DRAGON BALL:TIARA LEGENDS   作:ちいさな魔女

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1年後

カプセルコーポレーションに居候し始めてから1週間も暮らしてきたクラフト達。初めこそ好意に甘えていたが、キングは皆を集めてそれぞれに出来る事を模索し始める。

 

キング「暫くお世話になっていたけど、そろそろ私達もやれる事をやっていくべきだわ。」

 

クラフト「暮らしは整ってきましたから、恩返しもしないといけませんからね!」

 

クラフトの言う通り、彼女達は1週間で地球での暮らしに慣れ始めていた。それぞれの私服も買い始めて、機械の使い方にも慣れてきた。

 

メサイア「この地球には、多種多様な職業が存在するようです。エンジニアや医者、看護師にサラリーマン、職人まで数多くあります。私達の能力を活かせる仕事も沢山あります」

 

メサイアは本に出ている情報を皆に知らせる。

 

ハート「ええっ!いつまでも安寧に浸るのはBAD!私達は自分に出来る事は自分でやるのよ!」

 

ブーケ「はい!私、前に買い物で花屋さんを見かけて、庭園の素晴らしさにも惹かれました!」

 

カワカミ「私も!力は活かしてこそ!大工や工事は正に天職ですわ!」

 

ハート「そうね!私もhardな仕事は大歓迎よ!」

 

パンドラ「アタシもー!子供達と関われる仕事したーい!」

 

シーザリオ「それなら、私も警護に関われる仕事をします!もしよろしければ、カプセルコーポレーションで雇っていただけませんか!?」

 

クラフト「私は……もしよければ、医者になる方法を教えてくれませんか!?」

 

全員がそれぞれやりたい事を見出していく。メサイアの見せてくれた職業の一覧を見て、それぞれの能力を活かせる仕事を見つけていく。

 

ブルマ「皆、ホントに気合い入ってるわね。それで、キングさんは何をするの?」

 

キング「私ねぇ……村長として皆を支えながら生きてきたから、他にやれそうな仕事なんて………村で皆を世話したり、畑を作ったり、子供達を育てたり………自分の為に生きてきた事なんて…………」

 

キングがそう言うと、ブルマは腕を組んで少し考える。

 

ブルマ「それ、十分仕事になるじゃない」

 

キング「え?」

 

ブルマ「組織をまとめて、皆の適性を見極めて、問題が起きたら解決する」

 

ブルマは笑う。

 

ブルマ「そういう人をリーダーとか管理職って言うのよ」

ベジータも腕を組んだまま口を開く。

 

ベジータ「四十年以上、何百人もの集落を維持してきたんだろう」

 

キング「ええっ」

 

ベジータ「なら、お前の経験は地球でも十分通用する。よく考えてから決めるんだな」

 

ブルマ「あの子達を見れば分かるわよ。アンタが皆を導いてきた事。ドラゴンボールも孫君に依頼して集めてもらってるから、それで若返ってからゆっくり探してみなさい」

 

キングはブルマの言葉に、少し微笑みながら答えた。

 

キング「そうね。ぜひそうさせてもらうわ」

 

キングがそう答えた後、悟空がその場に一瞬で現れた。

 

エキウス人『『うわぁ!?』』

 

エキウス人達の大半が驚いた。

 

パンドラ「やっぱ見慣れんわぁ……瞬間移動…」

 

ブーケ「キングさんは驚かれませんね……」

 

キング「お母様がこの能力者だったからよ。原理は違うけど、よく違う場所へ瞬時に移動してたわ」

 

キングは空を見上げる。

 

悟空「驚かせてわりぃな。ブルマ、ドラゴンボール七個全部揃ったぞ!」

 

ブルマ「ありがと孫君。わざわざ悪いわね」

 

悟空「気にすんな。オラもコイツラと戦ってみてぇし、キングのばあちゃんとも戦ってみてぇんだ」

 

悟空はドラゴンボールをその場に置いた。エキウス人達は願いを叶えるドラゴンボールの話を聞いていたものの、実物を見たのは初めてだ。

 

メサイア「ドラゴンボール……七個揃った後に『神龍』と呼ばれる龍の神様を呼びだせて、どんな願いも一つだけ叶えてくれるのですが、現在はデンデという新しい神様の力添えも出来たお陰で叶えられる願いが3つまでになったそうです。それに、一度願いを叶えると1年間は石になるそうです。また、自分を生み出した神様の力を超える願いを叶えるのは出来ないそうですが、例えそうであっても間接的な形なら願いを叶える事が可能なようです。ん?」

 

メサイアが気になるページを見つめている中、悟空は神龍を呼び出した。

 

悟空「出でよ神龍!そして願いを叶えたまえ!!」

 

その瞬間、空が真っ黒に染まり、七個のドラゴンボールが光り輝いた後、其処から光の柱が伸びていく。それはやがて蛇のように湾曲していき、稲妻のような轟音と共に姿を変えていく。そして、数百メートルもの長い身体を持つ龍の姿となり、悟空達の元へ向いた。

 

神龍『さあ、願いを言え。どんな願いも3つだけ叶えてやろう』

 

神龍がそう問い掛けると、悟空がキングの方を向いた。

 

悟空「さっ、後は願いを言うだけだ。神龍の力を超える願いは叶えられねぇから、考えてから言うんだぞ」

 

キング「大丈夫よ」

 

キングは神龍の元へ歩み寄り、神龍を見上げながら告げた。

 

キング「神龍と言ったわね?私を含めた大人のエキウス人全員を、22歳の健康な肉体へ若返らせて頂戴」

 

神龍『それなら容易い事だ』

 

神龍の目が赤く光る。すると、キング達大人のエキウス人全員の肉体が変化した。年相応の身体が、徐々に若々しさを取り戻していくのだ。肌は荒れた部分は残ってても、20代前半のピチピチな瑞々しさが浮かび上がる。

 

クラフト「わぁ!凄い!ホントに若返ってる!!」

 

シーザリオ「肌が……なんだか身体も前より軽い!」

 

ブーケ「はい!気分がスッキリします!」

 

耳の大きいエキウス人「ひゃっほー!調子がいいぜー!」

 

鼻の小さいエキウス人「ふひひひ……体……調子いいかも……」

 

大人のエキウス人達は、20代の力ある身体を取り戻せた事に満足していた。しかし、願いはあと二つある。

 

神龍『さあ、二つ目の願いを言え』

 

キング「そうねぇ………そうだわ。ねえ神龍、地球で暮らしやすくする為に、私達エキウス人が長年蓄積されてきた後遺症や栄養不足、古傷等も治せるかしら?」

 

神龍『お前達の肉体を通常の状態にするなら可能だ』

 

キング「なら、お願い出来る?」

 

神龍『了解だ』

 

神龍がそう告げた後、エキウス人全員の身体の不調が回復した。具体的には、肌に残った古傷や足裏の豆や爛れた痕、更には切り傷の痕跡も無くなり、後遺症や栄養失調の症状も消えて、身体がより調子が良くなり始めたのだ。

 

ハート「wow!身体の調子が良いわ!今正にPerfect!」

 

パンドラ「めっっっちゃ元気!!アタシ、これまでに無い位快調!!」

 

カワカミ「ええっ!姫たるものとしての若さと健康な身体、取り戻しましたわ!」

 

キング「そうね!ありがとう神龍!」

 

神龍『それが私の役割だ。さあ、最後の願いを言え』

 

神龍はキング達のお礼に、当たり前の事をしたと言わんばかりの返事を返す。

 

キング「三つ目は……エキウス人が居たという事を、失われたエキウス文明の知識・歴史・技術を、誰でも学べる形で取り戻したいの!それを、地球人にも分かりやすく読めるような本にしてまとめてくれる?可能な範囲で良いわ」

 

神龍『良いだろう。但し、少し待て。失われた文明の記録を再構築するには歴史を辿らねばならん。少し時間が掛かる』 

 

神龍の目が赤く染まる。

 

一分経過してもまだ掛かるようで、神龍の瞳は光り続けている。

 

キング「やっぱり、無茶だったのかしら……」

 

メサイア「いいえ。ここは信じましょう」

 

皆が見守る中、キングの手元に分厚い一冊の本が出現。キングは両手で持たなければならない大きさではあるが、その言語を見た時、キングは大粒の涙を流し始めた。

 

キング「……これだわ。これは………エキウス人の文字よ」

 

キングは本を抱き締める。この本には、エキウス人の歴史と文明、そして技術が詰め込まれている。それを直感的に理解した。

 

神龍『その本に、エキウス人のこれまでの歴史が全て記録されている。これで、お前達の願いは叶えられた。では、さらばだ!』

 

神龍がそう告げた後にドラゴンボールの中へ吸い込まれるように引っ込んでいき、その後にドラゴンボールは上空へ舞い上がり、やがて七つの方向へ飛び去って行った。

 

キング「本当に……本当にありがとう……!それしか今は、言う言葉が無いわ……」

 

キングは本を抱き締めながら、ブルマ達の方を向いてお辞儀をする。

 

エキウス人全員が、キングと同じように泣いた。皆が泣いた。

 

ブルマだけでなく悟空達も、今は何も言わずにその光景を見守るだけだった。

 

―――――――――――――――――――――

 

あれから1年後。エキウス人達は、地球での文化に馴染み、今では西の都を中心にそれぞれが仕事に就いていた。

 

そのうちの一人であるラインクラフトは、波紋の力を活かせる仕事を求めて、医者の道を歩み始めた。ブルマの紹介で医療機関へ通い始め、基礎から医学を学び始めた。そして、勉強の日々はサバイバルに生きた40年に比べて短いものの、過酷な日々である事は変わらない。

 

そして、勉強の末に医師の免許を取得。医師としての道を歩み始めた。

 

普段は病院や研究機関と提携しているが、必要があれば現地へ赴き、診療や救護活動を行っている。

 

クラフト「健康が一番ですよ!それではお大事に!」

 

クラフトは医務室で患者に声を掛ける。まだ経験は浅いものの、クラフトは所属している病院で患者からの人気は高い。親しみのある性格に、お日様のような雰囲気、そして身体に触れられるだけで不思議と身体の調子が良くなったのだ。リハビリの助けにもなり、回復力も高まっただけでなく、合併症も治ったのだ。手術の生存率さえも上がったのである。

 

人気が出ない筈がない。どの病院においても、ラインクラフト以上の人材は喉から手が出るほどにほしいのだ。

 

クラフト「身体を大切に。何事も、健康が一番だよ」

 

子供達『『はーい!!』』

 

子供達からの人気も高い。注射が苦手な子供も、クラフト相手だと大人しくなるのだ。触れられた時に、怖がって泣きじゃくってた子供は大人しくなるだけでなく、顔付きも安らいでいたのだ。注射を受ける時でさえ、子供は逃げる様子を見せなかった。

 

先輩医師「ラインクラフト先生、ホントに患者さんから人気あるわね〜。あの子達の居る保育園、注射嫌いがよく集まる事で有名なのに、こんなにスムーズに予防接種が済んだのは久々よ」

 

クラフト「えへへ……ありがとうございます。病気を治すのも大事ですけど、一番大切なのは元気で笑って過ごせることですから。皆さんが健康でいてくれるのが、私には何より嬉しいんです」

 

波紋の力もあるが、それ以上にクラフト自身の人柄が患者に安心感を与えていたのだ。

 

病院内でも、「ラインクラフト先生、今日は外来ですか!」「あの先生の日は子供が泣かないのよ」「ラインクラフト先生の診察が終わると不思議と元気が出るんだ!」といった口コミが広がっている。

 

波紋の呼吸は本来、かなり長い年月の修行を必要とする技術だが、クラフトは能力で波紋の呼吸を生まれつき使えた。そして40年間のサバイバル生活により、波紋の技術はより研ぎ澄まされていた。

 

クラフトは患者の診察を終えた後、休憩時間に弁当を開ける。休憩室で弁当を食べていると、突然空が暗くなり始めた。

 

クラフト「えっ!?神龍が出てるの!?」

 

クラフトは窓から空を見上げて、神龍が誰かに呼び出されていると理解する。1年前、自分達の願いを叶えてくれた神龍。あれは40年間サバイバル生活をしてきたクラフトから見ても、驚きに満ちた神秘的現象だ。こうして人生をやり直せたのも、神龍のお陰でもある。

 

そんな神龍が誰かに呼び出された時は、決まって地球全体の空が暗くなる。

 

クラフト「大丈夫なのかな………メサイアさんからの報告だと、100年間放置しなかったらマイナスエネルギーが溜まりやすくなるって……精神と時の部屋だっけ?其処に七個集めた後に封じる予定と聞いてるから大丈夫だと思うけど……」

 

そう。実は1年前、それぞれが仕事に就く準備に入る前、メサイアは能力で判明した衝撃の事実を、ブルマ達を含めて全員にドラゴンボールの真実を教えたのだ。

 

―――――――――――――――――――――――

 

1年前。

 

メサイア『私の能力は『無限書物』。この手に具現化した本のページを開くと、欲しい情報を全て文字や絵で示されます。それで、あの時使ったドラゴンボールについて調べたのですが、使い方や換金した場合の価値、神龍の情報だけでなく、もう一つの大きな欠点が見つかりました』

 

ブルマ『欠点?』

 

メサイア『はい。ドラゴンボールは、一度使った後は百年間使用してはならないんです。その理由は、ドラゴンボールによって願いを叶えた後、ドラゴンボールの中にマイナスエネルギーが蓄積されます。故に、一度使った後は百年間使用を控えていれば、マイナスエネルギーは自然と消滅します。これまで叶えてきても平気だったのは、ドラゴンレーダーも無い時代故に、百年又は数百年経過してやっと揃えられるからでした。しかし、ブルマさんがドラゴンレーダーを開発した事で、短い頻度で叶えられるようになってしまいました。そして願いが三つまで増えた事で、尚更です』

 

全員『『ええええぇぇぇぇーっ!?』』

 

メサイア以外の全員が声を上げた。まさかそんな欠点があるなど、思っても居なかったのだ。

 

悟空『あっ!そういや、界王神のじいさんが言ってた!ドラゴンボールを無闇に使うなって!!あれ、そう言う事だったんか!!』

 

ベジータ『話を聞いておくべきだったか………』

 

すると、話を聞いていたピッコロが、ある事を提案した。

 

ピッコロ『待てよ?それなら解決出来るかもしれんぞ』

 

ブルマ『えっ?何かあるの?』

 

ピッコロ『宮殿には、此処とは時間の流れが異なる『精神と時の部屋』がある。彼処にドラゴンボールを置いておけば、ここでの1年間は向こうで百年になる。それでドラゴンボールのマイナスエネルギーとやらは浄化される筈だ』

 

悟空『あっ!そっか!それなら行ける!』

 

メサイア『はい。理論上、それでマイナスエネルギーは浄化されます。しかし、飛び散ったドラゴンボールは1年後に回収しましょう。今は、私達がこの星での暮らしを馴染むのを優先したいですから』

 

こうして1年間、エキウス人全員で地球への暮らしに馴染み始めていた。

 

――――――――――――――――――――――

 

そして1年後の現在に戻る。

 

数分後、空が明るくなった。願いが叶え終わったのだ。

 

クラフト「空が晴れた……誰が願いを叶えたのかな?」

 

クラフトがそう言った後、クラフトのスマホが鳴り始めた。

 

クラフト「うわっ!えっと確か……この緑の方だっけ?」

 

クラフトはスマホを手に取り、画面に映る通話のボタンを押した。画面を押すだけで通話出来る仕組みは、クラフトは未だに慣れてない。通話に使うのが精一杯だった。

 

クラフト「もしもし?」

 

ブルマ『あっ!クラフトちゃん良かったー!今もしかして休憩時間!?』

 

クラフト「ブルマさん?はい、そうです。どうかされました?」

 

ブルマ『実は、勝手にドラゴンレーダー持ってったマイちゃん達を問い詰めたんだけど、どうやらとんでもない事になっちゃったのよ!!』

 

クラフト「……ピラフ君やシュウ君、マイちゃんですか?あの子達何したんですか?」

 

ピラフ、シュウ、マイの三人はカプセルコーポレーションに居候してる子供達だ。本当は子供ではなく大人であり、ドラゴンボールを使って若返ったのだ。カプセルコーポレーションに居候したクラフトも、ちょくちょく話をしたりした仲であり、ブルマの息子のトランクスがマイと仲良くしてるのを、微笑ましく見てたりもした。

 

そんな彼等が願いを叶えて何をしようとしたのかは分からないが、何かヤバい事態になっているのだろうとクラフトは思った。

 

ブルマ『ドラゴンボールを使ってお金を手に入れようとしてたんだけど、フリーザ軍のスパイに見つかって脅されたのよ。それで、フリーザを復活させちゃったみたい』

 

フリーザ。それはキングにとって忌々しいコルド大王の息子であり、フリーザ軍のトップだった宇宙人だ。

 

過去に悟空が倒し、未来から来たトランクスがトドメを刺したと聞いている。

 

そんなフリーザが復活した。

 

クラフト「分かりました!でも私は新人とはいえ医者なので、カプセルコーポレーションからの依頼という形でお受けして出張という事にします!」

 

ブルマ『勿論よ!』

 

クラフト「はい!契約書も持っていきますね!」

 

こうして、フリーザ復活を受けて戦う準備を整え始めるクラフト。

 

因みに、その内容を聞いた病院の医師や看護師は全員『えっ!?クラフト先生また出張ですか!?』と、ベテラン医師や看護師までもが一斉に顔を青鮫させたのだが、クラフトは知る由もなかった。

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