この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
「あなた、そんなに威張っていられるのも今のうちだけよ! この街の勇者のミツルギさんが来たら、到底及ばないんだから!!」
「そうだぜ、あの魔剣の兄ちゃんの力で、お前なんざ、一太刀で終わりだぜ‼」
『そうだー、そうだー‼』
俺の横にいた少女や青年がデュラハンを前にして、何やら叫び出し、みんなして、ミツルギの名前を連呼する。
あのキザ男、
「いや、あのイケメン、剣を求めて、さ迷う旅を続けていて、もう終わってるんだけどな……」
肝心なアクアに至っては、地面に倒れた冒険者をじっと見つめてるし……。
「駄女神、唯一、デュラハンに対抗できる、お前が戦わなくてどーする‼」
アクアは俺の言葉も無視して、今度は戦闘不能らしき冒険者を棒切れでツンツンして、様子を見ている。
「貴様、もう許さんぞー!」
そこへダクネスの一振りの剣がデュラハンに……かすりともしない。
「貴様が切り捨てた、私の仲間たちの変わりに、私が相手になるぞ!」
これまで大人しく身を伏せていたダクネスが、勇ましいことを言った後に、なぜか赤面する。
「なあ、見たか? 今の私の惚れ惚れとした先制攻撃、カッコ良くなかったか♪」
動いてもいない相手にも、攻撃が当たらないなんて、どんだけノーコンなんだよ?
「さあ、後のせサクサク天プレートうどんのように、ドーン(ドン○イ)と来い‼」
「無謀なヤツだな……」
「……いいだろう。同じ騎士に乗じて、俺様の本気をみせてやる!」
デュラハンが兜を宙に投げ、ダクネスの体に、目にも止まらない乱れ打ちの攻撃をする。
一方でダクネスは、細かい切り傷を負いながら、防戦をするのがやっとだ。
「ダクネス、やめろ。とりあえず今は下がって、作戦を練るんだ。それにあちこち怪我をしているじゃないか!」
「いや、平気だ、カズマ。私は防具にも防御のスキルを振り分けている。私なら、アイツの攻撃を防ぐことが可能だ‼」
「それに私は、この街の人々と平和を守る女騎士として、どんなに絶望的でも、戦いの手を休めるわけにはいかないんだあああー!!」
ダクネスの騎士道精神溢れる言葉に、胸がジーンと熱くなる。
お前、イカれたヤツかと思っていたが、中々、泣かせてくれるじゃんか。
「それにな……」
ダクネスが荒い息づかいをしながら、とろんとした瞳で、デュラハンを見据える。
「このデュラハンは中々の手練れだぞ。私の鎧を徐々に剥ぎ取りながら、興奮しているのだ。最終的には私を裸同然にして、みんなの前でドSなプレイを楽しむつもりらしい」
「へっ?」
デュラハンの動きがピタリと止まり、宙の兜を自身の鎧に打ち付ける。
「この変態女がー、少しは空気を読まんか!!」
「なっ、カズマまで、この私を責めるのか。どうせなら、もっとキツく
「
『クリエイトウォーター!』
俺はダクネスに水魔法をぶちかます。
その魔法をデュラハンは辛うじて避け、ずぶ濡れになったダクネスは身を震わせる。
俺はその状況に、少し違和感を感じた。
「面白い、貴様も俺の邪魔をするのか!!」
デュラハンが、俺に突撃してくる。
何とか、打開策はないのか。
そうだ、アイツの大きな剣を奪えば、俺でもヤツに勝てるかも知れない。
「いくぜ、俺の最大級の超レアスキル、スティール改(勝手に命名)!!」
デュラハンと交互に過ぎ去り、俺の手元にあの大剣が……。
「……無いぞ?」
盗んだと思った手のひらには、何もなかった。
「カズマー‼」
「フフフ。ちっぽけな脳みそで考えたわりにはいい案だったが、俺は魔王の幹部。貴様とはレベルが違い過ぎたのさ。さあ、くたばれ!」
デュラハンが高らかに叫び、俺の首先に剣を振る。
くっ、俺はこんな所で死ぬのか?
どうせなら、綺麗なお姉さんのひざまくらで……。
「私の仲間に手出しはさせん‼」
ダクネスがデュラハンに体当たりをして、後ろから羽交い締めにする。
その怪力を前に、動きを鈍らせるデュラハン。
「もういい、逃げろ。カズマ‼」
「ダクネス!? くっ、一体どうしたら……」
何か、アイツに弱点はないのか?
デュラハンでアンデッド、俺のいた世界のゲームでは……メジャーなアンデッドの吸血鬼は水が弱点だった。
そう言えば、何であの時のアイツは、俺の水魔法をギリギリでかわしたんだ?
『クリエイトウォーター!』
俺は水魔法を、デュラハン目がけて、発動させる。
だが、目先にいたのは、またもや、ずぶ濡れのダクネスのみだった。
デュラハンはダクネスから離れた場所で、さりげなく佇んでいる。
もしかして?
『クリエイトウォーター!』
水魔法を避けるデュラハン。
『クリエイトウォーター!』
再び、水の攻撃を避けるデュラハン。
「みんなー、アイツは水が弱点だあー!! 魔法力が枯れるまで、ぶっかけろー‼」
『クリエイトウォーター!!』
街中の敷地からの水魔法が、デュラハンに襲いかかる。
「くぬー‼」
デュラハンはそれらを全て避けて、華麗なステップを踏んでいた。
お前、幹部辞めて、どうせならアクションヒーローにならねえか?
「ちょっとカズマ。私が仕事していない間に、何でデュラハンと水遊びしてるのよ?」
「アクア、お前の水の女神とやらの力も貸してくれ。アイツは水が弱点なんだ!」
「いいわよ。見てなさい。そんな貧相な水魔法より、地形をも変える大量の水の魔法で、大きなダメージを与えてあげるわ!」
「はっ、お前、今なんて言った?」
アクアが両手を大きく広げて、魔法を発動させる。
『セイクリッド・クリエイト・ウォーター‼』
アクアの身体中から放出された洪水のような水魔法は、人々に建物にと、この街の全ての財産を押し流した……。