この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
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「あーあー、昨日は散々な目に(第41話参照)あったな。気晴らしに何か食べていくか」
アクセルの街で、優雅に、お一人様散歩を楽しんでいると、見覚えのある黒いマントが露店に立っていた。
あの赤いリボンで髪を纏めた、後ろ美人の女の子は俺の記憶に新しい。
「よう、お姉ちゃん。焼き鳥の串焼き、いかがかな?」
一瞬、店主と目が合ったが、何事もなかったように、明後日の方向を向いて去ろうとする黒髪の美少女。
その女の子と目と目が通じ合う。
「よう、やっぱり、ゆんゆんじゃないか。こんな所で何してんだ?」
「あ……カズマさん。こっ、こんにちは……!」
ご丁寧に頭を下げて、挨拶をしてきた、礼儀正しいゆんゆん。
「お前一人か?」
「……」
ゆんゆんは、それ以上は言葉を発することはなく、俺の顔色を伺っている。
「所で、その露店の串焼き買わないのか?」
「あっ、いえ……。私は……その……」
「まあいいけどな。おじさん三本くれ」
「はいよ、毎度ありー」
俺はおじさんから『動く物を見つけると、引っ付いてきて自爆する、なんちゃらモンスターに火をつけろ(放火魔か?)』の噂を聞き流しながら、焼き立ての香ばしい焼き鳥串を貰う。
俺はそれを一本頬張りながら、近場の広場に行くことを決めた。
「それじゃあな、ゆんゆん」
「は……はい」
──私はカズマさんが、美味しそうに串焼きを食べている所を見て、急にお腹が空いてきた。
「あっ……あの。さっきの人と同じものを下さい」
「毎度ありー」
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「しかし、ダクネスは昨日も帰って来なかったな……」
腹が減っては悩み事もできぬ。
アクセルの街、噴水広場のベンチに座った俺は、串焼きを食いながら、ダクネスの件で頭を抱えていた。
「あの領主、ダクネスを溺愛するほど好きみたいだし、囚われの妻の身(違う)になってないといいんだが……」
もし、今日も帰ってこなかったら、次は探りを入れる必要があるな……。
「ねえ、ダーリン。あの可愛いネズミのぬいぐるみ取ってよ」
「しょうがねえな。このオレ様のウィリアムテールの冴え渡る腕を見せてやる」
俺の近くにある射的場で、カップルどもが何やらほざいている。
男の方は見事に目的の景品を打ち当て、二人の愛は、さらに深まったようだ。
「ありがと、ダーリン。愛してる」
「おいおい、公衆の面前で抱きつくなよ」
けっ、いい気なもんで見せつけかよ。
これだからリア充は……。
俺の周りにはロクな女が寄りついて来ないから、その相乗効果でやたらと腹が立つよな。
(カズマっちの純真、映画化決定?)
……って、ゆんゆん、
その射的場で弓を構えて、何をしているんだ?
何か欲しい景品でもあるのかね?
「しゃーないな。美少女の頼み(頼んでない)だし、俺が一肌脱いでやるか」
俺はその言葉通り、腕捲りをしながら、ゆんゆんの元へと歩み出した。
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「いらっしゃい。お嬢ちゃんも射的やるかい?」
「あっ……」
私が串焼きを美味しくいただいて歩いていた時に、今度は別の店主さんに声をかけられる。
私は串焼きを平らげて、無言で頷き、お金を払い、一本の弓を手にする。
狙う相手は鎧を着た、冬将軍の愛らしいぬいぐるみのみ。
でも与えられた三本の弓矢は、景品をかすりともしなかった。
「残念だったね。弓の扱いは苦手かな?」
店主さんが困ったような顔で、ポリポリとアゴを掻いていた。
「もう一回やってみるかい?」
「いえ、私はもう……」
私は弓を置き、申し訳なさそうな店主さんに一礼した、その時だった。
「おじさん、今度は俺が一回ね」
隣からカズマさんが急に割り込んできて、私の置いた弓を手に構える。
「狙撃!」
カズマさんが放った弓矢は、見事に冬将軍のぬいぐるみに当たり、難なくそれを一発で手に入れてみせた。
それからカズマさんは、白い歯を輝かせながら、私に景品を渡す。
「ほら、やるよ。これが欲しかったんだろ」
「あっ……」
カズマさん、私の目には天使のように見えて……とても優しい人だな。
「ちょっとお客さん! アーチャーと狙撃スキルを使える人は、お断りだって貼り紙に書いているでしょ! その景品はあげるけど、お金は倍払ってもらうからね‼」
「す……すいません……」
カズマさんが店主さんにこっぴどく叱られ、財布から渋々と、千エリス金貨を店主さんに手渡す。
「あっ、ありがとうございます」
私はぬいぐるみを抱き抱えながら、心からの笑顔で、カズマさんに感謝のお辞儀をした。
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「あの、すみません」
「どうかしたのか?」
「いえ、紅魔の里では、このようなお店などなかったもので」
なるほど、金があまりないんじゃなく、露店での接し方がよく分からなかったのか。
これが言わずと知れた、箱入り娘というものか。
族長の娘からして、世間知らずなのかも知れない。
「冬将軍のぬいぐるみ、ありがとうございます」
「やっぱり冬将軍なのか。精々、首を切られに化けて出ないようにしろよ(第18話参照)」
「カズマさん、言っていることが怖いです」
「まあ、それが俺の本職(怪談ほら話?)だからな」
しかし、ゆんゆんのライバルが、ウチのパーティーにいるけど、特に嫌われたような感じはしないよな。
むしろ、ウエルカムようこそみたいな対応だし。
「カズマさん、向こうで何かやってますよ!」
俺の思考を遮る、ゆんゆんの声。
彼女が指を突きつけた先には、大人たちが大きな輪を作って、何かのイベントを楽しんでいるようだった……。