この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
「ぐぬぬ……貴様、とてつもない馬鹿か。
街全体を水浸しにしおって……」
アクアの大魔術の大洪水により、街は完全に壊滅し、ボロボロになったデュラハンが剣を杖がわりにしながら、ヨロヨロと立ち上がる。
「カズマ、あいつが弱っている今が大チャンスよ。男ならビシッと決めなさい!!」
「このアマ、やることがめちゃくちゃだな……でも確かに、今しかチャンスはないな」
俺は溺れかけた、めぐみんを救出し、利き手に盗賊スキルの構えをする。
「次こそ、お前の武器を奪えば、こっちのもんだ!!」
「ならばやってみるがいい。いくら俺が大きなダメージを負ったとは言え、貴様の盗みスキルなんぞに……」
『スティール‼』
熱い想いをぶつけ、またもやデュラハンとすれ違う。
「ふっ、鮮やかに……決まってない!?」
やはり、俺ごときのレベルでは無理か。
そう落胆した気持ちの横から……。
「……す、すみません」
「首を返していただけませんか……?」
俺の手に、申し訳無さそうな言葉遣いのデュラハンの兜がのっていた……。
「それじゃあ、みんないくぜー! ユー、ウィアー、チャンピオンー!!」
俺は兜を地面に置き、アクセル競技場にて、キックオフ。
サッカーボールのように、デュラハンの兜を蹴り、冒険者たちと接戦した、ジーリーグサッカーを始めた。
「見てろよ、俺の豪快なシルクハット(ハットトリックでは?)を決めてやるぜ‼」
ガシッ、ガシッと、俺のドリブルさばきに金属音を響かすが、別に足先には痛みはない。
このボールは、金属でできてないのか?
「おいっ、痛いって! お前ら、やめんか!?」
リフティングされながらも、助けをこいて叫ぶデュラハンの兜。
「終わりだな。お前に殺された者たちの痛みを、存分に受けてもらおう‼」
「ぐおっ!?」
俺たちと冒険者とで、兜でケマリゴッコをする中で、無防備な鎧に近付いたダクネスの会心の斬撃が、デュラハンの鎧に命中する。
「グハァ!?」
そのまま攻撃の手を休めることなく、剣でデュラハンに隙を与えずに、追いつめるダクネス。
「今だ、アクア。これで今度こそ最後にしろ」
「分かったわ、カズマ。ベルディア、遊びは終わりよ!」
アクアがハート形の指先から、神聖魔法の標準をデュラハンに合わせる。
『セイクリッド・ターンアンデッド‼』
聖なる光が、デュラハンの体を浄化し……、
「ギャピイイー!?」
「この幹部の俺がー‼」
デュラハンこと、ベルディアは、この世界から跡形もなく消滅した。
長き争いに終止符が打たれ、俺たちは見事にヤツに勝利したのだった……。
****
「ダクネス、お祈りですか?」
「ああ、めぐみんか。まあ、敵とは言っても生きている時は、腕の立つ騎士だっただろうからな。それにあのデュラハンに斬られた私に、ろくでもない文句ばかり言っていた連中らも、素晴らしい戦いぶりだった」
ダクネスが地面に装備していた剣を刺し、深々と合掌する。
「おう、ありがとな」
「へっ、お前ら、何で生きて!?」
「すまんな、脳筋女とか、大剣でうちわ扇ぎしろとか、酷いことばかり言って……今度、何かおごるぜ」
「ああ、そうだな。変質者と言っていたこともなかったことにするからさ」
「お前ら……」
ダクネス、また仲間たちと再会できて良かったな。
浴びるほど酒でも呑んで、話の華を咲かせろよ。
「心配しないでダクネス。私の力なら、死体の一つや二つなんて、楽勝で生き返せるわよ!!」
それでアクアはデュラハン戦の途中から、俺たちと別行動していたのか。
あの木の棒でツンツンしていた冒険者には、からかいではなく、生死の確認(第16話参照)だったんだな。
「わっ、私はこんな羞恥プレイなんて望んでなく……」
それはいいから、はよ、飲みにいけ。
****
次の日……。
ギルド内の飲食スペースが、いつもより大人数で、やけに騒がしい。
「あら、今頃起きたのカズマ。もうみんなで盛大なパーティーしてるわよ!!」
「これは何のつもりだ?」
「魔王の幹部を倒したというわけで、みんなに特別手当て金が出たのよ。カズマも貰いに行って来なさいよ」
「それは嬉しい限りだな。お姉さんー♪」
アクアに背中を押されるがまま、俺は美人お姉さんの元へと駆けつけた。
金と聞いて、さっきからホクホクジャガイモ顔で、にやけが止まらない。
「ああ、カズマさんのパーティーですね。魔王軍の幹部ベルディア討伐に大きく関わった件として、特別に『三億エリス』がプラスされます」
「さ、三億!? それならもう、一生楽して生活できるぜ‼」
現実の金額にしたら、宝くじ一等並みの金額。
汗水流して働いた結果、俺はついに報われたのだ。
「……と言いたい所ですが」
「ベルディアを倒した時にアクアさんの水魔法で、街に増大な被害が出まして、弁償金として『三億四千万エリスをお支払い』させてもらいます……」
俺の頭の何かが、その言葉でぶちきれた。
「さてと……私はもう少しだけ飲み直しに……。(
「駄女神、飲んでる暇なんてないぞ。こうなれば
「いやあー、お願いだから、襟首から手を離してよー!?」
もう完全に頭にきたぞ。
こんなイカれた異世界になんて、ずっと居られるかー!!