この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

42 / 45
第41話 この紅魔族の相手と裸の付き合いを‼

「たまにはお昼から、お風呂に入るのもオツなものですね」

 

 タオルで体を巻いて、湯船で温まる、めぐみんの言うことも一説ある。

 

 この屋敷の主人(しゅじん)は、入浴が好きだったのか、風呂は大層な金がかかっており、最高の作りだ。

 

 壁に彫られたライオンの口から、源泉が出る天然温泉に、湯船に足を伸ばせて入れる心地よさ。

 おまけにひのきの浴槽も、大人が数人入っても、十分に広いときたものだ。

 

 そう、ここは日本で言う、プチ銭湯と言っても過言ではない。

 

「なあ、あのさ、ゆんゆんは、あんなヌメヌメの状態で帰らせて良かったのか?」

 

「いえ、自称私のライバルでストーカーなんで、また向こうから、ひょっこりとやって来て、いつでも会えますよ」

 

「しかしあの子、マジで可愛かったよな。めぐみんの友達にしては常識人でもあったしな」

 

「カズマ、それではまるで、私がおかしい人のように聞こえるのですが……」

 

 えっ、めぐみんの功績を振り返ると、常識の欠片もないと思うが……。

 

「……というか、ゆんゆんも私と同じ13歳なのですよ。あの子は子供じゃないんですか?」

 

「うーん、俺の許容範囲は二歳年下までだな。中学二年と高校一年なら、ギリギリOKなんだが」

 

「ちゅうがくにねん、こうこういちねん?」

 

 めぐみんが目を丸くして、不思議そうな表情をする。

 そうか、この世界には学校はおろか、学年さえもないのか。

 

「聞き慣れない言葉ですが、私も来月は14歳ですよ」

 

「えっ、ガチで14なん? お前、ロリキャラ48(風呂場で泳げるアイドル?)を卒業するのか!?」

 

「ロリキャラとは失礼ですね‼」

 

 そうか、今まで世話のかかる妹みたいに感じていたのに、これからは世話のかかる後輩みたいな感じになるんだな。

 

「そう考えると、何かこの裸の付き合いが、急に恥ずかしく思えるな……」

 

「ちょっと! 年齢が一つ違うだけで、どうして態度がコロリと変わるのですか!!」

 

 めぐみんが声を荒くしながら、俺に反論するが、顔が真っ赤で説得力は皆無に近い。

 湯船に浸かりすぎて、のぼせたか?

 

「所で、何で俺はめぐみんと一緒にお風呂に入ってるんだろうな。これって、ひょっとしてマズい状況では?」

 

「なっ、私の体をジロジロと見ないでもらえますか。この変態!」

 

 めぐみんが俺に湯水をかけて、俺と距離を置き、離れた浴槽で体を包んでいたタオルごと、両腕で体を隠す。

 

「なあ、この状況、空気読めないアクアに見られたら、シャレにならないよな……」

 

「確かに……」

 

 二人揃って、気まずい空気に包まれる。

 気のせいか、湯けむりの間越しに、めぐみんの素肌が色っぽく見えた。

 コイツもこうして見ると、一人の女の子なんだな。

 

『ただいまー!!』

 

『カエル討伐のお金もらってきたわよー。カズマ、めぐみんー‼』

 

 元気の良いアクアの声が、部屋を通じて反響する。

 

「のわー、本当に、こう言う展開になるとは!!」

 

「カズマが変な妄想をするからですよ!」

 

「……と言うか、一緒に出たら、なおさら怪しまれるでしょ!!」

 

 めぐみんも慌てているが、本人は至って、冷静だった。

 

「おっ、おい、脱衣所の鍵は閉めてるか?」

 

「閉めてるわけないでしょ!」

 

「やべー、こんな現場を見られたら、ロリニートやロリマハムおじさんなどと、変なアダ名をつけられてしまう‼」

 

「今、さらりと、とんでもないこと言いましたよね?」

 

『カズマ、お風呂に入ってるの?』

 

 うおおー、目覚めろ。

 俺の体内に潜んだ全魔力よ。

 

 今ここで魔法を使わないと、俺の住む世界(人生)は、完全に壊れてしまうんだぞー!

 

 俺は腰にタオルを巻いたまま、全速力で扉に向かう。

 

『フリーズー!』

 

 俺の唱えた氷魔法が、脱衣所のドア全体を凍らす。

 これで外側からはドアを開けられない。

 

『カエルのお金、リビングに置いとくから、後でご飯でも食べに行きましょう!』

 

 そのままアクアの足音が遠ざかり、安心して気が抜けた俺は、急激な魔力切れによる疲労感で、床にうつ伏せにぶっ倒れた。

 そりゃ、風呂に人がいると分かったら、ドアなんて開けないよな……。 

 

「カズマ、大丈夫ですか?」

 

「ふう、危なかったぜ。この俺がロリコン確定になってしまう所だったぜ……」

 

 俺は床と同化(擬態?)しながら、心の底から安堵する。

 

「……めぐみん、すまんが、俺は動けそうにないから、体を拭いてくれないか……」

 

「ほおー、貴様。私と風呂に入ったら、ロリコン確定になるという、その内容を詳しく聞かせてもらおうか……」

 

 そこへドスのきいた声色のめぐみんが、指の関節を鳴らしながら、俺の寝ている聖域(ただの足拭きマットの上)に踏み入る。

 

「……身動きが取れないそんな状態で、随分(ずいぶん)と威勢よく言いましたよね……」

 

 めぐみんが、俺についたタオルを少しづつずらす。

 右手には、黒の油性ペンが握られていた。

 

「おっ、おいっ、俺のタオルをはがすんじゃねー!?」

 

「抵抗しても無駄ですよ。二度と更正できないよう、生き地獄をたっぷりと味あわせてあげますw」

 

「アクア、ヘルプミー!! ロリ娘にイタズラされるー!!」

 

 結局はアクアにバレてしまい、俺に『ロリニート』という、新たな呼び名が加わった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。