この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第35話 この犯罪に手を染めた俺に救いの光を‼(4)

 深夜の牢獄で頭を抱え、眠らずに思い悩む俺。

 セナと必死に弁論を交わしたのに、結局は裁判にかけられるようになったからだ。

 

 あのセナのニヒルな笑い方(そんな風に見えた)からして、どうみても死刑は免れないだろう。

 

 くそ……。

 このままでは、俺の千年にも渡る将来設計(仙人なのか?)が、グーチョキパーだ。

 何とか、この場所から、脱獄をしなくては……。

 

 でも逃げ場は、どこにもないぞ。

 どうする? 

 名探偵ワト○ンよ。

 

『ズズーン!!』

 

 昨日に続き、今日も夜中に鳴り響く、一つの爆音。

 俺の窮地(きゅうち)をよそに、河川敷で花火大会(違う)でも、おっぱじめたか?

 

「カズマ、ねえ、カズマ! まだ灰になってないわよね?」

 

 いや、普通は灰になったら、会話ができないだろ。

 こんな失礼なことを言うヤツは、あの女しかいない。

 

「その声はアクアか? また懲りずに来たのか? 昨日はあれからどうなった?」

 

「ええ、めぐみんの犯行って、あっさり見破られて、ダクネスのとっさの指示(おんぶ)で、何とか逃げられたのよ。でも今日は一味違うわよ。嫌がっていた二人に、ひょっとこの仮面を被せたから大丈夫よ。今度は誰の仕業か分からないわ」

 

「いや、この辺じゃ、爆裂魔法が使えるのは、めぐみんしかいないから、バレて当たり前だろ……」

 

 そんなことにも気づかないなんて、

 この女神の頭の中身は、豆腐でできているのか?

 

「そんなことより、昨日はあんパンの他に、コーヒー牛乳もチビチビ飲みながら、ずっと待っていたのにどうしたのよ? 『お前、それカルーアミルク(コーヒー牛乳のカクテル)を飲んでるだろ? こんな夜に署をうろついて、何の仕事をしてる?』とか聞かれて、何度も職務質問を受けて、大変だったんですけど!」

 

「いや、素人の俺が、針金で鍵を開けれるわけないだろ。あと鍵はダイヤル式だから、開ける時点の問題だろ!」

 

「フムフム。警察署も、中々の対策をしているわね」

 

 その対策に気づかぬ、お前もおかしい。

 

「とにかくだ。今夜中に、どうにかしないと、明日は裁判なんだよ」

 

「ムフフw。このアクア様に任せなさい。昨日とは違って、今日は革命的な新兵器を持ってきたわ。さあ、受け取りなさい」

 

 アクアが格子窓から、光輝く物を落とす。

 しかし、俺はそれを取った瞬間、頭の中が真っ白になった。

 

「さあ、その糸ノコを使って、窓の格子を切断して脱出するのよ。私も持っているから、一緒にやるわよ」

 

 コイツ正気か?

 まるで、ギャグ漫画のような物言いだな。

 

「これなら変態しか取り柄のない、カズマでもできるでしょ?」

 

「変態とは何だ、失礼だぞ」

 

 その声は俺の頭から数メートル離れた、高さから聞こえるのだが……。

 

「あのさ、ここからだと、窓に手が届かないぞ」

 

「安心して。この天才アクア様に任せて。そのことも十分に想定済みよ」

 

「これよ!」

 

 アクアが窓から、自分の身長くらいの秘密道具を見せつける。

 

「じゃーん! この脚立があれば大丈夫よ。カズマはこの脚立に乗って、作業して!」

 

 心底、嬉しそうに語ってくるアクア。

 何がそんなに楽しいんだ?

 

「さあ、時間は待ってくれないわ。警備員が来る前に急ぎましょう!」

 

「なるほど、それは承知した。それで、その脚立はどうやって、鉄格子付きの狭い窓から入れるんだ?」

 

「あっ……」

 

 アクアの動きがピタリと止まり、手に持っていた長い脚立をマジマジと見つめる。

 

「ちょっと、待っていてもらえるかしら」

 

 そのままアクアは脚立を持ったまま、引き返していく。

 

「ちょっとあなた、手に持っている、それは何ですか?」

 

 アクアの去った先から、門番らしき男の声が聞こえてくる。

 

「あっ、いえ、これは、この署にとまっているカブトガニを採って、差し入れするためでして」

 

「こんな海のない場所に、カブトガニとか生息していませんよ?」

 

「ああ、言い間違えました。実はカブトムシを捕まえるためでして」

 

「えっ、こんな時期にカブトムシはいませんし、周りには樹木もありませんが?」

 

「知らないんですか? 最近のは建物に住み着いて、アスベストを吸うんですよ」

 

「そんな話、聞いたことないですよ?」

 

 確かに似てはいるが、アスベストは綿アメの種類じゃないぞ。

 

「ちょっと、話を聞かせてもらえますか?」

 

 そこで『スタタ!』と、地面の砂利を蹴る音が響いた。

 

「あっ、逃げたぞ!」

 

「逃がすな、皆の者、とっ捕まえろ!」

 

「不法侵入者だぞ。あの怪しい女を追えー!!」

 

 今回も逃亡失敗か。

 俺は窓に向かって、糸ノコを放り投げ、

 いそいそと布団に潜り込んだ。

 

 隣ではダストが爆睡し、

 ヨダレを光らせて『もうキャベ○ンなんて食べれない』と、寝言を呟いている。

 あれは食べ物ではなく、胃腸薬じゃないのか?

 

 まあいいか。

 明日は素敵な日になるといいな。

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