この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第44話 この勝負をつけたがる相手に大人の関係を見せつける時を!!

「……というわけで、ゆんゆんは自分の名前を恥ずかしいと思ってる、頭のおかしな娘(お前もじゃん……)でして、学園(学校とは違うらしい)では、いつもひとりぼっちで、ご飯を食べていたのです」

 

「待ってよ、その言い方は酷くない! 私にも友達だって、ちゃんといたわよ!」

 

「ふーん、あのゆんゆんに友達ですか?」

 

「ええ、そうよ!」

 

 めぐみんが内心焦りながらも、ゆんゆんの話の続きを聞きたがる。

 

「ふにふらさんやどどんこさんとか! 私たち友達だよねって言って、私のおごりで一緒に食事に行ったりして……」

 

「おい、それ以上は言うな。聞いてるこっちが惨めになる」

 

 ……ということはゆんゆんは、ふざけた名前でおかしなヤツらばかりの紅魔の里で、数少ないまともな常識人だったから、ろくに仲間もできなかったと……。

 ううっ、あんなにも真面目なのに、何て不憫な娘なんだ……。

 

「さあ、何でもいいから、尋常に勝負よ、めぐみん!」

 

「全く、毎回、急な話ですよね。まあいいでしょう。勝負の内容も、ゆんゆんにおまかせします」

 

「……もう、私は勝負に一々(いちいち)拘るような、子供でもありませんから」

 

 めぐみんが首元の襟を整え、毅然(きぜん)とした態度を見せる。

 

「フフーン、随分(ずいぶん)と余裕じゃない。子供じゃないのなら、今すぐここで小さい頃にやった、私との発育勝負にしてもいいのよ?」

 

「いえ、そういう子供の話ではなく、別の意味で、もうあの頃の子供じゃないと言うことです」

 

 めぐみんがさりげなくを装い、俺に細い腕を絡めてくる。

 

「だって私は、カズマと一緒にお風呂に入るくらい、仲が良い大人な関係ですから。ねっ!(第41話参照)」

 

「えっ!?」

 

 耳まで赤面したゆんゆんが、俺らにひとさし指を向けたまま、声にならない言葉を口に出す。

 

「おい、お前、そんなこと、人前で言うのよせよな……」

 

「!?!?!?」

 

「きょ……」

 

 冷静さを見失い、気が確かでないゆんゆんが、マントを大きくひるがえす。

 

「きょ、今日の所は私の負けよ。精々、感謝することねー!!」

 

 ゆんゆんが大泣きしながら、冬将軍のぬいぐるみを片手に逃げ去っていく。

 

 そのライバルから目を離し、めぐみんはポケットからメモ帳を出して、紙に書かれた文字の横に、丸筆で丸いチェックサインをしていた。

 

「これで今日も私の勝ちです!」

 

「お前、そんな夏休みのラジオ体操に参加したような気分で満足なのかよ……」

 

****

 

「おい、駄女神。ちょっといいか?」

 

 めぐみんと無事に帰宅し、屋敷内のリビングで、マグカップにコーヒーを淹れた俺は、目標座標にいる邪魔者に声をかける。

 

「毎度、大きなソファーに寝そべってないで、たまには俺に、そこの場所を譲る気はないのか?」

 

「嫌だわ。退いて欲しければ、私に対価を差し出しなさい」

 

 アクアが三人がけのソファーを一人で陣取り、呑気にポテチを食べている。

 

「お前なあ、ソファーが食べかすで汚れて、掃除が大変だろ」

 

「大丈夫よ、カズマの風魔法で、こんなクズなんて、ちょちょいと吹き飛ばせるでしょ」

 

 俺は、お前ごと、吹き飛ばしたい気分になるんだが……。 

 

(なんじ)よ、神の創造した、暖かく優しい土地に住みたい者よ。この私に高級酒を捧げよ。そうすれば豚の挽き肉よりも価値がないヒキニートにも、暖かな光が射すことであろう」

 

阿呆(あほう)か、俺は観葉植物じゃないんだぞ」

 

 俺はアクアの暴言を無視し、めぐみんのいる斜め向かい側に置かれた、一人用のソファーに座る。

 

「ダクネス、昨日も帰ってきませんでしたね……」

 

「ああ、どうしたもんかな……」

 

 コーヒーを飲みながらも、俺の考えぬいた決断は一つしかなかった。

 

「やむを得んな。もうこっちから領主のいる場所に行くしかないか」

 

 そこへ『ドタバタ』と、せわしない足音が屋敷内に響く。

 これまた、大きな座敷わらしでもいるもんだな。

 

 足音はここまで接近し『バンッ!』と、大きな音を立てて、リビングの出入り口のドアが激しい勢いで開いた。

 

「カズマ、たっ、大変な事件なんだ!」

 

 いきなり現れ、ピンクのリボンで髪をサイドテールに結わえ、緑の貴族のドレスを着た金髪の美人が何やら吠えているが、向こうの人違いじゃねーかな。

 

 ほら、カズマなんて名前、結構ありふれているし?

 

 アクアもめぐみんもメドゥーサに睨まれ、石化したみたいに動きが止まったままだ。

 

「アンタ、不法侵入だぞ。どこの誰だよ?」

 

「くうううー! 体がゾクゾクするー。たまらんお言葉!」

 

 体を身じろいで、快感の火照った顔をする美人のお嬢って……。

 あれ、この反応どこかで?

 

「……じゃなくて、今はそんな状況じゃない。そういうプレイどころじゃないんだぞ!」

 

「はっ……、お前、もしや、そのMっ気のある言い方はダクネスなのか?」

 

「そうだ、どうして気づかないのだ!?」

 

 久しぶりに再会したダクネスは服は違えど、いつものダクネスだった……。

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