この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
「なあ、アクア、お前の聖なる能力で、デストロイヤーの結界って破れそうか?」
「うーん、確かに、魔王の幹部二、三人くらいが張った結界ならまだしも、こればっかりはやってみないと分からないわね」
アクアがテーブルにある、コップの中に指先を浸け、水面から無数のユリの花を生み出す。
こんな時でも、宴会芸って必要か?
「えっ、アクアさん、デストロイヤーの結界が破れるのですか! それができれば、魔法攻撃も可能ですが……」
お姉さん、熱狂してエキサイトするのは構わんが、ちょっと鼻息が荒いって……。
「それでも、生半可な魔法は効きませんし、よほど強い攻撃魔法ができる方を捜さないと……」
「それならいるじゃんか、そこの頭のイカれたヤツが」
ダストが指さした先には、
杖を素振りして、魔法発動ごっこをしていた、イタイめぐみんがいた。
「いたな、頭のおかしい子が……」
「いたわね、そうよね、頭のおかしな子……」
めぐみんを取り囲む周りから、ひっきりなしに、あたおかワードが炸裂する。
今まで地味っ子だった存在が、一気に華開き、注目(変人)の的だ。
「待て、菓子の歌詞ではなく、私が普通におかしいのならば、法廷にて、私の頭が本当におかしいと言うことを立証するために……」
「だからボッチ裁判官ごっこはいいって。
お前ならできるか?」
「うーん、
「はあ、また、ふりだしに戻ってしまったか……」
せめて、もう一人、強い攻撃魔法を使える人がいれば……。
ギルド内に不穏な空気が流れ込み、誰しもが絶望を味わっていた。
「遅れてすみません。ウィズ魔道具店の店主ですが、私も冒険者の資格を持っていますので、お手伝いに来ました」
この淑やかな声はウィズか。
唇にイチゴジャムらしきものが付いているからに、今までグースカと寝ていたな。
「おおっ、店主さんだー!!」
「えっ、皆さん?」
ウィズが大慌てで、こちらに駆け寄った際、ギルド内の冒険者の口調が一気に熱くなる。
「店主さんだー!」
「おおっ、ここに貧乏店主がいることを忘れてたぜ!」
「そうだ、元アークウィザードの店主さんなら、やれるかも知れん!」
「これで勝ちはもらったー!」
みんなして、万馬券を引き当てたかのように、熱狂するダンスフロア。
もう、栓抜き(扇子では?)持って、踊っていいですかー。
「へえー、テイラー、ウィズって、実は脱いでも凄かったんだな」
「まあな。アークウィザードを引退し、魔道具店を経営してるんだが、美人ということで、彼女のファンも多いんだぜ……って、脱ぐって何だよ?」
「いや、魔道具屋のグラビアアイドルでも、目指していたのかなってな」
品行方正なテイラーが不思議そうに、俺の顔色をうかがう。
「カズマ、お前って、本当に掴めないやつだな」
「まあ、俺のハートはトコロテンみたいなもんだからな」
リッチーだけのことあり、爆裂魔法も楽勝ということか……。
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「では、作戦の再確認です!!」
作戦は以下の通りだ。
まず、アークプリーストのアクアが、デストロイヤーの結界を解除。
続いて、めぐみんとウィズの二人の魔法で、デストロイヤーの脚を狙い、動きを止める。
残りの冒険者はダメージを受けていない、様々な部分への攻撃や、可能であれば、本体の中に突入することも考えて、覚悟を決めること。
ギルド内で行われた作戦は万全を期して、慎重に積み上げられた。
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「ダクネス、いつまでそこで突っ立ってるんだ。いくらお前が固くても、今回ばかりは
「いや、私にはこの街を守る義務がある。目の前の敵も倒せずに、聖騎士などと言われる筋合いはないからな」
ダクネスが自身の体ほどの大剣を地面に刺して、道路標識のように棒立ちとなり、
デストロイヤーの攻撃に備える。
「それにカズマには、私が欲求を満たすだけのために、ここに立っているとでも?」
「いや、お前の考え、いつもそれだろ」
「まあよい。そのうち分かる時が来るさ」
基本ダクネスは、ワガママで頑固だが、自称なんちゃらとは違ったワガママであり、可愛い駄々ごとみたいなもんだな。
「デストロイヤーが来たぞ!」
凄まじい速さで迷うことなく、森や草原を突っ切って直進してきた、蜘蛛型の機動要塞。
「うおー、でかいし、速いし、怖いなの三点セットだな」
「みんな、くれぐれもゾウリムシのように踏まれるなよ!」
テイラーの指示により、冒険者の動きがスムーズになる。
やっぱり、リーダーはひと味違うぜ。
(カズマは二味違うぜ)
「さあ、めぐみん、ウィズ。ドカーンと派手にやるわよ!!」
「りょ、了解です!」
「はい、アクア様!」
デストロイヤーの移動先で、一人で待ち構えるアクア。
「アクア、やれー!」
「任せて。これが神の大いなる力よ」
アクアが両手を空に上げ、光の塊が手中に集まる。
『セイクリッド・スペルブレイク!!』
アクアの発動した光の塊が、デストロイヤーに激突し、その衝撃で周りを覆うバリアが破られた。
「さて、私は逃げさせてもらうわよ」
アクア、後は用済み、すたこらさっさ。
「よし、めぐみん、ウィズ。出番だぞ‼」
「はい。めぐみんさん、準備はいいですか」
「我こそが最強の爆裂魔法の王者。王者たりとも、リッチーのヘボ魔法なんかに負けるわけにはいかない!」
『エクスプロージョン!!』
『ドオオオオーン!!』
お互いに相対する意見の二人分の強力な火力が、デストロイヤーを襲う。
その地面をえぐるほどの攻撃に屈したのか、黒い煙を吐き、歩みを止め、その場に伏せるデストロイヤー。
「やったか?」
「いや、動かないダンゴムシ(いえ、蜘蛛です)のふりをしてるだけかもな。油断するなよ」
やたらと生物学者的なテイラーの冷静な発言? をその身に受け止め、みんな揃って、動かなくなったデストロイヤーの前で身構えていた。