この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
『セイクリッド・ターンアンデッド!』
アクアが両手でハートの輪っかを作り、最大級の神聖魔法を、デュラハンに向かって繰り出す。
「ごあああああー‼」
その激しい聖なる炎の衝撃波に、体ごと魂を持って逝かれそうなデュラハン。
「ぐおおおおー!! あちあちあちー!!」
そのまま石畳の地面で、体ごと、だるまのように転がる。
それに反して、燃え盛るデュラハンの転がり(生首祭り?)から、逃げまとう住人たち。
「見てよ、カズマ。やっぱり上級魔法でも効いてないわ。普通だったら水蒸気のように、消滅するんだけど」
「いや、十分にダメージは与えてるような気がするけど……」
「フフフ、このくらい、どうってことはない……」
床に手足をつき、ブスブスと鎧から、黒煙を吹き出すデュラハン。
嘘もほどほどにしろ。
ダイエットにしろ、何にしろ、痩せ我慢は体に良くないぞ。
「まあ、よくよく考えたら、俺自らが手を下す必要もなかったな。貴様ら、この俺を馬鹿にしたことに後悔するがいい」
デュラハンが立ち上がり、背後のモンスターらを手招きして呼ぶ。
「さあ、お前たちの出番だ。この街の者どもに、恐怖と絶望とやらを思い知らせろ!」
「キシャー!!」
剣や斧などの武器を握りしめ、俺たちの方に目を光らすアンデッドの兵隊たち。
叫び方がエイリアンのようで、実に不気味さを増した。
「自分じゃ、対応できないから、部下に責任を押しつけるのか。最低の幹部だな」
「
「ちっ、違うわい!」
ダクネスと俺との会話に図星をつかれたのか、声のトーンが高くなるデュラハン。
「そういえば自己紹介をしていなかったな。俺の名はベルディア。魔王の幹部の一人。デュラハンのベルディアだ!」
「何だ、暴れん君将軍じゃないのか?」
「そっ、そんな異名など、持ち合わせておらんわっ‼」
そうなのか?
あれほど黒い馬に乗って、徳○家の一族みたく、ノリノリだったじゃないか?
「さあ、お前ら、街の人々を残らず、皆殺しにしろ!」
デュラハンの命により、大群のアンデッドの戦士が、冒険者らに襲いかかる。
「ちっ、戦うしかないのか」
剣を構えて、襲撃に備える俺だが、あの多勢のアンデッドに、にわか剣術が通用するどうか……。
「ククク。絶望の声を聞くのもオツなものだな。お前たちの苦しむさまが目にも浮かんで……」
「へっ?」
しかし、アンデッドたちは冒険者からアクアだけに目標物を捉え、アクアを追っかけ回していた。
「ちょっと、どういうこと? 何で私の方に集まって、一斉に攻撃してくるのよ!?」
「お、お前ら、そんな素人プリーストのことはいいから、他の冒険者にも攻撃をせんか!」
その気持ち、分かるぜ。
相手が女神だから、素直に成仏したいんだな。
デュラハンのことだから、ろくに飯も与えてないみたいだし……。
「ああ、なぜ私のことは襲ってくれないのか。少しアクアに嫉妬してしまうな」
頬に手を当てて、赤面しながら、その追いかけっこを眺める鎧の女性。
こっちもダクネスの妄想が始まったか。
「めぐみん、あのアンデッドの集団に爆裂魔法で一掃できないか?」
「無理ですよ、数が多すぎですし、相手の出方も予測できません」
このままだと、
「カズマ、ボーとしてないで、助けてよー‼」
「のわっ!? 俺の方に来るな!?」
そこで俺の頭から、一つの策略が閃く。
そうだ、奴らを街の外に
「めぐみん。街の外に出ていろ」
「えっ? 今度は何の野外プレイですか?」
「いいから、外で黙って構えていろ」
俺はそそくさと、めぐみんを正門から出るように指示すると、めぐみんは何の不平も言わずに、外へと出ていく。
「アクア、そのアンデッドを引き連れて、正門から街の外へ出るんだ!」
「出ろも何も、好きでこんなパーティー編成、組んでいないんですけどー‼」
アクアがめぐみんの近くに駆け寄り、後方はモンスターのみの軍勢となった。
「めぐみん、今だ。あのアンデッドの集団に爆裂魔法を放て!」
「ご協力感謝します、カズマ」
「ベルディアよ、我が
『エクスプロージョン!』
激しい爆発を受けたモンスターたちは、めぐみんの魔法により、粉々になり、その身を消し去った。
「ふええーん。何とか助かったあー……」
半泣きのアクアが、口の中のすすを水魔法でゆすぎながら、その場にペタンと座り込む。
大勢のモンスターがいた地面には、大きなクレーターができていた。
「よっしゃー、よくやった、めぐみん!」
「おおっ、やってくれるじゃないか。頭のネジが数本取れたおかしな子」
「凄いじゃないか。名前も頭もおかしくても、やる時はやるんだな」
俺の発言に続くかのように冒険者たちが、めぐみんを痛いように褒め称える。
「よくやったな。もう休んでいていいぞ」
「その前にカズマ、何かむしゃくしゃするんで、あの冒険者の人々にも爆裂魔法を放ってもいいですか?」
「お前、そんな魔力残ってないだろ」
俺はおんぶした、めぐみんの怒りを何とかなだめる。
「ハッハッハッ!」
デュラハンは黒い霧に身を纏いながら、大声で笑う。
「そんな貧弱な力を持った貴様らが、我が配下を一掃するとはな」
「今度はこの俺が、貴様らの相手をしてくれるわ‼」
デュラハンが闇の空間から、自身の背丈並みの長さの大剣を引き抜く。
「くっ、なんだか知らんが、相手は一人だ」
「ああ。ヤツの隙をついて、攻撃するぞ」
『うおおおおー、くたばりやがれ‼』
冒険者数人がデュラハンの周りを取り囲み、魔法使いが魔法の詠唱をし、戦士組が一斉に攻撃する。
「ククク。愚か者どもが‼」
デュラハンが、片腕に持っていた兜を上空に投げる。
その次の瞬間、襲いかかった数名の冒険者や詠唱中の魔法使いを、極太の剣で切り刻んだ。
「俺に見えない物はないし、隙も作れん。どんな攻撃も通用しないのだ」
人々が傷を負い、倒れて気絶する中、俺は足がすくんで動けなかった。
「くっ、変な首を使って、攻撃しやがって……妖怪ろくろ首かよ」
死角がないデュラハン相手に、俺たちは