ゼンレスゾーンゼロ・二刀の剣士   作:涙があふれる

1 / 7




序章.ここから…
Prologue1.終わり始まり…


 

 

 俺の名前は山月(やまづき)齋秋(さいしゅう)

 

 突然で驚くかもしれんが、俺は転生者というやつだ。死因は高所から落下してきた鉄骨によるペチャ死。そんで俺が転生したのは多分…ゼンゼロ?とかいうゲームの世界だ。

 どうして曖昧(あいまい)な言い方をするのかと言うと、俺はゼンゼロとかいうゲームを余り知らないからだ。名前自体はSNSやら友人(ダチ)やらから聞いた事が有るんだが、はっきり言って内容は大して知らん。

 俺の記憶が間違っちゃいなけりゃあ、ゼンゼロの世界観は(なか)ば死んだようなものだ。“ホロウ”とか呼ばれるいつ起こるともしれない災害に、その中に巣食う“エーテリアス”とかいうバケモン共。

 

 さて、そんな世界で生き残るには何が必要なのかと考えた結果…俺は剣を取る事にした。なぜ平穏な道を選ばないのかって?んなもん決まってんだろ?

 

──ロマンだ。

 

 せっかく前世よりも恵まれた肉体を持って転生した身だ。

 せっかく好き勝手に斬っても良いバケモンのいる世界だ。

 となれば、剣を持つのが一番このクソッタレにイカれた世界を楽しめるってもんだろう?人生ってのは、如何(いか)(たの)しむかが大事だ。

 

 

▼△▼△▼△▼△▼

─【場所:エリー都】─

 

 “エリー都”と呼ばれる大都市に(そび)える高層ビルの屋上に、二振りの刀を(たずさ)えた男が都市並みを眺めるように(ふち)へと座っていた。

  

「…転生してからはや18年。これと言って面白可笑しなことは無し。巨大災害の一つや二つ起きちゃくんねぇかな〜」

 

 強風に煽られる中でそう独り言を呟く男…齋秋(さいしゅう)はどこまでもつまらなそうな様相(ようそう)をしていた。

 彼がこのゼンゼロ(世界)に転生してからの18年間、巨大なホロウ災害が発生する事は無く、齋秋(さいしゅう)は飽き飽きしながらも既存のホロウへと侵入してはエーテリアスを狩るという日々を送っていた。

 

「…ああくっそぉ。全然思ってたのとちげぇ」

 

 生前に友人(だち)が熱く語ってきた内容のキャラがどこに居んのかもわかんねぇし、第一“Random_Play(ランダムプレイ)”?だったかも見当たらねぇし…これと言ったホロウ災害すら起こらねえ。

 

「はぁぁ…すっげぇつまら──」 

 

──ビーッ!ビーッ!

 

 齋秋(さいしゅう)仰向(あおむ)けになろうとした瞬間、ポケットに入っていた“巨大ホロウ発生警報端末”が急遽(けたたま)しく鳴り響く。

 そしてその警報を聞いた齋秋(さいしゅう)はその場にバッと立ち上がり、不敵に笑みを浮かべた。

 

「…やっとかよクソッタレ。遅いにも程があんぜ!」

 

 齋秋(さいしゅう)は両腕を広げそう叫ぶと、600m近い屋上から倒れるように飛び降り地面へと音もなく着地すると、巨大ホロウが発生した場所へと走り始めた。

 

 

▼△▼△▼△▼△▼ 

─【場所:ルー都】─ 

 

 巨大ホロウの発生源である都市…“ルー都”。

 ルー都とはエリー都から30km程離れた位置に建造された大都市である。元はエリー都に有事《ゆうじ》が起こった際の緊急避難都市として(もう)けられたが、長年巨大ホロウなどの災害が発生しなかった事により、通常の都市と同じく都市運営が(おこな)われていた。

 それから10年…人々が平和で穏やかな日々を送っていた最中(さなか)、予兆の一切を無くして突如(とつじょ)超巨大高濃度ホロウ災害が発生した。

 

「クソ!ダメです!ルー都からの通信が完全に途絶しました!」

「ホロウ拡大速度が秒速70mを超えました!このまま速度が上昇すれば数分程度でルー都はホロウに飲み込まれます!」 

「ホロウ内部のエーテル濃度が過去類を見ないレベルにまで上昇!これでは部隊を送るのは危険です!」

「市長!ホロウ内部より脱出した者から情報が──」

 

 ホロウ災害発生から約30分。

 ルー都…では無く、今回のホロウ災害の対処本部はエリー都の中央機関で(おこな)われていた。そんな作戦本部では現在、ルー都の最低最悪な状況前に酷い混乱に(おちい)っていた。

 当初秒速数m程度であった拡大速度は今や70超に加え、過去類を見ないレベルのエーテル濃度がホロウ内部に充満。防衛軍の一般兵ではまず数分として身が持たないのは確実…最早(もはや)手の打ちようがない──

 

──と、思われた矢先。

 

「っ!市長!超巨大ホロウの拡大が止まりました!」

「なんだと?!どういう事だ?!」

「ホロウ発生から数分後に戦闘機が一機突撃したとの事ですが…今はその事よりも助けられるだけのルー都市民を助けるべきです!」

「…よし。ルー都周辺に待機している兵士に伝達。ホロウに飲み込まれていない地区を優先し、直ぐさまルー都市民を救出しろ!それからその戦闘機の所在についても調べろ!」

 

 

▼△▼△▼△▼△▼ 

─【場所:超巨大ホロウ内部】─

 

 超巨大ホロウ内部には、都市全体を埋め尽くす程のエーテリアスが発生していた。つい先程前まで活気に満ち溢れていたであろう風景は、今や地獄そのもの。

 建物は崩れ地面は(ゆが)み中には瓦礫や建物が無数に浮遊していた。そんな地獄のような中に、一機の戦闘機が突撃してくるや否やコックピットが開き小さな人影が宙を浮くビルへと着地する。

 

「お〜こりゃすげぇな」

 

 見渡す限りのエーテリアスと結晶の海。こりゃ生き残りは居ねぇな。侵食受けてエーテリアスになってるか()られてるか、将又(はたまた)地形の(ゆが)みで死んでんだろうな。

 

「さぁて。折角(せっかく)EXTRASTAGE(エクストラステージ)だ。いっちょ──楽しむかね」

 

 そう言葉を残し、齋秋(さいしゅう)は左腰に(たずさ)えられた二振りの刀を抜き放ち、エーテリアスの群れへと(はち)(ごと)(するど)さを持って突撃して行く。

 これはホロウ災害が発生してから僅か10分後の行動であった。

 

 

 

 

 

 

─────超巨大ホロウ発生から約30分後。突如(とつじょ)としてルー都を飲み込んでいたホロウが成長を停止。だがホロウが消滅(しょうめつ)することは無く、ルー都の8割を飲み込んだところでその場へと姿を維持(いじ)している。ホロウ内部には強力なエーテリアス及ば高濃度のエーテルが消えること無く充満している。

 そして超巨大ホロウは後に、通称“グランデ・ホロウ”と名称付けられた。

  

 

 





  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。