美女の多い世界に転生した 作:インフェルノ
フィオーレ北部、凍土の合間に突如として現れる漆黒の山――「死の火口」。外気はマイナス数十度の極寒でありながら、その内部は煮えたぎるマグマが牙を剥く、地獄の如き二重構造の火山だ。
その火口付近、有毒な煙が渦巻く中で、俺、グリザイア・エーテリアスは巨大な
体色は青黒くミラボレアスのような身体つきの首と尻尾が長い竜だった。紅い目で俺を見下ろす火竜。全長80m、高さ30mくらいある巨竜だった。
『我を復活させるとは…人間風情が…命知らずか、褒美として我の力を見せてやる。火竜の炎で焼却処分してやろう』
「お前相手に影なんて生温いものは使わない……。すべてを無に帰す『闇』で読み込んでやる」
『くくくくくっ…、グリアよ、だいぶ闇に染まったな…』
デウスローグが嗤った。俺は手を広げると、周囲の光が文字通り吸い込まれ、視界が夜のように塗り潰される。
竜がその巨躯を震わせ、火口の底から汲み上げた極大の溶岩弾を連射した。一発一発が街を焼き払う威力の火塊。
蘇生されし竜は、その巨躯に見合わぬ速度で首をのけ反らせ、肺腑に溜め込んだ極大の火炎を練り上げる。
『死ね、人間風情がぁッ!』
放たれたのは、溶岩をも蒸発させる超高温の熱線。俺の真下を通過したブレスは、北部の火山特有の万年雪と分厚い氷層を一瞬で霧散させた。蒸発した水分が白煙を上げ、露わになった岩盤が真っ赤にドロドロと溶け落ち、滝のように火口へと流れ落ちていく。
直撃してたら一発で殺されてた。炎属性に耐性があるとは言え、自分より格上の炎を食わずに受けるとなると話は変わってくる。
竜は灼熱のブレスでドロドロに溶かした辺りの光景を見ていた。だが、そこに俺の姿はない。『殺した』と確信した竜が驚きの表情で接近した俺を見た。
「……遅い」
ブレスが放たれるコンマ数秒前。俺は垂直に跳躍し、熱線が巻き起こす凄まじい上昇気流をあえてその身に受けた。
『ふん、上手く戦えるようになったか…』
デウスローグの声が脳内に聞こえるが敢えて無視する。漆黒のコートを大きくはためかせ、燃え盛る火炎のわずか数センチ上を、まるで風に乗る羽毛のように滑空する。頬を焼く熱風。足元では氷が溶け、大地がどろりとうごめく地獄絵図。
俺はその光景を、冷徹なまでに冷静な瞳で見下ろしていた。かつては地獄のような光景だと動けなくなってしまったのだが、今はもう何も思わなくなった。
空中で身を翻すと、重力を無視してブレスの軌道をなぞるように急降下を開始する。
「お前の自慢の火も、闇の中じゃただの灯火だ」
竜が次の一撃を放とうと顎を開いたその瞬間。俺はブレスの残光を切り裂き、竜の鼻先へと着地した。足元の鱗から伝わるのは、脈打つような不快な熱。だが、彼が踏みしめた場所からドロリとした「闇」が広がり、竜の体温を急速に奪い去っていく。
「一撃目だ」
拳を振り上げた俺の背後に、夜を凝縮したような巨大な腕が顕現した。
「
彼の前方に展開された漆黒の円陣が、迫り来る溶岩弾を飲み込んでいく。衝撃も熱量も、その闇に触れた瞬間に「存在しなかったこと」にされる。
ドゴオオオオッと爆音が鳴り響き竜が吹き飛ぶ。闇のコロナが大爆発する。感覚としてはモンスターハンターのゲームで竜の顔面に強い一撃を食らわせた時のような仰け反り方だった。
「一撃」
地面を蹴る。重力を無視したような加速。驚愕する竜の眼前に一瞬で肉薄すると、その掌を硬質な鱗に叩きつけた。
「
再び爆発する闇。竜の顔面に黒い闇の魔力の残滓が残る。同時に竜の肉体そのものを闇が「侵食」し、内側から崩壊させていく。竜の鱗がボロボロと崩れ落ちていく。竜は苦鳴を上げ、数トンある巨躯が火口の壁まで吹き飛んだ。
「二撃」
追撃の手を緩めない。両目に深い闇が宿る。火口全体を覆う噴煙が意志を持った蛇のようにうごめき、竜の四肢を拘束した。
「……滅びろ」
空中で拳を握り込む。
「闇竜奥義――
それは光を、音を、そして熱をも奪い去る完全なる暗黒。火口全体が瞬間的に凍りついたような静寂に包まれた直後、特大の闇の柱が竜を垂直に貫いた。マグマすらも黒く染まり、蘇生された竜の魂ごと、その存在を次元の彼方へ消し飛ばす。戦いが終わった火口に、再び北部の冷たい風が吹き込む。
漆黒のコートをはためかせ、消えゆく闇の余韻を見つめていた。
「……腹が減ったな」
圧倒的な破壊を終えた後、俺は本能でただそれだけを呟き、雪の降る下界へと歩き出した。
「なあデウス、そろそろ山を降りても良いか?」
狩猟で狩った獣肉を売りつけた金で建てた家で俺はデウスローグに話しかける。
『ふむ、グリアよ、確かにお前は強くなった、力を開放できるようにななっただけじゃない、戦闘技術も格段に上がり格上相手に勝てるようになった、だがそれだけではまだ1人前とは言えない』
どうやらまだ合格点は貰えないようだ。一体何が問題なんだろうか。
『これまで貴様はドラゴンやフェンリルのようなデカい敵、デカい的を相手に戦って来た。ようは攻撃を当てやすい敵ばかりと戦って来たのだ。故に集団で突っ込んで来る雑兵共はともかく、貴様と同じ魔力を持つ魔道士には負けるだろう』
「…じゃあ、何をやるんだ?まさか聖十狩りでもやれって言うのか?」
『そうしたいところだが流石にそれでは貴様が犯罪者認定されてしまうからな、外に出るが良い』
言われた通り外に出た。
デウスローグの闇が地面を包むと1人の人間の骸が現れた。骸を包んでいた漆黒の魔力が爆発的に膨れ上がり、凝固し、新たな肉体を再構築していく。蘇生したのは、俺と酷似した冷徹な空気を纏う青年。その瞳は、理性を失った狂気の暗黒に染まっていた。
1人の武装した青年が蘇生された。
『此奴は貴様と同じレベルの魔力を持った
「…俺が…人と戦うのか…?」
『何を言ってる、貴様の記憶が正しければ貴様はこれから多くの人と戦う羽目になるのだ暴力を怖がっていては何も出来ん、貴様は所詮宝の持ち腐れで終わる。それでは困るだろ?』
「やるしかないのか…」
俺は身構えた。蘇生した魔導士が目を開けた瞬間、その周囲のマグマが瞬時に凍りつき、まばゆい光の粒子が火口を昼間のように照らし出す。
「……光と氷の滅竜魔道士か。属性の相性は最悪だな」
俺は目を細め、自身の闇をより濃密に練り上げる。相手の男が無造作にブレスを構えた。
「
放たれたのは、光の速度で迫る氷の結晶。単なる氷ではない。光を内包し、着弾した瞬間に爆発的な閃光と絶対零度の凍気を撒き散らす、回避不能の広範囲攻撃だ。
「チッ……!」
俺は闇を盾にするが、光の速度には完全に対応しきれない。盾を突き破った光が視界を奪い、鋭利な氷の刃が俺の肩を浅く切り裂く。傷口からは血が流れる間もなく、青白い氷が肌を侵食し始めた。
「ハァッ!!」
蘇生した魔導士が、光の残像を残して俺の懐に潜り込む。右拳には光の加重、左拳には氷の硬度。
「光氷竜の双掌撃!」
光の爆発に紛れた、重い一撃。俺は闇を纏った腕でそれを受け止めるが、衝撃で足元の岩盤が粉々に砕け散る。
「……面白い。俺の闇を光で散らし、氷で固めようってか」
俺の眼が、より深く、底知れぬ暗黒に沈む。肩を凍らせていた氷が、ドロリとした闇に飲み込まれ、霧散していった。
「だが、光があるところに影は生まれる。そして絶対零度の寒さだろうが、闇の中じゃ無意味だ」
俺の足元から、火口全体を飲み込むほどの漆黒の霧が立ち上る。光を屈折させ、氷の分子運動すらも停止させる「深淵の闇」。闇の魔導士と、光氷の魔導士。正反対の魔力が火口でぶつかり合い、熱と冷気、光と闇が混ざり合うカオスの中、俺は反撃の一撃を繰り出した。
前半は蘇生された竜との戦い…
後半はグリザイアの魔力と同レベルの魔力を持つ蘇生された滅竜魔道士との戦い
メインヒロイン誰が良い?
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ミラジェーン
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エルザ
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ルーシィ