この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
「おい、カズマ、この無数の人だかりは何だ?」
「おう、ダクネスか。何やら魔王の幹部が来たってさ」
ダクネスとも合流し、正門前にやって来ると、体中から闇のオーラを発し、
首のない馬に乗り、また、それに似せるかのように、本人自身にも首がなく、首だけの兜をバスケのボールみたいに片腕に抱えている。
その兜から蒸し返す、黒い煙の息遣いがするように、どうやら兜が本体のようだ。
「何だと、あれは強靭な力を持つ、アンデッドモンスターのデュラハン(ちなみにオス)じゃないか!」
「へっ? なっ、なんで、そんな強敵が、こんなのどかな街に……」
デュラハンが馬から降り、兜から何かしらの言葉を喋ろうして、俺らは生唾をゴクリと飲む。
「……貴様らに言いたいことがある」
何が
俺はとっさの反応で、買ったばかりで安物の剣の柄に手を触れ、敵の攻撃に身構える。
「毎日、俺の城に爆裂魔法をぶちかます、とんでもなく失礼なヤツは誰だー!!」
「はあっ?」
俺やメンバーの目が、蟻のように点になる。
「貴様ら、
「どうせ俺が相手にもしないだろうと無視していれば、毎日懲りもせずに、ドカーンと放ちやがって!」
「そのせいで昼寝の邪魔はされるし、大好きなアイドルの生配信のライブ映像は聴こえんし、悪質にも程があるわー!」
デュラハンが兜を持ち上げ、地面を足で踏みつけながら、何やら苛ついている。
「やべーな。あっ、あれ、魔王のお偉いさんの城だったのか」
冒険者全員の視線が、この街で唯一の爆裂魔法を使うめぐみんの方に、一斉に顔を向ける。
さあ、こうまで目立つと逃げられんぞ、ロリッ娘。
「そうです。世間を騒がす悪い者め! 我は
よくもまあ、そんな嘘が平気につけるな。
怖がって、俺の後ろに身を隠す真似をして。
「なるほど。変な名前が多い里の出身か。貴様、悪ふざけもほどほどにしろよ」
「何だと、私の親が付けてくれた素敵な名前に、ケチをつける気か!」
だからめぐみん、俺を板挟み(盾)にして、ヤツと会話をするのは止めろ。
「まあ、俺は
「いいえ、嫌です。紅魔族は一日一回爆裂魔法を放たないと、体が衰弱して、命を亡くすんです!」
「そんなでたらめな嘘をつくなー‼」
さっきから、小心者の愚痴ばっかり。
魔王の幹部にしては、めっちゃ弱そうだな。
「そうか、これからも迷惑騒動を起こす気か。それならば、こちらも……」
「うるさいわね。あんたのせいで、この辺の弱いモンスターがビビって隠れてしまって、楽な仕事がなくて、困っているのよ!」
またさらに、ややこしいヤツ(地獄のメイド服なアクア)の暴言が上乗せされた。
「何だ、お前。アークプリーストか。まあ、こんな雑魚な街のアークプリーストなんぞの魔法で浄化される俺ではない。そんなことより、紅魔の娘には俺の強力な攻撃を食らってもらうわ!」
デュラハンが場違いなメイドアクアの存在をシカトし、闇の影の攻撃をめぐみんに放つ。
「めぐみん、危ない!」
「ダクネス‼」
その攻撃の前に飛び出し、身代わりに受けるダクネス。
「ダクネス、平気か?」
「ああ、別に体に異常はないようだ……」
特に外傷もないみたいだし、ヤツは何をしたんだ?
「ハッハッハ。紅魔の娘よ、よく聞け。この攻撃を受けたクルセイダーは、一週間後には死ぬ運命だ。これから一週間は死の怖さに怯え、自ら行った罪を後悔するのだな!」
「そうか、つまりお前は、この呪いを消して欲しかったら、どんな言うことにも従えということなんだな‼」
「はっ? ちょっとそこのお前?」
「私はこんな呪いになんて、負けないぞ……」
やれやれ、ダクネスの一人妄想劇が始まったか。
何、インフルワクチンの免疫力として戦う、白血球みたいなことを語っているんだ?
「おい、カズマ、デュラハンの兜から覗くエロい瞳を見ろ! 私を城へと幽閉して、呪いを解く条件として、この鎧を脱がし、ナースにチャイナ服などと、様々なエロティックなコスプレを私にやらせる変態的な瞳だ!」
「ええっ? いや、そんなことはしないが……」
デュラハンがヒヤヒヤしながら、己の発言に戸惑っている。
「牢で怯える女騎士、それを助けに来るパーティー。とっても素敵な展開だ。じゃあ、私は喜んで行ってくる‼」
「こらっ、勝手に行くな。デュラハンの人が困惑しているだろ‼」
デュラハンの元へ進み行く、興奮まっしぐらなダクネスの暴走を後ろからくい止める俺。
本当にコイツは理解しているのか?
デュラハンから呪いを受けて、残り一週間の命なんだぞ……。