この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第36話 この証人たちの言い分で自身の罪を軽くすることを‼

****

 

「皆の者、静粛(せいしゅく)に!」

 

 裁判官が木のハンマー(ガベル)を、コンコンとテーブルに鳴らす。

 

「これより、被告人サトウカズマの裁判を行う」

 

「被告人と弁護人は証言台に」

 

 ──次の日、俺は裁判所の法廷内にいた。

 

 真向かいに座る、裁判官の連中が、モーツ○ルトのような白髪の髪型をしていて『コイツら作曲家を目指した方が良くね? 音楽室の額縁に仲間として、記念写真に残るぜ?』と、感じてしまう。

 

「カズマは何も悪くない。必ず無実を証明してみせる」

 

「そうです。ダクネスの言う通りです。あの検察官の前で玉ねぎを切って、涙目にさせるほど、論破してあげますよ」

 

「頼んだぜ、弁護人はお前たち三人しかいないからな」

 

 ダクネスとめぐみんの弁護は頼もしいけど、こんな弁護で俺の裁判では通用するのか……。

 

「カズマ、安心して。聖職者である私がいれば、こんな裁判なんて余裕よ。日本で評判の桃次郎電鉄のゲームもやりつくしたし、裁判の弁護なら楽勝よ!」

 

 問題点があるとすれば、この女神だな。

 桃鉄は、ボードゲームの一種じゃないのか?

 

「アクア、お前は裁判が終わるまで、一言も喋るなよ」

 

「えっ、私の弁護がないと、死刑が確定するわよ!?」

 

 お前は、ただの女神だろ。

 勝手に俺を死罪にするな。

 

「静粛にしなさい!」

 

 アクアの自慢げな語らいも法廷では、ただの騒音の一部だ。

 

「ボソボソ……。ねえ、めぐみんってば……。あの座席に座っていて、私たちをガン見してるのが、例の領主様よね……?」

 

「はい、そうですよ……」

 

 金髪のパーマに髭面で、赤い貴族の服を着て、コソコソ話をしているアクアたちをニヤニヤと見ていて、頭頂部がキラリと光る領主が一人。

 そんなふくよかなじいさん(イコール中年のおっさん)こと、アルダープ。

 

 偉ぶって腕組みして、紳士ぶる反面、その目は屋敷中を薄衣一枚で過ごすダクネスを、エロい目で見るカズマに似ていた。

 

「全くいい歳した、おじさんが年甲斐もなく。男の人って、みんな、ああなのでしょうか」

 

「べっ、別に俺は、そんな目でダクネスを見てねえよ」

 

「あんなロリコンな目で見られたら、正直、寒気が走るわね。今すぐにでも、あのおじさんの目にタバスコをぶっかけたい気分だわ」

 

「いや、アクア、それガチでヤバいから、同じ目でも、目玉焼きの上にかけるだけにしとけ」

 

 そのロリコン? なアルダープと、一瞬だけ目が合うダクネス。

 それに合わせ、アルダープとダクネスは何かしら、ぎこちない態度をとる。

 

「どうかしたのか? ダクネス?」

 

「いや、何でもない」

 

 ダクネスは何かを気にしてるようだったが、もしかして腹でも減っているのか?

 

「それでは起訴状の朗読に入らせてもらう。セナ検察官は前に!」

 

「はい」

 

 セナが前に出て、手に持った書類を読み上げる。

 あれがスーパーの安売りセールの広告チラシだったら、ウケるんだけどな。 

 

****

 

「……よって、被告人サトウカズマは、デストロイヤーの討伐時に、爆発寸前のコロナタイトをテレポート(第30話参照)させ、そのコロナタイトはアルダープ殿の屋敷にて、大爆発し、屋敷はその場で消滅いたしました」

 

 爆裂により、人に対する被害はなかったが、あのおっさんは街の宿屋に泊まり、宿屋で食べ放題のアイス(腹壊すぞ)を食べながら、余暇を楽しんでいるらしい。

 

「危険な物をランダムテレポートという違法な魔法行為を、何の躊躇(ためら)いもなく、実行し、領主の命を奪おうとしたことは、国の政策を揺るがすような大事件!」

 

「よって、被告人には、国家転覆罪(こっかてんぷくざい)という、罰則をあたえ……」

 

「異議あり!!」

 

 アクアが気高き表情で、検察官に向かって、手を挙げる。

 

「……弁護人の発言はまだです。こちら側の許可を求めてから、意見をお願いします」

 

「いいえ。異議ありとカッコつけて、言いたかっただけなので、もう結構です」

 

 このバカ女神が‼

 俺はその言葉を口に出さずに、アクアに近づいて、頭を思いっきりひっぱたく。

 

「弁護人は弁護の時のみ、口を開くように! 検察官、話の続きを」

 

「……いえ、もう、自分からの話はありません」

 

 セナがずれた眼鏡を整え、呆れた顔で小さく息をつく。

 

「では被告人と弁護人に、発言を許可しましょう」

 

 よし、俺のターン(遊○王ごっこ?)がきたか。

 駄女神のお陰で、裁判官にマイナスなイメージを吹き込まれたみたいだからな。

 ここで死ぬのはごめんだし、今は少しでも刑を軽くしとかないと。

 

****

 

「……そんなわけで俺の素晴らしい活躍で、魔王の幹部ベルディアや、デストロイヤーを無事に討伐できたんです」

 

「国家転覆なんて、考えてもいませんし、俺が、この街を救ったことは紛れもなく……」

 

 身ぶり手振りを交えて、納得のいく発言をする俺。

 

「いいでしょう。被告人の言い分は分かりました」

 

「セナ検察官、手元の魔道具に反応もありませんし、偽りではなさそうですが……」

 

「いえ、被告人がテロリストで、魔王の仲間ということを、これから証明させましょう。それでは証人を連れて来てください」

 

 えっ、証人が来るとか、聞いてないぞ?

 

「あはは。ごめんね。緊急で呼び出されちゃったよ」

 

 クリスとミツルギ、ダストの三人が、俺と顔を見合わせ、複雑そうな表情をしていた。

 

「それでクリスさんは、被告人から街中でスティールの能力を使われ、強引に下着を奪われたと?(第5話参照)」

 

「うーん、そのことは間違いないけど、あれは事故だったんだよね」

 

「いえ、ありがとうございます。下着を奪われた事実が、確認されただけでも十分です」

 

「もう僕は、別に気にしてもないんだけどね」

 

 クリスは頬をポリポリとかきながら、照れくさそうにしている。

 

「ミツルギさん。あなたは魔剣を被告人から強奪され、お金に換金させられたと?(第13話参照)」

 

「はい。その通りなのですが……あれは僕が約束をして、条件をかけて戦った……」

 

 何か知らないが、遠慮気味に話しかけるミツルギ。

 そこでミツルギの前に回り込む、いつもの二人の美少女パーティー。

 

「そうなんです。だからその剣を取り返そうとしたら、下着を奪うって、脅迫されました!」

 

「そうそう。俺のスティールが街中で炸裂するぞって!」

 

『あんな変態男なんて、サクッと重い罰を与えちゃって、二度と日の光を浴びれなくして下さいー!』

 

 ミツルギの取り巻きの二人組め。

 俺にもやしにでもなれと、言いたいのか。

 

「さて、この男、ダストさんは裁判長はご存じと思いますが、毎回トラブルを起こし、裁判にばかり顔を出す、たちの悪いチンピラでして」

 

「おい、爆乳の姉ちゃん。わざわざ呼び出されたと思えば、さっきから、偉そうなことばかり言いやがって!」

 

「ダストさん、あなたはそこにいる、サトウカズマさんと、仲良しと聞きましたが?」

 

「ああ、あたぼうよ。俺とカズマは大の親友だぜ」

 

 ダストが俺の方に、馴れ馴れしく親指を立てる。

 どうでもいいが、あたぼうと、うまい棒って、言葉の響きが似てるよな。

 

「サトウカズマさん、あなたは、このチンピラと親友ですか?」

 

「いえ、普通の知り合いで、シャキシャキとしていない、キンピラゴボウ以下です」

 

「おい、カズマ! 話が違うだろ‼」

 

 急に法廷で叫び、急に暴れだすダスト。

 

「俺たちは、深い友情で結ばれているんじゃなかったのかよー‼」

 

「おい、お前。大人しくしろ‼」

 

 その場で二人の兵士に、両腕を掴まれるダスト。

 

「ふむ。魔道具の反応はありませんな」

 

「そ……そうですか」

 

 カズマのダストとは親友ではない口振りに、一向に鳴りそうな気配を見せない魔道具であった……。

 

 ダスト、これからもシェアハウス(牢屋だが?)で、元気にやれよ。

 

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