この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第29話 このデストロイヤーの動きを止めるための行動を‼(1)

「開いたぞ、責任者を探すんだ‼」

 

 扉がこじ開けられ、大量の冒険者たちが内部になだれ込む。

 

 中は結構広い。

 部屋はブロックで仕切られ、一端の三ツ星ホテルに泊まった気分だ。

 

「でも、この崩れかけたレンガの様子からして、長らくは使われていない感じがしますね」

 

 ウィズが埃をかぶった壁に触りながら、現状を述べる。

 

 おっと、ここで『ポツンと一つの要塞』のお宅訪問になる流れだった。

 

 あちこちを見学したい気分もあるが、今はデストロイヤーの爆発を防ぐのが最優先だ。 

 とにかく責任者を探さないと。

 

「いたぞ、こっちだー‼」

 

 一人の冒険者の知らせにより、俺たちが駆けつけると、王座に法衣を着た一人の老人が腰かけていた。

 

「おい、あんた、ここの責任者なのか? どうにかしてコイツの爆発を止めてくれないか?」

 

「……」

 

「おい、人様が質問をしているのにシカトすることはないだろ……ひっ!?」

 

 近付いて初めて、相手の顔が皮のないミイラだったことを知り、ニ、三歩後ろに退く。

 

「心配いらないわ。未練のかけらもなく、すでに成仏してるわよ」

 

 アクアがそれの体を触り、率直な感想を口に出す。

 

「いや、こんな場所で孤独死して、未練もないなんて冗談だろ?」

 

「あら、このノートは?」

 

「どうやら責任者が書いた日記みたいだな」

 

「えっと、○月△日……」

 

◇◆◇◆

 

 ──○月△日。

 国のお偉い方が低予算で、機動兵器エ○ンゲリオンみたいのを作れと、無茶なことを言い出した。

 

 抗議しても耳を傾けず、泣いて赤子のように叫んだり、坊さんのように拝み倒しても、女研究員の前で、パンツ一枚で走り回っても意味はなかった。

 

 この国は、もう終わりかも知れない。

 

 ○月△日。

 どうしよう、設計図を今日までに完成しないといけないのに、白紙の状態だ。

 報酬の前金を、酒代やツマミに全部使った俺が悪いのか?

 

 そうやって、白紙の設計図作りに頭を悩ませると、その紙に俺の大嫌いな蜘蛛がひょっこりと現れた。

 

 俺は狂った叫び声を上げながら、紙の上もろとも近くにあったゴブリンの遺産でもあった、こん棒でヤツを叩き潰した。

 

 上質で高価な紙なので、弁償する金もない。

 そんなん知るか、適当にお偉い方に出しちゃおう。

 

 ○月△日。

 あの設計図が、好評を呼んでいる。

 

 蜘蛛を叩いた汁なんだけど、バッチイなんて、口が裂けても言えない。

 あの蜘蛛を一匹退治しただけで、計画はスムーズに進んでいる。

 

 でもそんなミラクルヒャッフー♪ な俺が、所長なんです。

 

 ○月△日

 俺が何もしない中、計画が着々と進んでいく。

 最初から俺の考えなんか、いらなかったじゃんか。

 もう勝手にしやがれ、ベイビースターラーメン。

 

 そんなことを物ともせず、今度は動力源が要ると言われ、じゃあ、伝説のレアな石のコロナタイトでも持ってこいよと、適当に言ってみた。

 

 ○月△日。

 まさか、持って帰れるハズがない、あのレアな石を本当に探し出してくるとは思わなかった。

 この石ころで動かなかったら、俺死刑ですかね。

 お願いします、動いてください!

 

 ○月△日

 明日が動作テストなどと、ほざく輩がいたが、俺がやったことは蜘蛛を殺っただけ。

 

 この椅子で好き勝手できるのも、今日まで。

 そう思うと怒りにより、ヘソで麦茶を沸かしそうになる。

 

 もう今日は俺一人だし、とことん飲むぞと、愛用のワインに口をつけた。

 

 ○月△日

 目覚めは最悪だった。

 この体のふらつきは、二日酔いなのか?

 

 いや、それ以前に昨日の記憶があるのが、動力源になったコロナタイトに説教を垂らしていたくらいか。

 

 そうだな、生姜焼き定食を食いたかったから、お前さんは根性焼きにしてやると、煙草の火をコロナタイトに当てたくらいしか……。

 

 ○月△日

 それから、俺の中の全てが終わった。

 突然、蜘蛛の機動兵器が暴走したからだ。

 

 これは俺の仕業と、みんなから思われている。

 半べそかいて、許しを得ようとしても無駄だろうな。

 

 機動兵器から、強制的に降ろされて、三枚下ろしの死刑だろうか。

 

 魚の干物なんて最悪だ。

 こんちくしょうめ。

  

 ○月△日

 某有名漫画のように『こんな国消滅すればいいのに!』と、叫んでみたら、本当に国が消え去った。

 

 国民やお偉い方は、命からがら逃げたらしいけど、俺が一つの国を滅ぼしたのは事実だ……。

 そのせいか、俺は永年のストレスから開放されたようにスッキリした。

 

 もう、この機動兵器と俺は切っても切れない関係だ。

 どのみち、これから降りれないし、暴走も止められないから、ここで余生を過ごすことにしよう。 

 

 この機動兵器作ったヤツ、大バカなんじゃないのか? 

 

 いや、ごめん。

 作った責任者は俺でした、サンバでごめンゴー!(苦笑)

 

「……ということで、めでたしめでたし」

 

「おい、ふざけてんのかー!!」

 

****

 

「これがそのコロナタイトルか」

 

「ルが一個多いわよ」

 

「この際、カレーのルーでもいいじゃないか。それよりもコイツを取り出せば、

暴走は食い止められるんだな」

 

 中枢部の水槽で輝くコロナタイトの石ころに片手を向け、俺はその利き腕に全神経を集中させる。

 

「ちょ、ちょっと待って、カズマ‼」

 

『スティール!』

 

 ふっ、お姉さん、この俺の手さばきに惚れるなよ。

 

 ふと、手肌に感じる温かい塊の炎。

 温かい……いや、ちょい熱いような……。

 

「あちあちあちー!?」

 

「きゃー、カズマさん‼ 

 フリーズ! フリーズ!」

 

 よい子のみんな、みんなの天使(女神では?)のアクアだよ。

 コロナタイトは炎の玉だから、素手で不用意に掴んだら駄目だぞ。

 

「ねえ、カズマ。ゴーレムの時(第28話参照)といい、あなた筋金入りのバカよね」

 

 俺の手の火傷(まさに手羽先)をヒールで治すアクアが呆れ返っていた。

 

 ぐぬぬ、アクアから言い様にされても反論できぬ。

 武士の情けでゴザンス……。

 

「でもコロナタイトは取り出せましたよ」

 

「いや、ちょっと待って。

 段々輝かしくなっているわよ、ヤバイんじゃないの!?」

 

「確かに。このままではドカーンと爆発してしまいますね」

 

 ウィズ、何でそんなに冷静なんだよ。

 その肌に血は通っているのか?

 いや、もうゾンビだったな。

 

「アクア、お前の力で封印とかできないの?」

 

「そんな都合のいい力が使えたら、苦労はしないわよ‼」

 

「だよな。ウィズの魔法でどうにかならないのか?」

 

「それには私の魔力が足りません……いえ、方法はありました」

 

 ウィズが俺に振り向き、火照った笑顔を見せつける。

 

「カズマさん、お願いがあります。その、吸わせてもらえますか?」

 

 ウィズが俺の顔に、自らの顔を近付ける。

 ああ、近くで見ても君は、死ンデレラのように美しい。

 

「ああ、喜んで」

 

 お父さん、お母さん、現世で俺の活躍を見ていますか。

 

 ゲーマーで引きこもりだった俺ことカズマは、この異世界で一つ、大人の階段を昇ります……。

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