ようこそ実力至上主義の教室へ ~ギフテッドとN.I.N.J.Aと……~ 作:山上真
「なあ、綾小路。さっきは気付かなかったけど、こういう可能性はないのか?」
会議室のレンタル時間が終わり、宛がわれた自室に戻ってきてからもウンウンと唸っていた柴田が、不意に清隆へと声をかけた。
手元のメモ帳には辰グループのメンバーが載っており、しかしその記載順は学校側が用意したものとも清隆が説明したものとも違っていた。
・
その並び順がどういう意図に基づいたものなのかは一目瞭然だった。
「これは……そうか! 男子が終わった後に女子の順番が訪れるスタイルか!」
「あ~、確かに中学の時の『出席番号』なんかはそうだったわ。五十音順なのは変わんねえけど、男子から始まって女子で終わるスタイル」
「ですが、これを見ると確かに怪しく思えますね。この順番にすると五番目は龍園くんになり、プリントに記載されている『龍グループ』という名称との親和性が一気に高まります」
清隆同様に柴田が差し出したメモ帳を見たルームメイト――神崎、渡辺、浜口が順に意見を述べた。
基本、出席番号というものは五十音順に振り分けられることが多いが、学校によっては差異がある。それが、『男女混合にした上で振り分ける』形式と、『男子の五十音が終わったあとで女子の五十音が続く』形式だ。
リストに載った各クラスの生徒の名前。
・Aクラス:
・Bクラス:
・Cクラス:
・Dクラス:
そこに、説明にあった『各クラスの関係性を無視しろ』という言葉を加味すると、ただの
・
・
・
・
この上で順番を並べ替えるとするなら、候補はいくらかある。『五十音』もそうだが、『誕生日』や『身長』、何なら『成績』だって候補に挙がるだろう。
しかしながら、『五十音』以外は余りにも個人情報が過ぎる。知ってる人物は知っているだろうが、知らない人物の方が大半だろう。そんなものを基準にしては、試験としては余りに公平性を欠く。
然るに、『五十音で並べる』という意見には誰もが納得したし、疑問を挿まなかった。
「な~んか、引っ掛かってたんだよ。んで、さんざっぱら悩んだ結果、行き着いたのがコレだった。
で、どうなんだ綾小路。俺としてはこの可能性もあると思うんだけど?」
柴田の言葉に、神崎たちも興味深げな視線を清隆に向ける。同意見ということだろう。
「その可能性も確かに考えたが、結果的には却下した。辰グループだと分かりにくいが、他グループのリストを見れば、その理由は一目瞭然だ」
「他グループの……?」
柴田が開いているメモ帳のページはそのままに、他三人が自分のメモ帳をめくり始めた。
自分の所属するグループ。自分以外が所属するグループ。星之宮クラスにおいて、それらの情報はクラスチャットにより早期に共有されていた。
アズたちもまた、自分たちが説明を受ける時点で、既にルールについては知っていた。結果についても同様だ。それでもメモを取ったのは、やはりその方が信憑性が高まるからだ。
実際、チャットに挙げられた情報だと独自判断によるものだろう。
その多くはメンバーリストで、漢字だけを書いてルビを振っていない生徒が大半だった。それ以外だと、時間が足りなかったからか、崩し字で認識しづらかったりなどもあった。
「……なるほど。同じクラスから男子と女子が選ばれているグループを見比べると顕著だな。辰グループは男女混合でも男子→女子の順番だから分からないが、男子→女子→男子になっていたり、女子→男子となっているグループもある。
これは、
「そうだ。確かに五十音順というだけだと、柴田の言うような例もある。だが、学校側が用意したリストを下敷きにすれば、『男女混合で振り分ける』形式なのは明らかだ」
「っかぁ~! 無い頭使って散々に考えた結果がコレかよ……」
清隆の答えを聞いた柴田は、ガックリと肩を落として溜息を吐く。
「ですけど、柴田くんのしたことは大切なことですよ。僕たちの場合、清隆くんとアズさんを筆頭に
「確かになぁ~。だから、『出来る限り最初から生徒会組に頼るのは止めよう!』って方針になったんだしな。『頼るだけなら悪くないが、それが常態化してしまえば依存になっちまう』って言われたら、否定できる余地はねえよ。
いやまあ、前回然り今回然り、特別試験ではガッツリと頼っちまってるわけだけど……」
「そこは仕方ないと思うしかないだろうな。
そもそも、特別試験自体、無人島のが初めてで、それから間を置かずにコレだ。下地や経験がない以上、傾向を考えるにも限度があり、その予測が実態と違っていてもおかしくはない。である以上、その穴埋めをクラスメイトに頼るのは、決して間違いとは言い切れない。
結果はどうあれ、綾小路の意見を鵜吞みにせず、
落ち込む柴田を、浜口、渡辺、神崎が励ました。
「ま、そうだな。気にするべきは、この試験がどう転ぶかだ」
先の話し合いの最中、既に各クラスが
しかしながら、未だ『優待者』が公表されたわけではない。星之宮クラスのように、既に『優待者の法則』を割り出したクラスもあれば、平田が言っていたように、『法則があるのは分かっているが、未だその詳細は不明』という茶柱クラスみたいな例もある。
天才を自負する、真嶋クラスの有栖なら気付いていても不思議はなく、坂上クラスの龍園には底知れなさがある。
そんな状態での選択だ。しかも、グループの選択は下位クラスから一つずつ指定する形で行われた。D→C→B→A→で三巡した形になる。
ただでさえ三グループ分の解答権しか持たない上でのそれなので、方針変更を余儀なくされた部分もあるだろう。
「ある意味、龍園は儲けたな。先の無人島試験の結果、真嶋クラスと坂上クラスにはクラス逆転が起きるが、反映されるのは『夏休み明け』と明言されている。つまり、現時点での坂上クラスはCクラスということになる。
クラスが落ちることが確定している真嶋クラスにしてみれば、堪ったものじゃないだろう」
「それに、キッチリと
「あ~。あのホワイトボードに書かれた坂柳ちゃんの名前な。各クラスの代表格が集まる辰グループのメンバーだ。おまけに『天才』と名高い。
「にしたって、
「それで言うなら、平田も儲けたことになるだろうな。
知っての通り、オレたち星之宮クラスと平田たち茶柱クラスは無人島試験で手を組んだ。それを思えば、今回も手を組まない保証はない。
星之宮クラスと茶柱クラスが互いに互いの『優待者』を当て、その上で真嶋クラスと坂上クラスの『優待者』を当てる。得をするのは星之宮クラスと茶柱クラスだけであり、真嶋クラスと坂上クラスは嫌でもその事態を想像しないわけにはいかない。
となれば、少しでもプラスを得ようとするなら平田の提案に乗った方が得だ」
清隆の言葉に端を発し、それぞれが意見を述べる。
「っはぁ~! お前、あの時点でそこまで考えてたわけ?」
「正確には、『会議室のドアがノックされた時点で』……ですよ、渡辺くん。また、そこまでかはともかく、櫛田さんも考え付いていたでしょうね」
渡辺が感嘆の息を吐くと、浜口が補足を入れた。それに対して清隆が答える。
「あの時点で会議室には担任を含めて星之宮クラスが全員集まっていた。レンタル時間にはまだ余裕がある。である以上、ノックをするのは他クラスの生徒と考えるのが妥当だ。
実際の用件は分からないにせよ、ああしておけば威圧にはなるからな。それに浜口の言う通り、櫛田も考えていただろう。
人気者ってのは二通りある。
しかも、櫛田の場合はそれであの域まで至っているからな。間違いなく思考能力、観察能力、計算能力は高いだろう。普通ならストレスで潰れそうなもんだし、そうでなくても視野狭窄に陥りそうなもんだが、そこを上手いことアズがフォローしている。結果、成長する
「やれやれ。お前たちの実力が高いのは分かっていたつもりだが、一緒にいるほどに
彼我の実力差を思い、神崎は肩をすくめて溜息を吐いた。
♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢
船内一階のラウンジに、平田、鈴音、千秋の姿があった。星之宮クラスが使っていた会議室を訪れて契約を結んだあと、他の会議室を使っていた自クラスに解散を告げ、その足で真っ直ぐにやって来たのだ。
この船は地上五階、地下四階の九階層で作られていて、その上に屋上がある。
・屋上:プール、カフェなど。
・三~五階:客室。三階が男性、四階が女性となっている。生徒たちには伝えられていないが、おそらく五階は飲食店などで働く外部スタッフ用の部屋だろう。
・二階:会議室、試験説明に使われた部屋など。また、やはり生徒たちには伝えられていないが、内部スタッフ用の部屋だと思われる。
・一階:ラウンジ、宴会用のフロアなど。
・地下一階~地下三階:映画や舞台を始めとする様々な娯楽施設。スパやコインランドリー(無料)もここに含まれている。
・地下四階:配電盤室など。基本的に生徒には関係がなく、立ち入り禁止となっている。
少なくとも、渡されたパンフレットや教師からの口頭説明ではそのように教えられている。
ラウンジは二十四時間利用可能であり、深夜だろうと出入りは自由だ。学校からは『近付くことを極力控えるように』との通達は出ているが、その一方で完全否定はしていない。
これは、男女間のエリアに関し
試験の本番は明日からだが、その一方で既に始まっていると考えていい。そして、明日の午前八時には『優待者』が通達される。
他クラスとの実力差を鑑みれば、出来る限り早期に『優待者の法則』を見つけ出したいのが平田たちの本音である。既に二十三時を過ぎた現状、誰かの部屋で話し合うのは現実的ではなかった。
自分たちの選択がどう転んだのか、それを知りたい思いもあった。
「たぶんだけど、星之宮クラスと坂柳さん辺りは、既に『優待者の法則』を発見していると思う」
「それはまたどうして? ――と、訊くまでもないでしょうね。私たちの提案が余りにもすんなりと受け入れられ過ぎた。制限時間はあったにせよ、本当ならもっと揉めてもおかしくはなかった」
「まあ、それを防ぐためにあの時間帯に訪れたわけだけどね。各クラスの顔役が揃ったあの状況下、即断即決できないようでは、すなわち実力不足と周りに受け止められかねない。
支配者や統率者を自負するのなら、それはあまり旨くない。代表なんてのは、周りに舐められたら終わりよ。
星之宮クラスを除けば、ただでさえ各クラスは一枚岩じゃないからね。龍園くんの支配は先の無人島試験で着実に進んだでしょうけど、それだって完全な筈はない。うちや真嶋クラスは言うまでもない」
平田の言葉に、鈴音と千秋が続いた。
「うん。だから、僕たちはそれを利用しようとした」
ミルクを口に運び、平田が言った。
「だけど、それを踏まえても余りにトントン拍子過ぎた。
先の無人島試験。確かに僕たちは一番多くCPを手に入れたけど、それだって星之宮クラスとの協力――と言うよりは
つまり、僕たちは他クラスにしてみれば『弱者』なんだ。『同じ学校の同胞』ではあるけれど、その一方で『クラス闘争』の相手だ。普通なら、そんな弱者の言葉を一考する必要もない。この学校で価値を持つのは『実力者』だからね」
「だけど、それをした。裏を返せば、『他のクラスにはそうする必要があった』ということになる……。
じゃあ、それは何か? 確かに、『クラスの評価』と『個人の実力』は同一じゃない。である以上、平田くんの言葉を無下にする必要もなかった。そういう考えも出来る」
「出来るけど、ちょっと薄くもあるよね。何せ、今の平田くんには実績らしい実績がない。そりゃあ個人としては優秀ではあるだろうけど、他クラスが同じ『顔役』と認めるかと言えば疑問が残る」
順に意見を述べることで整理をしていく。
「早い話、他のクラスは
正直、僕の提案は『諸刃の剣』だ。メリットもあるけどデメリットもある。『リスクの減少』という点ではメリットだけど、同時に『リターンの減少』も意味するからね。むしろ、『攻め手が減少する』という点ではデメリットの方が大きい。今回の試験、CPを得ようと思ったら積極的に裏切りにいく必要があるからね。
過度な一強状態を忌避する星之宮クラスであれば、受け入れる余地はある。――反面、真嶋クラスと坂上クラスにとっては受け入れる余地は少ない。
じゃあ、その上で二クラスが受け入れた理由は? ……と、こうなるわけだね」
「そのヒントとなるのが、ホワイトボードに唯一書かれていた坂柳さんの名前というわけね?」
「彼女が辰グループの『優待者』であるなら、少なくとも真嶋クラスは無視しきれない。そして、『天才』と名高い彼女であれば法則を見付けていても不思議はない」
「龍園くんの方はその時点で法則を見付けていたか分からないけど、今の僕たち同様に坂柳さんの名前と法則を結び付けてもおかしくないだろうね。
そして、僕たちと星之宮クラスには先の無人島試験で共闘した実績がある。である以上、今回もそうしないとは限らない。
僕たちと星之宮クラスは互いが互いの『優待者』を当て、他のクラスの『優待者』は全て僕たちが当てる。結果、B、C、Dの三クラスによる三すくみが出来上がる。
いくら『過度な一強状態を好まない』と言っても、それも程度によりけりだ。星之宮クラスは悠々と様子を見ることが可能になるから、受け入れる可能性も否定はできない。
先々を考えれば悪手に近いけど、まず上位クラスを射程圏に収めなければどうにもならないのも事実だ。その点で、真嶋、坂上両クラスはその可能性を捨てきれない。たとえ僕たちが『優待者の法則』を見つけ出していなくとも、星之宮クラスから伝わる可能性は否めないからね」
三人は顔を見合わせて頷いた。ここまでで意見の相違はない。
「ただねえ……。『坂柳さんが辰グループの優待者』ってのが本当で大きなヒントになったとしても、如何せん、うちのクラスはそれ以外の情報が大きく欠落しているからねえ……」
千秋が肩をすくめて溜息を吐いた。
それは正真正銘偽りのない真実で、『優待者の法則』を発見するに当たり、平田たちは余りにも情報が不足していた。
クラスメイトの所属グループは流石に判明しているが、その『グループメンバー』となると途端にあやふやになるのだ。
キチンとメンバーリストのメモを取っていたのも極一部しかいない。池寛治、須藤健、外村秀雄、平田洋介、幸村輝彦、軽井沢恵、佐藤麻耶、堀北鈴音、松下千秋、王美雨の十名だけだ。オマケに、グループ被りまでしている有様である。
コレでは、たとえ
「まあそうだけどね。それでも、坂柳さんと優待者を結び付ける法則が見付かれば、大きな助けになるのは間違いない」
「グループは干支に分かれ、先生が言っていた『大前提として、クラスの関係性は無視をするように』という言葉。これが大きな意味を持つと思うのよね。
この言葉が、単に『各クラスの生徒が一緒のグループ』という意味を持つだけではないとしたら……」
言いながら、鈴音はメモ帳の空白部分に、所属クラスを省き、改めてグルーメンバーの名前を書いた。
「ただの
「……だと思うよ。それ以外、例えば誕生日とかだと個人データに寄りすぎる。それに、『最初の話し合いの際には必ず自己紹介を行うこと』というルール。関係性が薄い生徒がいる可能性を踏まえれば何もおかしくはないけど、
「でも、五十音順だとしても二通りあるわよ? 干支で数えれば辰は五番目。男女混合で振り分ければ確かに坂柳さんになるけど、男子→女子の順で振り分ければ龍園くんになる。グループ名で考えれば龍園くんでもおかしくはない。そこから坂柳さんに絞り込むためのピースは?」
三人は揃って頭を悩ませた。
何か他にヒントはないかと、三人は改めて情報を整理する。
「ねえ? コレって大きいんじゃないかしら?」
それは、池と須藤が提出したグループメンバーのリストだった。彼らのグループのメンバー、特に他クラスから選出された生徒の名前は男女混合型だ。
「……見つかったね」
三人は顔を見合わせて頷き合う。誰しもが笑みを浮かべていた。
どうやら随分と頭を悩ませていたようで、気付けば結構な時間が経っていた。既に午前一時を過ぎている。
「早く寝ようか」
「そうね」
「片付け片付け……っと」
三人はドリンクなどの後片付けを済ませ、宛がわれた部屋に戻るのだった。
試験説明終了後~『優待者』発表前の各クラスの状況です。
今回は星之宮クラスと茶柱クラスに焦点を当てました。
次話は坂上クラスと真嶋クラスに焦点を当てます。
直前にやった無人島試験と大きく違うのは、やはり『全校生徒が一斉に説明を受けたわけではない』という点ですよね。
先に説明を受けたグループから、どれだけ精度の高い情報を、早期に受け取れるか。
クラスの方針を考える上で、コレは大きな要素になると思います。
原作からして全グループのメンバー構成を明らかにはしてませんし、本作では原作との変化も相応にありますので、ぶっちゃけた話、辰グループ以外のメンバー構成は考えてません。考えてられません。
正直、原作に合わせてメンバーにルビを振るのがすっごく面倒臭かったです。それでも、このルビ振りも試験の重要な要素だから省くわけにはいかないんですよね。
原作時点でいい子ちゃん揃い、協調性も高い星之宮クラスは、桔梗による忠告もあったため、基本的に全員がメモを取りました。
ただ、やはり個人判断に基づく部分も多いため、名前のルビなどは省かれてたりします。
前の話でも少し説明入れましたが、見て、聞いて、書く、を同時並行で進められる人なんてそうはいないと思います。
先生からの説明が行われている間にも書くことは出来るかもしれませんが、そうすると話の方は大部分を聞き流すことになるでしょう。
入学当初から『口頭説明に重要な内容が込められている』のは一貫してますので、それを知る以上は口頭説明を無下に出来ない事情が生徒にはあります。
必然、メモを取る時間も限られることになります。取捨選択が生じるのは否めません。
一方の茶柱クラス。確かに平田が起ちましたし、今まで以上に締める部分は締めていきますが、イキナリ何でもかんでも出来るわけではありません。
同時、起った以上は今まで以上に『クラスの実態』を把握する必要があります。
平田、鈴音、千秋の三人にとって『メモ取り』はやって当然のことで、『言わずともどれだけの生徒がそれを行うか?』を測る目的もありました。
結果は、『最悪ではないけど、決して良くはない』という状況です。
早い話、『やっちゃ駄目』って明言されてることはやらなくなったけど、『やるべき』こと、『やった方がいい』こともやってないってことですからね。
だからこそ、三人――特に平田と鈴音にとって池、須藤、外村、恵、麻耶の評価は上がりました。千秋は須藤と外村に対する評価を上げました。
幸村と美雨に関しては、元からこっち系の評価が高いため変化なしです。
そんな状況で『グループ被り』もしているため、星之宮クラスに比べると、圧倒的に把握率が足りません。
『同じグループのメンバー……? ○○と○○と○○と、あと誰だっけ……?』てな状況です。大半の生徒はメモを取っておらず、記憶しきれてもいません。
三人はルールの詳細を知った時点で『優待者』に法則があることは見当が付きましたが、これでは絞り込むことすら難儀です。
積極的に裏切りを行ってCPを稼ぎたくても不可能です。
それ故、前回の提案に繋がった面が少なくはありません。
攻撃は諦めて、『被害の軽減』と『クラスの統制』に重きを置いた判断です。
正味な話、『クラスメイトが暴走する可能性が一番高いのは自分たちのクラス』だと三人は判断してますので。
ただ、『統制具合に不安を抱えているのは真嶋クラスも坂上クラスも同じだろう』という判断も働いていたため、最終的に提案が受け入れられる可能性は高いと踏んでいました。
今回、茶柱クラスが法則を見付けられたのは、『運が良い』のもありますが、シッカリと成長しているクラスメイトがいるからでもあります。
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