美女の多い世界に転生した 作:インフェルノ
デウスローグが蘇生した竜との戦いです。
『グギャオオオッ』
『かわせ!!』
「くっ…」
俺は眼の前の巨大な怪物のサマーソルトを躱した。宙返りしたその巨大な尻尾が山を破壊して、雪崩を引き起こす。
雪がなだれ込んだ。俺は背中に翼を生やして飛んだ。真下を雪崩が通過する。雪の中に破壊した地面や岩が混じっている。
再び俺は眼の前の巨体と向き合う事になる。
『どうした…ちゃんと攻撃しろ、魔力が尽きるぞ』
「いやデウス…これは…」
『お前には丁度良い相手だ、わざわざ蘇生してやったオレに感謝しろ』
「……」
『グギャオオオッ』
いや、どう見てもおかしいだろ。眼の前にいるモンスターの特徴を整理する。
全長50m、逞しい四肢、巨大な身体。太くて長い尾、背中に映えた巨大な翼。爬虫類を思わせる頭部。鱗だらけの身体。更に氷属性だからか身体の至る部分に氷の棘が生えている。
すなわち、何者かと言うと…
「何でデウスが蘇生したドラゴンが俺の相手なんだよ!!」
『くくくくくっ…、たるんでる貴様相手には丁度良いわい、感謝しろ、痛みに慣れてボコボコになるまで戦わせてやる』
そう、デウスローグは闇の力でわざわざ死んだドラゴンを復活させたのだ。やっと俺は魔法に慣れてきて、巨大な翼や巨大な両腕を出せるようになり、更に闇属性と炎属性の混沌魔法を放てるようになったところだった。
いやおかしい。どう見ても初心者をやっと卒業した俺の相手じゃない。
「なあ、俺の記憶だとドラゴンみたいな強敵は物語後半から出てくるはずなんだけど」
『くくくくくっ…貴様の記憶を見せて貰った、エクリプス編だったか?主人公のナツ・ドラグニルが炎でマザーグレアと言うドラゴンを撃墜したじゃねえか、より高い魔力を持つ貴様に出来ない訳がない。やれ…』
「……」
どうやら逃げさせてはくれないようだ。もし逃げればデウスローグによって身体の主導権を奪われてドラゴンの前に引き戻されるだろう。ようは詰んでいた。
「分かったよ、やってやるさ」
俺は両腕を変化させた。長さ15mの漆黒の巨大な爪が現れる。
「行くぜ!!」
『いけ!!グリア!!』
デウスローグの掛け声と共に俺は突っ込んだ。ドラゴンのブレスを巨大な爪で防ぎながら突っ込んでいく。そしてその顔面に爪を振るった…
「ごふっ…」
『かかかかかかっ、やはり負けたか、まあそんなものだろうよ、翼を片翼破壊しただけでも良いほうじゃ…』
俺はドラゴンに敗れた。炎のブレスを放ったが、それを上回る絶対零度の氷のブレスで押し切られた。更に巨体に似合わず、スピードもヤバくて一瞬で突撃されて吹き飛ばされた。そのまま上からサンドバッグにされそうになり、デウスが蘇生を解除して俺を回復させて、それが終わったらまたドラゴンを蘇生してサンドバッグになってを繰り返した。
最後の一戦だけ、ドラゴンの癖を読み取って、攻撃を躱して背中の翼を片翼だけ破壊出来たのだがそれで腕を潰してしまい、振り返ったドラゴンのブレスで氷漬けにされて死にかけた。
「こんなのいつになったら倒せるのか分からないんだが…」
『くくくくくっ…、2回だけだがフェンリルには勝てるようになっただろ?魔力を伸ばすよりお前は潜在能力を開放する所からスタートだ、決して勝てない相手じゃない』
「本当かよ?」
『そうだ、その魔法なら中級以下の竜なら殺せるはずだ、お前の立ち回りが下手じゃなければな』
「…俺そんなに強いのか?」
『少なくとも氷には相性で勝ってるんだ、勝て、じゃねえとお前の存在意義がねえ、膨大な魔力を持つ人間は狙われやすいんだ、それなのに武力は大したことねえとなるとお前はただの都合が良い魔力タンクとして使われる羽目になるがそれでも良いのか?今のままじゃお前の記憶の中の女達にもすぐに見限られるだろうよ』
…それだけは駄目だ。何の為にこの世界線に転生させて貰った。何の為にあの天使に慈悲をかけて貰った。前世で何も出来なかった俺がここにいる理由は1つ。今度こそ人生を楽しむためだった。例え辛くても、想い人に愛されたいからここで踏ん張っているんだ。
俺は立ち上がった。
「修行続行だ…」
『くくくくくっ…、やっとその気になったか、良いだろう、力になってやる、オレのできる限りを尽くしてな』
デウスの声と共に闇属性の魔力が眼の前の地面に放たれた。再び眼の前の地面が隆起する。そして地面が割れて1頭のドラゴンが現れた。
『何度も我を蘇生させるか…、いい加減目障りだ、お前を殺してやる』
「来い…!!」
『ほう、遂にキレたか…グリアよ、今までとは違うぞ、本気で殺しにいけ、血も肉も全て捨てて攻撃しろ』
デウスローグの声と共に俺は炎属性の魔力を込めた。10000℃の青の火球が燃え上がる。全身全霊を込めて巨大な火球を作り上げた。
『もっとだ、魔力を全て放出しろ!!絞り出せ!!』
デウスローグの声が響いた。身体中が悲鳴を上げる程力を込める。全身が痛くなる。この一撃にすべてを込める勢いで爆炎を氷の竜に放った。
あれから数ヶ月経った。何度地面にたたきつけられたか、何度血を吐いたか、何度骨を砕かれたか分からなかった。
俺の眼の前には氷の巨竜が立っている。奴の身体の結晶は折れて、鱗は砕かれて、どす黒い血が流れていた。辺りの地面はボコボコに抉れていた。
『これが最後の戦いだ、必ず勝て』
永久凍土の最果て。空すらも白銀に染まる極寒の地で、俺、グリザイア・エーテリアスは死神と対峙していた。
標的は、古の氷結魔法によって肉体を再構築された
「……鬱陶しいな、その冷気」
吹雪の中で立つ俺には、まだ「誰かを守る」という光はない。あるのは、己の存在を定義するための純粋な暴力性だけだった。
ドラゴンの顎(あぎと)が大きく開かれる。深奥から溢れ出すのは、万物を瞬時に静止させる。「
『逃がさねえぞ……人間!』
竜の咆哮とともに、視界のすべてを埋め尽くす猛吹雪が放たれた。触れれば細胞のひとつひとつが結晶化し、砕け散る。死の濁流だ。だが、俺は動かない。
「逃げる必要なんてない」
ブレスが着弾する直前、俺の体が「影」に溶けた。闇属性の1つである影の魔法――「影潜(シャドウ・ドライブ)」。三次元の物理法則を無視し、彼は竜が放ったブレスの「影」の中を滑るように突き進む。極寒の爆風が頭上を通り抜ける中、影の底を静かに、かつ神速で駆け抜ける黒い閃光。
竜が驚愕に目を見開いた。自分の最大火力の真っ只中を、標的が逆流してくる。
「終わりだ」
ブレスの余波を突き破り、俺は竜の鼻先へと飛び出す。その右腕には、漆黒の魔力が螺旋を描いて凝縮されている。
「滅竜魔法――
物理的な衝撃ではない。それは「悪」という概念そのものを消滅させるエーテリアス特有の闇。避ける間もなく放たれた一撃が、ドラゴンの硬質な額を真っ向から捉えた。
パキィッ――と、乾いた音がした。次の瞬間、竜の巨躯が内側から吹き出した闇によって、粉々に弾け飛ぶ。飛び散る氷の破片を背に、俺は着地し、無造作に前髪をかき上げた。
『……この程度か。世界を焼き尽くす竜(アクノロギア)には、程遠いな』
砕けた竜の核を見下ろしながら、体内に眠るデウスローグは吐き捨てた。この時の俺にはまだ知る由もなかった。数ヶ月後、この荒んだ心を溶かし、その闇を「温かさ」に変える魔導士達に出会うことを。
強くなりました。
メインヒロイン誰が良い?
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ミラジェーン
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エルザ
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ルーシィ