この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
「ウチの空き家に悪霊が根城を張るようになりまして、ギルドに相談したのですが、
いくら祓っても霊は消えず仕舞いでして……。そんなわけで物件に手をつけれないんです。ですから、ここに来たわけですが……」
──俺たちが狂喜のままに店で暴れている所に来店した、ベレー帽を被った眼鏡の不動産屋のおじさんから、お悩み
いや、ウィズはアンデッドの王でドレインタッチが得意だから、食欲
「では、その物件を見に行くことに……」
半透明で消えかかったウィズがふらつき、石畳の床に座り込み、荒い息を吐く。
「どうしたのですか? 顔色がいつも以上に青ざめていますよ? 体調が悪いのなら、今日はゆっくり休んで、また今度でも……」
「へ、平気です。少し休めば……」
ほら、アクアが強引に浄化するから、ウィズが消えかけてるじゃんか。
俺はアクアの片腕を手に取り、大きく手を上げる。
「ちょっと何すんのよ?」
「はいはーい。その依頼、爽やかアクシズに任せて下さーい!!」
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──街から少し外れた場所に派手に建っていた、別荘みたいな立派なお屋敷の前で俺は静かに様子を見ていた。
「本当に幽霊退治とかできるのか? 街の噂では祓っても、次々と霊が住み着くという話が出ているが?」
剣を布で磨くダクネスが、不安げに俺に話しかけてくる。
アクアとめぐみんは、屋敷内の冒険(頭脳も子供)を早くしたいらしい。
「まあ、ゴーストバ○ターズアクアがいるから大丈夫だろう。それに徐霊できたら、この屋敷に住んでもいいと言われたし。なあ、アクア?」
「フフフ、私の力で屈服させられる、足や首がない亡霊たちがわんさかいるのが見えるわ。一晩あれば、この家もろとも浄化してあげるわ‼」
「いや、放火魔じゃあるまいし、
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「──えー、ちょっと待ってよ!?」
「ははっ。これでアクアの四連敗。次負けたら、明日の昼メシオゴリな」
静かでストレスフリーな夜の屋敷内のリビングで、トランプ遊び(ババ抜き)に熱中する俺たち。
「カズマ、くつろぐのもいいのですが、この屋敷、何か不気味な視線を感じるのですが……」
「だな。めぐみんもか。俺も思ってた。アクア、さっさと徐霊せんか」
「そう焦ることもないわよ。低級の悪霊ばかりだし、のんびりおかきでも食べながら、チビチビ一杯やるわ」
お前は、どこの飲んだくれだよ。
「まあ、中には、アンナ=フィランナ=エステイドと言う名の少女の地縛霊もいるわね」
彼女はこの屋敷に住んでた貴族とメイドの隠し子で、その理由を気に牢へ監禁。
後に両親さえも不慮の事故でいなくなり、病気に伏せた彼女は本当の親の顔も知らずに……。
どこの古いギャルゲー(美少女ゲーム)の内容だよ。
ひたすら話が重いぜ……。
「でも彼女は悪霊の類いじゃないし、向こうから危害は加えてこないはずよ。それにちょっと、甘いお酒が飲みたいと呟いているわ。カズマ、準備よろしくね」
いや、お前が飲みたいだけだろ。
こういう
この少子高齢化社会(意味が違う)も終わりかもな。
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──日付は夜中近く。
暖房の効いた暖かな部屋、天日干しされたふかふかのベッド。
こんなゴージャスな屋敷で暮らせるとなると、とてもありがたい。
アクアには霊が寄ってくる体質があるようだし、気がついたら徐霊されてそうだしな……。
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「──あれ、いつの間にか、寝ていたのか」
月の光が窓から照らされた、明るい深夜。
『カタン……』
物音に気づいて目線をずらした所に、一足の靴が見えた。
何だ、あんな所に赤い靴とかあったか。
異星人(異人さんでは?)に連れられて、行ったのではないのか?
それにさりげなく、動いていた気がしたけど……。
『カタン……』
おっ、落ち着け。
勇者の俺(違う)が動揺して、どーする。
『カタン……』
俺の頭から、血の気がさっと引く。
目の前には新品のワインボトルを抱いた、フランス人形の姿が……。
「のおわあああー!? でっ、出やがった!? アクア、アクア大統領様(いいえ、水の女神です)、助けてくれー!!」
俺は部屋を飛び出し、救いを求めて、アクアの部屋の扉を強引に開けると、そこには背の小さい幼女がー!!
「のわあああー!?」
「きゃっ、何ですか? カズマ!?」
フリースのパジャマを着た、めぐみんが涙目でこちらを見ている。
「何だよ。ビックリさせるなよ。それよりもアクアは留守なのか?」
「はい。私が訪ねた時には、すでにいなくて」
「……と言うことは、めぐみんも変な人形に襲われたのか?」
「はい。大きな酒瓶を持っていまして……」
めぐみんがモジモジとしながら、何かを訴えているが……。
「あー、何でシャケじゃなく、酒なんだよ。あまりの怖さに腹が空いたじゃないか」
「カズマ、それなら調理場に行った方が早いかと」
「材料もないのに、どうやって魚を焼くんだよ」
「そこはカズマのスティールで上手いように」
「嫌だぜ。俺をどこぞの犯罪者と、一緒にするなよな」
話の途中でめぐみんが落ち着きもなく、今度は体を縮める。
「それよりもカズマ、私トイレに行きたくて……」
「ああ、トイレなら、この通路をまっすぐ進んで左だぞ?」
「そうじゃなくて、怖いから同行してくれませんか」
「えー、面倒だな。この前のワニ退治の時、
「それとこれとは話が別です」
あれだけ大口を叩いて、ご飯とスイーツは別腹とか言うヤツか。
女の子って、わかんねーなー。
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「母さんが茶碗蒸ししてー、鍋つかみ編んでたー♪」
俺はトイレのドアの前に立ち、用を済ませるめぐみんの要望により、懐かしの歌謡曲を歌った。
「聞きなれない珍しい歌ですね」
「前に住んでた、日本って国の切ない歌さ」
「鍋つかみという部分がなんとも」
「それがないと、蒸した茶碗蒸しが取れないからな」
高○名人の一秒間に十六連打じゃあるまいし、どんだけ
「さて、用事は済ませたし、後はアクアを見つけないと」
「ダクネスはどうします?」
「フランス人形に拘束されて、さぞかし本望だろう」
「なるほど」
『この私を相手に人形から、こんな辱しめを食らうなど、逆にこちらが興奮して……』とか、興奮状態で叫びそうなドMだからな。
『コンコン……』
すぐそばのドアから響く、遠慮がちなノック音。
「もう来やがったか……めぐみん、少し退いてろ。強行突破する」
「でも相手は幽霊ですよ?」
「フッ。これからは、俺の方に足を向けて寝れないぜ」
キザなポーズを決めた俺はドアに向かい、勢いをつけて体当たりをした。
埃を浴びながら開いた扉の先には、しゃがみこんでいる一つの人影。
「おらー、かかってこいよー!! フランス人形とてちてたー‼」