オオタチですか   作:メガオオタチ

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第25話 反省会…そして再会という名のエンカウント

 

 テンテンテレレン!おまちどうさま!お預かりしたポケモンたちは(肉体面は)すっかり元気になりましたよ!

 

 ………メンタル面?知るかコンチクショー

 

 あー、どうもオオタチです。今、自分のモンスターボールの中にいます。

 

 えー、負けました。

 

 原因はじゃくてんほけんによる火力上昇、および、テラスタル現象が、えー、作用しているものと、えー、思われます。

 なお、関係機関(俺自身)が目下テラスタルについて調査中ですので、そちらの見解が上がり次第、えー、秘書(俺自身)と資料を作成し、記者会見を開きたいと、えー、思っております。

 

 さて、言い逃れ用国会議員ムーブはこれくらいにしてだな…

 

 あんなもん勝てるかー!!

 攻撃2段階上昇かつタイプ一致ワザァ?んーで多分だけどテラスタルってタイプの強化をするものじゃないか?だとしたらタイプ一致が更に補正入って……そーらワンパン決まるわァ…

 

 はー…せめてこっちもテラスタルできねぇかな…いや、したとして一発で倒せるか?全力全開絶好調の時でなら………うーん…いけっかなぁ…分かんねぇなぁ…

 そもそも論としてパオジアン倒してもまだ相手に手持ちがいる。パオジアンに全部出し切っても次でやられてあぼーんってなもんよ。アカンやん。

 

 

 じゃあどーやったら勝てるか。

 

 

 ………ぶっちゃけていい?やっぱし性能の差じゃね??????

 よく考えてもみなよ、ポケモンには個体値っつーものがあってパオジアンこと準伝説さんと俺オオタチの個体値はぜーんぜん違うわけ。OK?OK!自慢のワザ(以下略)

 ま、もっと俺流にわかりやすく言うとだな?一般兵士のザ〇Ⅱでアム〇のガン〇ムとタイマンで戦って勝てるか?ってなもんよ。無理だろ?そゆこと。

 

 はー…そろそろ…俺は潮時かねぇせっかく進化したのによ…スグリ。ちゃんと600族のポケモンを捕まえるんだぜ…

 

 よし、反省会終わり!ムサシとコジロウとニャースも「クヨクヨタイムなんて5秒でじゅうぶん!」って言ってたしな!!!!!よし!!!

 

 と、気合を入れなおしていると、モンスターボールから出される。おん?どしたんや???ここじーちゃんの家やん???

 

「あ、オ、オオタチ。その、お祭り、アオイと今日からだから行こうってなったんだ…!にへへ…」

 

 おん、さよか。ちゃんとおこづかいは持っていくんやで。

 

 …おん??????????

 

 は!?アオイと?????お、おめぇ、え?ん???

 

 まじ???

 

 

 

 

 

 

 

 30分後。

 

 

 マジでした。

 えー、夕陽が傾き、赤紫から黒へと空が塗り代わり、月が上るころ、お祭り用の甚平を着て楽しそうにするスグリとアオイと…ゼイユがいた。なんでお前もおんねん。

 

 ともっこのお面まで付けちゃってさぁ…はーもう…あんだけボコされたってぇのによく仲良くできるなぁ…俺の心が狭いのかねぇ…トシ食ったってこと?いやん。まだまだピチピチのオオタチよん???

 

 ま…スグリ本人が楽しそうなら…ええか…闇堕ちなんかよりは遥かにいい。

 

 …………。

 

 

 リンゴ飴食べたり焼きそば食ったり…ホンットーに日本のお祭りじゃぁないですか。やっぱり名称的にキタカミは日本モチーフな場所だな。都道府県で言うとどこらへんなんだろ?リンゴとかあるし…青森県とかかね???

 

「アオイ、りんご飴、あげる…!」

 

「いいのスグリ!?ありがとう!」

 

 

 …………。

 

 

 

 

 ごめん、うじうじするの良くないと思うんだけど俺今アオイと一緒にいられねぇわ。仲良くしてるスグリも…うん、スグリは仲良くすればいいんじゃねぇかな。

 スグリにもニンゲンの友達は大事だしな。ポケモンの命ってぇやつァ例外を除けばニンゲンよりも短いしな!オオタチの寿命はいつか分からんけど。

 

 

 

 そんなわけでお祭りの混乱に乗じてドロン!でござるよ!!ゲルマ〇流忍術を使えば一瞬よォ!フハハハハ!シュツルム・ウント・ドランクゥッ!!!

 俺も俺でお祭り楽しんじゃうもんねぇ!!!

 

 

 

 

 さぁてお祭りと言えばですぜ?みんなどこいく?スーパーボールすくい?わたあめ?かたぬき?なんかよくわからんツイストポテト?

 

 違う…違うんだよ…!遊び方が下手…!下手っぴさ…!

 

 俺は…!

 

 【射的屋】一択…!!まァ…見てなって…!

 

 用意しておいた黄土色の腹巻をして、サングラスことくろいメガネをかけ、さっき食ったタコ焼きのつまようじを咥えた俺は射的屋の前にザッ…!とその姿を現す…腐☆腐☆…!

 

 

「いらっしゃ……ってオオタチ!?すっごい何とも言えない恰好をしてるけど…え、あ、誰かのポケモンかな?…迷子、なのかな?」

 

 店番のねーちゃんに優しく諭されるが俺ァ迷子じゃねぇぜ…客だ…!

 その意志を見せるために俺は台の上に500円を置いてやった。

 

「お、お金!?もしかして射的やりたいの?」

 

「タチィ」

 

 おうよ!さァ…鉄砲よこしな…!闇のゲームの始まりだぜ!!

 

「うーん…ま、まぁいっか…じゃあはいこれが銃で、このコルクが弾だよ撃ち方は――って、え?」

 

 説明中に鉄砲と7発分のコルクの弾を受け取った俺は素早くコルクを装填し、クイックドロウの要領で手前のラムネ菓子の箱を『パァンッ!!』と撃ち倒し、地面に落としてやった。

 

 よし、まずは1つ!

 

 フゥッ!まだまだ俺も鈍っちゃいねェな…!

 

「え…?え?」

 

 店番のねーちゃんが驚いてるが、とりあえず無視。コルク弾はあと6発…次に狙ったのはキャラメルの箱。上部分の角を狙うのがオススメだ…!そこだ!うかつな奴め!

 

「ま、また落とした…!?このオオタチ…何者なの…!?」

 

 2つ!

 さらに俺は快進撃を続けていく。

 

 

「あぁっ!!花火セットが!?」

 

 3つ!

 

「ピッピにんぎょうが!?」

 

 4つ!

 

「サイコソーダが!?」

 

 5つ!

 

「パンチグローブが!!?」

 

 6つ!

 

 フッ…圧倒的じゃないか…!我が射撃センスは…!

 さぁて、7発目は…!む?

 

「うぅぅ~…!」

 

 おっと、オオタチとしたことが…周辺を見てなかったな。ちらりと横を見れば…5歳くらいの少年が目に涙を浮かべながら必死に何かのヒーロー物の変身ベルトを狙っていた。

 むぅ…欲に忠実なのはいいが…あーゆーのはさすがに無理があるぜ?坊ちゃんよ…ホレ、後ろのお母さんも困っていらっしゃるぜ?

 

「ね、ねぇ、お隣のオオタチさんみたいにキャラメルとか…ラムネとか、狙わない?」

 

「ヤダもん!変身ベルトが欲しいんだもん!!」

 

「こ、困ったわねぇ…」

 

 そうこうしてるうちに坊ちゃんの弾は残り1発…お母さん曰く、「これが最後だからね?終わったらお社の方に行かなきゃだから…」との事…フゥム…

 

「う、ううぅぅぅ…!」

 

 ボロボロと泣き出す少年…はぁ、仕方ねぇ…ここは【夏祭り射的のロックオン・スト〇トス】と呼ばれた俺がいっちょ肌を脱いでやるか…!

 

「タチ」

 

「あら?」

 

「うぅ…え…?オオタチさん…?」

 

「タチタチ、ターチ…!」

 

 少年の横に並び、狙っているベルトに俺の銃を向ける…ホラ、俺も残弾1、少年も残弾1。文字通り一回限りの共闘だ…!タイミング合わせてやるから銃構えな…!

 

「もし、かして…一緒に、狙ってくれるの…?」

 

「タチ」

 

 おうよ。夏祭りの楽しい空気にチビッ子の涙は似合わねぇぜ…オラッ、いつまで泣いてんだ!ベルト、欲しくねぇのか?

 オオタチに進化して長くなった尻尾で少年の背中をぺしぺし叩く。少年はぐしぐしと涙をぬぐって銃を構える…さぁて…!

 

「い、いくよ…!3…2…1…」

 

 狙い撃つぜ…!

 

「ゼロッ!!」

 

 ほぼ同時に引き金を引き、それぞれの銃口から発射されたコルクの弾は変身ベルトの箱の中央と右上の角に当たる…!箱は前に後ろにぐらりと揺れ…!そして…!

 

「タチィ…!」

「あっ、ああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 ドサリと地面に落ちる…!見たか…!これが…!ソレ〇タルビーイングだ…!!

 

 まさかの事態にぽかんとする店番のねーちゃんにタチタチと「はよ景品寄こせ」と催促すると、ハッと我に返ってあわあわする。

 

「お、おおお、おめでとうございます!?こ、こちら景品の変身ベルトです!!」

 

「や、やったぁ…!!ありがとう!オオタチさん!」

 

 ヘッ、いいってことよ…

 ニコニコ笑顔で受けとる少年…フッ、やっぱり夏祭りは笑顔じゃなきゃあな。あ、そーだ。少年。この花火もやるよ。あとでかーちゃん達と楽しむんだぞ。

 

 ニコニコ笑顔の少年と、ペコペコお辞儀をするお母様、そして未だちょっと茫然とする店番のねーちゃんを背に、俺は手に入れたラムネとキャラメル、そしてサイコソーダをかっ喰らうため、人気の無い……社の横から上に続く石段を登っていく。

 

 

 はーっ……良い事するってぇのは気分がいいな…金儲けと同じくらい最高だァ…!

 今度お祭りに出店出そうかな?結構儲けれると思うんだワ。

 

 さぁて、風が気持ちよく当たるここくらいでいいだろう…お?おあつらえ向きにベンチがあるじゃん!いいねぇありがたく使わせてもらうぜ!

 うっし、サイコソーダ開封の前に戦利品のラムネをまずは一口…んーちょっぴり酸っぱいけど甘くてうめぇ!

 

「ぽに!」

 

 おん?おめぇも食いたいの?しょうがねぇな、ほれ。

 

「ぽに♪ぽにおー!」

 

 そうだろう?甘酸っぱいものはそれだけで趣があるからな!

 へへ…ちなみにだが…こっちのキャラメルあるだろ?ちょっとお行儀は悪いがこうやって…キャラメルにラムネをねじ込んで包んでだな…!ほんで食べる!

 

「ぽに!……ぽー!!」

 

 そうであろうそうであろう!キャラメルの甘さの後にラムネの酸っぱさがより引き立つだろう!こーやって組み合わせて食べても美味しいのが駄菓子のいいところだな!

 

「ぽにぃ~♪」

 

 はっはっは!で、ところでさ?

 

「ぽ?」

 

 

 

 

 

 久しぶりやな鬼さま。なんでお前ここにおるん????????

 

 

 

 

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