この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第4章 新たなる衝撃、機動要塞デストロイヤーの驚異
第26話 この要塞の進行を食い止める屈指の最善策を‼(1)


『緊急!! 緊急!!』

 

「何ごとだ!?」

 

 澄み渡る大空に凛と伝わってきた、お姉さんのアナウンスに俺は布団から飛び上がり、上着を着ながら、中庭へと出る。 

 

 アクアとめぐみんが警戒しながら、青い空を見つめる中、遠くから定期的な機械音が耳に障った。

 

「おい、昼間っから、何の騒ぎだ? まだ蚊もいないし、キン○ョールの季節じゃないだろ?」

 

「何、ヨダレ垂らしながら(見た目は赤ちゃん)寝ぼけているのよ。この街にデストロイヤーが近付いているらしいの」

 

「豪腕プロレスラーが何だって?」

 

「そうじゃないわよ。ここから見てみなさいよ。誰にも止められない、最大最強の機動要塞の登場よ」

 

 アクアの指図で音の発信源を探ると、

 遥か向こう側で、蜘蛛のように迫ってくる大きな塊が視界に入る。

 

 どうやら、新たなる敵さんの登場のようだ。

 

****

 

『デストロイヤー警報ー!』 

 

『機動要塞デストロイヤーが、この街に向かっています。住人の皆さんは、すぐに安全な場所に避難をし、冒険者の方は装備を整え、至急、ギルドに集まって下さい!』

 

 お姉さんの切実なるアナウンスで、大騒ぎになる街中、一方で俺たちも屋敷の中に閉じこもり、みんなして大騒ぎとなっていた。

 

「嫌よ、私の女神としての人生(神なのでは?)は、始まったばかりなのよー!」

 

 パニクりなアクアが、風呂敷に大量の酒瓶を入れ込み、窓からの脱出を(はか)る。

 お前、どこの脱獄犯だよ。

 

「ほら、みんなもさっさと逃げるわよ」

 

「アクア、今さら足掻(あが)いても無駄ですよ。私たちは、ここで朽ち果てる運命なのです」

 

 ソファーに座っためぐみんが、ティーカップに口を付けながら、淡々と語る。

 

「おい、お前ら、何、呑気にくつろいでいるんだ。俺たちは早くギルドに行くぞ」

 

「はっ? カズマ、冗談じゃないわよ。あの堅物なデストロイヤーを相手にするつもりなのー!?」

 

 パニクるのは自由の女神だが、俺の顔に風呂敷包みを押しつけて、返答するのはやめろ。

 

「そのデストロイヤーって、何なんだ?」

 

「デストロイヤーとは、誰もが恐れる機動要塞……」

 

 こんな状況下でも、意外に冷静なめぐみんが、ソーサーにカップを置きながら、悠長に話を切り出した。

 

「その機動要塞デストロイヤーが通った後には、何もかもが破壊され、アクシズ教徒以外は残らないとされる大物の賞金首……したがって、戦うのは無謀な判断です」

 

「そうか、そんなに一部の連中もヤバイのか」

 

「ちょっと待ってよ。私の信者たちは、みんなまともでいい子なのよ!?」

 

 アクアがめぐみんの肩を揺らしながら、自身の信者らの釈明を求めているが、めぐみんは無関心で口を閉ざしたままだ。

 

「でもさ、あんだけ大きいんなら、めぐみんの爆裂魔法で、一発で終わるんじゃないのか?」

 

「無駄ですよ。デストロイヤーには強靭な魔力のバリアで覆われていまして、一発、二発程度では、びくともしません」

 

「いや、お前の一回こっきりだろ」

 

 めぐみんの最強魔法が効かないのなら、避難した方が無難か?

 

 でも、この立派な屋敷を失いたくないし、

 この前、知り合ったばかりのサキュバス様たちの素敵な店(第25話参照)を、見捨てるわけにもいかない……。

 

「すまない、遅くなった。みんな、今からギルドへ行くぞ」

 

 ダクネスが新品の勇ましい鎧を身をまとい、颯爽(さっそう)と登場する。

 

「あれ、ダクネス? いつものお前ならデストロイヤーに突っ込んで、虚言の一つや二つを……」

 

「失礼なカズマだな。それでは私が阿呆(あほう)みたいな響きではないか。私だって、やる時はやるのだ!」

 

 ふむ、いつもはマヌケな聖騎士でも、決める時もあるんだな。

 お前は俺のパーティーで使えない、キャラの一人(全員では?)だったが、その勇姿を買って出たぜ。

 

「よし、お前らも勇敢なダクネスに続いて行くぞ!」

 

****

 

「カズマ、来たか」

 

「やっぱりな。お前が来るのを信じて、正解だったぜ」

 

 ギルド内にいたテイラーパーティーが、

 これでもかと言うくらい、俺たちを温かく迎え入れる。

 

「じゃあ、キース。お前が負けたから、明日の夕飯はお前のオゴリだな。特上焼肉定食、楽しみだぜ~♪」

 

「くっ、次は覚えていろよ、ダスト……」

 

 お前ら、俺の言動でチップを賭けるの止めろよな。

 

「皆さん、お忙しい中、お集まりいただきありがとうございます」

 

 メイド服兼支配人のお姉さんが、真剣なまなざしで周囲を見渡し、一呼吸おく。

 

「本街はこれより、機動要塞デストロイヤーの討伐の緊急クエストとなります。このクエストには、全員参加でお願いします」

 

「……ですが、万が一にもクエストが達成できない場合は、この街を捨てて、皆さんには逃げてもらうことになります。皆さんが最後の砦だということを、胸に刻んで下さい」

 

 おいおい、そんな無責任で大丈夫なのか?

 俺は、いささか不安になっていた。

 

「では、次に初めて知る冒険者様に、デストロイヤーの説明をいたします……」

 

 ──機動要塞デストロイヤー。

 魔動大国ノイズにて、魔王軍に対抗するために製造された、超大型の蜘蛛のような形状のゴーレム。

 

 莫大の国家予算で造られ、城ほどの大きさで、周りは魔法の金属に包まれ、凄まじき速さで進撃をする。

 

 デストロイヤーの進撃を止めるのは至難の技で、進路を邪魔するものは、容赦なく挽き肉と瓦礫の山となり、魔法も効かない魔力の結界が張られている。 

 

 そうなると、弓や投石で攻撃する手段しかないのだが、要塞のオプションが勝手に発動し、中型ゴーレムや小型バリスタで対抗されてしまう。

 

 また、デストロイヤーが暴れ続ける理由として、中枢部で開発責任者が、デストロイヤー自体を自ら操縦しているという説もあるが、その件に関しては不明のままである。

 

 まさに天災的な存在、それが機動要塞デストロイヤーなのである……。

 

 ──と、解説者目線で、ちょっと熱く語ったんだけど、俺も今、知ったばかりなんだよな。

 

「なあ、それを作ったノイズの国なら、相手の弱点が判明するんじゃないのか?」

 

「いえ、デストロイヤーの暴走で、国ごと滅びました」

 

 そうか、ならば、取説も火の中、闇鍋(いや、食べてない)の中か。

 

「じゃあさ、進路を予想して、大きな落とし穴を仕掛けてみれば?」

 

「ジャンプして、飛び越えられました」

 

 デカイ図体で、スーパーマ○オみたいことしてんじゃねー。

 

 冒険者たちは、あれこれとヤツを倒す方法をあれこれと思案したが、すでに試していて、効果がなかったの一点張り。

 

 めぐみんの魔法も効かないとなれば、どうしたらデストロイヤーの暴走を止められるんだよ。

 

 いや、待てよ。

 結界で魔法が通じないとなると……。

 

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