オオタチですか 作:メガオオタチ
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んあ?あぁ…やべ、寝てた…どうもオタチです…ってなんだぁ?真っ暗じゃねぇか
確か俺は歯磨き粉頭のポケモンたちと戦って…なんつったっけ?ブリ……ブリ…?えーい、ブリ大根でええわ。の一撃でやられちまったんだったか。
なんやねんエレクトロビームって…新技かよ…なんやねんブリ大根(仮称)…なんかジュラルドンっぽい感じやけど…別種か?
いやそれよりよ。ここはどこなんだ???真っ暗で…何もなくて…おわっ、真っ暗なのに俺のモフモフぼでーはしっかり見える。どーなってんの???
え、もしかして死んだ!?嘘だと言ってよ、バー〇ィ!!
………。
いや、シャレにならん!幸い体は動く…真っ暗でもとりあえず…おぉ、歩けるか……
ッスー……これアレか?【なぞのばしょ】か???おいおい勘弁してくれよォ!下手に動いたら出れなくなるやつじゃん!ゲームと違ってレポート書く前なら大丈夫!じゃねーんだぞこっちはァ!!!
…はー…いいや、動けなくなってもいいからとにかく歩くか…せっかくなら…えーまず東に200歩…次に南に256歩…西に63歩…あかんこれダークライの歩数やん。
気を取り直して……フィーリングで歩いてみるか…
そうして俺は1時間ほど真っ暗闇を歩き続けた。だけど行けども行けどもあるのは闇。闇。闇。そろそろめんどくせーのでたんけんセットという名のあなをほるでもしてみるかね?シェイミ辺りに会えたら御の字ってぇ事でな!
そう思って技を出そうとした瞬間だった。
「…―――は、特別なんだ。だから……強いんだ」
っ!?この声は…!?
「おれも鬼さまみたいにかっこよくなりたい」
「もしかすっと強い鬼さまは勝負してると現れたりして……」
「オオタチいくべ!シュバッとぶちあたって!」
「あの……さ!さっきねーちゃんと……どんな話してた……の?」
これ、は…間違いねぇ…スグリの、声だ。
なんだ、どういうことだ…?俺はまだオタチで…オオタチじゃ、なくて…
「おれが鬼さまのことどんだけ好きか知ってるくせに!」
「嘘つき、嘘つき!!」
「まだ負けてない!もう……負けたくない!」
うぉあ!?なんだよ、なんなんだよ…!どうしたんだスグリ!何があった!!
どれだけ声高らかに「タチタチ!」と叫んでも、返事は…帰ってこない。
それどころか聞こえる声は徐々に不穏になっていく。
「どうしてこんなこともできないんだよ!!」
「四天王蹴散らして、チャンピオンになって……」
「いい加減倒れてよ!ありったけ…全部ッ!!ぶつけてんのに!!」
「過去の俺はいらない!だから変わった……変わるんだ!」
聞こえてくる声はどんどん悲痛に、聞いているだけで心が痛くなる。
間違いなくこの声はスグリだ。だが、今までこんな言葉をスグリから聞いたことはない。となると、嫌な予感としては…これから先、起こる未来…?なのだろうか。
………。
これが、こんな悲痛な声を上げるのが未来のスグリだと?ふざけんじゃねぇ…!
おい!誰だ!俺にこんなふざけた悪夢みたいなもん聴かせてるのは!!ダークライか!?おぉん!?てめぇ映画でCVが石坂〇二だったからってちょーし乗んなよ!!!カッコよかったぞコンチクショー!!
「ゼロの秘宝……どこだ!?」
「ゼロの秘宝さえ手に入れれば……」
「俺には、もう…これしか……!!」
「テラパゴスさえ……ゼロの秘宝さえあれば……」
………!
ゼロの秘宝…!?テラパゴス???なんかヤバそうな単語が…
てかぜってぇやべぇ。俺の中のインディー・オタチ・ジョーンズが「ン、怖っ」って言ってるもん!てかそういう【ナントカの秘宝】とかってどのRPGでもヤバかったりするじゃん!
とりあえずこの闇から抜けねぇと…!スグリの闇堕ちだけは回避しねぇと…!!
うっし!ここから出るためにもあなをほるやるか!!!!どっかには出るだろ!!!
【オタチ の あなをほる!】
え、マジで掘れる感覚するんだけど。キッショ…
◆◆◆
一方そのころ。ブルーベリー学園。
「この度は我が愚孫が申し訳ないことを……!!」
校長室では白い髭を蓄えた逞しい肉体の老人がスグリに土下座していた。
「わ、わや…ええと…その、えっと…」
「ま、まぁまぁシャガさん落ち着いて…スグリ君も戸惑っていますし…ね?ね?」
「むぅ…シアノ校長……分かった」
シャガ。イッシュ地方ソウリュウシティジムリーダーにしてカキツバタの祖父。彼は今回の事件を学園側から連絡を受け、急ぎ馳せ参じたのだった。
あれから1日。オタチはスグリの部屋のベッドの上で眠るように目を覚まさない。学園常駐のポケモンドクターによると、『夢を視ている状態』に近いとのことだが、原因は不明のままだった。
「校長。今回の件、愚孫には厳しき沙汰を…!退学通知の上しかるべき機関へしょっ引いても…!」
「い、いぃ!?あ、あの、た、確かにおれのオタチは今こんな状態だけど…そ、そこまでは…」
「いいや!スグリ君!我が愚孫にはそれでも軽い!!!あやつはもう3度も留年しておってだな…!」
「わ、わや…で、でも、今はカキツバタ…さんとねーちゃんとアカマツで俺の部屋でオタチを看病してくれてて…」
それだけでない。騒ぎを聞きつけた食堂のスタッフ、タロやネリネ、スグリのクラスメイト達も見舞いや看病に来ていたのだ。
「そ、それにチャンピオンだから、いなくなられると…困るなって…」
「むぅ……!ぐぬぬ…!思うてくれる後輩がいながらカキツバタはァ…!!」
さて、とにかくシャガがブチギレる部屋の空気とは打って変わってスグリの部屋では、めずらしく心配そうな顔をするゼイユがオタチの頭を撫でていた。
「起きなさいよ…オタチ…アンタが起きなかったらスグはどうなっちゃうのよ…アンタ、スグのパートナーポケモンでしょ…?」
さらにその横では、シャガからの一撃を喰らって右頬が2倍ほど膨れ上がったカキツバタがしおらしくしていた。
「…カキツバタ、アンタがやったこと、許さないんだからね…」
「あぁ…分かってるさ…オタチにもスグリにも…申し訳ないことをした…」
軽い気持ちで手合わせもつもりだったが、最初に決めた通り1対1で止めておけばよかったのだとカキツバタは深く後悔していた。このままオタチが目覚めなかったら―――
「…チ」
「っ!」
「!?」
ふと、聞き覚えのある声がした。
「オ、オタチ!!?」
ゼイユはオタチをがしっと掴み、ぶんぶんと揺らして、問いかける。
「今!今喋ったわよね!!?ねぇ!?起きなさいよ!!!!」
「お、おいゼイユそれはさすがに…」
「うっさい!!歯磨き粉頭!!!!手ェ出るよッ!!!!!」
「あ、はい…って、あ」
「へ?」
ゼイユが素っ頓狂な声を上げた、次の瞬間だった―――――
◆◆◆
見えた!見えたぞ一筋の光ィ!!
【オタチ の あなをほる!】
「ヘブゥッ!!?」
お?なんか当たった???
あ、どうもオタチです(二回目)。さぁて今度は帰れたかな???
いや、あれからなぞのばしょであなをほるしてたらいろんな場所に行ってよォ…すてられ船とかトキワの森とかもりのようかんとかもどりのどうくつとかさ…これで32回目のあなをほる…なんだが…?
ん?空中に浮いてる?アレ?俺の拳が見覚えある人に刺さってる?
だーれだ!!
It's Pikachu!!!(不正解の音)
「ア・ン・タ…ねぇぇぇぇえええ!!!!!」
ファアアアアアアアアアアッ!!!!!?????
ゼイユ!?ゼイユナンデ!?
「人が心配してあげてたのにいきなり乙女の顔面にパンチとかどういうわけ!?こんのォォォオ!!!」
ぎゃあぁぁぁあ!?ギブギブギブ!!伸びない方向に体を引っ張らないで!!!イテテテテ!!!おい!歯磨き粉頭!ポカンとしてねぇで助けろ!!!
「お、あ、オイラ急いでスグリとかを呼んでくるぜ!!!」
ちょっと待てぃ!!行くな!カキツバタ!!いや、行かないでください!!待って!助けて下sいだだだだだだ!!!?こンの握力ゴリランダー女がアァァァ!!?
5分後、慌てて走ってきたスグリたちが止めに入るまでの間、俺はゼイユに様々な関節技をキメられ、満身創痍となっていた。
「オタチ…!よかった…目を覚ましたんだ…!」
よくねーよ!!く見ろスグリ!!俺今頭にアイアンクローされてんだぞ!!助けろよ!!!!
「…こ、これは…?ぶ、無事といっていい…のかね?」
おうそこの白髭のじーさん!助け……って、なんかお前見たことあるnあががががっがががっ!!?待って!ゼイユさん!一回!一回降ろしてください!話せばわかりますって!!オゴゴゴゴッ!!???
と、頭部を破壊されたものはし、失格となるゥゥゥゥゥゥッ!!!!
メキョッ!という音と共に俺の意識はまた、消えるのだった。
生憎と、シリアスは苦手でしてな