オオタチですか 作:メガオオタチ
『ヤンヤンマ、戦闘不能!』
どういう、ことだ…?あ、どうもオタチです。
今わけわかんねぇことが起こってます。がんせきふうじに被弾していないヤンヤンマが戦闘不能!?どーいうことだってばよ
「ヤンヤンマ…!くっ…ドリルくちばしさ受けたから…!!」
ナニィ!?どういうことだスグリ!!目が見えてねぇがヤンヤンマがドリルくちばしを受けるタイミングなんて…!!ビデオ判定!ビデオ判定を要求する!!
第5話より
【 なに?「拳を振りぬくベストなタイミングを指示するから信じて打て」って?
ンだよお前はやる気かよ!…ハン、わーったよ!!任せたぜ!相棒ォ!!
「…エアームド、ドリルくちばし」
そのままヤンヤンマは驚異的なスピードを維持しつつ、がんせきふうじをきりもみ回転しながら次々と、途中でガクンとなるがどんどん回避する。目が見えていなくても、音で多くの岩が飛んできていることが分かるほどだった。】
…………。
【「…エアームド、ドリルくちばし」】
あったわ。
ついでに言うと途中でガクンとなったあの瞬間にダメージ受けてたのか………それなのにヤンヤンマ…お前、俺を運んでくれたんだな…
「ヤン…ヤンヤ…」
…なに?「スグリのために勝利を」って?
…ったりめぇだろうが!!よくやったぜ相棒ォ!!ここからはこのオタチ様に任せなァ!!
スグリが苦い顔をしてヤンヤンマをボールに戻す。
さぁて、こっから第二ラウンドか…いや正直きちぃな…目が見えてねぇ俺かつ、有効打がほのおのパンチ。でもてっぺきで防御が上げられてる。んで、あと一撃喰らえば俺もダウンしちまう。と思う。
オイオイオイ、詰んだわ俺。ごめんヤンヤンマ、無理かも
「…時間です。終わらせましょうエアームド。はがねのつばさ」
「エアァー!!」
「!来るべオタチ!!」
ンンッ、オジヒィ!!
クソッタレ!!どーすりゃいいんだよ…!!
「オタチ!ほのおのパンチ!!」
無茶言うなァ!!目が見えてねーんだぞぉ!!
「お、おれを…おれを信じて…!!」
―――。しょうがねぇなぁ…1回だけだぜ?
すぐさまほのおのパンチの用意をし、拳に炎を宿らせる…耳をすませば空の風を切る翼の音が聞こえる…が、正確な位置が分からねぇ…!
「今だ!ほのおのパンチのまま回転!!」
ファッ!?…あーね、当たらねぇなら当たるまで振りぬけばいいって意見ね???随分脳筋な考えじゃん?よぉし…それじゃあ見せてやるぜ…!!
拳をギュッと握りしめ、炎を宿す…!そしてそのまま回転を始めるッ!!
「タチィィィッ!!」
ファイ〇トルネードッ!!
………シュート技じゃないから別の名前のがよかったかな。まぁええやろ。男の子ってぇのはなぁ?いつだってファイ〇トルネードとかゴッ〇ハンドとか〇スゾーンとかに憧れるイキモノなんだよ憶えとけ…だが、間違ってもバ〇ニングキャッチには憧れるなよ?いいな?
回転しながらエアームドを迎え撃とうとする俺……と、次の瞬間――ッ!!
ゴッッ!!!と鈍い音がかてぇ何かに当たる。やったぜスグリ!!多分鍔迫り合いくらいにはなってるよ!今!!
「け、けっぱれ!オタチ!!!負けるな!!!!」
分かってますって!!ここで負けたらヤンヤンマの頑張りが無駄になるじゃないですか、そんなことさせませんってェッ!!!
ギリギリと目が見えない状態でほのおのパンチとはがねのつばさが競り合う中、エアームドは少しずつ自らの体重をかけて押し切ろうとしてくる
「エァア…ッ!!!」
あ、どーもエアームドさん。お互い大変っすね…いやぁ、まーさかこんな試合になると思うてませんでしたわ…ところでなんすけどね?
「エア?」
オタチのお手手って2本あんねん。(あたりまえ)
「ゥオタチァッ!!!」
「エァッ!?!?」
ドゴオッ!!と俺の左手のゴッドフィ〇ガー(ほのおのパンチ)が唸ってエアームドの翼の根元を捉える。こーすることで隙をつくるか軌道を逸らすってぇ寸法よォ!!
あん?目が見えないだろって?フィーリングよフィーリング。基礎からの応用って大事だろ?こう、明鏡止水の境地に至ればエンヤコラサー!の感じね?
はがねのつばさの力が緩み、右手のゴッドフィ〇ガー(ほのおのパンチ)でも押し切れるようになる!オタチだってやれば出来るんだよォ!!!
ボッ!!
「エァ…!!!」
ん?なんや今の
「よし…!!やったべオタチ!!やけど状態だ…!!」
あーね。やけど状態の音ォ!って奴か。憶えとこう。
いやしかしやけどを引けたのはデカくてですね?攻撃半減ってぇもんだぜ!!いや、次の鍔迫り合い来たら流石に負ける自信はあるが。
さて、今の内にお目目をちょいと擦って…イテテ…!眼球に傷が入るかもだから皆は目薬使うか、眼科に行こうな!!オタチとの約束だ!!
…するってぇとアレか、【※よい子は絶対にマネしないでください】って書いとくべきか。最近PTAうるさいもんな、OK、把握把握。
なんとか見えるようになったお目目で見てみれば、エアームドもボロボロ。そりゃそうか。てっぺきで防御上げても痛いものは痛いもんな
…俺だってさっきので鍔迫り合いだったからダメージは軽減してたがそろそろ足が限界。まぁ、次が最後の殴り合いか…
「想定外…オタチにここまで時間がかかるとはネリネも思っていませんでした」
「お、おれも…にへへ、でも、頑張ってくれてるオタチがカッコよくて、大好きだ」
…嬉しいこと言ってくれるじゃん。
はぁー………やめてよね、そんなこと言われたら是が非でも勝ちたくなるじゃねぇかよ…!
オラァ!エアームド!!!最後の戦いだ…!全力で来いや!
「…なるほど。ゼイユの言う通り純粋…いいでしょう。エアームド、ゴッドバード!」
は?勝ったわ!!
おいスグリ!!ゴッドバードはタメが必要な技だから怖くなんか――
「エアァァッ!!!」
バシュウッ!という音と共にエアームドが突っ込んでくる…?はえ?もしやゲームじゃ1ターン必要だけど、リアルじゃいらないパターン!?ンなのありかよォ!?
「ま、まずっ…!?オタチ!!ほのおのパンチ!!」
んまぁそれしかねぇよなぁ!!?クソァ!!!やるだけやってやらぁ!!来ォい!鳥ヤロォ!!焼き鳥にしてやるぜ!!!!
再度お手手に炎を宿らせ、迫るゴッドバードの、エアームドのちょうど顔面を狙うように定めて、走り出す。ぶち当てててやるぜ!!
「タァチィィィィッ!!!!」
「エアアァァァッ!!!!」
◆◆◆
そして、それぞれ互いの攻撃がぶつかり合い、爆発が起こる。
その爆風の中からはそれぞれ2匹のポケモンが弾かれたようにそれぞれのトレーナーの方向へと飛ばされ、バトルコートにある観客席を守る壁に激突する。
「オタチッ!!!」
「…………」
両者のトレーナーの反応は全くの真逆。
一人は焦って自らのポケモンの元に駆け寄り、もう一人は冷静に自らのポケモンが戦闘不能であると確信し、ボールを取り出しながら…今の勝負の復習を…引き分けという形になった理由を寡黙かつ機械的に探り始める。
のだが、
「え…」
「……っ!?」
予想外のことが起こった。
「そんな…これは…!計算には…!ありえません…!!」
彼女が、ネリネが下した引き分けという勝負は、
「タ……チィ…!!!」
倒れているエアームドと違い、二本足でしっかりと立ち、ニヒルに、そしてやり切った顔をしている一匹の小さくモフモフでかわいいポケモンによって覆された。
【オタチはスグリをかなしませまいともちこたえた!】