美女の多い世界に転生した 作:インフェルノ
主人公が自分の限界を探るために練習中です。
「はあ、はあ…なんでだよ…」
俺は荒い息を吐いていた。眼の前には天にも届くサイズの純白のフェンリルのような魔獣が立っている。
「おかしいな…星霊王レベルの魔力なら勝てるはずなのに…」
俺はこの魔獣にボコボコにされていた。相性で勝てると思って炎のブレスを吐いたら、向こうも氷のブレスを吐いて応戦してきた。そしてその物量に俺は押し切られて俺は全身に氷のダメージを受けて血塗れになっていた。
それならと肉弾戦に切り替えたが、炎の攻撃はフェンリルにダメージは通るものの、圧倒的な耐久力とスピードで追い込まれて、何回か噛み付かれて、巨大で退路を断たれて俺は岩に叩きつけられていた。想像以上のダメージに身体は恐怖を覚えて、逃げ腰になっていた。
しかしフェンリルが逃がすわけもなく、俺は食われる一歩手前なのだ。
「くっ…おいおいここまでだなんて冗談じゃないぜ…」
炎を迸らせて、立ち上がる。しかしフェンリルは怯む様子が無い。いつでも氷のブレスで俺を倒せると言った様子だった。
俺は修行のためにこの区域を歩いていた。目的は使えるはずの炎属性と闇属性の魔力の放出練習をするためだった。双属性が使えるだけでもこの世界では強いので、使わない手はなかった。
しかし炎属性の魔法を出すことは出来たが闇属性の魔法は全然使えなかった。ようは俺に出来ることは火球を作って敵に撃ち出すか、あるいは肉弾戦をするだけだった。
フェンリルが襲いかかった。炎の拳を打ち込んだが、奴の突進の勢いで岩ごと吹き飛ばされた。身体が動かなくなってしまった。
「くっ…げほっ、げほっ…」
岩が破壊されて俺は地面に叩きつけられた。滅茶苦茶痛い。多分骨は十数本折れてる、体内が血だらけなのを感じる、口から血を吹いた。
「そんな…こんな…ところで…まだ誰にも会ってねえのに…」
とどめをさそうとするフェンリルに俺は目を瞑った。
『力を貸してやろうか?』
「誰だ…!!」
俺の中で何かの声が聞こえた。同時に身体中の痛みが消えた。身体が再生していく感じがした。
『グルアアアアッ』
フェンリルの声が聞こえた瞬間に俺は立ち上がった。俺は見た。右腕が変色していく様子を。俺の右腕が黒く染まって行く。そして急激に巨大化していった。
その手の爪は大きく、敵を切り裂くのに特化しており、更にそれを支える手も大きくなっていた。悪魔のようなドラゴンのような巨大な何かに右腕が変化した。
ーバキイッ
『ゴフッ』
何かが破壊される音と同時にフェンリルの巨体が初めて後退した。俺の悪魔竜のような巨大な拳がフェンリルの顔面に直撃したのだ。フェンリルは口内が切れたのか血を吐いている。
『グルルルルッ』
しかし俺を殺す気は失せてないようで直ぐ様俺の方を向き直った。
『まだだな…もっと攻撃しろ』
「りょ…了解…」
身体の中で生きてるのが何なのかが分からないが、今は敵を勝手に倒すのが優先だった。体内の魔力が左腕の方にも移動する。左腕が巨大化した。右手のものと同じように強力な手腕に変化していた。
フェンリルが向かって来た。
『飛べ…』
言われた通りにジャンプする。流石星霊王並みに強い身体なだけあって跳躍力も凄まじい、一気に体高数十mのフェンリルの頭部の近くまで飛んだ。
『頭部を切り裂け』
頭部に向かって巨大な爪を振るう、フェンリルの白い頭部が切り裂かれて、血が噴き出した。フェンリルは痛みで狂ったような唸り声を上げていた。
『背中に魔力を込めろ』
「どうやるんだよ」
『何?使えない奴だな、俺が翼を生やしてやる』
背中の方に魔力のような液体が流れていくのを感じると、背中が疼き出した。そしてバサリと何かが開放された。振り返ると巨大な黒い翼が俺の背中から生えていた。地面に出来た黒い影からして翼開長50mくらいあるかもしれない。
『奴の周りを飛んで攻撃しろ』
「分かった」
背中の翼を動かしてフェンリルの上を飛ぶ、縦横無尽に慣れない飛行をして、両腕の巨大な爪でフェンリルの身体を切り裂いた。頭部、首、背中、腹部、脚、と次々に攻撃していく。フェンリルの身体がぐらりと揺れた。
しかし俺の方を向いて氷のブレスを放とうとしてくる。
『両腕と翼から魔力を開放しろ』
「やり方分からない」
『何?本当に使えない奴め、力を抜け、オレが代わりにやってやる』
身体から力を抜くと、何かに身体が乗っ取られたような感覚が俺の身体を駆け巡る。両腕、両翼が広がる。両翼と手の爪から合計4枚の紅黒の魔法陣が展開された。
そのまま闇と炎が混じったような魔力が現れて燃え上がる。全て直径10mくらいある巨大な魔法弾だった。
『巨大な狼よ、この魔法を受けろ』
ードゴオオオオッ
紅蓮と黒が混じった爆炎と闇の魔力が一気に解き放たれた。そのまま氷のブレスを押し返してフェンリルに直撃。辺りの吹雪が吹き飛び大爆発を起こした。フェンリルは大きく吹き飛ばされた。
『グオオオオオッ』
『とどめだ』
体内の奴の声と同時に俺の両腕の爪が更に巨大化する、流さ15mもある巨大な爪となった。軍神ガープのそれを遥かに超えるような鋭利で巨大な爪だった。
『デスサイズ・クロス!!』
『グギャオオオオオッ』
フェンリルの巨体を大きく切り裂いた。フェンリルは倒れた。
「うっ…」
俺は思わず吐きそうになった。あたりが真っ黒い血で染まる。
『どうした』
「っ…何でもない、お前は誰だ…」
『オレはお前の中の魔力だ、オレの名はデウスローグ…デウスと呼べ』
「なあデウス…、この身体の持ち主…じゃなくて俺の名前ってなんだっけ?」
『記憶喪失か…、貴様の名は確かグリザイアだ、グリザイア・エーテリアス、それが貴様の本名だ、通称グリアだ』
グリザイア・エーテリアスか…灰色のエーテリアス…ゼレフ書の悪魔ね…。うん…なんか物騒な名前だな…。
『グリアよ、貴様は凄い魔力を持ってるにも関わらず使い方がなっとらん、貴様が死ねば体内のオレも消失する。体内にいるものとして見過ごせない』
「ああ…良くわかったよ」
『なら構わない…オレの声に従って修行しろ、でないとこの世界では生きていけぬ、良いな』
「分かった…」
俺はデウスに従う事にした。ちょっと不安だがありがたい。俺がこの世界に慣れる為にはデウスローグは必要不可欠な存在だろう。
『よし、まずはあのフェンリルの肉を食え、身体の傷を回復させるのだ』
「…焼いていい?」
『ふん、好きにしろ、だがちゃんと食えよ』
デウスローグに従って俺はフェンリルを解体し始めた。戦えない今はこの世界に慣れるしかない…
まずは主人公が強くなる所からです。
今の所主人公は星霊王並みの魔力と高い身体能力を持ってますが戦闘経験がないので宝の持ち腐れ状態です。
主人公が強くないとヒロインにふさわしくない魔道士になってしまいますからね、
メインヒロイン誰が良い?
-
ミラジェーン
-
エルザ
-
ルーシィ