この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
「……というわけで、ゆんゆんは自分の名前を恥ずかしいと思ってる、頭のおかしな娘(お前もじゃん……)でして、学園(学校とは違うらしい)では、いつもひとりぼっちで、ご飯を食べていたのです」
「待ってよ、その言い方は酷くない! 私にも友達だって、ちゃんといたわよ!」
「ふーん、あのゆんゆんに友達ですか?」
「ええ、そうよ!」
めぐみんが内心焦りながらも、ゆんゆんの話の続きを聞きたがる。
「ふにふらさんやどどんこさんとか! 私たち友達だよねって言って、私のおごりで一緒に食事に行ったりして……」
「おい、それ以上は言うな。聞いてるこっちが惨めになる」
……ということはゆんゆんは、ふざけた名前でおかしなヤツらばかりの紅魔の里で、数少ないまともな常識人だったから、ろくに仲間もできなかったと……。
ううっ、あんなにも真面目なのに、何て不憫な娘なんだ……。
「さあ、何でもいいから、尋常に勝負よ、めぐみん!」
「全く、毎回、急な話ですよね。まあいいでしょう。勝負の内容も、ゆんゆんにおまかせします」
「……もう、私は勝負に
めぐみんが首元の襟を整え、
「フフーン、
「いえ、そういう子供の話ではなく、別の意味で、もうあの頃の子供じゃないと言うことです」
めぐみんがさりげなくを装い、俺に細い腕を絡めてくる。
「だって私は、カズマと一緒にお風呂に入るくらい、仲が良い大人な関係ですから。ねっ!(第41話参照)」
「えっ!?」
耳まで赤面したゆんゆんが、俺らにひとさし指を向けたまま、声にならない言葉を口に出す。
「おい、お前、そんなこと、人前で言うのよせよな……」
「!?!?!?」
「きょ……」
冷静さを見失い、気が確かでないゆんゆんが、マントを大きくひるがえす。
「きょ、今日の所は私の負けよ。精々、感謝することねー!!」
ゆんゆんが大泣きしながら、冬将軍のぬいぐるみを片手に逃げ去っていく。
そのライバルから目を離し、めぐみんはポケットからメモ帳を出して、紙に書かれた文字の横に、丸筆で丸いチェックサインをしていた。
「これで今日も私の勝ちです!」
「お前、そんな夏休みのラジオ体操に参加したような気分で満足なのかよ……」
****
「おい、駄女神。ちょっといいか?」
めぐみんと無事に帰宅し、屋敷内のリビングで、マグカップにコーヒーを淹れた俺は、目標座標にいる邪魔者に声をかける。
「毎度、大きなソファーに寝そべってないで、たまには俺に、そこの場所を譲る気はないのか?」
「嫌だわ。退いて欲しければ、私に対価を差し出しなさい」
アクアが三人がけのソファーを一人で陣取り、呑気にポテチを食べている。
「お前なあ、ソファーが食べかすで汚れて、掃除が大変だろ」
「大丈夫よ、カズマの風魔法で、こんなクズなんて、ちょちょいと吹き飛ばせるでしょ」
俺は、お前ごと、吹き飛ばしたい気分になるんだが……。
「
「
俺はアクアの暴言を無視し、めぐみんのいる斜め向かい側に置かれた、一人用のソファーに座る。
「ダクネス、昨日も帰ってきませんでしたね……」
「ああ、どうしたもんかな……」
コーヒーを飲みながらも、俺の考えぬいた決断は一つしかなかった。
「やむを得んな。もうこっちから領主のいる場所に行くしかないか」
そこへ『ドタバタ』と、せわしない足音が屋敷内に響く。
これまた、大きな座敷わらしでもいるもんだな。
足音はここまで接近し『バンッ!』と、大きな音を立てて、リビングの出入り口のドアが激しい勢いで開いた。
「カズマ、たっ、大変な事件なんだ!」
いきなり現れ、ピンクのリボンで髪をサイドテールに結わえ、緑の貴族のドレスを着た金髪の美人が何やら吠えているが、向こうの人違いじゃねーかな。
ほら、カズマなんて名前、結構ありふれているし?
アクアもめぐみんもメドゥーサに睨まれ、石化したみたいに動きが止まったままだ。
「アンタ、不法侵入だぞ。どこの誰だよ?」
「くうううー! 体がゾクゾクするー。たまらんお言葉!」
体を身じろいで、快感の火照った顔をする美人のお嬢って……。
あれ、この反応どこかで?
「……じゃなくて、今はそんな状況じゃない。そういうプレイどころじゃないんだぞ!」
「はっ……、お前、もしや、そのMっ気のある言い方はダクネスなのか?」
「そうだ、どうして気づかないのだ!?」
久しぶりに再会したダクネスは服は違えど、いつものダクネスだった……。