この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第37話 この裁判の終わらせ方に納得のいく結論を‼

「カズマー、貴様ー!!」

 

 衛兵により、暴動を理由に、即座で退廷させられるダスト。

 

「まあ、最後の証人は、証人としては駄目な人物でしたが、これらの証人は、被告人の日頃の人間性を証言してくれたことでしょう」 

 

 まあ、ダストは人間的に腐ってるからな。

 

 今回の件で、いい清涼剤になることだろう。

 なるといいけどな……。

 

「被告人は、被害者に怨恨(えんこん)な気持ちを持っており、事故と見せかけて本当は、普通のテレポートで、被害者の屋敷にコロナタイトを送りつけたのでは。そう考えると筋が通るでしょう」

 

 いや、筋の通し方が無茶苦茶なんだが……。

 いくら仕事とはいえ、そうまでして俺を、刑罰の穴に落とし入れたいのか?

 

「待って下さい。カズマの性格が常識のない、あんぽんたんな性格は認めますが、あなたの言うことは、証拠にもなりません!」

 

「弁護人は今は、発言を慎むように!」

 

 めぐみん、あんぽんたんとはなんだよ……。

 

「そこまで言うのなら、せめて納得のいくような説明をして下さい!」

 

「説明ですか? いいでしょう」

 

 セナが眼鏡を指で支えながら、一句一句、丁寧に喋り出す。

 

 ──一つ、魔王の幹部ベルディアとの戦闘時に、街を大量の水魔法で大洪水を起こし、街に多大な被害に負わせた(第17話参照)こと。

 

 その原因を作ったアクアが、ビクッと反応し、体の動きが止まる。

 

 二つ、共同の墓地に、巨大で強力な結界を張って、この街の空き家にて、悪霊騒ぎを起こした(第24話参照)こと。

 

 今度はアクアが、その場にしゃがみこみ、俺から体を背け、ガタガタと震え出す。

 

 三つ、毎日、街の近場で爆裂魔法を放って、地形や生命系を変化させ、夜中には騒音被害も出ている(第14話参照)こと。 

 

 その痛恨の言葉に、めぐみんとアクアは耳を手で塞ぎ、聞こえないふりをする。

 ああ、俺の弁護人は駄目なヤツばかりだ。

 

「──おいっ、だったら俺はこの三つの問題には関係ないぜ……」

 

「いえ、被告人はアンデッドにしか使用できないドレインタッチを使ったという、現場での目撃情報(第30話参照)もあります」

 

 誰だよ、チクったヤツは?

 百エリス(日本円にして100円)のジュースが欲しいなら、情報提供者の首根っこを掴んで、俺の元に連れてこい。

 

「そして取り調べの時、魔王軍とは無関係ですか? の質問に魔道具が鳴りました。これらは、納得よすぎる説明になることでしょう(第34話参照)」

 

 くっ、そこまで言われると、何も言い返せない。

 

「論破よ、それは間違っているわー‼」

 

「アクア……お前」

 

 お前、決める時は決めるんだな。

 まあ、そうじゃないと、アクシズ教団の指揮はとれないか。

 

「頼むぜ、女神様。ガツンと言ってくれよ! 俺が無実だという証拠を‼」

 

「はあ? 何を寝言を言ってるのよ。そんなの思いついたら苦労しないわよ。この言葉も、ここに来たから、ついでに言いたかっただけよ」 

 

 俺の中にある優しさが、シュワリと音を立てて消えた。

 すぐさまアクアの席に近づき、必殺の一撃を食らわせる。

 

「己は一度痛い目に合わないと、気が済まないっよーだーなー!」

 

「イタイイタイ、頭グリグリは止めてー!?」

 

「その弁護人は、法廷から出ていきなさい!」

 

 ルールも秩序のかけらもないアクアは、鎧騎士に連れられ、退廷となった。

 

「下らん茶番もいい加減にしろ!」

 

 すると、苛立ったアルダープが、机に拳を叩きつけ、椅子から立ち上がる。

 

「その男は、ワシの住みかに爆弾を送りつけたんだぞ‼ 魔王軍の手先で間違いなかろう! 即死刑にするべきだ‼」

 

「そうじゃないのか? 裁判長!」

 

「で、でも……」 

 

「おっさん、違うんだ。俺は魔王の手先でもテロリストでもなく、コロナタイトもわざとじゃなかったんだよ!」

 

「カズマの言う通りです。今でも魔道具は反応してないでしょう!」

 

 俺と一緒に加勢して、発言してくれるめぐみん。

 ああ、この幼女は優しいな。

 

「ふむ。そうですね。魔道具では判断できない部分も確かにあります。これでは検察官の言い分は証拠不十分ですな」

 

「そうですか……」

 

 セナが床を見下ろし、心無しに呟く。

 

「もう一回だけ言うぞ。その男は魔王の仲間だ。即刻死刑にしろ」

 

 瞳に影を宿したアルダープが、高圧的な態度のまま、検察官に静かに意見を主張する。

 

「しかし、怪我人や死傷者が出ていないのに、強引に死刑にする必要性はないかと……」

 

『キッ!』

 

 アルダープが鋭い眼光で、セナの瞳を捉える。

 そのぎらつく瞳に、釘付けになるセナ。

 

「……そうですね」

 

「……確かに、死刑にするべきですね」

 

「えっ、何でそうなるんだよ。普通に考えてもおかしいだろ!」

 

「そうです。検察官も、さっきと言ってたことと違うじゃないですか!」

 

「弁護人は、静粛にお願いします!!」

 

「被告人サトウカズマ……」

 

「あなたの非人道的な行動、それだけでなく、街の治安を脅かし、反社会的な行為を見たからに、検察官の言葉は真実の訴えとして、正論と判断する。よって……」

 

 俺の抵抗にも冷酷な裁判長が、木のハンマー(ガベル)をテーブルに叩く。

 

「──判決は、死刑とする」

 

「おい、待て。こんな判決とかおかしいだろー!」

 

「そうです。そんな適当な裁判やっていいんですか‼」

 

「こんな罪で死刑とか、この世界の裁判官は、頭おかしいんじゃないのか? お前んとこの親の顔が見てみたいわー‼」

 

「言葉は慎むように!!」

 

「分かりました。そうまでカズマをテロリストにするなら、私の爆裂魔法で、本当のテロリストの怖さを思い知らせてあげましょう!!」

 

「よし、めぐみん。この建物ごと吹き飛ばせ」

 

 めぐみんが眼帯を外し、構えにかかる。

 いいぞ、ファ○コンのドラ○エのゲームみたいに、天井を丸裸にしろ。

 

「ついでに、その頭のおかしい紅魔族も退廷させなさい」

 

 俺もめぐみんも、衛兵に捕まえられる。

 おいおい、こんな意味不明な巻き添えで、俺は死ぬのか?

 

 まだ俺は16だぜ。

 いくら何でも、そんなん酷いだろ?

 

「待て。裁判長、これを見てくれ」

 

「あれ、ダクネスいたの?」

 

 今まで存在すらなかったダクネスが胸元から、ひし形で星マークの描かれたネックレスを、裁判官に見せる。

 

「そっ、そのブローチは……」

 

貴女(あなた)は、まさか、あの……」

 

 静かだった法廷内が、ザワザワと騒がしくなる。

 

「この裁判は、私に預けてくれないだろうか。少し時間はかかるが、この男の無実を証明して見せよう」

 

「し、しかし、いくらあなたでも、そのようなことは……!」

 

「アルダープ、これで借りを作ることになるが、私にできることなら、何でも一つだけ言うことを聞くことにしよう。だから潔白が証明されるまで、待ってくれないだろうか」

 

「何でもか……」

 

 アルダープが、いやらしく舌を舐める。

 

「いいでしょう。あなたの頼みです」

 

「……その男に猶予を与えることにしましょう」

 

 俺はダクネスの機転のお陰で、とりあえずは死刑からは免れ、無事に釈放されたのだった……。

 

 

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