オオタチですか 作:メガオオタチ
(ナレーション:石〇謙二郎)
誰かが言った…!
ポケモンに持たせると効果バツグンの技を受けたときHPを1/4回復する、【ナゾのみ】があると…!
ポケモンに持たせると、HPが1/4以下になったとき1度だけ行動が早くなる、【イバンのみ】があると…!
世はグ〇メ時代…!未知なる味を求めて探求する時代…!!
◆◆◆
【対決!オタチとアカマツのグルメバトル!!】
◆◆◆
落合川原のタイマンから2日後…ブルーベリー学園サバンナエリアにて
帰ってきたぜ…!ブルーベリー学園ッ!!
「帰ってこれたぁ…ブルーベリー学園…」
後ろでへにゃりと座り込むスグリを頬に傷のあるニョロゾがやれやれ…と支える…え?ゲットしたのかって?あぁ!スグリがな!!!
あの後落合川原を俺達スグリ組の傘下に加えていじめをやめさせた後、ニョロゾの方から「人間とポケモンの強さ合わさった可能性を見たい」って打診があってな…ちょうど戦力も欲しかったしニョロゾの態度的にも敵対してないことがスグリにも分かったらしく円満ゲットってなもんよ。
さて、俺にとっては帰宅がゴールではない…なぜなら…!!
「待ってたよ…!スグリのオタチ…!!」
…来たかアカマツ…!
そう、コイツとの料理対決があるからだ…!
バトル学の教員の一人の相棒のガブリアスへ料理を作ってどちらがいいのか決めてもらうのが今回の対決内容だ…
………。だが、俺は対決も重要だとは思うが…せっかくなら『望む料理』を作ってガブリアスの悩みを解決してやりたい。
あん?「悩みなんてあったっけ?」だって???
しょーがねーな…ホレ、ヒントやるからちょっと考えてみな!
・ガブリアス
・「最近バトルで思うように揮わない」
・「弱点を突かれている」
・メス
・トレーナーが磨く以外に、ガブリアス自身でツメを磨いている
・バトル専門の学校でなら、ガブリアスの性格は?
ここまでヒント挙げたら分かる人は分かるかもな。さ、料理料理っと…!俺のメル〇包丁が鮮やかに斬ってみせるぜぇ?
◆◆◆
サバンナエリアに今回の為だけに設けられた特設ステージに2人…いや、1人と1匹が向き合う。周囲には物珍しさに生徒や手の空いている教師たちがギャラリーとして観客席に座っていた。
『これより、四天王アカマツとチャレンジャー・オタチによる料理対決を行う!メインシェフ以外に補助のポケモンは2体まで使用が認められている。なお、オタチ選手に関しては、トレーナーであるスグリ君のポケモンからオタチ選手以外のポケモン2体までが使用となります…それでは選手及び使用ポケモンの紹介です!』
アカマツ側
・アカマツ(メインシェフ)
・ヒートロトム
・ブーバーン
オタチ側
・オタチ(メインシェフ)
・ヤンヤンマ
・ニョロゾ
紹介の最中、アカマツはオタチに向かい手を差し出した。
「勝負を受けてくれてありがとう!でもオレ、負けないからね!」
「…タチッ!」
スグリに付けてもらった紫色の前掛けとねじりハチマキを付けたオタチは応じるように笑顔でその手をとり、固く握手を交わした…そして、紹介が終わった後、2人のシェフはそれぞれのキッチンに立つ…!
『それでは…はじめッ!!』
◆◆◆
SIDE:アカマツ
(…はじまった…!よし…!先生が言うにはガブリアスの元気がないってことだったからコレを用意したんだ…!)
アカマツが取り出したのはシャキシャキとしたレタス、マトマのみ、ミクルのみ、ハラペーニョ、そしてソーセージやハンバーグなどの肉類と、ジャガイモとバンズだった。
(オタチ…君が食堂で考案したハンバーガー…あれは本当に素晴らしかった…!食べたオレも心から感動したよ…同時に、悔しさも溢れてきたけどね…!)
アカマツ自身、ブルーベリー学園に来てから料理で競える相手がおらず、少し退屈し、燻ぶりかけていたのだ…そんな時に食べたのがオタチの考案したあのバーガー〇ングも顔負けなハンバーガーだったのだ。
それを食べた時、アカマツが衝撃を受け、それまで燻ぶっていた料理の熱に再び火が灯り、「オタチを超えたい!」という情熱を燃やしていた…!
そしていい時にバトル学の教師からガブリアスの調子が悪い、病気でもないのにご飯をあまり食べたがらない。と聞いたのだ。
その時、あのハンバーガーを食べてからアカマツなりにオタチを超えるために考えてきた辛みで食欲を増進させるハンバーガーを試せるチャンスだと直感したのだった。
「ロトム!オーブンにジャガイモをお願い!ブーバーンはソーセージの加熱の開始!俺はミクルのみでアクセントソースを作った後ハンバーグを調理する!」
作業はどんどんと調子よく進んでいく。アカマツのキッチンからスパイシーな香りが辺りに広がり、観客たちの空腹を誘い始めたころ、ふと、オタチたちの方が気になり視線を向ける…彼らがどんな料理で自分を驚かせてくれるのか、と…!
「なっ!?」
光景を捉えたアカマツは驚きのあまり手を止めた。
なんとオタチはアカマツのように、ゴウゴウとフライパンを振って炒めるという事はしていなかったのだ。
それどころか…
「あ、あれって…た、確かシンオウ地方で有名な…ポフィン!?」
お菓子を作っていたのである。
◆◆◆
SIDE:オタチ
さぁて始めようか…!まずはポフィンからだな!!
「ヤンマ!」
「……。ニョゾ?」
なんだニョロゾ?「何でポフィンか」って???
あー本当はポロックとかでも良かったんだけどさ…ポロック作る機械をどうやって手に入れたらいいか分かんなくてさ。鍋で代用できそうなポフィンなら行けるかなって…それにガブリアスって言ったらシンオウ地方じゃん?
「ヤンマ???」
「ゾ???」
さて、ヤンヤンマ、このバターと砂糖をかき回してくれ。ペースト状になるまでな。終わったら俺が卵とか入れに行くからよ
「ヤンマ!」
鍋に水を…ニョロゾ、みずでっぽう頼むわ、400mlな?
「ニョ!?…ニョ、ニョゾ!!」
はいはいサンキュ、温め始めるか…ニョロゾ、弱火にかけとくから沸騰するようなら火を止めてくれ。それ以外は大丈夫だ
「ニョゾ」
さぁてその間に俺は木の実を切る…材料はこちら。
・イバンのみ:あまい40、にがい10、なめらかさ60
・ヤチェのみ:しぶい10、すっぱい15、なめらかさ30
・チイラのみ:からい30,しぶい10、あまい30、なめらかさ40
・ラムのみ:からい10、しぶい10,あまい10,にがい10、なめらかさ20
おおっと、「ポフィンを作るならもっといい木の実があるだろ?」って意見は今回ナシだぜ?今回は料理に気持ちも込めるからな!
ダイパのゲームじゃ木の実をドボンッ!って入れてたろ?あれじゃあ木の実への熱伝導率が悪いと思うんだ。今回木の実を入れてからあんまり時間をかけるつもりは無いからな。かと言ってみじん切りも良くない。それぞれの木の実の歯ごたえも大事だからな…ふぃーむっずかしぃーい!!
あ、ちなみにイバンのみは俺が鬼退治フェスで手に入れたやつの内の1つな。こんど食堂のおばちゃんに食材として扱ってもらえるようにしーようっと
「ヤン!ヤンヤン!!」
お、出来たぁ?ほいよ、じゃ、卵とオリーブオイル…ベーキングパウダーを加えてっと…そいじゃまたかき回してくれ!
木の実のカットもこんな感じか…よぉし!ニョロゾー!そろそろ鍋使うけど大丈夫そ!?…OK!!ヤンヤンマ、かき混ぜの方はダマ状になってないか?ん、OKそうだな…そいじゃ鍋に全部入れてくぜ…!!ここからが勝負だ…!
ヤンヤンマの作成した生地の元と木の実を水の入った鍋に入れる…
よし!こっからは強火だ!!ニョロゾ!俺の言うとおりにかき混ぜ頼む!!まずはゆっくり右回りにな!!
「ニョゾッ!」
その後ニョロゾは俺の指示通り右に左に強く弱く。約30秒間死闘した。
この30秒が大事なんだ…!あんまり秒数がかかるとなめらかさが上がっちまうからな…!皆も気を付けてくれよな!!
……え?ゲームじゃ30秒とか無理???………。諦めんなよ!!どうして諦めるんだそこで!!がんばれがんばれやればできる!!!
して!出来上がった木のみ入りの生地をそれぞれいい感じの大きさに分けてだな…あとは200度で温めておいたレンジに入れて…
いくぜオシ〇ス(レンジ)!!【超電導波サン〇ーフォース】ッ!!!!(ピッ!)
えー200度で6分、その後180度くらいで10分焼いたら完成です。対戦ありがとうございました。
で、焼きあがったものがこちらです。
【Lv.100こってりポフィン:からさ16、あまさ100、にがさ6、なめらかさ24】
……ま、ざっとこんなもんよ…!
さて!メインが出来たら次はドリンク!!こっちは簡単だ。ナゾのみとロゼルのみをニョロゾに潰してもらって出した果汁を集めてまずはバーテンダーよろしくシェイクシェイク!!
あ、ナゾのみも鬼退治フェスで手に入れたぜ、イェイ!
ほんでサイコソーダにシェイクした果汁を入れれば…!!
へへん!どーよ!!サイコソーダの最高を超えた…【ワンダフルソーダ】の完成だぜ!!!
………【ワンダフルソーダ】、いつかゲームとかで実装されそうな気が…?ハハッ気のせいさ!!ハハッ!
お?どうやらアカマツの方も出来上がったみたいだな……む?あれは…ハンバーガー…?
………。ふぅむ…そうきたか…しかしこのスパイシーな香りの中に混ざる香りは……うむ…
俺のは後に食べてもらった方がよさそうだな…
いざ、実食の時…ガブリアスの前にはどどん!と盛られたハンバーガーと、俺たちが作ったポフィンとソーダが並べられていた。
『では料理のご紹介です!!まずは!美味しそうな香りで会場を空腹にしたアカマツ選手の【ヒートスパイシーバーガー】ッ!!肉汁たっぷりで、スパイシーな香りが食欲をそそる!!ハンバーガーのソースにはミクルのみを使ったしぶい味のアクセントも光るッ!!付け合わせにポテトとソーセージのサイドメニューもある夢の欲張りセットだぁぁぁ!!』
会場が沸く沸く…やっぱりみーんなハンバーガーが大好きだよなぁ…俺も好きだけどさ、ビッグ〇ックのセットにダブ〇チーズバーガーとナゲット追加で頼んでさ…それらを頬張るときが一番幸せなんだよなぁ…
『続いて…えーと…オタチ選手の…これはポフィンとドリンクですね!!え?どうしました?オタチ選手?え?大きな口を開いて…あ、私も口を開けろと?あーん…もごぉ!?……!!こ、これはぁ!!外はカリカリ!中はふんわりでやさしいバターとイバンのみの香りが鼻から抜けていくこの幸せな感覚…!!す、すごい…!あなた本当にポケモンですか!?』
実況の生徒の口にぶち込んでやった。お褒めの言葉ありがとよ…お前将来グルメレポーターとかどうよ?向いてると思うぜ?
そして先にガブリアスに【ヒートスパイシーバーガー】を食べてもらうことになったのだが…
「ガ…ガブ…」
「え…」
『お、おぉっと!?どうしたというのでしょう!!ガブリアス!ハンバーガーを一口食べましたがそこから一向に進まず!?サイドメニューのみを完食したぞ!?これはどういうことか!!?』
…やっぱり、か…
さて、そろそろ答え合わせをしよう…あ、ガブリアス、これ食っとけポフィンだ。
さて、このポフィンは甘い…それがどういう事かというとな…実はガブリアスがな?「かわいくなりたい」って俺に言ったんだ。
バトルも好きだけど、自分らしく、かわいくなりたい。だからツメを磨いてる。そんな乙女なのさ、このガブリアスは。
あとは願掛けに効果抜群の技を半減出来る木の実や、ピンチな時に効果がある木の実、ほんでラムのみを入れたのさ
「ガブ…?フンフン………!!ガァブ!!」
『おー!?ガブリアス!オタチ選手のポフィンをバクバク食べている!?』
ガブリアスががっつくその横で俺はアカマツの作ったハンバーガーを一口食べる。
…あぁ、美味いな…!さすがだ、ソースもよく考えられて作られてる…!俺的にはこのピリッと、そしてアクセントのしぶさがあるこの味が好きだな
「な、なんで…!?オ、オレのハンバーガーは何が良くなかったんだ…!?」
違う。違うんだ…アカマツ。お前のハンバーガーは何にも悪くない。きっと他の生徒が食べたらお前の方に軍配が上がるさ。
でもな…料理は相手に喜んでもらってこそ、なんだよ…
そのとき、セコンドにいたスグリがハッとしてバトル学の先生に走り寄る。
「せ、先生…!もしかしてですけど…!ガブリアスって…【ようき】ですか…!?」
「あ、あぁ…そうだよ…!!そ、そうか!!!」
「ッ!!!」
どーやら気づいたみたいだな…そう…ポケモンには【性格】があってそれぞれ好きな味、嫌いな味があるんだ…そしてこのガブリアスの性格はようき…【好きな味は甘い味】…そして…
「!ア、アクセントのミクルのみは【しぶい】味…!ようきは…【しぶい味が嫌い】…!」
その瞬間アカマツがガクッと地面に膝をつく。
「そんな…いや、そうじゃないか…!性格はバトルに重要…ここブルーベリー学園じゃ常識じゃないか…!それをオレは忘れて…!ただオタチを超えたいだけの一心で、食べる側の気持ちを考えないで……!なにがアクセントだ…!オレは料理人失格だ…!」
…ふむ…なるほどな…
俺は膝をついて項垂れるアカマツに近寄り、ポン、と肩を叩く。
「タチッ、タチタチ、ターチ」
「え?なんだって???」
「わや…その…多分オタチは…アカマツ君もすごいって…言いたいんだと…思う…」
「そうなの…?え、てかスグリ、オタチの言葉分かるの?」
「な、なんとなく…?」
そりゃあもちろんよ、俺はスグリの最初のポケモンだからな。
こちらを見るアカマツの前でハンバーガーを食べ、サムズアップして見せる。大丈夫さ、お前の料理は美味い。俺が保証するぜ!
「…っ、オタチ…オタチさん…!!ありがとうございますッ!!」
泣くなよ。その涙は「美味い!」って言ってくれる未来の客のために取っときな…!
こうして料理対決は幕を――
「決めた…!オタチさん…いえ、師匠!!オレを師匠の弟子にしてください!!」
え???
「オレ、師匠の下で食べてくれる相手を喜ばせられる料理を学びたいです!!よろしくお願いします!!!!」
えぇー…………ま、まじ????
…スグリ…どーしたらいい?????
「え!?あ、あぁいやぁ…お、おれは…えぇと…に、にへへ…!」
あ、おいこら逃げるな!!スグリお前!俺のトレーナーだろうが!!
クソ!こういう時は逃げ足はえーな!!?
………。
はぁ、しょうがねぇなぁ…
こうして俺はポケモンなのに人間の弟子が出来たってワケ。
これでいいのか本当に…???
「ガァブ!!」
お?ガブリアスがワンダフルソーダ飲んだみたいだな…え?レベルが5くらい上がった気がする????
………マジ???
え、知らん…こわ…
◆◆◆
そんな様子を遠くから楽しげに眺める男がいた…
「ふーん…やっぱおもしろいねぃ…スグリのオタチは…」
カキツバタだ。彼はオタチたちに背を向けて歩きながら、ニヤリと笑みを浮かべた。
「さあて…ちょっとだけちょっかい出してみるかねぇ…!」