」

 

 決意の眼差しでスグリを見れば俺たちが何をしようとしているか分かってくれる。スグリよぉ、お前ってぇやつはホントいいトレーナー…いや、ご主人だぜ…!

 

 それじゃあ…いくか……

 号令は頼んだぜ!なぁに…【負け】にはしねぇさ…!!

 

「…わ、わかった…!よし…!オタチ…ヤンヤンマ…!!でんこうせっかからのすてみタックル!!」

 

「タチャアッ!!」

「ヤンマァ!!」

 

「なっ!?この状況ですてみタックル!?正気なの!?」

 

 おうともさァ!!!俺たちに残された時間なんぞ微々たるもんだからなぁ!!そこに全力全開ッてなもんよ!!

 そうしてヤンヤンマはプラスルに、俺はドリュウズにでんこうせっかの速さですてみタックルをぶちかます…!!小細工なんぞナシだ!

 

「ヤン…マァ!!」

「プラ!?」

 

 !おーし!ヤンヤンマの方は決まったみてぇだな…!ヤンヤンマも反動ダメージでダウン…でもよくやったぜ!あとは俺が…!

 

「プラスルッ!…ッ、ドリュウズ!ドリルライナーで迎え撃って!」

 

「ドリュ!!」

 

 ここで高速回転のドリルライナーかよ…!え、あれに真正面からすてみタックルするの?え、普通に痛そうなんだが?待て待て、待って!?ああぁああぁぁ!?今更止まれねぇ!!!!

 

 激突。その瞬間走馬灯のように思い出が領空侵犯してきおる…

 

 そう、あれはまだ拙僧がブルーベリー学園で賭博チンチロを流行らせ教職員にガチ目の説教を喰らって今まで得た収益(BP)を没収された時の――

 

 ―ってあぶねぇ!!!!あのままじゃ頭の中の秘密の花園から戻ってこれねぇとこだった!ありがとよ理性!いいってことよ俺。

 

 …どうやら激突した衝撃でお互い弾かれたらしい…世界がスローモーションのように流れていく…ドリュウズもぐらついてるから…ダメージはありそうだ…でも、でもまだ…

 

「まだです!ドリュウズ!もう一度ドリルライナー!!」

 

 そうだよな、まだ動けるよな…でもよぉ、俺だって…まだ…負けちゃいねぇ…!!

 

「オタチ…!!」

 

 ははっ、心配そうな顔しやがって…大丈夫だ、まだやれるさ…!

 後ろに倒れ込もうとしたまま、俺はスグリに「まだやれる」という意味を込めてサムズアップしてやった

 

「…!」

 

 さぁ、スグリ…行こうぜ…!【負け】になんてさせねぇぜ…!こんなとこで負けてたらあの鬼さまになんて勝てやしねぇからな…!!

 

「オタチ!!!」

 

 はいよ、ご主人…!!

 

「ほのおのパンチ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タチッッ!!!!!」

 任せとけッッ!!!!!

 

 

 

 倒れ込む身体を起こし、迫ってくるドリルライナーに向かって自慢の可愛いお手手に炎を纏いながら走り出す。

 この俺をナメんなよ…!!倒れるってんなら…お前も道連れだ…!!

 

 ぶち当たって目の前のドリュウズからダメージを貰いつつも、俺は手の炎を絶やさない…落ちろ…!!落ちろよドリュウズッ…!!!お前が膝をつくまで…俺は【負け】ねぇからよぉ…!!

 

「ドリュ…!?」

 

 あん?なんだドリュウズ?どうしてそこまでって…バッカだなぁオメー…そんなの…

 

 うちのご主人に敗北は似合わねぇからだよ!!!

 

 

「ドッ……!?」

 

 直後お互いの一撃がそれぞれ相手に直接炸裂…!

 あれじゃよ、ロ〇キー3のラストのロ〇キーとアポ〇がクロスカウンターしてエンディングになるじゃん?アレよ、あの状態。

 

 その後俺とドリュウズは倒れ込んだ…俺は体力の限界で地面から起き上がれなかったが、ドリュウズの方を見れば、戦闘不能状態だった…

 

 ………へへっ、これで、【負け】は…免れた……な…

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 周囲に軽い地響きを起こした戦いは、スグリの敗北では終わらなかった。

 が、同時に勝者のない結末となった。

 

 同時に戦闘不能となったオタチとドリュウズ、そしてヤンヤンマ達はそれぞれげんきのかけらやきずぐすりですぐさま回復する。

 その後スグリはタロに対戦の礼を言った後、念のためポケモンセンターの代わりにある回復マシンまで走って行った。

 

 1人残されたタロは今の勝負…『本気のメンバーではなかった勝負』を振り返る。

 

「…それでも引き分け…ですか…いえ、スグリ君に3匹目のポケモンがいたらわたしの負けですね」

 

 確かにいつものフェアリータイプのポケモンたちを使わなかったが、タロの相棒と言えるドリュウズは選出していたのだ。そしてスグリはオタチとヤンヤンマのみ。これがもし6匹フルメンバーでの戦いなら?そう思うとタロはスグリへの末恐ろしさと、湧き上がる期待感に胸を躍らせたのだった。

 

「ふぅ、すごい人が入学してきましたね…でもリーグ部ももっといい場所になるかも『ピンポンパンポーン』…って、ん?学内放送?」

 

『1年生スグリ君。1年生スグリ君。今すぐ購買部にお越しください。お支払いが完了していない商品があります。繰り返します――』

 

「………。うーん…スグリ君って大変なんだなぁ…」

 

 タロはあるオタチの顔を思い浮かべながら小さく苦笑いした。

 

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