この素晴らしい楽園に青春―アオハル―を!?《このすば120%ギャグリメイク》 作:ぴこたんすたー
『緊急のクエストが発生しました!』
ダクネスたちを交えて、真面目な会話をしているギルド内から、突然のアナウンスが入る。
「何だよ、人様が
「それを言うなら、霊験あらたかでしょ。何、カズマ、変な幽霊にでもとりつかれた?」
「お前という、貧乏神ならいるけどな」
俺はアクアと、無言の取っ組み合いをする。
そんな中……アナウンスの声に深まりが増した。
『冒険者の皆さんは、急いでギルドに集合して下さい。繰り返します……』
「このクエスト、相手はいつものキャベツだろうな」
「そんな収穫の時期ですもんね」
「はっ、お前ら、今キャベツって言ったよな?」
緊急クエストにも関わらず、めぐみんとダクネスが冷静な素振りを見せる。
俺との取っ組み合いを止めたアクアに至っては『またとないボーナスクエストだ!!』と、大喜びをしている。
「冒険者の皆さん、今年もキャベツの収穫の時期がやって来ました」
俺の担当で、将来嫁候補の美人店員(嘘つけ)を中心に、ギルド内の店員たちが辺りに散らばり、大きな木製のザルの山を冒険者たちに手渡していく。
「今年は出来がよくて、一玉一万エリスになります。
冒険者たちが群れとなり、急ぎ足で外へと向かう。
「おっしゃ、この季節がやってきたわ。私たちも行きましょう」
「私も行こう」
「本当? 助かるわ。ダクネス」
まさか、冒険者なのに、異世界農業をするはめになるとはな……。
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「カズマ、この世界のキャベツは美味しいのよ……」
アクアは遥か彼方から迫ってきた、無数の進軍たちに指をさし、心底、真面目な顔で語りだす。
──芳醇で濃厚、しゃきしゃきとした歯応えで、体にも優しい無農薬のキャベツ。
そんな魅了される味で、私も好きなんだけど、彼らは強き魔力で大空を飛び立ってね。
大地を進み、海を進み、誰も知らない場所で、その命を終わらせるの──。
「……そういうわけで、簡単に食べられてしまうものか! と言わんばかりにキャベツが大空を羽ばたいているのよ」
「クソッタレ、とんでもなく、
虫取り網を装備した俺は、空飛ぶキャベツに向かって、愚痴を吐く。
だが、キャベツたちは予想外の動きで、俺を
「このキャベツども、俺様から逃げられると思っているのか? ガキンチョの頃に
俺は虫取り網を凧のようにぶん回し、次々とキャベツを収穫していく。
この世は、弱肉定食(強食では?)の世の中だ。
キャベツごときが、人間様に
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「ウマイな。あの空飛ぶキャベツが、こんなにも美味だったとはな」
皿にこんもりと盛られた、キャベツ炒めに食欲をそそり、次々と平らげる俺たち一同。
「ダクネス凄いわ。
「いいや。私の攻撃は全然当たらないから、みんなの盾になることしかできない。真に誉めて欲しいのは、めぐみんが強力な魔法でモンスターを退治した部分であろう」
「まあ、私の爆裂魔法は最強ですからね。カズマも盗賊のスキルで色々と助けてくれましたし」
あの三人の女子、いつの間にか、仲良しになってやがる。
ダクネスも、俺たちの仲間の輪に入ってるみたいだし……。
「カズマ、礼を言わせてもらう」
友好のお近づきか、ダクネスが俺に握手を求めてくる。
「私がキャベツやモンスターにボコボコにやられるがままの状態でも、懸命に助けてくれたな。まあ、もう少しだけ、痛みの快楽を味わいたかったが」
美人なんだけど、やっぱり変な美人だ。
クルセイダーなのに、攻撃力がからっきしゼロの部分からして、俺のパーティーには不向きだけどな。
「ウチのパーティーも素敵なメンバーになったわよね。これからもよろしくね、ダクネス!」
「ふざけんな、こんなデコボコメンバーで冒険がやっていけるか!」
アクアの発言に苛立った俺は、テーブルを拳で叩き、ガツンと反論する。
「何よ、みんなでクリアしたクエストなのよ? ダクネスを仲間にしないのなら、キャベツ収穫の報酬はいらないわよね?」
「何だと、この女は。いいから俺にもよこせ‼」
「おいおい、仲間同士でケンカはよくないぞ」
「ダクネスはそこを
『スティール!』
俺は渾身のスキルを、アクアの持つ金貨の入った布袋に集中させた。
「あれ?」
だが、手に握っているのは、白い包帯のような、ほんのりと温かい
……というか、サラシに近い。
ダクネスが胸元を押さえながら、顔を真っ赤に染めていた。
どうやら、ダクネスの身に付けていた物らしい。
「あんた、真性のクズよね」
「今度からクズマ三世と呼びましょう」
「違う、これは誤解だぞ。そんな冷たい目で俺を見るな!」
アクアとめぐみんのクズのような瞳から、目を背ける俺。
一方でサラシを盗られたダクネスは、誰から見ても、明らかに呼吸を乱していた。
「あははっ。やっぱりこのパーティーは最高だ。攻撃が全く当たらないクルセイダーだが、これからもよろしく頼む。
モンスターが出たら、ジャンジャン私を盾がわりにしていいからな♪」
こうして、俺のイカれたパーティーにマゾっ気の強い、ドMなクルセイダーが加わった。