この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第6章 自称永遠のライバルとの争いと、ほのぼのとした日常
第39話 この紅魔族の相手との出会いと決闘試合を‼(1)


「おい、めぐみん、カエルから自力で這い出せるか?」

 

「……はい。魔力を少し分けて下されば……」

 

 俺はカエルに半身を飲まれた、めぐみんの頭に手を当て、ドレインタッチで魔力を注入するが、コイツ、カエルの粘液でドロドロだな。

 

「ありがとう。助かったよ。通りががりの優しき人!」

 

 俺は黒装束に黒マントをつけた、スタイルも抜群の美少女に、感謝の言葉を述べる。

 

「いえ、別に。ただ私のライバルが、カエルごときにやられたら、私としても、立場がありませんから……」

 

「えっ、ライバル?」

 

 少女がさっきから、めぐみんの方ばかり見ている。

 ノーマルそうに見えて、実は百合通しによるラブリーアピールなのか?

 

「何なの? あなた、めぐみんの知り合いなの?」

 

「そうよ」

 

 アクアの問いかけに答えた少女が、めぐみんの方に向き直り、大きく息を吸う。

 

「めぐみん、元気だったかしら。約束の通り、あなたと決着をつけるため、山に籠って厳しい薪割りの修行(キャンプの修行?)をしてきたわ。さあ、いざ尋常(じんじょう)に勝負よ!」

 

「あなた、誰でしょうか?」

 

「ええっ、覚えてないの? 紅魔の里で同期だったじゃない。めぐみんが一番で、私が二番で……」

 

「ふっ、今さら、そんな大それたことを。我こそが紅魔族で唯一の爆裂魔法の使い手で、最強の魔法使いだと!」

 

「ちょっと、めぐみん。私のコト忘れたの? テストであなたに勝負を挑んだら、対価が必要だって言って、里にある休憩所で、高級チョコレートパフェをいつもおごったじゃない!」

 

 少女が顔を赤らめ、涙目でめぐみんに訴えかける。

 

「お前、なんつう残酷なことを……」

 

 当のめぐみんは、そっぽを向いて、知らぬふりだ。

 

「ねえ、そんなことよりも、このカエルたちの報酬を貰うために、ギルドに戻ってもいい?」 

 

「ガーン。なっ、そんなことですか……」

 

 アクアの空気を読まない発言に、少女は少なからず、精神的ショックを受けたようだ。

 

「……どうやら、積もる話があるようですね」

 

 セナが口元に指先を添え、しばらく考え込む。

 

「私も今日は、これで署に戻りますが、私はあなたのことを信用したわけではありませんので。なるべく不祥事は起こさないようにお願いします」

 

「あい、かしこまったぜ」

 

 アクアとセナは魔法で雪が溶けた草原から、元の聖地へと帰っていった。

 

****

 

「それで、お前の知り合いだと発言していると言う、この子とは無関係で?」

 

「ええ、名前も名乗らない相手など、信用できないじゃないですか。以前、カズマが話してくれたオレンジ詐欺(オレオレでは?)とか言うやつですよ。私たちも帰りましょう」

 

「なるほど、触らぬバカ(神では?)に祟りなしか」

 

「ああ、分かったぜ!」

 

 ──このままじゃ、私はめぐみんから素知らぬふりだわ。

 知らない男の人もいる前だけど、明かせばいいんでしょ。

 

 私は勇気を振り絞り、重い口を開いた。

 

「我が名はゆんゆん! アークウィザードにして、上級魔法を携える者。やがては紅魔族の(おさ)になり……」

 

「……と言うわけで、彼女はゆんゆんで、紅魔族の族長の娘でライバルとか言っていますが、実際には私のストーカーです」

 

「ちょっと!? 名前を覚えているなら、そう言いなさいよ!」

 

 ──ゆんゆんよ、お主はストーキングの件については、何も触れないんだな。

 

「俺は冒険者のカズマだ。ゆんゆんよろしくな!」

 

「はい。でも不思議ですね。私の名前が変でも、笑わないんですね?」

 

「まあ、世の中には変な名前のヤツでも『頭のイカれた爆裂娘』と言う、異名で呼ばれていて、お笑い爆裂芸人みたいなヤツもいるんだよ」

 

「……おい、それって、明らかに私のことだよな?」

 

 一瞬、めぐみんの声が、恨みを込めたように低くなる。

 

「めぐみん、素敵な仲間を見つけたわね。お母さんは嬉しいわ」

 

 ゆんゆん、それは設定がおかしいぞ。

 めぐみんの同期なら、明らかに中学生くらいだよな?

 

「はっ、こんな話をしている場合じゃないわ。私はめぐみんに因縁の勝負をつけにきたのよ!」

 

「私は紅魔族の長になるの。あなたに族長の椅子は座らせないわ」

 

 その椅子にブーブークッションを仕掛けたら、さぞかし面白いだろうな。

 

「上級魔法を覚えたのもそのためよ。だから私と勝負しなさい!」

 

「じゃあ、寒くなって来ましたし、帰りましょうか、カズマ」

 

「だな、腹も減ったし。やっぱり冬の野外クエストは堪えるよな」

 

「ちょっとそうじゃないでしょー!」

 

 ゆんゆんが先を行く、めぐみんのマントを握りしめて離さない。

 こうなれば動けないので、嫌でも対決を挑むしかない。

 

「ふっ、この私に魔法で勝負とか、愚か者ですね」

 

「先ほどもあの巨大カエルを一発で、8匹も消滅させた我が力を前に、ゆんゆんごときが立ち向かえるとでも?」

 

「えっ……8匹も?」

 

「あなたも聞いたことがあるでしょ?」

 

 めぐみんがゆっくりと、ゆんゆんに自身の体験談(通販の商品レビューか?)を話し出す。

 

 自身の強力な魔法で、魔王軍の幹部が罠にかけられ、このような街にやって来て、死闘を繰り広げ、さらに無敵の装甲を持っていた、堅物の機動要塞デストロイヤーさえも、爆裂魔法で滅ぼしたことを……。

 

 まあ、あながち、嘘ではないが……。

 

「いっ、いえ……、勝負は見えていても、私には決着をつける義務があります……!」

 

「ふう。仕方がないですね。今日はもう魔法が使えませんから、あなたが得意な体術で戦いますか?」

 

「えっ、いいの? いつも放課後になると『お腹が減ったー』と言って、私のツケで売店でパンをごっそりとまとめ買いしていた、あのあなたが?」

 

「めぐみん、お前、マジで最低だな……」

 

「いえいえ、私だって家計が苦しくて、死活問題だったのですから。それに私から勝負をしたら、カツアゲみたいでかわいそうでしょ」

 

 めぐみん、その『慈悲』の使い方を間違っていないか?

 

「そうそう、今回の勝負にも、対価がいるんでしょ」

 

 ゆんゆんが、光輝く水晶の固まりを取り出す。

 岩の外観をし、サイズからして、手の平くらいか。

 

「魔法使いが心から欲しがると噂される、一級品のマナタイトよ」

 

 めぐみんの杖の宝玉に使われているアレか。

 そりゃ、()()()()()チャンスだな。

(今回も親父ギャグで決めるカズマ)

 

「よろしいでしょう。どこからでもおいでなさい!」

 

「言っとくけど同期だからって、手加減はしないから。あなたに勝って、紅魔族ナンバーワンの実力を手に入れてみせるわ!」

 

 寒空の元で北風が吹き荒れ、二人の運命の一戦が始まろうとしていた。

 

 あのさあ、体の芯まで寒いから、俺ももう帰ってもいいか?

 バカ騒動? なら、俺抜きでやってくれよ。

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