この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第10話 この首無しな騎士の攻撃に身構える俺たちを‼

「おい、カズマ、この無数の人だかりは何だ?」

 

「おう、ダクネスか。何やら魔王の幹部が来たってさ」

 

 ダクネスとも合流し、正門前にやって来ると、体中から闇のオーラを発し、(いか)つい黒い鎧を身に付けた、一人の騎士がいた。

 

 首のない馬に乗り、また、それに似せるかのように、本人自身にも首がなく、首だけの兜をバスケのボールみたいに片腕に抱えている。

 その兜から蒸し返す、黒い煙の息遣いがするように、どうやら兜が本体のようだ。

 

「何だと、あれは強靭な力を持つ、アンデッドモンスターのデュラハン(ちなみにオス)じゃないか!」

 

「へっ? なっ、なんで、そんな強敵が、こんなのどかな街に……」

 

 デュラハンが馬から降り、兜から何かしらの言葉を喋ろうして、俺らは生唾をゴクリと飲む。

 

「……貴様らに言いたいことがある」

 

 何が逆鱗(げきりん)に触れたのかは知らないが、仲間揃って、俺たちは皆殺しなのか?

 俺はとっさの反応で、買ったばかりで安物の剣の柄に手を触れ、敵の攻撃に身構える。

 

「毎日、俺の城に爆裂魔法をぶちかます、とんでもなく失礼なヤツは誰だー!!」

 

「はあっ?」

 

 俺やメンバーの目が、蟻のように点になる。

 

「貴様ら、大概(たいがい)にしろよ。この街には、ろくに力がない雑魚の冒険者しかいないのは存じている」

 

「どうせ俺が相手にもしないだろうと無視していれば、毎日懲りもせずに、ドカーンと放ちやがって!」 

 

「そのせいで昼寝の邪魔はされるし、大好きなアイドルの生配信のライブ映像は聴こえんし、悪質にも程があるわー!」 

 

 デュラハンが兜を持ち上げ、地面を足で踏みつけながら、何やら苛ついている。

 

「やべーな。あっ、あれ、魔王のお偉いさんの城だったのか」

 

 冒険者全員の視線が、この街で唯一の爆裂魔法を使うめぐみんの方に、一斉に顔を向ける。

 さあ、こうまで目立つと逃げられんぞ、ロリッ娘。

 

「そうです。世間を騒がす悪い者め! 我は紅魔族(こうまぞく)最強の魔法使いめぐみん。我が爆裂魔法で攻撃していたのも、あなた本体を、この場で一方的に叩くために行っていた行為なのです!!」

 

 よくもまあ、そんな嘘が平気につけるな。

 怖がって、俺の後ろに身を隠す真似をして。

 

「なるほど。変な名前が多い里の出身か。貴様、悪ふざけもほどほどにしろよ」

 

「何だと、私の親が付けてくれた素敵な名前に、ケチをつける気か!」

 

 だからめぐみん、俺を板挟み(盾)にして、ヤツと会話をするのは止めろ。

 

「まあ、俺は()()()調査で、あの城に過ごしているだけだ。こちらからは手は出さんし、今回は忠告に来ただけだ。いいか、これからは爆裂魔法で攻撃してくるなよ?」

 

「いいえ、嫌です。紅魔族は一日一回爆裂魔法を放たないと、体が衰弱して、命を亡くすんです!」

 

「そんなでたらめな嘘をつくなー‼」

 

 さっきから、小心者の愚痴ばっかり。

 魔王の幹部にしては、めっちゃ弱そうだな。

 

「そうか、これからも迷惑騒動を起こす気か。それならば、こちらも……」

 

「うるさいわね。あんたのせいで、この辺の弱いモンスターがビビって隠れてしまって、楽な仕事がなくて、困っているのよ!」

 

 またさらに、ややこしいヤツ(地獄のメイド服なアクア)の暴言が上乗せされた。

 

「何だ、お前。アークプリーストか。まあ、こんな雑魚な街のアークプリーストなんぞの魔法で浄化される俺ではない。そんなことより、紅魔の娘には俺の強力な攻撃を食らってもらうわ!」

 

 デュラハンが場違いなメイドアクアの存在をシカトし、闇の影の攻撃をめぐみんに放つ。

 

「めぐみん、危ない!」

 

「ダクネス‼」

 

 その攻撃の前に飛び出し、身代わりに受けるダクネス。

 

「ダクネス、平気か?」

 

「ああ、別に体に異常はないようだ……」

 

 特に外傷もないみたいだし、ヤツは何をしたんだ?

 

「ハッハッハ。紅魔の娘よ、よく聞け。この攻撃を受けたクルセイダーは、一週間後には死ぬ運命だ。これから一週間は死の怖さに怯え、自ら行った罪を後悔するのだな!」  

 

「そうか、つまりお前は、この呪いを消して欲しかったら、どんな言うことにも従えということなんだな‼」

 

「はっ? ちょっとそこのお前?」

 

「私はこんな呪いになんて、負けないぞ……」

 

 やれやれ、ダクネスの一人妄想劇が始まったか。

 何、インフルワクチンの免疫力として戦う、白血球みたいなことを語っているんだ?

 

「おい、カズマ、デュラハンの兜から覗くエロい瞳を見ろ! 私を城へと幽閉して、呪いを解く条件として、この鎧を脱がし、ナースにチャイナ服などと、様々なエロティックなコスプレを私にやらせる変態的な瞳だ!」

 

「ええっ? いや、そんなことはしないが……」

 

 デュラハンがヒヤヒヤしながら、己の発言に戸惑っている。

 

「牢で怯える女騎士、それを助けに来るパーティー。とっても素敵な展開だ。じゃあ、私は喜んで行ってくる‼」

 

「こらっ、勝手に行くな。デュラハンの人が困惑しているだろ‼」

 

 デュラハンの元へ進み行く、興奮まっしぐらなダクネスの暴走を後ろからくい止める俺。

 

 本当にコイツは理解しているのか?

 デュラハンから呪いを受けて、残り一週間の命なんだぞ……。

 

 

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