ようこそ実力至上主義の教室へ ~ギフテッドとN.I.N.J.Aと……~ 作:山上真
『お誕生日おめでとう!』
カラオケの一室に男女の声がこだました。8/21が誕生日の王美雨、8/24が誕生日の井の頭心、8/25が誕生日の天野亜真里の『合同誕生会』を行っているのだ。ついでに、転入生である伊織と亜真里の歓迎会も兼ねている。
誕生日を迎える全員が茶柱クラスの生徒ということで参加者は専ら同教室の生徒だが、例外として綾小路清隆と佐倉愛里の姿もあった。これは、二人が元々茶柱クラスだったことが関係している。――と言うより、この二人が参加していないとこんな大掛かりな誕生会など行えるわけがない。
金欠状態が続いていた茶柱クラスの生徒が、カラオケの利用など出来る筈がないのである。やろうとしても間違いなく費用が捻出できない事態に陥る。早い話、今回の費用は清隆持ちなのだ。まあ、実際には担任である佐枝も出しているが。
ドリンクが入ったグラスを打ち合わせる中、こうして開催に漕ぎ着けた事実に対し、清隆、愛里、平田の三人は安堵の息を吐く。
微笑を浮かべた顔を見合わせた三人は、自然とここまでの経緯を思い返していた。
♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢
平田に誘われてプレゼントを買いに行ったまでは良かったが、清隆も愛里もこれまでの人間関係から選定に難儀した。一人分だけでも難儀しているのに、実際には三人分なので尚のこと難儀だ。
自然、清隆も愛里も、何か参考にならないかと記憶を漁り、これまでの数少ない『誕生会』の光景を思い出した。双方共に誕生会への参加回数自体が少なく、だからこそ思い出すのは容易だった。
共通していたのは『パーティー』だ。カラオケで歌って食べて飲んで騒いだり、或いは寮の自室を飾り付けて質素に行ったり、こんな感じで規模と内容は様々だったが、パーティーが付き物だったのは否めない。それとケーキ。決して、プレゼントを渡して終了ではないのである。
そして、内の一人である亜真里は転入生だ。伊織共々、こちらが『歓迎の意』を示さないことには学校に溶け込むのも難しいだろう。
自分たちが星之宮クラスに歓迎会を開いてもらい、それを機に本格的に溶け込むことが出来たからこそ、清隆と愛里はその部分が気になった。
まず、『公然の秘密』として茶柱クラスには金が無い。誕生会にしろ歓迎会にしろ、そんな状態で開けるのかは怪しいところがある。転入生である伊織と亜真里ならもしかしたらポイントに余裕があるのかもしれないが、パーティーの趣旨を鑑みれば二人に出してもらうのは本末転倒である。
なので、清隆と愛里はそこら辺を平田に相談した。茶柱クラスのポイント状況に予想は付くが、予想でしかないのも事実だからだ。
「正直に言うと芳しくないね……」
それが平田の返答だった。
九月になったらポイントの支給が確定していること。千秋が――清隆から提供されたことにより――茶柱クラス基準で大量のポイントを保有していたこと。そして、平田が茶柱クラスの『リーダー』として起ったこと。
これらの事情が重なった結果、リーダーの平田と補佐役の鈴音と千秋は、これまで
その代表格がクラスメイト間での『ポイントの貸し借り』である。
情けないことに、四月の段階でポイントを使い切った生徒たちが茶柱クラスには多かった。そして、五月になってポイントの支給がクラス評価に基づいたものであり、茶柱クラスは一ヶ月でCPをゼロにまで溶かし尽くしたことが告げられた。
そこら中に無料品は用意されているが、贅沢三昧の一ヶ月を過ごした生徒たちがイキナリ適応できるわけもない。無理矢理にでも適応せざるを得ないのは事実だが、よっぽどでない限りはどうしたって段階を踏むことになるのが道理だ。
その際に割を食ったのが、四月を堅実に、ポイントを節約しながら過ごしていた生徒たちである。当然の如く、彼ら彼女らは
同じクラスの別の生徒にたかりに行くだけならまだマシだ。しかし、
ただでさえクラス評価が最低値にまで落ち込んだ状況で、他のクラスの生徒に利己的な理由で迷惑を掛ける。……その際のペナルティはどうしても
また、たかる方もたかる方で、何気に人選には気を払っていたらしい。その時点で『クラスの人気者』だった平田や、『孤高』を振りまいていた鈴音や幸村には話を持ち掛けることすらなかったのだから。
結果として、食い物になったのは『孤独』だったり『気弱』だったりな生徒が大半だった。
如何に平田がリーダーとして起ったとはいえ、この状況を放置してクラス逆転を、引いてはAクラスを目指せるわけがない。
今回の特別試験でPPを得ることが叶う生徒からは、その大部分を『軍資金』として徴収することで話が付いている。そうして徴収したポイントから、一部を全クラスメイトに対して還元することも。
である以上、貸し借りを清算するにはちょうどいい機会だった。
しかしながら、九月に入って実際にポイントが配られてからだと、何かしらの問題が発生する可能性は否めない。何せ新学期だ。『新たな事実』が公表される可能性をどうして捨てきれようか。それ次第では、渋り出す生徒がいないとも限らない。
また、金欠状態が続いていたとはいえ、全く収入がなかったわけでもない。本人が返そうとさえすれば、部分的に返すことは十分に可能だった。それが行われていない以上、本人同士に期待するのは問題がある。
そういった事情から、手間で面倒であったとしても、平田たちが間に入り有無を言わさずに清算させた方が、あらゆる意味で都合が良かったのだ。
強行した結果、『クラスメイト間のポイント貸し借り』には片が付いた。だがその代償に、千秋のポイントは大きく減ることとなったのである。もっとも、九月に入ってポイントを徴収・再分配する際に、千秋が立て替えた分を該当生徒への分配分から補填すればいいだけのなので、減少も一時的なものでしかない。
「そうは言っても、ポイント利用に関することなら松下さんが『頼みの綱』だったのも事実だからね。僕と堀北さんも節約に努めている方ではあるけど、余裕がないのは否めない」
「須藤は? オレはアイツにもポイントを提供したが?」
平田の言葉に清隆は首を傾げた。
清隆がポイントを提供したのは千秋だけではない。須藤にも同じだけのポイントを譲渡している。である以上、『金が無い』なんてことはない筈なのだ。
「うん。それは聞いてるよ。須藤くんは外村くんと半分ずつ分け合ったらしいね。今現在どれだけ残っているのかは分からないけど、夏休み直前の時点ではある程度残っていたみたいだ」
「だったら――」
「清隆くんの言いたいことは分かるけど、それは出来ない。それをしてしまえば、僕もポイントをたかった人たちと
今回の特別試験の報酬と違い、須藤くんと外村くんの持つポイントは、清隆くんからの
彼が自分から彼女たちの誕生日のことを口にしてポイントを提供してくれるのであれば、こちらとしても受け取って使用するに不都合はない。だけど、
松下さんの場合、僕にリーダーとして起つように促していた面があるからね。だから、その責任を果たすべく僕の補佐をしてくれているし、ポイントの使い道がそれに引っ張られる面があるのは否めない。
早い話、須藤くんと松下さんでは『クラス内の立場』が違うんだ。確かに須藤くんは僕の提唱する新たなクラス運営システムにおいて発言権を持っているけど、それは条件に合致すればこそだ。それとは関係なく、『補佐役』として常に一定の発言力を持っている松下さんや堀北さんとは『立場の重み』が比較にならない。もちろん、『リーダー』の僕もそれは同様だ。
それ故に、こちらから要求していい部分といけない部分はシッカリと分けないといけない。そこを疎かにしてしまえば、組織としては終わりだよ。
今回、『誕生日を迎える彼女たちを祝ってほしい』、『来たばかりの二人を歓迎したい』という思いがあるのは否定しない。だけど、極論すれば、それは僕の我儘なんだ。
そうすることで一体感や連帯感が生まれるだろうことは否定しないけど、あくまでも可能性に過ぎないんだ。だからこそ、強制してまで行うべきじゃない。
そもそも、うちのクラスは大半の生徒がポイントに余裕がないからね。どれだけ理屈が正しくても、それだけじゃあ受け付けないだろう。クラスメイトとはいえ、然程親しくもない相手にプレゼントを贈ることを提案されれば、感情面で否定してしまうだろうね」
「――そうか……」
平田の説明に、清隆は口を閉じた。確かな理が存在することを認めてしまったからだ。
そも、星之宮クラスと茶柱クラスでは所属生徒の傾向からして異なる。星之宮クラスで成功したことが、茶柱クラスでも成功するとは限らないのである。
「お前の言う理屈が正しいのは認めざるを得ない。しかし、『かつて同じクラス』で『現在は違うクラス』のオレと愛里だからこそ、別の道を提示することも出来る。――と言うより、お前もそれを狙ってオレを誘ったんじゃないか?」
「否定はしないよ。あわよくばそうなってほしいとは思ってた」
「まったく……。やってること自体は以前と然程変わらないのに、リーダーとして起った途端、強かになった様な気がするのはなんでだろうな……?」
清隆の確認を平田は否定しなかった。
それを受け、清隆は深い溜息を吐く。平田の行動が『善意優先』であることは依然として変わらない。だが、今やその裏では『合理的思考』が働いている。ある意味で読みやすくはなったが、その一方で断りにくくもなった。
その育ちから、清隆はどうしても『合理的思考』を優先してしまう。その結果生じるメリットとデメリットを判断基準にしてしまう。感情面が機能しなくはないが、未だ機能する部分は限定的なのが実情だ。
「オレと愛里はあの三人の誕生日プレゼントを選ばない。その代わり、『誕生会』と『歓迎会』の費用を負担しよう。会場やケーキ、食事にドリンクの手配なんかだな。
オレたちは『プレゼントを選ぶ』という難題から解放される一方で、それ自体が『プレゼント』になる。
現Aクラスの所属だからそちらと違って手持ちのポイントにも余裕はあるし、『元クラスメイト』だから『誕生会』に関与しても不思議はない。掲げる名目が異なるだけで、『歓迎会』についても同様だな」
「それが出来るなら、私としてもその方がありがたいかな。嫌味になっちゃうかもしれないけど、ポイントで片付くのなら、正直に言ってその方が楽。
たぶん私、うちのクラス内で一番ポイントを持ってるし……。ただでさえプレゼント選びとか慣れてないのに、その状況で『そっちのクラスの経済状況に配慮して』とか、ハッキリ言って『無理難題』が過ぎる……」
清隆の言葉には、愛里もすぐに賛同した。
そう、『ストーカー騒動』の一件で、愛里には膨大なPPが振り込まれているのだ。その他に『プロテクトポイント』も付与されている。
それ以外にも、定期的にユキを巻き込んでモールでファッションモデルをやっているため、その報酬でファッショングッズが日増しに増えているのが実情だった。ビジュアル以外、自分の能力には自信のない愛里だが、これで平均以上の学力はキープしているのである。教師に断られる理由はなかった。
「あ、私のプレゼント決めたよ。私の持ってるファッショングッズをプレゼントする。それであの三人を着飾らせる。物自体は私のお古になっちゃうけど、店から買えばそこそこの値段がするのは事実だし、だからこそプレゼントとしては丁度いいんじゃないかな?」
ポンと手を打って、愛里は前言を撤回した。
「いいんじゃないか。愛里らしいと言えば愛里らしいプレゼントだろう」
「僕もいいと思うよ。グラビアアイドルの『雫』でもある佐倉さん直々のプロデュースだ。正直、ポイントには代えられない価値があると思う」
清隆と平田の賛同に、愛里は顔をほころばせる。
愛里は自分が着飾るのも、他人を着飾らせるのも好きだ。雫としての仕事中は、主に用意された衣装を身に着けていたが、基本的にブログへの自撮り写真は衣装からアングルまで自分で手掛けている。『グラビアアイドル』としては活動休止中とはいえ、コメントもないブログへの投稿写真だけでファンを掴み続けている辺り、愛里自身に確かなセンスがあるのは間違いなかった。
そして、ことファッションに対して愛里は柔軟性が強い。『妥協する部分としない部分がハッキリしている』と言い換えることも出来るだろう。愛里が優先するのは『映え』の一点だ。そのためならば高価な物も安価な物も拘らずに使うし、制限下での選定もそれはそれでありだ。自分の技量が光るというもので、逆にやる気になる。
そんなだから、実のところ報酬として頂いたファッショングッズ自体にはそれほど頓着はないのである。ブログへの投稿写真を撮ってしまったら、もはや用済みに等しい。自宅以上に収納スペースが限られる寮の自室なのだから、尚更不要感は強い。
それでも、組み合わせ次第で必要になる機会がないとも言い切れないため、捨てることも出来ずに残しているのが実情だった。
「そう言ってくれると助かるよ~。タダ同然で物が手に入るのはいいんだけど、日増しに置き場に困っていくのも実情でね。それを有効活用できるんなら、私もそれに越したことはないし……」
二人に言葉を返した愛里は、これまで以上に集中して美雨、心、亜真里の三人を見やった。その脳内では、激しく着せ替えが行われていた
♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢
そんな一幕がありつつ、開会に漕ぎ着けたのだ。
個人ででもグループででもいいから、美雨、心、亜真里の三人に対する『誕生日プレゼント』を持参すれば、清隆と平田主催の『誕生会兼歓迎会』に参加できる。……そのように周知した結果、茶柱クラスのほぼ全員が参加することになった。
また、参加者の中には担任である佐枝の姿もあった。これは伊織と亜真里に対する『歓迎会』を兼ねているからこそ可能なことでもあった。
教師という立場上、佐枝が『誕生会』への大々的な参加をするのは難しいものがあるのだ。やってやれないことはないだろうが、それをしようとすれば受け持ち生徒全員に誕生日プレゼントを用意する覚悟を迫られる。或いは、その逆にお全員にプレゼントを用意しないかだ。でなければ不公平になってしまうからだ。
まあ、参加する以上、大人として何も負担しないのは、それはそれで憚られるのも事実。そのため、あくまでも『歓迎会用』とすることで、会場費は佐枝が負担している。飲食代は清隆持ちだ。『教師』として、また『担任』として、それが佐枝に出来る落としどころであった。
参加条件を緩めた結果、本気で誕生日を祝う参加者がどれだけいるかは不明である。しかし、
一部参加者の苦労と苦悩を知る由もなく、会場内は次第に盛り上がりを見せていく。
なお、プレゼントの方は先に受け取り、一角にそれぞれのスペースを設けて置かれてある。『開封タイミングは受け取り主の自由』ということを事前に周知している。そうすることで、嫌がらせじみたプレゼントが紛れるのを防ぐ寸法だ。
何せ、何度も言うが茶柱クラスの生徒の大半は金が無い。そんな状況では、そこら辺の雑草や虫なんかをプレゼントにしかねない恐れがある。
無いことを期待するが、複数の人間がプレゼントを贈り、開封タイミングは自室に帰ってからとなれば、可能性としては捨てきれないのも事実である。茶柱クラスに在籍する生徒の人間性に関して、酷い者はそれほど酷い。その点については平田も否定しきれなかった。
そして、そんな可能性を思いついてしまった以上、対策を打つのは主催者として当然だった。
しかし、率直に言って愛里の用意したプレゼントは度を越している。愛里の認識と茶柱クラスの認識は大いに異なるのだ。だからこそ、この場で愛里のプレゼントを開けられるのも、それはそれで問題がある。
それ故の苦渋の策が、『愛里のプレゼントを二つに分ける』というものだった。そもそも、『服装一式とそれを彩る小物のセット』というのは相応に嵩張る。合計金額もそうだが、ここから持って帰ることを踏まえると、些か以上に問題があるのも否めない。何せ、複数の人物がプレゼントを用意しているのだから。
その点で、『主催者』と『贈る側』と『受け取る側』で『利害の一致』を見たのだ。
愛里は、この場には一品ずつしか持ち込んでいない。必要以上に嵩張らず、値段も安めで、単品でも映えさせることが可能な物をチョイスしている。
その一方で、他の一式は郵便局に配送をお願いしてある。敷地外への配送は受けなくとも、敷地内への配送であれば話は別だ。『誕生日プレゼント』というある種の
そこまでの手間暇をかけているのだから、問題なく終わってほしいのが三人の本音でもあった。
大いに食べ、大いに飲み、大いに歌い、大いに騒ぎ。
それぞれの心情に応えるように、パーティーは無事に終了を迎えたのだった。
原作では飛ばされた一幕を描写してみました。まあ、実際の焦点は異なりますが、『誕生会兼歓迎会をやった』という事実は示しました。
原作の方の本題は異なるにしても、あくまでも『名目』に過ぎなくとも、『舞台背景』に過ぎなくとも、曲がりなりにも誕生日プレゼントを買いに行ったんだから、相手に贈るシーンだったり誕生会のシーンだったりは欲しかったですね。
それ次第では『井の頭心』というキャラはもっと掘り下げられていたでしょうし……。
書いていてなんですが、流石に『そこらの草』や『虫』を誕生日プレゼントにする奴は、さしものDクラスにもいないとは思います。
ただ、どうしても『そういうイメージ』が払拭できないんですよね。『やりかねない』と思ってしまうんです。『誕プレ? コイツにはこれで十分でしょ』的な……。
原作山内や、ポイントたかり連中による負の遺産です。
清隆的には『平田への友誼』、『誕生日を祝う』、『転入を歓迎する』という面がなくはないですが、『茶柱クラスに対する投資』の意味合いもあります。
これで茶柱クラスの連帯感や団結力が増して強敵と化してくれるなら、清隆的には十分な得があります。
本作の平田は原作以上に清隆と交流を重ねていますので(R-18版参照)、清隆のそんな方向性を察しています。
それもあって清隆を『誕プレ探し』に誘った部分もあります。
心達の誕生日を祝いたいのも本当で、清隆含め多くの人に祝ってほしいのも本当です。
ただ、茶柱クラスに金が無いのも事実ですので、『星之宮クラスの清隆がいればちょっと豪勢には出来るんじゃないかな……?』という計算があったのも本当です。
その一方で、自分以外のクラスメイトと清隆との結び付きを強めたかったのも本当です。
あくまでも平田の根底方針は『みんな仲良く』です。
で、愛里。
『ぽっと出のグラビアアイドル』で、『人気が出始めた頃に活動休止』して、『ブログへの無言の写真投稿だけでファンを繋ぎ留め』、『一年以上も表立った活動がなかったにも拘わらず』、所属事務所の後押しがあっただろうとはいえ、そして深夜枠とはいえ『テレビ出演を果たしている』んですよね。
いや、これで『実力がない』って嘘でしょう! まず間違いなく『ビジュアル方面』の実力は突出していると言えます。
『退学後の愛里』が語られなかったら、まだ『実力不足』を受け入れられたんですよ。『退学も仕方ない』って思えたんですよ。
でも、実際にはコレですからね。こうなると、『総合的な実力評価』を謳っている『高度育成高等学校』の『評価基準』がおかしいとしか思えなくなってきます。
少なくとも、『ビジュアルは一切評価してねえだろう!』……と。
そんなわけで、本作の愛里は『美』に関する実力は『学校一』と言っても過言ではないくらいに突出しています。
『美』方面限定で、清隆ばりの『極めて高い吸収力』と『類稀な応用力』を持ち合わせているのが本作の愛里です。
逆に言うと、本人の中で『美』と結び付かなければ、結び付いても方向性が定まらなければ、『効果を発揮しきらない』デメリットもあります。
『作風』や『画風』を想像してもらえば分かりやすいかと思います。
どの方向に進んでも『成功を見込める才能を有している』が故に、スタート時は『取っ散らかっている』わけです。
適切なアドバイスが得られなければ失敗するのが道理で、こんな『才能の化け物』に『適切なアドバイス』を送れる人物など非常に限られているのが『現実』です。
原作の愛里は、それによって学校生活を失敗したパターンと解釈しています。
原作で登場する『超人勢』との兼ね合い、描写された『事実』を列挙するだけで、そのくらいのポテンシャルは有してそうですし……。
感想・評価お願いします。