スタイリッシュ異能バトルの世界で俺だけ魔法少女としてエロゲの敵と戦っている   作:かませ犬S

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ゴミ

「おかえりポヨ」

 

 家に帰ったら害獣(ミュー)がいた。テンションが爆下がりしたのは言うまでもない。

 

 なんでこいつがここにいるんだよ。いや、まぁ漆原は一晩預かるってだけの話だから、ミューが戻ってきていても何ら不思議ではないんだけど、なんで今帰ってくるかな。

 

「いやー、酷い目にあったポヨ。あいつ本当に人間ポヨか」

 

 顔を見ると気のせいか、やつれているようにも見える。かなり精神的に痛めつけられたらしい。いいぞ、もっとやれ。

 

「漆原は化け物だよ⋯⋯間違いなく。この世界で最強の男だから」

 

「とんでもないのと関わってしまったポヨ」

 

 自分の存在は魔法少女にしか見えないとタカをくくってたら漆原には見られ、マジカルパワーがないと殺せないと舐め腐っていたら拷問されて心を折られ、挙句の果てに契約によって密かな野望まで潰されると。

 

 ざまぁみろ。

 

 申し訳ないけど、こいつには一切の同情が湧かない。見た目こそ愛玩動物のような姿をしているが、淫獣と呼ぶに相応しい生物であることが既に判明している。

 

 だってこいつ、あわよくば俺とヤろうと考えていたんだぜ。普通に嫌悪感しか湧かない。

 

 魔法少女として契約して体を女にしたのもこいつの趣味なんじゃないかと疑ってしまうくらいだ。

 

「ん?」

 

 ちょうどいいタイミングで漆原からメッセージが入った。少し前にミューを解放したって内容と、一晩かけてミューから情報を搾り取ったらしく後で共有すると書いてあった。変なところで気が利く男だ。

 

 これが赤ちゃんプレイを強いてくる変態とは到底思えない。原作でも部下に対して気配りを見せるシーンは一応あった。といっても漆原が気に入っている幹部に対してだけだったけどな。

 

 一部の人間にだけ、優しさを見せる。女性読者の人気が一定数あったのはそういうところか?

 

「なんだよ」

 

 不意にミューから視線を感じた。上から下を舐めるようなねちっこい視線。

 

「女の子っぽくなったポヨ?」

 

「キモイこと言うな」

 

 気持ち悪いなと俺が感じ瞬間、ミューの下半身⋯⋯股の間で何かが潰れる音がした。

 

「うごぉおお!!」

 

 両手で股の間を抑えながら聞いた事のないような野太い声を上げながらミューが転がっている。お前の数少ない魅力の一つ、庇護欲を掻き立てられる声が台無しである。

 

 何が起きたか、一瞬分からなかったが(ひばち)と交わした契約によってミューの金たまが潰れたんだと思う。

 

 ミューが交わした契約は『性的行為の禁止』『五十嵐 純平が嫌がる行為及び言動の禁止』『魔法少女の使命に尽力すること』細かいものは幾つかあるが、俺に関する契約はこの三つ。

 

 俺の体をねちっこく見た事が視姦と判断されたのか、俺が嫌がる行為と取られたかは不明だが⋯⋯しっかりと契約が効力を発揮している事は確認できた。

 

「うお⋯⋯あぅぅ」

 

 ミューがまだ悶えている。これまでの傾向的に既に金たまも再生してそうだが、痛みはまだ引いていないのかもしれない。

 

 俺も男だったから何となく痛みは分かる。流石に潰れた事はないけど、強打した時にどれだけ悶えたことか。想像するとタマがヒュンとするな、俺にはもうないけど⋯⋯。

 

 ガクガクブルブルと子供用のおもちゃみたいにおかしな動きをするミューを踏みつけながら、できるだけ低い声で話しかける。

 

「なぁミュー、お前⋯⋯俺とヤるつもりでいたんだよな?」

 

「⋯⋯へ?」

 

「俺が寝ている時に、変な事してないよな?」

 

「さ、触ってはいないポヨ」

 

 だからセーフみたいな感覚で言っているつもりかもしれないが、その言い方だと触ってないだけで何かしらやってると白状しているようなものだ。頭を強く踏みつけると、ミューの口からぷぎゃっと変な声が漏れていた。気持ち悪いな、こいつ。

 

「本当だポヨ!触ってはいないポヨ!見抜きしただけポヨ」

 

「それが気持ち悪いんだよ、この淫獣が!!」

 

 踏みつけていたミューを拾い上げて力の限り床に投げつける。血を撒き散らしながら床や壁に何度もバウントして、ようやく止まった頃にピクピクとするだけで動かない状態に。

 

 直ぐに再生するだろうけど、その姿を見て少しだけスッキリした。なんでこんな奴が魔法少女を支える相棒ポジションを気取ってんだよ?

 

 魔法少女が強くなるには幸せを感じる事が大事だろ? こんな奴が傍にいたら嫌悪感しか湧かないだろ、普通。世界樹(ユグドラシル)さまに文句を言いたくて仕方ない。

 

 お前の部下、頭おかしいよ。どうにかしてくれ。

 

 大きなため息を吐く。

 

「ん、あー、なるほど⋯⋯はいはい」

 

 漆原からメッセージが届いた。

 

 ミューから搾り取った情報で、俺が知る必要があると思った事を若鬼が整理して送ってくれたらしい。文の最初に『若鬼v._.vです』って書いてある。顔文字が可愛い。

 

 丁寧な言葉遣いと、ところどころに入っている顔文字が原作の若鬼を知るとギャップを感じて仕方ない。プリンを美味しそうに頬張っていたシーンもあったし、妙なところで可愛げがあるキャラだった気がする。

 

 さて肝心の内容は、見るだけでミューを殺したくなる酷いものだ。

 

 まず、大前提として妖精はその気になれば魔法少女が変身するように人間の姿に変身する事ができる。当然生殖器も付いているらしい。その姿は相棒である魔法少女の好きな人や、理想とした姿となるそうだ。

 

 俺だったら啓吾の姿になるのか? 見た目は啓吾で中身はミュー? それだとただのゴミだろ。啓吾の良さは外見よりも中身だ。顔もかっこいいけど、一番の良さはあの包容力と優しさ。俺が啓吾に何度心を救われたと思ってる?同じ見た目をしていても中身が違うなら別物だ。

 

 俺の事情は置いておいて、魔法少女についてだ。世界樹(ユグドラシル)から聞いた通りに、俺以外にも魔法少女は存在した。

 

 彼女たちは俺と違って元々の性別が女性だった。ここら辺は日朝のアニメと似たようなものだが、敵役はエロゲに出てくるような竿役だ。オマケに負けると凌辱されるときた。

 

 俺と違って一緒に戦う仲間はいたそうだが、チ〇コを丸出しにしてぶらんぶらんしながら向かってくる悪魔に魔法少女は肉体的にも精神的にも疲弊していった。

 

 そんな彼女たちのメンタルケアを担当するのが妖精の役割で、多くの妖精は魔法少女の事を第一に考えてその心を心配したり、悩み事の解決に注力する。好きな人と結ばれるように相談に乗ったり、背中を押したりするアニメのような存在だ。

 

 ただ、ほんの一部の妖精。ミューのような淫獣は魔法少女が精神的に疲弊したタイミングで人間の姿に変身する。先も言った通りこの時に変身する姿は魔法少女の理想の姿だ。

 

 その姿で魔法少女に寄り添い彼女たちが欲しかった言葉で心を労る。そして心を許したタイミングで、ヤっちゃう訳だ。カスの極みみたい存在だ。

 

 ただ、腹の立つ話だが陰獣共に手を出された魔法少女の方が強くなる傾向にある。セックスというわかりやすい快楽があるからな。それに依存させて幸せを感じさせ、強くなる。そんなところだ。

 

 日朝的なサポートだと恋がなかなか進展しなかったり、好きな人と結ばれなかったりと、幸せをなかなか感じる事が出来ず魔法少女が強くなりにくい。

 

 そんな経緯があり、ミューは世界を救うために必要だと判断して俺とヤるつもりだったらしい。それはあくまでもミューの言い分。

 

 漆原が聞き出した本音は、ミューの先輩に当たる妖精が魔法少女とセックスしてるのを見て、羨ましかったからミューもしてみたかったと。ゴミすぎる。

 

 俺が精神的に疲弊したタイミングでこいつは俺に近付いてくるつもりだった。俺の場合は⋯⋯啓吾が死んだ時だろうな。啓吾が死んで、絶望しているところにミュー(こいつ)が啓吾の姿で現れるわけか。エロゲ的な展開も有り得えたか。

 

 よりにもよって最後の生き残りの妖精がこんな淫獣とはな。いちゃラブが大好きらしい世界樹(ユグドラシル)さま的に容認できるのか?俺なら存在を許せないけど。

 

 残念ながら今回はそうはならない。漆原のお陰と言うのもアレだが、爐と交わした契約によって性的行為は完全に不可能となっている。俺が懸念していた貞操の危機がなくなった訳だ。感謝はしておこう。

 

 漆原が聞き出した情報には妖精一体につき一人としか契約できないとか、男を女に変えた方が精神的に不安定だからつけ込みやすいとか、気になる点は色々とあったが最後に記載された必要ならミューを『Los Lobos(ロス・ロボス)』で預かるという言葉に惹かれている。

 

 悪魔の存在を知覚できるのは妖精だけなので、妖精を傍に置いていないといけないだろうが、こんなゴミみたいな生物と一緒にいるだけで精神的に疲弊するのは分かってるから希望があればこちらで預かる。そんなニュアンスだな。

 

 ぶっちゃけ悪魔の襲撃に関しては啓吾の能力(アビリティ)でミューの知覚よりも正確に、更に言えば事前に知る事ができる。

 

 つまり、妖精(こいつ)は用済みということである。傍に置いておく必要がない。

 

 漆原にその旨をメッセージで伝えると、一分後くらいに既読がついて電話がかかってきた。

 

「はい、もしもし」

 

『オレ様だ。今は忙しいから手短に済ます。スマホを持ってゴミの近くにいってスピーカーでオレ様の声を聞かせろ』

 

「分かりました」

 

 素直に漆原の指示に従い床に転がっているミューへの近寄る。傷は既に再生しているが、俺の機嫌を損なわないように動かなかったらしい。俺が近寄ってくると愛玩動物らしい可愛らしい仕草で俺を迎え入れたが、スマホをスピーカーに切り替えると顔が青ざめていく。

 

『聞こえるなゴミクズ。オレ様の言葉が聞こえているなら返事をしろ』

 

「聞こえております漆原さま!!!」

 

『そうか。なら今すぐにオレ様の元にこい。従わなかったらどうなるか⋯⋯分かるな?』

 

「はい!今すぐに向かいます!」

 

 素早い動きで敬礼したミューの姿の当然消えた。ミューが得意とする転移魔法だ。

 

 それを見て随分と躾が進んでいると思った。ほぼ条件反射に等しい反応速度だったな。

 

『このゴミクズはこちらで預かる』

 

「ありがとうございます」

 

『礼はいい。代わりと言ったらなんだが、明日の悪魔との戦いが終わったらそのままアジト向かうぞ。意味は分かるな』

 

 赤ちゃんプレイをしたいんですね、分かります。

 

 これがなければなー。

 

「はい、分かりました。前回のように、よしよししたらいいですか?」

 

『⋯⋯⋯⋯あぁ』

 

「分かりました。悪魔が出現する場所と時間も後で送っておきます」

 

『分かった、明日は現地で落ち合う。はははは、悪魔が本当にオレ様に殺せないか⋯⋯楽しみだ』

 

 漆原の笑い声を最後に通話は終わった。

 

 陰獣を預かってくれたり、こちらを気遣ってくれる姿勢に心を許しそうになる。敵なんだけど⋯⋯敵なんだけど、魔法少女の俺にかなり協力的なんだよな漆原。助かってはいけるけどさ。

 

 それでも感謝として素直に言葉にできないのは、明日の戦いの後に予約された赤ちゃんプレイがあるからだ。それさえなければなー。

 

 いや、赤ちゃんプレイがあるから漆原に心を許さずに済んだと考えるべきか。こいつきめぇなって素直に思えるし。

 

「まぁいいや」

 

 邪魔で仕方なかったミューは漆原が預かってくれたし、この後啓吾が家に来ても誰にも邪魔されない。

 

「服、着替えようかな」

 

 告白するんだし、こんなジャージ姿よりさ⋯⋯可愛らしい格好でした方がいいよな?着る機会はないと買う時は思ってたけど、役立つ時がきたなー。

 

 可愛らしい格好と⋯⋯下着もそれっぽいのにしておく?

 

「⋯⋯⋯⋯」

 

 付き合ってばっかりで流石にないとは思うけど⋯⋯そういう場合も考えてお風呂に入っておこう。

 

 別に期待してるとかそういうのではないけどな!

 

 でも、ほら。魔法少女は幸せを感じた方が強くなるって言うし⋯⋯俺から誘っても⋯⋯。

 

「シャワー浴びよ」

 

 流石に飛躍しすぎた。赤くなった顔を冷ます為に脱衣所へと向かった。




雲雀ルートの分岐は本編17話の『気の迷い』の後、土曜日に雲雀に会う的なイベントで分岐
雲雀と協力して啓吾を救ったり、雲雀と啓吾の間で恋心が揺れたり、最終的には雲雀と啓吾が主人公を賭けて一騎打ちしたり。

そんな物語が見たいです。

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