この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
「ふうー、お風呂に入って、さっぱりしました」
「カエルも中々やるわよね」
「ですが、カエルのお腹の中って、お母さんのお腹の中にいるみたいで、ほんのりと温かいですよね」
「うわっ、悪趣味。私は遠慮したいけどね」
コイツらは何を呑気にあんな話を。
もうホームシックになりそうだ。
何もかも投げ出して、故郷(ジャパニーズ)に帰りたい。
あれだけ苦労して、カエルをやっつけても、交通費プラスで一匹五千エリス。
(毎度、一エリスは一円なり!)
それをみんなで分けると、手持ちは僅かしか、残らず……。
もちろん宿泊できる金もなく、馬小屋で生活しているのに。
コイツらは遠慮もせずに、大食い選手のように飯をバクバクと……。
「おい、めぐみん。爆裂魔法はピンチの時以外は封印な。お前、あれ以外に使える魔法はないのか?」
「私は爆裂魔法と共に、生きる力を
「ああ、そうか。じゃあ、これっきりでさようならだな」
俺は爽やかな笑顔で、めぐみんに向き直り、強引に別れを告げる。
「あんまりです。身も心も汚れたからって、ボロ雑巾のように、私を見捨てる気ですか!」
しかし、めぐみんには逆効果だったらしく、俺の服を引っ張り、赤子のように泣き叫んで抵抗する。
まあ、実際に見かけは子供なんだけど。
「ええい、いいから手を放せ。そんな外車のハイオクのような、燃費のかかる魔法使いは入らん」
「嫌です。お願いですから、ちょっと落ちこぼれだからって捨てないで下さい。私にはもう行き場がないんです。カズマが望みであれば、カエルの粘液のヌルヌルプレイにだって、耐え抜いてみせて……」
「あぁー、めぐみん。ようこそ俺らのパーティーへ!」
俺を囲む周りの人々から、痛い視線と暴言をひしひしと浴びる。
コイツ、絶対わざとやってるだろ……。
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俺は冒険者カードを窓からの光にかざしながら、まだ飯を食べている酪農牛のようなアクアに質問する。
「ところでアクア。スキルの覚え方とか知ってるか?」
「カズマは冒険者だから、スキルポイントが上がれば、全てのスキルを覚えられるわよ」
「だから、誰かに覚えたいスキルをやって見せて、そのカードに写った習得可能スキルに、ポイントを入れればいいのよ」
何か、スーパーのポイントカードみたいだな。
「所で
「ええ、大歓迎。出血大サービスニンニクモリモリ山盛ラーメンよ」
「飯テロはいいからさっさとしろ」
「せっかちさんね。では私のとっておきの宴会芸を……」
「いらんわ。もっと単純で、すぐにでも使えるヤツにしろ。そうでないと、またあのカエルを退治できなくて、粘液まみれでヌルヌルな最悪のお帰りになってしまう」
「そうか! やっぱりヌルヌルか‼」
俺の座っているテーブルに、両手を打ちつける大人びた女性。
金髪のポニーテールに相反した灰色の甲冑からして、どこぞかのいい所の戦士だろうか。
「わ、私も、同じ粘液まみれにして欲しい……じゃなくて、まだパーティーは募集しているだろうか?」
なぜか息を弾ませた目の前の女性が、高揚して揺れる水色の瞳で、こちらを見つめてくる。
あー、でもよく見ると美人だし、胸も結構あるな。
この異世界で疲れた、目の保養になるぜ。
「私はクルセイダー。ナイトの上級職だ。よければ、私もそちらのパーティーに入れてもらえないだろうか?」
あれ、でも何か、この人もアクアたちと同族のオーラを感じる。
コイツもオラオラ系か?
「あの。クルセイダーは前線で戦う職業なので、あなたに攻撃が集中してきますよ?」
「ああ、ドンと来い」
「巨大カエルとかに飲み込まれて、粘液まみれでベトベトのヌルヌルになりますよ……」
「はあ、はあ。むしろ、そのための私だろおおおー‼」
この人、目が完全にいっちゃってるよ。
息を荒くしながら、俺の手をガシって握ってくるし……。
「あれ、ダクネス。こんな所にいたんだ。ひょっとして、ここのパーティーに入りたいの?」
灰色のショートカットで青い瞳の健康体型の美少女が、俺たちの熱き友情(片方は変態かも?)に割り込んでくる。
「ああ。話の途中にごめんね。あたしは盗賊やってるクリス。こっちの仏像みたいな相手はダクネス。よろしくね」
女の子らしからない肌が露出した軽装で、へそが丸出し。
そんなんじゃ、雷さんに取られちまうぞ。
「それから、キミ。便利なスキルが欲しいんでしょ。あたしの盗賊スキルでいいなら教えてあげようか?」
「よっしゃー。お前さん、見かけによらず商売上手だな。その話、乗らせてもらうぜ!」
何だ、ただのチャラい女の子と思っていたが、とてもいいヤツじゃないか。
俺はひょこひょこと金魚の糞のように、クリスの後ろについていった。