この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第30話 このデストロイヤーの動きを止めるための行動を‼(2)

「それでは遠慮なく、ドレインタッチ!」

 

「のおおおおー!?」

 

 ウィズが俺の頬に両手をそっと添え、容赦なく精気を吸い取られる。

 美人店主さんによる、口づけからかけ離れたタッチの魔法で、俺は死を覚悟した。

 

「ちょっと! カズマさんがアジの干物になっちゃうでしょ!」

 

「すみません。魔力を補い、テレポートの魔法を使うにはこれしか方法が……」

 

 ウィズとアクアが干物に成り果てた俺の後ろで、何やら白髪と骨皮だけになった、俺のことで揉めている。

 ふっ、老けた男はモテ方も違うぜ。 

 

「つまり、テレポートで、この石を移動させるということか」

 

「大丈夫、白髪ネギのおじいちゃん?」

 

「いや、アクア。俺まだ16だし、頭にネギなんか生えたら怖いだろ」

 

 俺は老け顔から、よろめいて立ち上がり、

 アクアに白髪ネギの特性を伝える。

 白髪ネギとは、人の名前でもないと助言も……。

 

「ただ、私のテレポートの能力だと、人の多い場所に限られるので、ランダムテレポートで飛ばすしかないのです」

 

「じゃあ、もし転送先に人がいたら……」

 

「間違いなく、コロナタイトと共に消え去ります」

 

 そうこうしている間にも、コロナタイトは赤みを強くし始める。

 

「いや、この世界も広いんだ。人がいない場所に行く方が、確率的にも高いはず……」

 

「ですが、そんな賭け事みたいな感覚で……」

 

「全責任は、運の良さの能力だけはやたらに高い俺が取る。時間がないんだ。ウィズ、手っ取り早くやってくれ!」

 

「あっ、はいっ!」

 

 ウィズが両手を慎重に、コロナタイトの前に合わせる。

 

『テレポート!!』

 

 コロナタイトの石は爆発寸前のまま、ウィズのテレポートで瞬間移動した。 

 

****

 

「ダクネス、めぐみん、待たせたな。何とかデストロイヤーの動きを止めてきたぜ」

 

 体も白髪も元通りになり、黄泉の国(違う)から舞い戻った俺は、仲間と一緒に地上に帰ってきた。

 

 あの要塞にいた責任者の遺体も、生まれ故郷で埋葬するらしく、これでこの緊急クエストもようやく終わったな。

 

「いや、カズマ、何か様子が変だぞ」 

 

 ダクネスの視線の先にあるデストロイヤーの体に、あちこちから亀裂が走り、中から黒い煙がブスブスと上がる。

 

「おいおい、動力源を失っても、まだ動けるのかよ!?」

 

「どうやら中に溜まっていた熱が、外に漏れているようですね。このままだと爆発は避けれません」

 

「もう、この街も終わりね。逃げましょう」

 

 あのな、お前、一応女神だろ。

 何かあったら、すぐ逃げるのやめろよな。

 

「いえ、まだ望みはあります。誰か、私に爆裂魔法を使えるくらいの魔力を下さい」

 

「待てよ、ウィズ。お前が人前でドレインを使ったら、人間じゃないことがバレて大事(おおごと)になる。ドレインなら俺も使えるから、俺が魔力を吸って、ウィズに渡すでいいな?」

 

 だけど近くに、大量に魔力を持っているヤツなんて早々……。

 

「カズマ、ここはもう駄目よ。とっとと酒瓶と一緒に、この街からずらかるわよ」

 

『ドレインタッチ』

 

「きゃあああ!? いきなり何するのよ、ヒキニート‼」

 

 そういえば、このとびっきりの魔力を蓄えたアクアがいたな。

 

「いいか、お前の魔力を頂戴して、ウィズにあげて、爆裂魔法を使用させる」

 

「何言ってるの。私の神聖魔法とか流し込んだら、ウィズ消滅しちゃうわよ」

 

 えっ、そうなん?

 でも他に、魔法を発動できる魔法使いなんて、もう、モー……。  

 

「わっ、私がいるじゃないですか」

 

 ダクネスの介抱を受けていためぐみんが杖を突き、ふらつく足取りで俺の前に来る。  

 

 これぞ、まさに蕎麦打ち(真打ちでは?)の登場だな。

 

****

 

「ねえ、カズマ。お願いだから、魔力を吸いすぎないでよ」

 

「ああ、俺の腕に任せとけ」

 

「執刀医みたいなこと言わないでよね」

 

 俺はアクアの後ろ首に、利き手で軽く握る。

 

「カズマ、背中にひんやりとした手を突っ込む理由でも?」

 

「心臓に近い、皮膚の薄い部分からのドレインの方が、効果的でいいんだよ」

 

 もう片方の手を、めぐみんの背中に入れ、準備は整った。

 

「いくぜ、ドレインタッーチ‼」

 

「はあうっ これはキツイわね!?」

 

「おおう、アクアのヤバすぎる魔力が伝わってきます。これは最強の爆裂魔法になりそうです!」

 

 勢いのある反動で仰け反りかけた、アクアの大量の魔力が俺の体を伝わって、めぐみんに流れ、めぐみんの髪が黄金色(嘘つけ)に染まる。

 少年誌も驚きな、スーパー紅魔族(こうまぞく)の誕生(だから嘘つけ)か。

 

「ねえ、まだなの? ちょっと吸いすぎじゃない?」

 

「はい。アクア、サンキューです。魔力充電、完了しました」

 

 顔色に程よく血色が満ち溢れ、大きく息を吸い込むめぐみん。

 

「それではいきますよ。我が最大の究極の爆裂魔法を食らえ!」

 

『エクスプロージョン!』

 

『ピカッ! ドカカーン‼』

 

 デストロイヤーはめぐみんの爆裂魔法により、粉々になり、草原の外れで轟音を立てて、消滅した。 

 

****

 

 ──デストロイヤー討伐を無事に終え、俺らを含めた冒険者の集団で、みんなでギルドの酒場で宴会を開いていた。

 

「いや、色々あったけど、街も人も助かって良かったぜ」

 

「カズマ、私からも礼を言わせてもらう」

 

「ダクネスか」

 

「この街を救ってくれて、ありがとう」

 

 いつもより雰囲気が違い、やたらとカッコ良さげなダクネス。

 

「そういえば、今回のお前、何もしなかったよな」

 

「確かにダクネスは、街の前で警備員のように立っていただけよね。私なんて、結界を破って、カズマの傷も治療し、さらにめぐみんに魔力を与えたのよ。私ながら凄い活躍だったわ」

 

「私は一日に二回も爆裂魔法を放ち、

 二回目はデストロイヤーをやっつけました」

 

「カズマさんも頑張ったじゃないですか。

 指揮をとって、モンスターを倒し、コロナタイトを取り出し、さらに魔力も私に与えてくれて」

 

「いや、ウィズは爆裂魔法で足止めして、

 俺の火傷の手を冷やしてくれたり、爆発寸前のコロナタイトをテレポートしたんだ。

 真のMVPはウィズで決まりさ!」

 

「それでワガママの一点張りで頑固として動かず、街を守ると言っていた、お前の活躍はどこに?」

 

 俺らはダクネスに、軽蔑の白い視線をおくる。

 

「こっ、こんな攻め方(責め方?)をされるとは。はああああー!!」

 

 いつもの調子(変態?)になったダクネスが、体を細かく揺らしながら、歓喜の照れた瞳でこちらを見ていた……。

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