この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第27話 この要塞の進行を食い止める屈指の最善策を‼(2)

「なあ、アクア、お前の聖なる能力で、デストロイヤーの結界って破れそうか?」

 

「うーん、確かに、魔王の幹部二、三人くらいが張った結界ならまだしも、こればっかりはやってみないと分からないわね」

 

 アクアがテーブルにある、コップの中に指先を浸け、水面から無数のユリの花を生み出す。

 こんな時でも、宴会芸って必要か?  

 

「えっ、アクアさん、デストロイヤーの結界が破れるのですか! それができれば、魔法攻撃も可能ですが……」

 

 お姉さん、熱狂してエキサイトするのは構わんが、ちょっと鼻息が荒いって……。

 

「それでも、生半可な魔法は効きませんし、よほど強い攻撃魔法ができる方を捜さないと……」

 

「それならいるじゃんか、そこの頭のイカれたヤツが」

 

 ダストが指さした先には、

 杖を素振りして、魔法発動ごっこをしていた、イタイめぐみんがいた。

 

「いたな、頭のおかしい子が……」

 

「いたわね、そうよね、頭のおかしな子……」

 

 めぐみんを取り囲む周りから、ひっきりなしに、あたおかワードが炸裂する。

 今まで地味っ子だった存在が、一気に華開き、注目(変人)の的だ。

 

「待て、菓子の歌詞ではなく、私が普通におかしいのならば、法廷にて、私の頭が本当におかしいと言うことを立証するために……」

 

「だからボッチ裁判官ごっこはいいって。

 お前ならできるか?」

 

「うーん、流石(さすが)に、我が爆裂魔法でも、一撃では無理かも知れない……」

 

「はあ、また、ふりだしに戻ってしまったか……」

 

 せめて、もう一人、強い攻撃魔法を使える人がいれば……。

 ギルド内に不穏な空気が流れ込み、誰しもが絶望を味わっていた。

 

「遅れてすみません。ウィズ魔道具店の店主ですが、私も冒険者の資格を持っていますので、お手伝いに来ました」

 

 この淑やかな声はウィズか。

 唇にイチゴジャムらしきものが付いているからに、今までグースカと寝ていたな。

 

「おおっ、店主さんだー!!」

 

「えっ、皆さん?」

 

 ウィズが大慌てで、こちらに駆け寄った際、ギルド内の冒険者の口調が一気に熱くなる。  

 

「店主さんだー!」

 

「おおっ、ここに貧乏店主がいることを忘れてたぜ!」

 

「そうだ、元アークウィザードの店主さんなら、やれるかも知れん!」

 

「これで勝ちはもらったー!」

 

 みんなして、万馬券を引き当てたかのように、熱狂するダンスフロア。

 もう、栓抜き(扇子では?)持って、踊っていいですかー。

 

「へえー、テイラー、ウィズって、実は脱いでも凄かったんだな」

 

「まあな。アークウィザードを引退し、魔道具店を経営してるんだが、美人ということで、彼女のファンも多いんだぜ……って、脱ぐって何だよ?」

 

「いや、魔道具屋のグラビアアイドルでも、目指していたのかなってな」

 

 品行方正なテイラーが不思議そうに、俺の顔色をうかがう。

 

「カズマ、お前って、本当に掴めないやつだな」

 

「まあ、俺のハートはトコロテンみたいなもんだからな」

 

 リッチーだけのことあり、爆裂魔法も楽勝ということか……。

 

****

 

「では、作戦の再確認です!!」

 

 作戦は以下の通りだ。

 

 まず、アークプリーストのアクアが、デストロイヤーの結界を解除。

 

 続いて、めぐみんとウィズの二人の魔法で、デストロイヤーの脚を狙い、動きを止める。

 

 残りの冒険者はダメージを受けていない、様々な部分への攻撃や、可能であれば、本体の中に突入することも考えて、覚悟を決めること。

 

 ギルド内で行われた作戦は万全を期して、慎重に積み上げられた。

 

****

 

「ダクネス、いつまでそこで突っ立ってるんだ。いくらお前が固くても、今回ばかりは()が悪いぜ」

 

「いや、私にはこの街を守る義務がある。目の前の敵も倒せずに、聖騎士などと言われる筋合いはないからな」

 

 ダクネスが自身の体ほどの大剣を地面に刺して、道路標識のように棒立ちとなり、

 デストロイヤーの攻撃に備える。 

 

「それにカズマには、私が欲求を満たすだけのために、ここに立っているとでも?」

 

「いや、お前の考え、いつもそれだろ」

 

「まあよい。そのうち分かる時が来るさ」

 

 基本ダクネスは、ワガママで頑固だが、自称なんちゃらとは違ったワガママであり、可愛い駄々ごとみたいなもんだな。

 

「デストロイヤーが来たぞ!」

 

 凄まじい速さで迷うことなく、森や草原を突っ切って直進してきた、蜘蛛型の機動要塞。

 

「うおー、でかいし、速いし、怖いなの三点セットだな」

 

「みんな、くれぐれもゾウリムシのように踏まれるなよ!」

 

 テイラーの指示により、冒険者の動きがスムーズになる。

 やっぱり、リーダーはひと味違うぜ。

 (カズマは二味違うぜ)

 

「さあ、めぐみん、ウィズ。ドカーンと派手にやるわよ!!」

 

「りょ、了解です!」

 

「はい、アクア様!」

 

 デストロイヤーの移動先で、一人で待ち構えるアクア。

 

「アクア、やれー!」

 

「任せて。これが神の大いなる力よ」

 

 アクアが両手を空に上げ、光の塊が手中に集まる。

 

『セイクリッド・スペルブレイク!!』

 

 アクアの発動した光の塊が、デストロイヤーに激突し、その衝撃で周りを覆うバリアが破られた。

 

「さて、私は逃げさせてもらうわよ」

 

 アクア、後は用済み、すたこらさっさ。

 

「よし、めぐみん、ウィズ。出番だぞ‼」

 

「はい。めぐみんさん、準備はいいですか」

 

「我こそが最強の爆裂魔法の王者。王者たりとも、リッチーのヘボ魔法なんかに負けるわけにはいかない!」

 

『エクスプロージョン!!』

 

『ドオオオオーン!!』

 

 お互いに相対する意見の二人分の強力な火力が、デストロイヤーを襲う。

 

 その地面をえぐるほどの攻撃に屈したのか、黒い煙を吐き、歩みを止め、その場に伏せるデストロイヤー。

 

「やったか?」

 

「いや、動かないダンゴムシ(いえ、蜘蛛です)のふりをしてるだけかもな。油断するなよ」

 

 やたらと生物学者的なテイラーの冷静な発言? をその身に受け止め、みんな揃って、動かなくなったデストロイヤーの前で身構えていた。

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