DRAGON BALL:EQUUS LEGENDS 作:ちいさな魔女
その頃、悟飯とピッコロはクウラやフリーザと激しい死闘を繰り広げていた。
悟飯「はあっ!!」
フリーザ「ふふっ!」
超サイヤ人化した悟飯の拳を、フリーザは僅かに身体を逸らしてかわす。直後、フリーザの拳が悟飯の腹部へ叩き込まれた。
悟飯「ぐっ……!」
吹き飛ばされた悟飯は地面を何度も跳ね、何とか両足で踏み止まる。
フリーザ「どうしました? あの時の勢いはどこへ行ったのです?」
悟飯「……!」
フリーザ「聞けば、あなたは長い間戦いから離れていたそうですね」
悟飯は息を整える。
確かに、フリーザの言う通りだった。
悟飯は長い間戦いから離れていた事もあり、最終形態となったフリーザ相手に苦戦を強いられていた。
昔のように毎日のように戦っていたわけではない。
学者としての日常を送り、家族との時間を大切にしてきた。
それは決して間違いではない。
だが――戦士としての感覚は、確実に鈍っていた。
悟飯「……それでも」
悟飯は拳を握り直す。
悟飯「お前を止める!」
再び悟飯が突っ込む。拳と拳が激突し、大地が震えた。
一方その頃。
ピッコロ「ぐあっ!」
クウラの拳を受け、ピッコロが吹き飛ばされる。
クウラ「どうした、ナメック星人」
ピッコロは地面を滑りながら立ち上がる。
ピッコロ「……まだ終わってないぞ」
クウラ「その意気だけは認めてやろう」
クウラの身体から、凄まじい気が膨れ上がる。
ピッコロ「……!」
クウラ「だが――ここからが本番だ」
クウラの身体が変化する。
筋肉が隆起し、肩幅が広がり、身体全体から圧倒的な気が放たれる。
最終形態。口元がマスクに覆われ、更なる異形の姿へと変わる。
ピッコロ「……なるほどな」
クウラ「貴様には、この姿を見せていなかったな」
次の瞬間。
ドンッ!!
クウラの姿が消える。
ピッコロ「!」
背後。
クウラ「遅い」
ドゴォッ!!
ピッコロ「ぐああっ!!」
ピッコロが地面へ叩き落とされる。
悟飯「ピッコロさん!」
フリーザ「おやおや。自分の心配をした方がいいのでは?」
悟飯「くっ……!」
フリーザが指を向けると、指先から無数の光弾が放たれた。フリーザの指先から放たれた光弾が飛来し、悟飯に襲い掛かる。
悟飯「はああああっ!!」
悟飯は気弾を放ち、光弾を次々と撃ち落とす。
ピッコロもクウラを相手に初めこそ善戦するも、最終形態となったクウラ相手に苦戦していた。
フリーザ「隙が出来ましたね」
悟飯「しまっ――」
フリーザの蹴りが悟飯を吹き飛ばす。
悟飯とピッコロ。
二人とも、完全に押され始めていた。
フリーザ「これで終わりです」
クウラ「そのようだな」
二人が同時に気を高める。
悟飯は立ち上がろうとする。
しかし、身体が思うように動かない。
ピッコロも片膝をついたまま、クウラを睨む。
その時だった。
――ズン。
地面に、何かが降り立った。
フリーザ「……?」
クウラ「……何者だ?」
砂煙の向こうから、一人の男が歩いてくる。
緑色の身体。黒い斑点。背中に付いた虫のような羽、短く収まった尻尾。
そして――見覚えのある姿。
悟飯「……お前は!」
ピッコロ「……セル!」
セルは二人を一瞥する。
セル「久しぶりだな、孫悟飯」
悟飯「どうして……」
セル「質問は後にしろ」
セルはフリーザとクウラへ視線を向ける。
セル「貴様らに一つ言っておこう」
フリーザ「何でしょう?」
セル「そいつらを殺すのは――」
セルが拳を握る。
セル「この私だ」
悟飯「……!」
ピッコロ「……やはり、そういうことか」
フリーザは笑う。
フリーザ「なるほど。助けに来たわけではないと」
セル「当然だ」
セルは悟飯を見る。
セル「孫悟飯。貴様を倒すという私の目的は、まだ終わっていない」
そしてクウラを見る。
セル「だが、その前に――」
セルの気が爆発的に膨れ上がる。
セル「貴様ら二人には、少々退場してもらおう」
クウラ「……面白い」
フリーザ「私達二人を相手にするつもりですか?セルさん」
セル「二人?」
セルが不敵に笑う。
セル「違うな」
セルは悟飯とピッコロを見る。
セル「三人だ」
悟飯「……!」
ピッコロ「……ふっ」
ピッコロがゆっくり立ち上がる。
ピッコロ「悟飯」
悟飯「はい」
ピッコロ「勘違いするな。こいつを信用するつもりはない」
悟飯「僕もです」
セル「なら話は早い」
三人が、それぞれ構える。
フリーザ「ふふふ……」
クウラ「いいだろう」
蘇った四人の戦士が、再び戦場で激突する。
今度の戦いは――三対二。
そして、その三人の中には、かつて悟飯達の前に立ちはだかった、完全体セルがいた。
悟飯「ハァァァァァッ!!」
悟飯とピッコロがフリーザとぶつかる。フリーザは2人がかりにも関わらず、2人の拳と蹴りの連打を避けたり受け流したりと、以前のフリーザよりキレのある動きで避けていた。
フリーザ「ホホホホッ!お二人とも、そのくらいで終わりですか?」
ピッコロ「舐めるなよ!!」
ピッコロが太陽拳の構えを取ろうとした。しかし、フリーザは予見してたようにピッコロの腕を尻尾で捕らえて、そのまま地面へ叩き付けた。
フリーザ「その様な手に引っ掛かると思ったのですか?」
悟飯「やめろぉ!!」
悟飯はフリーザの腕を掴むが、フリーザは悟飯の腹に肘打ちを食らわせる。
その隙に、フリーザはピッコロの背中から胸元を、指先からの光線で撃ち貫いた。
悟飯「ピッコロさん!!」
フリーザ「ホーッホッホッホッ!なんとも無様ですね。再生されても面倒なので、このまま踏み潰してあげますよ!」
フリーザはピッコロの頭を踏みつけ、力を入れ始める。
ピッコロ「ぐあああああっ!!」
ピッコロは激痛により、絶叫を上げる。
悟飯「や、やめろ………」
悟飯の全身が震え出す。気が溢れてくる。
メキメキッ
ピッコロの頭部から鈍い音が響く。
悟飯「やめろ…………」
フリーザ「フィニッシュだ」
フリーザが足を振り上げた、その瞬間だった。
悟飯「やめろおおおおおおぉぉぉ!!」
悟飯から気が噴火の如く解き放たれ、白いオーラが悟飯を包み込む。
フリーザ「何ッ!?」
フリーザが悟飯を見た途端、突然その足元にクラフトが出現し、ピッコロを片腕で回収してその場から跳んだ。
悟飯は超サイヤ人と異なる姿となった。元の黒髪に戻ったものの、僅かながら髪型に変化が見られ、凛々しくも凄まじいオーラが体から開放される。
戦闘から離れ過ぎてた事で変身が難しくなった形態、俗に言う『アルティメット形態』は悟飯が本気で戦う時にのみ覚醒する変身だ。ピッコロが殺されかけた怒りにより、悟飯は再び目覚める事が出来たのだ。
フリーザ「フフフッ……ハハハハッ!超サイヤ人とは異なるその姿、素晴らしいですよ!」
フリーザは冷や汗を流しながらも、悟飯の覚醒に興味が湧いた。
悟飯「行くぞ!!フリーザ!!」
クラフト「悟飯君!ピッコロさんは私に任せて!」
悟飯「はい!お願いします!」
フリーザ「やらせると思うか!」
フリーザが指先をクラフトに向けようとする。
悟飯「させるか!」
悟飯はフリーザの手首を掴むと、そのまま遠くへ投げ飛ばした。悟飯は気を放出して加速し、投げ飛ばしたフリーザを追いかけて行く。
そして、クラフトは脇に抱えたピッコロを岩場の上に、体にとって最も負担の少ない回復体位で寝かせる。
クラフト(深い打撲に骨折……頭部が特に酷い!ピッコロさんは頭が無事なら再生出来るけど、これで無理に再生したら………!)
クラフトは波紋の呼吸を整える。
クラフト「失礼します!」
コォォォォ………
クラフトはピッコロの頭頂部に両手で触れて、波紋の呼吸をした後に掌から山吹色のエネルギーを開放。ピッコロの頭部を優しく包み込むような、目をチカチカさせない優しい光で照らしていく。
ピッコロ「っあ………なんだ……波紋というのか……そうか、すまないな。クラフト………」
ピッコロは波紋の影響で目を覚ます。起き上がろうとするが、激痛で起き上がりに時間が掛かる。
クラフト「動かないでください。治療に時間が掛かります。一分間はこのままで居てください」
ピッコロ「波紋か……便利なものだな」
クラフト「もしよろしければ、教えますよ」
クラフトは回復体位で寝かせたピッコロを波紋で治療しつつ、傷に優しく触れて痛みを和らげながら治していく。
しかし、それを許さない者も居る。
クウラ「それを許すとでも思うか?」
クウラが指先をクラフト達に向ける。
セル「おっと、お前の相手は私だ」
セルはクウラの腕を叩き、再び拳と蹴りの連打を交わす。
音速を超える連打が交わされる中で、セルはクウラに蹴り飛ばされながらもベジータの必殺技の構えを取り、両腕を前に突き出した。
セル「『ギャリック砲』!」
セルの放つギャリック砲を、クウラは横に避けた後にセルへ向かって飛んでいく。
セルは構えを解いた後に拳を突き出し、互いの拳を激突させる。
クウラ「フッ。地獄で鍛え上げた甲斐があったというものだな」
セル「そうだな。やはり、戦いというものはこうして互いの強さをぶつけあってこそよ」
クウラはセルの強さに感服し、一つの真実を告げた。
クウラ「ならば、お前に敬意を表し、フリーザと俺の取っておきを教えてやろう」
セル「ほう?それはなんだ?」
クウラ「父上は歳故に到達はできなかったようだが、俺とフリーザは………あと一回、変身を残している」
つまり、最終形態の先に変身を残している。そう告げるクウラの言葉に、セルは心の底から湧き上がる闘争の意欲が爆発しそうになる。彼の体に宿るサイヤ人の細胞が、そう促すのだ。
そして、フリーザと悟飯の戦いでも、フリーザが切り札を発動しようとしていた。
フリーザ「ククク……やはり、素晴らしい戦闘力ですね。ならば、私も真の力を見せてあげますよ」
悟飯「何っ?」
悟飯は構えを解かない。ただし迂闊に攻撃しない。下手に攻撃に出て、クラフト達を狙い撃ちされないよう警戒する。
クウラ「光栄に思うが良い。俺のこの姿を見せるのは……」
フリーザ「さあご覧なさい。この姿を見せるのは……」
クウラ&フリーザ「「お前が最初で最後だ!!」」
その瞬間、フリーザとクウラが、同時に力を解放した。全身から溢れ出てくる金色の気が、大地を揺らし、空を晴れさせる。
その瞬間、クウラとフリーザの全身が、金色に変わる。フリーザは肩にあった水晶の様なパーツが無くなり、腕や脛のそれは丸型に変化、額や腰回りの骨は隆起し、全体的に筋肉質な体形になるなど細部が変化している。クウラは金色の肉体に、顔のマスクにあった横線がなくなり、腹部のパーツは内側に引っ込んでいた状態から外に突き出すようになり、両足には新たな角が生え、尻尾の先端はドリル状に変化している。
フリーザ「どうです?他の色でも良かったのですが、貴方達サイヤ人への当て付けにこの色を選びました。安っぽいネーミングですが、『ゴールデンフリーザ』と名付けましょう」
クウラ「ふん。弟に出来て、兄に出来ん事など無いわ。この『ゴールデンクウラ』が、フリーザとの圧倒的な違いを見せてやる!」
兄弟で紹介の仕方も異なっている。
悟飯「なんて気だ………でも、僕は負けるわけには行かない!ピッコロさんや、ビーデルさんに子供の為にも!そして、お父さんやお母さん、悟天やトランクス達の為にも!」
悟飯は力を更に解放し、ゴールデンフリーザと再びラッシュの速さ比べを行う。
そして、セルもゴールデンクウラを見て高らかに笑う。
セル「フハハハハハハッ!!これだ!!これでこそ戦いよ!!私は今、最高の瞬間に立ち会えている!!あの時はパーフェクトと思い込んでいて見えてなかった事が、今こうして実感した!!感謝するぞ!!クウラよ!!」
ゴールデンクウラ「ならばその満足感と共に死ねぇ!!」
セルとゴールデンクウラへ向かって飛び、二人は激しい戦いを繰り広げる。
ピッコロ「悟飯……お前は、この世界の誰よりも強い!」
クラフト「凄い戦い………けど、ピッコロさんを治さなくては!」
クラフトはピッコロと共に戦いに注目するが、ピッコロの治療も忘れていない。波紋の呼吸を整えて、ピッコロに波紋を送って治癒を続けるのであった。
医療知識がほぼ皆無だから、曖昧な表現しか出来ねぇ……
次回はいよいよ、ジャネンバの元へ向かわせます。