この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》   作:ぴこたんすたー

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第50話 このおかしな考えの女に真面目な人生の歩みを‼

「なら、あのいやらしい領主の息子だから嫌なのか?」

 

「いや、そうじゃない!!」

 

 ダクネスのデタラメ剣術をかわしながらも、彼女のためを思い、言い聞かせるように説得を続ける俺。

 

 バルターは、あの領主とは似つかずに、人々からも人気があり、貧しい者たちには優しい施しをしているし、人望もある。

 じゃあ、それらのどこが不平なんだ?

 

「いいや、そのような素晴らしい貴族が、私と結婚をするという魂胆が間違っている!」

 

 ダクネスが木刀を放り投げ、同じく刀を捨てた俺の両手を握り、取っ組み合いになる。

 

「人柄が良く、頭も冴える。評判も良く、常に努力家で、悪い噂も耳にしない完璧な男だと!?」

 

「人の上に立つ貴族なら、常に人を見下した嘲笑いでもしていろ!」

 

「それに私のタイプは、あのようなできる男でない!」

 

 ダクネスの下品な笑い声が、俺の耳に嫌でも入り込む。

 

「外見は地味で貧弱か、小太りの体形で、私が愛を育んでも他の女に平気で手を出し、浮気者でウサギのように年中発情する、スケベな心が必須の条件だ‼」

 

 あのなあ、どんだけ変態な理想郷だよ……。

 

「多額の借金を抱えても、楽な人生を送りたいと、余生を馬鹿にしている、とんでもないヤツが好きなのだ!」

 

「そして働きもせず、毎日浴びるほど酒を飲み、私に絡みながら愚痴を飛ばし、私の体を舐めるように見ながら、こう言うのだ」

 

「おい、ダクネス。お前のそのエロい体を利用して、たんまりと酒代を稼いでこいと……」

 

『ドレインタッチ……』

 

「んんあああー!!」

 

 俺はダクネスを、賞味期限切れで捨てられる食材のように見切った。

 この女はすでに、まともな人間には更正不可能だと。

 

「この変態女がー、いい加減にしろよ‼」

 

「ああああー!?」

 

 ダクネスが俺の吸い取りの魔法により、快楽に酔ったかのように、ビクビクと体を大きく仰け反らす。

 

「なあ、ダクネス。一つ勝負をしようじゃないか。俺のドレインタッチか、お前の腕力か、勝った方が、何でも好きなことをさせられる権利をな!」

 

「良かろう。だが私を甘く見すぎだな。お前に体力を奪われる前に、この貧相な腕の骨を折ってやる」

 

「そうか。じゃあ、俺が勝って、土下座して泣き叫んで、謝っても無駄だからな」

 

「それで何だ? 針千本でも飲ます気か?」

 

「違うな、そんな生優しいものじゃない。お前が真っ赤になって、恥ずかしがるようなことをタップリとだよ」

 

「何だ? 貴様、私に何をさせるつもりだ!?」

 

 何を想像したかは不確定だが、ダクネスの顔に色ツヤが増す。

 

「そうだな、お前が想像するよりも、さらに破廉恥なことさ。次にお前が目を覚ました時、お前は俺の犬になって涙目で言うんだ。『もういい加減に許して下さい、ご主人様ー!!』ってね!」

 

「ごっ、ご主人様ー‼」

 

 ドレインタッチにより、全体力を奪われたダクネスが床に崩れ落ちる。

 

所詮(しょせん)は、淫乱女騎士。俺の頭脳戦勝ちだな」

 

「なっ……何て凄まじいセクハラな攻め(責め?)の攻撃。流石(さすが)、クズマだけのことはある」

 

「おい、その発言はあまりにも失礼だぞ」

 

 バルターの悪気がない本音に対しても、俺の純真な心(嘘つけ)は揺れ動く。

 

「それに比べて、僕はまだまだだ。ララティーナ様の理想になれる、下品でいやしい男にならないと!」

 

「やめとけ、あんたは道を踏み外すな」

 

 今、その正規のレールを外れたら、真っ当な人生は歩めないぞ。

 

「──どうじゃ、勝負はついたかの? この修練場で決闘しておると聞いて、お菓子の差し入れでも持って来たのじゃが?」

 

 そこへ扉を開けて、食卓のテーブル台車を運んできたダクネスのお父さんと、一人の美女なメイド。

 

「……ララティーナ?」

 

 お父さんがびしょ濡れで、服がボロボロになって倒れている娘を見て、言葉を詰まらす。

 

「はい。私が止める間もなく、あの二人がララティーナお嬢様を、あんな目に合わせました」

 

 アクアよ、その凌辱的な響きは何だ?

 俺ら二人は、そんなに極悪人か?

 

「そうか、二人とも打ち首獄門、ギロチンの刑で島流しじゃな」

 

『違います、それは誤解です‼』

 

 首だけになって、広すぎる海をさ迷ったら、二度とこの人生をやり過ごせないぞ。

 

****

 

「いやいや、失礼したよ。娘は昔から、人見知りが激しくてなあ……」

 

 ダクネスをベッドに寝かせて、メイドに介抱させ、再び、応援間で会話をする俺たち。

 

「ああやって強気に見えても『こんな私でも、素晴らしい冒険仲間ができますように⋯⋯』と、毎日、女神エリス様に祈りを捧げていたのじゃよ」

 

 ダクネスの親父さんが、自身のちょび髭を摘まみながら、さっきからずっと、この()()()話だ。

 

 もういい歳なんだし、そろそろ子離れしろよ。

 

「それでの、盗賊の女の子が仲間に加わった時は、大層喜んでな……」

 

「妻を早々に亡くし、ワシが自由に育てたのが悪かったのか、あんな性格に成り果ててしまった……」

 

 おい、親父、ちょい待て。

 その話とは、あの狂った性癖のことか?

 ならなんで、あんな変態になるまで放置していたんだ‼

 

「いえ、ララティーナ様は素敵な女性ですよ。カズマ君がいなければ、僕が妻にもらいたい気分ですよ」

 

「はっ、バルター、何を言ってんだ‼」

 

「そうか、やっぱりそうだったのか。これからも娘のことを頼んだよ。カズマ君」

 

「だから違うって!!」

 

「騒がしいな。これは何事だ。私が寝ている間に、私の体に変なことでもしたのか?」

 

 ダクネスがセクシーなラインが浮き出た、黒いパジャマ姿で姿を現す。

 違うわい。

 仮面○イダーの改造人間じゃあるまいし。

 

「おお、目が覚めたのじゃな。ララティーナ」

 

「それよりもお父様。今回のバルター様との見合いは、白紙に戻してもらえますか」

 

「実は私のお腹の中には、すでにカズマの子供が……」

 

 頬を赤く染めたダクネスが腹を擦り、満更でもない幸福な笑みで父親に宣言する。

 

「なっ、お前、童貞の俺に何をほざいているんだ。このアマ!! お前も処女の癖に、とんでもないこと言うな。聖母マリアかー‼」

 

「そうでしたか。やっぱり二人はそういう関係でしたか。ならば諦めるしかないですね」

 

「おい、バルター。何だ、その優しい笑みは‼」

  

 バルターが片手を上げて、ダクネスの婚約候補から外れる。

 

「ええー、カズマとダクネスが知らない間に、そんなことまで進んでいたなんて。街の人々に知らせて、教会で式の準備をしなきゃ!」

 

「駄女神、勝手なことをするな!!」

 

 アクアが拳を握りしめ、早くもそろばん片手に、ご祝儀の計算を始める。

 

「おおっ、このワシにも、ついに初孫ができるのか……」

 

「あんたも泣いてないで、目を覚まさんか!!」

 

 ハンカチを目元に当てて、うれし涙を溢す親父。

 

「お前ら、妄想もいい加減にしろよー‼」

 

 ダスティネス家の屋敷内に、俺の怒声が響き渡ったのは言うまでもない。

 

****

 

 ──父には僕から、婚約をお断りしたと言っておきますね。

 その方が、父も納得することでしょう……。

 

 バルターはそう言い残し、最後まで心優しい気持ちを残したまま、ダスティネス家を後にしたのだった。

 

「それにしてもバルターは、本当に素敵なヤツだったな。冗談抜きでダクネスをもらってほしかったよ」

 

「まだそれを言うか、パパ」

 

「だから俺の子じゃねーし、できてもねーし、お前も未経験だろ!」

 

「それよりも私が負けたら、とんでもない破廉恥なことをすると言っていたが?」

 

「ああ、その件はまた今度な……」

 

 共に帰宅し、俺たちの屋敷のドアノブに手をかけながら、思うことが一つだけあった。

 俺はこれからも、このイカれたクルセイダーの面倒を見るのかと……。




この50話にて、このすば二次創作の連載を打ち切ることにします。
理由はどうあれ、このサイトでは実験的に投稿していまして、当初から10万字くらいで進めて様子を伺い、更新を止めようと思っていたからです。
続きはカクヨムで読んでくださると幸いです。

ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました。
それでは次回作でお会いしましょう。
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