この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第31話 この伝説の刀でパーティーの戦力になれる約束を‼

****

 

「──先日、切り裂きシャックの愛用の刀が見つかりました。シャックが住んでいた隠れ家から発見された物です」

 

 ギルド内にて、いつもの美人お姉さんが、ボロそうな剣を冒険者たちに見せる。

 

 ちなみにシャックとは、卓越した剣さばきを身に付けた剣士であり、人の行き来が少ない夜に現れては、主に女性に切りかかるという、とんでもない犯罪者でもある。

 

 だが、切った相手の体には決して傷をつけず、服だけを切り裂くという『変態』のあだ名を世に残していた。

 

「魔法使いの皆さんには、この刀の調査をお願いしたいのですが……」

 

 お姉さんが一瞬、言葉を濁らす。

 

「……鑑定の結果、強力な妖刀には間違いないのですが、剣士の方がお試ししたら、枯れ枝も切れないほどの、とんでもないナマクラ刀だったらしいんです」

 

「なるほど、真の伝説の剣は優れた剣士にしか、装備できないというヤツか」

 

「そういうもんなんですか?」

 

「まあいい。ようは試してみることだ」

 

 俺は刀を手に取り、目の前の大根に切りかかった。

 今日の晩メシのおでんの具材だけに……。

 

「ふむ、やっぱり俺では切れないか」

 

「同じ変態だけに惜しかったですね……」

 

「おい、めぐみん、何で、俺を見て言うんだ?」

 

「いえ、気のせいじゃないでしょうか?」

 

 めぐみんが刀を手に取り、誤魔化しながら振り回す。

 

『ザクッ!』

 

 その刀が大根を捉え、縦に真っ二つに両断する。

 

「えっ、もしかして、めぐみんが伝説の剣士だったり?」

 

「フフフ……」

 

 めぐみんが不気味な笑みを浮かべながら、

 もう一度、大根に狙いを定める。

 

『スパパーン!!』

 

 たったひと降りで、一センチ感覚の輪切りになる大根。

 

「うおおー、めぐみんこそが、本物の剣豪だぜ‼」

 

 めぐみんの冴え渡る剣の腕に盛り上がっていく、冒険者一同たち。

 

「なあ、嬢ちゃん、このワインの瓶も切れるか?」

 

「よろしい、我が剣技を思い知るがいい」

 

 めぐみんが刀を振るうと、あの固い瓶が、すんなりと筒切りになる。

 

「何てことない、これくらい楽勝だ」

 

「うおおー、切り裂きめぐみんの誕生だぜー‼」

 

 手では開かない蓋の瓶や、あのル○ン三世の剣豪、石川○右衛門でも切れないこんにゃくなど、色々と試し切りをされるめぐみん。

 

「あの、めぐみんさん。どうせなら、その刀による特別依頼を受けてみませんか?」

 

 その依頼とは、その刀を上手く使いこなし、真の実力を探ること。

 報酬も割高だったらしく、めぐみんは難なく、その依頼を引き受けた。

 

****

 

「カズマ、どんなことでも、道を極めるということは、虚しいことなんですね……」

 

「……と言うか、お前、剣士じゃなくて、アークウィザードだろ。お前さんは、爆裂魔法を極めるんじゃなかったのか?」

 

「いえ、この刀があれば、私はパーティーの偉大なる力になれるんです。もう爆裂魔法一回だけのヘタレと言わせません」

 

「ああー、そーですか」

 

 何でも切れる師匠と、みんなから言われて、

 すっかり剣士の道に溶け込んだか……。

 

「それでカズマ。最後に、どうしても戦いたい相手がいるのですが……」

 

「おっしっ、こうなったら、とことんぷにぷにと付き合ってやるよ」

 

****

 

「ゲコゲコ、ゲコリ……」

 

「はあ?」

 

 俺はめぐみんに誘われ、

 ジャイアントトードが巣食う、例の草原に来ていた。

 

「以前、苦戦を強いられたカエルの軍団。爆裂魔法では連続して、カエルは退治できません(第3話参照)」

 

「でも、今の私には、この刀があります!」

 

 古びた鞘から刀を抜き、

 抜刀体勢になり、ターゲットに立ち向かうめぐみん。

 

「今こそ、長年による、因縁の決着をつける時ですー!! やああー‼」

 

「おいっ、待てよ‼」

 

 まあいいか。

 あの妖刀があるんだ。

 今の戦力のめぐみんだったら、カエルくらい、余裕で倒せるだろう。

 

「あっ、いました! カズマさーん!」

 

 ギルドのお姉さんが、急ぎ足でこっちに駆けてくる。

 

「そんなに慌てて、どうかしましたか?」

 

「いっ、いえ、実は、あの妖刀のことなのですが……」

 

 シャックの隠れ家から知った真実。

 あの刀は魔力を使って、物を切る妖刀であり、魔力が強い物ほど、物がよく切れるらしいが、生物には全く切れない刀らしく……。

 

「つまり、シャックが服だけを切り裂いたというのは、そういうことなのか……」

 

「はい。ですから、あの妖刀でモンスターと戦っても、意味がなくてですね……」

 

 えっ、てことは、カエルの群れに飛び込んだ、突撃剣士のめぐみんヤバくね?

 

 ゲコゲコ、パクリ……。

 あー……。

 

 光の差す中、剣を持ったまま、カエルに飲み込まれるめぐみんの長き影が、もの悲しく映っていたのだった……。

 

****

 

「これは自分への罰なんです! 爆裂魔法を極めず、浮気心で挑んだ私への罰なんです!」

 

 ギルドの飲食ブースで、しかめっ面のめぐみんが、テーブルを叩きながら、口語する。

 

「これからは爆裂魔法のみを追求していくことを、約束してですね……」

 

「せやな」

 

 どうでもいいから、その粘液まみれの服を早く洗濯して、とっとと風呂に入れよ。    

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