この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第22話 この何でも屋の商売人に心からの相談を‼(1)

 

****

 

 ──ある日常の一コマより……。

 俺は一軒の三階建ての魔道具屋の前に、アクアと到着していた。

 

「カズマー、こんなチンゲン菜(陳腐(ちんぷ)では?)な店に何の用よ?」

 

「いや、ギルドからの風の便りで聞いたんだが、ここの店主さん、優れた魔法使いで色々と対応してくれるという、何でも屋さんをやっているらしくてさ」

 

「何でもねえ……」

 

「くれぐれも、普通の素材のインチキな聖水や、使う度に服が溶ける美少女フィギュアの石鹸などの怪しい契約を結んだりするなよ?」

 

「そんな第四次世界大戦みたいなことはしないわよ」

 

 ……ってことは、ここではすでに第三次世界大戦は終結したというわけか。

 相変わらず、この世界は狂ってやがるな。

 

「こんにちくわー」

 

 肩の力を抜き、俺は店内で道具の手入れをした、後ろ美人な女性店員さんに、出来るだけ爽やかな(親父ギャグなのでは?)挨拶をする。

 

「いらっしゃいませー……あっ」

 

 あの端正な顔つきと魔法使いのローブは、どこかで見覚えのあるような……。

 

「もしかしてウィズか?」

 

「出たわね、この死に損ないのアンデッドがー!!」

 

 俺の問いかけより早く、猛獣アクア(一応女神です)が、真っ先にウィズに飛びかかる。

 

「リッチーの身分のわりには、こんな立派な店なんか出して。私なんて馬小屋生活なのよ。

このまま燃やして、こんがり炭火焼きにしてあげようかしら」

 

「ごめんなさい。ごめんなさい。焼き鳥は勘弁して下さい……」

 

 俺はアクアの後頭部に、店の備品の一つを投げつけて、アクアを取っ捕まえた。

 

「よう、ウィズ。久しぶりだな。こんな街中で店を開いていたなんて」

 

「私もです。またカズマさんに会える(第8話参照)とは思いませんでした。それでお話とは?」

 

「いや、何か便利なスキルでも教えてもらおうかと」

 

 ダクネスは防御力はべらぼうに高いけど、攻撃力は皆無だし、ダメージが無いからアクアの回復魔法の効果がほとんどない。

 

 めぐみんの爆裂魔法も物凄い攻撃だけど、一日一発が限度。

 

「そう考えると、俺たちのパーティーに必要なのは、安定してモンスターを倒せる攻撃だろ。だからここで、日頃会えないリッチーから役立つスキルを教わるんだよ」

 

「えー、そんな陰湿アンデッドの通信講座を学ぶより、お客さんの前で宴会芸を披露して、明るく楽しい女神の私がいれば十分じゃん」

 

 ふて腐れ、頬を膨らまして、抗議するアクア。

 俺らはお笑いの裸の王様(露出狂?)を捜して、長い旅をしてるのか?

 

「えっ、もしやアクア様って、本物の女神様なのでしょうか?」

 

「フフフ。そうよ。私はアクシズ教団で、皆に崇められている女神アクアなのよ‼」

 

「ええっ? アクシズ教団はおかしな発想の人が多くて、関わらない方が身のためだと聞きましたが……」

 

「どういう意味よっ‼」

 

 やっぱり俺の推測通り、この女神は前からおかしかったんだな。

 

****

 

「それでは私のお得意スキルでもあります、ドレインタッチを教えますね」

 

「どうぞ、蚊のように好きなだけ吸っていいわよ」

 

「はい。ではアクア様。少しだけ吸わせてもらいます」

 

 ウィズがアクアが差し出した右手を、両手で包み込む。

 

 ウィズのスキルは相手がいないと使用できないらしく、とっさの判断でアクアが試すようになった。  

 

 相手はあのリッチーだし、俺だとポックリ逝ってしまうかも知れないからな。

 

「あ、あれ?」

 

 ウィズがスキルを使用しても、アクアには無反応だった。

 

「どうしたの、私の力を奪い尽くすんじゃなかったの? アンデッドの王者のクセにドレインもまともにできないのかしらー!?」

 

 ウィズが片目を悪魔のように輝かせ、本気モードでアクアの力を奪う。

 周りに細かい震動が発して、現実世界で鑑賞したドラ○ンボールの戦いの雰囲気だった。

 

「おい、話が進まんだろ。戦闘力上げごっこはいいから、さっさと吸わせてやれ!」

 

****

 

「おお、新しいスキルが増えてるな。サンキュー。これで俺もドレインタッチが使えるよ」

 

「いえ、お役に立てて良かったです」

 

 ウィズが両手を合わせ、感謝の敬意を示す。

 

「ふん、今日の所は見逃してあげるわ」

 

 一方でアクアは、ウィズと出会ってから最高難易度並みに、ご機嫌が悪い。

 

「そう言えば、ここのお店に来る常連さんから聞いたのですが、あの剣の達人のベルディアさんを倒したそうですね」

 

「へっ? ウィズはベルディアを知っているのか?」

 

「ええ、私は魔王軍の幹部の一員ですから」

 

 俺たちの間に一時の沈黙が流れる。

 

「これで借金もチャラな賞金首を確保よー‼」

 

 沈黙を破き、夜の猫の目のように光らせ、率先して動き出したのはアクアだった。

 ウィズを仰向けにして、手で床に押さえつけ、身動きが取れないようにする。

 

「待って下さい。私は魔王城の結界の維持を魔王さんから頼まれただけで、人間に危害は一度も出していませんし、賞金首でもありません!」  

 

「……と言うことはあんたを倒したら、易々(やすやす)と魔王城に乗り込めるわけね。なら、話は早いわ」

 

 ウィズが寝ている床に、巨大な魔法円が刻まれる。

 

「あのアクア様? これは何の真似ですか? 体が熱くて痛いのですが……」

 

 ウィズの反応を無視し、不敵な笑みを浮かばせるアクア。

 入る(スイッチが)ヒットラー、

 あれは独裁者の目だ。

 

「と言うか、このままじゃ、私消えちゃいますー!?」

 

 ウィズの体がどんどん透明になっていく。

 

「おいっ、偶然に見せかけて、強引に浄化するなー‼」

 

 この強情常識外れ、駄女神がー‼

 俺は風来坊シ○ンのように、アクアに数本のビンを投げつけた。

 

「何よ、カズマ。相手は世界征服を企む、魔王の幹部の一人でリッチーよ。私の沽券(こけん)にかかわるのよ」

 

「おかんか、こけしか知らんが、もう面倒くさいキャラだから、お前はさっさと小屋に帰れ!」

 

「駄目です、カズマさん、その爆薬のビンを私たちに投げつけないで下さいー!」

 

 やれやれ、この犬猿(けんえん)の仲はどうしたものか。

 こんなんじゃ、アクアとウィズの平和協定(勝手に決めた)にはほど遠いな。

 

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