この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
第39話 この紅魔族の相手との出会いと決闘試合を‼(1)
「おい、めぐみん、カエルから自力で這い出せるか?」
「……はい。魔力を少し分けて下されば……」
俺はカエルに半身を飲まれた、めぐみんの頭に手を当て、ドレインタッチで魔力を注入するが、コイツ、カエルの粘液でドロドロだな。
「ありがとう。助かったよ。通りががりの優しき人!」
俺は黒装束に黒マントをつけた、スタイルも抜群の美少女に、感謝の言葉を述べる。
「いえ、別に。ただ私のライバルが、カエルごときにやられたら、私としても、立場がありませんから……」
「えっ、ライバル?」
少女がさっきから、めぐみんの方ばかり見ている。
ノーマルそうに見えて、実は百合通しによるラブリーアピールなのか?
「何なの? あなた、めぐみんの知り合いなの?」
「そうよ」
アクアの問いかけに答えた少女が、めぐみんの方に向き直り、大きく息を吸う。
「めぐみん、元気だったかしら。約束の通り、あなたと決着をつけるため、山に籠って厳しい薪割りの修行(キャンプの修行?)をしてきたわ。さあ、いざ
「あなた、誰でしょうか?」
「ええっ、覚えてないの? 紅魔の里で同期だったじゃない。めぐみんが一番で、私が二番で……」
「ふっ、今さら、そんな大それたことを。我こそが紅魔族で唯一の爆裂魔法の使い手で、最強の魔法使いだと!」
「ちょっと、めぐみん。私のコト忘れたの? テストであなたに勝負を挑んだら、対価が必要だって言って、里にある休憩所で、高級チョコレートパフェをいつもおごったじゃない!」
少女が顔を赤らめ、涙目でめぐみんに訴えかける。
「お前、なんつう残酷なことを……」
当のめぐみんは、そっぽを向いて、知らぬふりだ。
「ねえ、そんなことよりも、このカエルたちの報酬を貰うために、ギルドに戻ってもいい?」
「ガーン。なっ、そんなことですか……」
アクアの空気を読まない発言に、少女は少なからず、精神的ショックを受けたようだ。
「……どうやら、積もる話があるようですね」
セナが口元に指先を添え、しばらく考え込む。
「私も今日は、これで署に戻りますが、私はあなたのことを信用したわけではありませんので。なるべく不祥事は起こさないようにお願いします」
「あい、かしこまったぜ」
アクアとセナは魔法で雪が溶けた草原から、元の聖地へと帰っていった。
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「それで、お前の知り合いだと発言していると言う、この子とは無関係で?」
「ええ、名前も名乗らない相手など、信用できないじゃないですか。以前、カズマが話してくれたオレンジ詐欺(オレオレでは?)とか言うやつですよ。私たちも帰りましょう」
「なるほど、触らぬバカ(神では?)に祟りなしか」
「ああ、分かったぜ!」
──このままじゃ、私はめぐみんから素知らぬふりだわ。
知らない男の人もいる前だけど、明かせばいいんでしょ。
私は勇気を振り絞り、重い口を開いた。
「我が名はゆんゆん! アークウィザードにして、上級魔法を携える者。やがては紅魔族の
「……と言うわけで、彼女はゆんゆんで、紅魔族の族長の娘でライバルとか言っていますが、実際には私のストーカーです」
「ちょっと!? 名前を覚えているなら、そう言いなさいよ!」
──ゆんゆんよ、お主はストーキングの件については、何も触れないんだな。
「俺は冒険者のカズマだ。ゆんゆんよろしくな!」
「はい。でも不思議ですね。私の名前が変でも、笑わないんですね?」
「まあ、世の中には変な名前のヤツでも『頭のイカれた爆裂娘』と言う、異名で呼ばれていて、お笑い爆裂芸人みたいなヤツもいるんだよ」
「……おい、それって、明らかに私のことだよな?」
一瞬、めぐみんの声が、恨みを込めたように低くなる。
「めぐみん、素敵な仲間を見つけたわね。お母さんは嬉しいわ」
ゆんゆん、それは設定がおかしいぞ。
めぐみんの同期なら、明らかに中学生くらいだよな?
「はっ、こんな話をしている場合じゃないわ。私はめぐみんに因縁の勝負をつけにきたのよ!」
「私は紅魔族の長になるの。あなたに族長の椅子は座らせないわ」
その椅子にブーブークッションを仕掛けたら、さぞかし面白いだろうな。
「上級魔法を覚えたのもそのためよ。だから私と勝負しなさい!」
「じゃあ、寒くなって来ましたし、帰りましょうか、カズマ」
「だな、腹も減ったし。やっぱり冬の野外クエストは堪えるよな」
「ちょっとそうじゃないでしょー!」
ゆんゆんが先を行く、めぐみんのマントを握りしめて離さない。
こうなれば動けないので、嫌でも対決を挑むしかない。
「ふっ、この私に魔法で勝負とか、愚か者ですね」
「先ほどもあの巨大カエルを一発で、8匹も消滅させた我が力を前に、ゆんゆんごときが立ち向かえるとでも?」
「えっ……8匹も?」
「あなたも聞いたことがあるでしょ?」
めぐみんがゆっくりと、ゆんゆんに自身の体験談(通販の商品レビューか?)を話し出す。
自身の強力な魔法で、魔王軍の幹部が罠にかけられ、このような街にやって来て、死闘を繰り広げ、さらに無敵の装甲を持っていた、堅物の機動要塞デストロイヤーさえも、爆裂魔法で滅ぼしたことを……。
まあ、あながち、嘘ではないが……。
「いっ、いえ……、勝負は見えていても、私には決着をつける義務があります……!」
「ふう。仕方がないですね。今日はもう魔法が使えませんから、あなたが得意な体術で戦いますか?」
「えっ、いいの? いつも放課後になると『お腹が減ったー』と言って、私のツケで売店でパンをごっそりとまとめ買いしていた、あのあなたが?」
「めぐみん、お前、マジで最低だな……」
「いえいえ、私だって家計が苦しくて、死活問題だったのですから。それに私から勝負をしたら、カツアゲみたいでかわいそうでしょ」
めぐみん、その『慈悲』の使い方を間違っていないか?
「そうそう、今回の勝負にも、対価がいるんでしょ」
ゆんゆんが、光輝く水晶の固まりを取り出す。
岩の外観をし、サイズからして、手の平くらいか。
「魔法使いが心から欲しがると噂される、一級品のマナタイトよ」
めぐみんの杖の宝玉に使われているアレか。
そりゃ、
(今回も親父ギャグで決めるカズマ)
「よろしいでしょう。どこからでもおいでなさい!」
「言っとくけど同期だからって、手加減はしないから。あなたに勝って、紅魔族ナンバーワンの実力を手に入れてみせるわ!」
寒空の元で北風が吹き荒れ、二人の運命の一戦が始まろうとしていた。
あのさあ、体の芯まで寒いから、俺ももう帰ってもいいか?
バカ騒動? なら、俺抜きでやってくれよ。