この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
広大に、
広がる荒野、
逃げる俺。
「ここで一句ができたなっ……じゃなくて、今はそれどころじゃないだろー!」
俺は街の外で、巨大怪獣のようなカエルのモンスターから追いかけられていた。
異様に伸びるゴムのような舌に、飛び跳ねる筋肉質の体。
「こんなヤツ、倒せるヤツの気性が分からん!?」
「プー、クスクスー。初クエストでジャイアントトードに追われてるなんて、めっちゃ笑えるー(笑)」
「おい、そこの駄女神。ちょっとは戦え!」
「望むところよ!!」
ゲコゲコ、パクリ。
あー……。
****
「ウエーン、カズマにベトベトに汚されたよー。もう私、お
「周りに誤解を招くことを言うな。それに婿じゃなくて、嫁だろー‼」
あのカエルに丸飲みされ、粘液まみれになってギルドに帰還した……いや、逃げてきた駄女神がボロボロと涙をこぼす。
「あれだな。俺たちには強い攻撃力を持った仲間が必要だ」
「それよ。今すぐにでも掲示板で、上級職の魔法使いの募集をしましょう」
「でもなー。こんな最弱なパーティーにやって来るヤツとかいるもんかね?」
「何、おじいちゃんみたいな枯れ系なことをほざいているのよ。働かざるもの食うべからずでしょ?」
「それ、お前じゃね?」
****
「──すみません。そちらの募集を知って、飛んで来た者ですが?」
そこへ三角コーンみたいな深い帽子を被り、黒マントにスッポリと包まれ、片目を眼帯で隠した幼女が、トコトコと自慢げに登場する。
「この私こそ、最上級職の最強のアークウィザードでもあり、最強の魔法で、どんな相手をも張っ倒す、
何回、最強と呟けばいいんだ?
メジャーで作詞活動でもしてるのか、このロリロリ幼女は?
「その我が名は、めぐみん‼」
名前まで幼稚な変なロリが、さっきからひとりごとを言いながら、俺たちのいるテーブルをうろちょろしている。
何だ、今こんな『初めてのおつかい』みたいな、ごっこ遊びが流行っているのか?
「コイツもヤベーヤツだな。しかもヤベーロリ
「ちがーう‼ 私は本物の爆裂魔法使いだー!」
「じゃあ、その力とやらを見せてもらおうか」
「ええ、でもその前に……」
その場で顔面から、床に着地するロリ娘。
「お腹空いた。もう三日も食べてない。何か食べさせてー。きゅう……」
やっぱり変なヤツだ。
****
俺たちは再び、あの
荒れ果てた荒野で、ゲコゲコと鳴き、舌を舐め回しながら、特有の会話を交わす巨大カエル数匹。
いいか、調子に乗るのも今のうちだぞ。
生臭い後味が人を選ぶ、地に帰る唐揚げ(まだ生きてる)どもよ。
「私が魔法を放つまでの間、時間稼ぎをお願いします」
眼帯を外し、眩しく光る片目をあらわにし、呪文の詠唱を始めるめぐみん。
「大丈夫か、アイツ?」
「まあ、めぐみんの冒険者カードから見て、魔力も抜群に高かったし、かなりの腕利きで本物のアークウィザードであることは確かよ」
「それをお前が言うのか?」
「キー、一回轢き潰すわよ。ヒキニート!!」
俺たちの争いにも耳を傾けず、めぐみんが赤い宝玉が埋められた木の杖を、カエルたちに向ける。
「いきますよ。人類史上最高の魔法使いが放つ、究極最強の攻撃魔法……」
『
どかーんー‼
おおっ、コイツはスゲエ威力だ。
あのカエルの群れが跡形もなく消えて、さっぱりして、気分は最高潮だ。
「アクア、こりゃ、本当に大物を引いたぜ。なあ、見てただろ!」
パクリ……モグモグ。
あー……。
「おいっ。めぐみん様、まだ残ってるカエルがいるぞ。そなたの偉大なる攻撃魔法で、飲み込まれたアクアもろとも吹き飛ばしてくれ!」
『何ですってー!(カエルの口の中から、こんにちは)』
俺がめぐみんに視点をやると、相手は地面にうつ伏せに倒れたまま、動かない。
「どうした、どこか怪我でもしたのか!?」
「いえ、我が爆裂魔法は強力な魔法ゆえに、消費する魔力も膨大。一度使うと、しばらく動けない身であります……」
「マジか……?」
パクリ。
あー……。
お前ら、二人ともカエルの餌にして、もう俺、帰ってもいいか?
初クエスト、能天気女と幼女が丸飲みにされ、二人とも戦闘不能。
ジャイアントトード討伐作戦は、失敗の二文字で終わった……。