この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
「たまにはお昼から、お風呂に入るのもオツなものですね」
タオルで体を巻いて、湯船で温まる、めぐみんの言うことも一説ある。
この屋敷の
壁に彫られたライオンの口から、源泉が出る天然温泉に、湯船に足を伸ばせて入れる心地よさ。
おまけにひのきの浴槽も、大人が数人入っても、十分に広いときたものだ。
そう、ここは日本で言う、プチ銭湯と言っても過言ではない。
「なあ、あのさ、ゆんゆんは、あんなヌメヌメの状態で帰らせて良かったのか?」
「いえ、自称私のライバルでストーカーなんで、また向こうから、ひょっこりとやって来て、いつでも会えますよ」
「しかしあの子、マジで可愛かったよな。めぐみんの友達にしては常識人でもあったしな」
「カズマ、それではまるで、私がおかしい人のように聞こえるのですが……」
えっ、めぐみんの功績を振り返ると、常識の欠片もないと思うが……。
「……というか、ゆんゆんも私と同じ13歳なのですよ。あの子は子供じゃないんですか?」
「うーん、俺の許容範囲は二歳年下までだな。中学二年と高校一年なら、ギリギリOKなんだが」
「ちゅうがくにねん、こうこういちねん?」
めぐみんが目を丸くして、不思議そうな表情をする。
そうか、この世界には学校はおろか、学年さえもないのか。
「聞き慣れない言葉ですが、私も来月は14歳ですよ」
「えっ、ガチで14なん? お前、ロリキャラ48(風呂場で泳げるアイドル?)を卒業するのか!?」
「ロリキャラとは失礼ですね‼」
そうか、今まで世話のかかる妹みたいに感じていたのに、これからは世話のかかる後輩みたいな感じになるんだな。
「そう考えると、何かこの裸の付き合いが、急に恥ずかしく思えるな……」
「ちょっと! 年齢が一つ違うだけで、どうして態度がコロリと変わるのですか!!」
めぐみんが声を荒くしながら、俺に反論するが、顔が真っ赤で説得力は皆無に近い。
湯船に浸かりすぎて、のぼせたか?
「所で、何で俺はめぐみんと一緒にお風呂に入ってるんだろうな。これって、ひょっとしてマズい状況では?」
「なっ、私の体をジロジロと見ないでもらえますか。この変態!」
めぐみんが俺に湯水をかけて、俺と距離を置き、離れた浴槽で体を包んでいたタオルごと、両腕で体を隠す。
「なあ、この状況、空気読めないアクアに見られたら、シャレにならないよな……」
「確かに……」
二人揃って、気まずい空気に包まれる。
気のせいか、湯けむりの間越しに、めぐみんの素肌が色っぽく見えた。
コイツもこうして見ると、一人の女の子なんだな。
『ただいまー!!』
『カエル討伐のお金もらってきたわよー。カズマ、めぐみんー‼』
元気の良いアクアの声が、部屋を通じて反響する。
「のわー、本当に、こう言う展開になるとは!!」
「カズマが変な妄想をするからですよ!」
「……と言うか、一緒に出たら、なおさら怪しまれるでしょ!!」
めぐみんも慌てているが、本人は至って、冷静だった。
「おっ、おい、脱衣所の鍵は閉めてるか?」
「閉めてるわけないでしょ!」
「やべー、こんな現場を見られたら、ロリニートやロリマハムおじさんなどと、変なアダ名をつけられてしまう‼」
「今、さらりと、とんでもないこと言いましたよね?」
『カズマ、お風呂に入ってるの?』
うおおー、目覚めろ。
俺の体内に潜んだ全魔力よ。
今ここで魔法を使わないと、俺の住む世界(人生)は、完全に壊れてしまうんだぞー!
俺は腰にタオルを巻いたまま、全速力で扉に向かう。
『フリーズー!』
俺の唱えた氷魔法が、脱衣所のドア全体を凍らす。
これで外側からはドアを開けられない。
『カエルのお金、リビングに置いとくから、後でご飯でも食べに行きましょう!』
そのままアクアの足音が遠ざかり、安心して気が抜けた俺は、急激な魔力切れによる疲労感で、床にうつ伏せにぶっ倒れた。
そりゃ、風呂に人がいると分かったら、ドアなんて開けないよな……。
「カズマ、大丈夫ですか?」
「ふう、危なかったぜ。この俺がロリコン確定になってしまう所だったぜ……」
俺は床と同化(擬態?)しながら、心の底から安堵する。
「……めぐみん、すまんが、俺は動けそうにないから、体を拭いてくれないか……」
「ほおー、貴様。私と風呂に入ったら、ロリコン確定になるという、その内容を詳しく聞かせてもらおうか……」
そこへドスのきいた声色のめぐみんが、指の関節を鳴らしながら、俺の寝ている聖域(ただの足拭きマットの上)に踏み入る。
「……身動きが取れないそんな状態で、
めぐみんが、俺についたタオルを少しづつずらす。
右手には、黒の油性ペンが握られていた。
「おっ、おいっ、俺のタオルをはがすんじゃねー!?」
「抵抗しても無駄ですよ。二度と更正できないよう、生き地獄をたっぷりと味あわせてあげますw」
「アクア、ヘルプミー!! ロリ娘にイタズラされるー!!」
結局はアクアにバレてしまい、俺に『ロリニート』という、新たな呼び名が加わった。