オオタチですか 作:メガオオタチ
カラフシティの中央にあるバトルフィールド…ここに1人と一匹が対峙していた。
「こ、これより、カラフシティジムリーダーハイダイと…挑戦者の…えぇと…オオタチ…で、いいんですよね…?のジム戦を開始します!使用ポケモンは3体。どちらかのポケモンが先に全て倒された時に、勝敗が決定します」
この審判人にとって、ジムリーダーに挑むチャレンジャーを何人も見てきたが、さすがに人間以外のチャレンジャーを見るのは初めてであった。
しかも…
「おいあの挑戦者のオオタチ…なんでバトルフィールドにおでん屋の屋台を持ち込んでるんだ?」
「くそっ…出汁のいい香りがする…!」
「お前らまだ食ってなかったの?ネコブのみの出汁が効いててめちゃくちゃ美味いぜ?」
こ れ で あ る 。
対戦する姿勢自体はあるのだが商売もしている。そんな姿に観客を含めた全員が困惑していたのである。
「ええっと…初めても…いいんですかね…?」
「う、うぅむ…いいと…思うんだい。よし…!いけっペリッパー!!」
そうして繰り出されたペリッパーをちらりと見たオオタチは懐からモンスターボールを3つ取り出し、ポケモンを繰り出す。
「なっ!?チャ、チャレンジャー!!ジム戦は1対1です!!それ、を…?」
が、繰り出したのだがあくまでそれは屋台に向けて店番として。今回の店番はメガヤンマ、イイネイヌ、キチキギスの3体。みなオオタチと同様にねじり鉢巻きを頭に巻いて、黄土色の腹巻を巻いていた。ちなみにウッウは店番においては戦力外と判断された。
「…タァチ、タチタチ!タチッ!!」
そしてオオタチはというと、ねじり鉢巻きを取っ払い、青と白のジャケットを身に纏い、緑色のリュックを背負い、頭に緑色の「ム」のようなマークが書かれた赤と白の帽子を被ったかと思えば、そのつばを後ろに向けながら最初のポケモン、マシマシラを繰り出した。
◆◆◆
…いくぜ、マシマシラ!君にきめた!!
「マァシシシシッwww」
あ、どうもオオタチです。いやぁついに初のジム戦だ…!!相手はペリッパー…ふむ、水タイプのジムリーダーかな…いやぁでもねぇペリッパーといえば雨パっすよ、ま、最初のジム戦なんでそんなガチガチな感じじゃないんで――
【ペリッパー の あめふらし】
【あめが ふりはじめた!】
は?おん???なんや????俺の超ウルトラ国宝級プリチーフェイスにポツポツ落ちてくるこの雫は……?
【あめが ふりはじめた!】
ファアアアアアアアック!!!!??
コイツガチかよォッ!?おまっ、初のジム戦が雨パァ!?い、嫌でござる…!メガラグラージ(サン・ムーンのトラウマ)とか、ウオノラゴン(剣盾のトラウマ)とか、カイオーガ(ずっとトラウマ)とかッ!!絶対にいやでござるッ!!!ンンンンッ!!!ヌッころすッ!!!!
先手必勝、雨の時間稼ぎや…!マシマシラ!ねこだましッ!!
「マシッ!!」
「ペリッ!?」
マシマシラが素早く接敵してパシィンッ!!とペリッパーの目の前で柏手を打ってねこだましを決める。そうするとぐらりと隙が生まれる…!!ゲームじゃひるみは1回休みだが、ここはゲームじゃねぇ、大きな隙だ!畳みかけさせてもらう!
「タチッ!」
ヘドロばくだんッ!
「マァッシッ!!」
マシマシラがチャクラを練るがごとく生み出した毒の爆弾は見事に直撃し、爆ぜる。
「ウォー!なかなかやるんだい…!ペリッパー!ぼうふう!」
「ペ…ペリッ!!」
おいおいぼうふうといえば雨の時に必中のワザじゃねぇか…!クッソ…くさタイプ対策に仕込んでやがったのか…!避けれるか!マシマシラ!!
「マッ…マシギャッ!!」
ペリッパーの両翼から生み出されたぼうふうはまるで竜巻のように荒れ狂い、それから逃れようとしたマシマシラは風の勢いに耐えかねてバランスを崩してしまう。そこにぼうふうが当たってしまう。
くぅ…!さすがジムリーダーさんってぇかよ!!やっぱ天候を上手く使えるトレーナーってぇのはどこでもつえーのな!!
…だったらこっちは搦め手で戦うまでだ!不正やズルは得意だからな!!おーし…
マシマシラ!すてゼリフ!!いったん交代だ!!
「マシシッ!マシマシ、マシシッwマァーッシッシッシッwwwww」
さて、およそマシマシラが翻訳後の言葉を載せられないレベルの汚ねぇすてゼリフでリターンしてきてくれた。まぁうん、ええんやけどね…ちょっとオオタチびっくりしちゃったよ。ってことはあのレベルの事はポケモン同士でも言ってええんやなって…勉強になるわ。
よぉし、次は頼んだ!ダーテング!!
「ダダッダー!!」
ん?さっきぼうふうされたのになんでくさタイプのダーテングかって?ま、見てなよ…
「むぅ!?今ぼうふうを見せたのにくさタイプ…!?いやしかしここは…もう一度ぼうふう!!」
ヘッ!来ると思った!ダーテング!みがわり!!
「ダダッ!!」
直後ニンジャよろしく変わり身の木の丸太が現れ、ぼうふうに直撃する。そしてみがわりは消えてしまう…が、まだまだこれからよ…!ダーテングッ!!
もう一度みがわりだ!
…ン?何してんのかって?そりゃあお前……雨ターン枯らしてんのよ。OK?OK!(以下略)
ゲームじゃ持ち物を持たせない限り5ターンで終わる雨、じゃあゲームじゃない今俺がいるところはどうなのってぇと…まァだいたい3分ってとこだね…そりゃあそうよずっと雨が降っちゃあ異常気象。お家の洗濯物が乾かないでしょ!って母ちゃんに怒られちゃうもんな!
だからこその遅延戦法よ。TODはなくとも時間は確実に過ぎる。となりゃあ雨は…!
【あめが ふりやんだ!】
ホレ見ろォ!いやぁ待ってみるもんだねぇ!ありがとさんダーテング!俺好みのセコイ戦い方が出来そうだぜ!さぁて…!がんせきふうじだ!!やっちまいな!!
「ダァーッ…ダッ!!」
「ペリッ!!」
「うおぉ!ペ、ペリッパー!!」
お見事命中!!ペリッパーはがんせきふうじに撃ち落されて戦闘不能になっちまう!
いやあこっちとしては雨も降りやんだからバンバンザイってなもんよ!さぁて次は…?
「ウーム…!ここは競っていくんだい…!ケケンカニ!」
「カァーニッ!!」
にゃにぃ!?えぇとえぇと…たしかケケンカニってこおりとかくとうタイプ…だよな?このハイダイのおっさんがみずタイプのジムリーダーだからって慢心しちまってた…!!
くそっ!お前もタイプ詐欺かよ!!なぁデンジ!!お前もでんきのくせにオクタン出しやがったもんな!!!
さぁてそんなことより困っちまった…!こおりタイプが来やがるか…物理型だからアイスハンマー辺りをぶち込んでくると想定して…あいや!第二タイプがかくとうだからじんつうりきでしかけるか!!おし!ダーテング!じんつうりき――
と、その時、俺はハイダイが持つ黒いボールのようなものを見た。あれは―まさか―!!!
「そろそろぶっこみ大変身!水もしたたるいいポケモン!ケケンカニ、テラスタルッ!!!」
なんだとぉッ!!?
眩い光が黒いボールを包み、ケケンカニをキラキラとした結晶で包んだかと思えば
「ダーッ!」
よし…!こうかはばつぐ――
「ケケンカニ!つっこんでアイスハンマーなんだい!!」
「カァァァニッ!!」
んんッ!!?
なんとじんつうりきを受けながらもケケンカニが突っ込んでくる!?ば、ばかな…!こうかはばつぐんのはず……!!いや、待てまさか…あの時アオイのパオジアンはこおりが強化されてた…それは既存の『存在するタイプ』のみが強化される、すなわち『技の威力が上がるもの』と思っていた…!だが…!!
「ダッ…!!?ダァーッ!!!」
ッ!しまった!
戦いの最中に考え事をしちまうのは良くなかった…!ダーテングはアイスハンマーをもろに受け、こうかばつぐんで――
「ダ…!!」
ボロボロで片膝をついていたが倒れはしなかった。こうかばつぐんなのに…!
あぁ、これでハッキリした…そーゆーことかよテラスタル…!!!
テラスタル、お前…ポケモンのタイプを書き換えてやがるんだな?
はーっ…面白れぇ…面白れぇぞ!!テラスタルッ!!タイプ相性を変えられる?すなわちこうかばつぐんのワザを受けなくすることも可能…!?なんだ最高じゃねぇかよ…!!こりゃあますます欲しくなったぜテラスタル…!!
で、さっきのアイスハンマーが受けきれたのはケケンカニがこおりタイプじゃなくなってタイプ一致がなくなったからだと推測される。なるほど…逆にこおり・かくとうじゃなくなったから向こうはエスパータイプのじんつうりきを受けきれたってわけね…
おーし…大体わかった。オオタチは学習する生物タチねぇ!(たぶんそう部分的にそう)ともかくここは戻れダーテング!!ありがとさん!
さぁて…タネは分かった…こっからは巻いていくぜ!ニョロボン!!
「ボォンッ!!」
ここまで俺たちは誰も戦闘不能にはなってねぇが…体力がギリギリなのは変わりない。手負いのケケンカニとまだ見ぬ一匹をできればニョロボンで押し切りたい。
ならばここは…一番威力が安定しててデメリットの無い…!
ニョロボン!ドレインパンチだ!!
「ボンッ!!」
相も変わらずその巨躯からは想像できない速さでケケンカニに接敵してドレインパンチを真正面から叩き込むニョロボン。あいつドラゴン○ールの世界から来てねぇかなってたまに思う。
そうしてじんつうりきでの手負いもあり、打ち抜かれたドレインパンチの拳もあってケケンカニ、撃破…!さぁて残る1体はなんじゃろね…!!気を抜くなよ!ニョロボン!!
「ボン…ッ!!」
「ガッハッハ!潮は 引いて 満ちるもの!こっから怒涛の追いこみ漁よ!ウミトリオ!出番だ!!」
ほうほうウミトリオ…初耳だな…一体どんな奴が……えっ
そこにいたのは…なんと…赤く、空に力強く伸びる3本の……TINTINだった。
またかよ!またTINTINかよ!!!なんやねんウミトリオって!!TINトリオやん!赤いからますます…って言わせんなや!!!!
いや、まて。よくない。よくないぞオオタチ。
このポケモンが推しの人がいたらどうする?こうやってTINTINって言われることが嫌かもしれん。いかん。いかんよTIN差別…じゃなくてポケモン差別は。OK?OK!じまんのTI……アッハイスイマセン…
おし、もう、アレだ。これ以上戦ってるとTINTINしか頭に浮かばん。ニョロボン。早々に何とかいたせい。
「ボンッ!?」
いやぁだってさ…なんつーか…もういま頭ん中が小学生レベルなんよ。TINTINとかウ〇コだけでゲラゲラ笑えるキッズ脳なんよ。
だから……お願い…!
世界(俺の頭の中)の平和のために…アイツを討って…!!
「ボ、ボン…」
ってなわけで攻めていけ!!インファイトだ!!
「ボンッ!!」
「させないんだい!!ウミトリオ!トリプルダイブ!!」
「ミギュギュ!!」
おっと、こっちの攻撃に合わせて相手も攻撃か…!!おそらく三連打の攻撃が来るぞ!!みずの物理で3回攻撃…あーやだやだ…すいりゅうれんだを思い出しちゃうね!!
「ボォンッ!!」
「ミギュッ!!」
フィールドではニョロボンとウミトリオがかち合い連打の応酬となっていた、あれじゃな俗に言うオラオララッシュ。が、ニョロボンは二本の腕、ウミトリオは3本のTIN…じゃなくて…なんだ?身体?で殴ってくりゃあちょいとニョロボンの方が劣勢かね…!かくなる上は…!!
「タチッ!!」
「ボンッ!?」
「タチッ、タチタチ!タァチッ!」
「…!ボンッ!」
おし、これでいい…!俺の言葉の後、ニョロボンはインファイトをやめ、ビルドアップの構えを取る。当然その間もウミトリオの攻撃は続き、ニョロボンはダメージを負っていく…!だが、まだ、まだだ…!
「なにかを考えているんだな…だが!ここは早めに決めさせてもらうんだい!ウミトリオ!ギガインパクト!!」
…!来るぞ!!ニョロボン!!
迫るウミトリオにビルドアップの型を解いて備える…まだだ、まだ引きつけろ…!!
今だ!きしかいせいッ!!!
「…!!ニョロ…ボンッ!!!」
「ミギュッ!?」
ニョロボンにギガインパクトが命中するその直前、横から殴りつけるようにウミトリオを3本まとめてきしかいせいの一撃を与える、そうすりゃギガインパクトの機動が反れてニョロボンには当たらずさらに大ダメージってなもんよ!!
「ウ、ウミトリオ!!」
地面に転がったウミトリオはピクピクと戦闘不能状態となっていた。かわいそうに、俺も男…ってかオスだから同情するぜ…タマの部分じゃなくて棒の部分を殴られたとはいえ痛いだろうからな…
え?何の話かって?おい言及すんなって!PTAに怒られちゃうだろ!!!
「ウミトリオ戦闘不能…!チャレンジャーの勝利です!!」
はいはい審判さんありがとうねぇ!!空気の切り替えとしちゃあナイスタイミングよ!!
さぁてそんなわけで俺たちは1つ目のジムを突破!!丸くて雫の書かれたバッジとわざマシンを受け取ってそりゃあもう大満足ってなもんよ!!!
お?店番の売り上げもいいみてぇだな!!おーし今日は初ジム戦勝利を祝ってパァーっといこうや!!ガーッハッハッハ!!!!
《次回予告》
♪~(孤独なSilhouetteな歌のBGM)
オレンジアカデミーってのを目指して歩いてるとなーんかヘンなテントにヘンなヘルメット、ヘンな星形のサングラスを付けた少年少女を見つけちまったよ。
なんだいなんだい最近はそんなのがファッションの流行なの?俺はご遠慮願いたいね。
と、思ったら『スター団』って名乗ってるじゃないの!もしかして今作の悪の組織?
ヒューッ、初代のマフィアと比べて随分可愛らしくなったじゃない!
…アイテ!?なんだこいつ等!俺たちに喧嘩吹っ掛けてきやがった!!
ンのヤロォ!俺がホントのカチコミってのを見せてやるぜ!
次回、『オオタチ、カチコミで大暴れ!』でまた会おう!
◆◆◆
一方マリナードタウン…
ある
「あれぇ…?ヘンだなぁ…確かにマリナードタウンから
少女は少し考えたあと、ニヤリと笑った。
「でも…近いね…!もうすぐ、もうすぐ戦えるよ…!!」
……続く…!