この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
「ねえ、めぐみん、戦う前に一つ聞いてもいい?」
ゆんゆんがビクつきながら、めぐみんに質問してくる。
「はい。何なりと」
「めぐみんの体がヌメヌメして、光ってるのって……」
「はい、カエルの粘液というものですよ」
めぐみんが緩やかに口角を上げ、ゆっくりと粘液のついた手を、ゆんゆんに近づけていく。
ゆんゆんは何かを察したのか、その場で凍りついたかのように、身動きが取れないでいた。
「さあ、かかってきなさい。この粘液の体でガッチリと抱きつき、最高の寝技をプレゼントしましょう」
「ひっ、ちょ、ちょっと冗談よね?」
ゆんゆんの表情が蒼白に染まる。
まるで見てはいけない者(妖女めぐみん?)だったような、怯えた目をして……。
「……私の戦意を失わせ、戦わずにして、勝利を収めようとする気なのね。その手には乗らないわよ!?」
なおも、ゆんゆんにジワジワと近づく、悪魔(カエルの粘液まみれ)の両腕。
「……ひっ、やっ、やめて!?」
「ゆんゆん、私たち友達でしょ? どんな苦難でも分かち合うのも友人の証だと私は思いますよ」
「ひやっ!?」
ゆんゆんの体に、後ろから大蛇のように絡み付く、ドロドローンめぐみん。
ネバネバーランド(……へ、ようこそ♪)は、あの強気だった、ゆんゆんさえも完全に取り込んだ。
「いやあああっー、もう私の負けでいいから、早く離れてよー!!」
族長の椅子をかけ、お互いの腕を確かめるための師弟対決。
勝者はネバネバァーの王女、めぐみんの勝ちで決まったのだった。
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ヌメヌメになり、泣きながら去っていった、ゆんゆんと別れ、いつものアクセルの街にて……。
「カズマ、そのマナタイトの石は換金して、借金の足しにして下さい」
マナタイトの石。
魔力を使用する時に、少なくなった魔力をフォローしてくれるアイテムでもあり、魔法使いにとっては、ありがたいアイテムでもある。
しかし、めぐみんのような、膨大な魔力を使う者にとっては、この手の平くらいの小さなマナタイトの力を前にしても、何の役にも立たないのだ……。
「なあ、お前さん。何度も聞いて悪いが、爆裂魔法以外の魔法を覚える気は?」
「ミジンコの心臓並みにありません」
「だな。一回ミジンコに転生してみないと、分からないよな……」
ゆんゆんは上級魔法を上手く使いこなして、カエルを軽々と退治していたよな。
魔法の威力も格別ながら、アイドル並みの可愛い顔をしていて、胸も大きくて、スタイルもボン、キュッ、ボン! て感じで、男心をくすぐるセクシーな体型だったよな。
同じ紅魔族の同期として、こっちの娘は子供の顔つきで、幼児体型でつるぺたで……はあぁぁぁ……。
「何ですか? 私の顔を見ながら、ため息をついて」
「……何なら、今、カズマが何を考えているか、私が当てて見せましょう」
いいぜ、もし俺の考えが当たったら、
骸骨戦士の人形劇みたいに、奥歯の底からカタカタと笑わせてやる。
……と思いもしたが、今の疲れている俺には、それを実行する行動力も気力もない。
「……いや、ゆんゆんよりも、めぐみんの方が何倍も美少女だなって……」
「それはとてもうれしいですね。なら記念として、ありがとうのハグをしてあげましょう!」
「止めろ! 近づくな。俺にカエル臭いのを移すんじゃねー!」
****
無事に屋敷に帰宅した、ヌメヌメ二名。
「ううっ……臭い。こんなにも最悪な抱きつかれ方は、生まれて初めてだ……」
「そうでしょうか? 世の中には、ヌルヌルな女の子に抱きつかれたら、喜んで、お金を払う人もいるらしいですよ?」
このマセガキが。
何を風俗嬢みたいなことを言ってるんだ。
「さてと、風呂に入って、体を洗って、清めないと……」
風呂場のドアノブに手をかけようとすると、めぐみんの手が俺の手首を掴む。
「おい、ソー○ランドめぐ嬢、何のつもりだよ?」
「ヌルヌルが気持ち悪いので、先に入らせて下さい」
「俺だって、同じ状況なんだが?」
「カズマはレディーファーストという言葉を知っていますか? 女性は、か弱い存在なのですから、もっと大切にしないといけませんよ」
「俺は都合のいい時だけ、女の子を強調するヤツは嫌いなんだよ。それに一人前のレディーになりたいのなら、それなりの完熟な(成熟では?)レディーになってから発言しな」
「むっ、私はカズマと三歳しか、歳の差はないんですよ」
「でも俺の目には、お前はただの大人になりきれない幼女○記だ。よって、一番風呂は俺のもんだああああー!」
俺はめぐみんの訴えを無視して、長袖シャツに手をかけ、たるんだ腹とヘソを出す。
「フフーン。カズマは私を女と見ていないのですね。ならば一緒に入りましょう。そうすれば、何も問題はないはずです」
「そうだな。一緒に入れば、問題解決だな。そうしようか」
「えっ、そこは普通の男子なら……」
急にめぐみんの顔つきが恋する乙女色? に溶け込む。
「『バカ、そんな恥ずかしいことができるか!』……って、はじらいの表情を見せて、私に順番を譲るのでは?」
「そんな頭のネジの外れた、小学生みたいなこと言うかよ!」
何で、俺がそんな少女漫画のような、テンプレをやらないといけないんだよ。
「なっ、ならいいでしょう! 裸同士の付き合いとして、一緒に入ろうじゃありませんか!」
「だからさっきから、そう言って……」
「ほら、タオルでコソコソ隠して、小心者ですね。男ならもっと、堂々と入るべきです!」
「ちょい、何するんだよ!」
何を感じ取ったのか、めぐみんが俺の腰に巻いたタオルに手をかける。
「おい、どこ引っ張ってるんだよ、このスケベ。
ひょんなことをきっかけに、俺はめぐみんと一緒に、風呂に入ることになったのだった。