OVA:共鳴を使わない男を、共鳴最強の世界三位にぶつけてみた   作:檻@102768

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エピローグ16 授かった祝福より、自ら選ぶ道を

 

 

 

 

 

「よろしければ――――あなたの縛り手の呪い、解いて差し上げましょうか」

 

 

 

 

 

 世界第五位。

 

 箱舟教会が擁する最強のファイター。

 そして教会内では、”導き手(ノア)”の異名を持つ女――――空葬イドラ。

 

 彼女は僕を真っ直ぐ見つめながら、そう告げた。

 

 

「…………え?」

 

 

 返事より先に、疑問符だけが声になる。

 

 そしてその場には――――それすら声にできなかった者が一人いた。

 

 

 

「…………!」

 

 

 

 近くで、息を呑む気配がした。

 

 地柩セト店長。

 

 彼女がノアさんを見つめるその顔には――――僕とは違う種類の驚きが、はっきりと浮かんでいる。

 

 

 

 そして、その驚きの理由は――――

 

 

 

(話したいことがあるって言ってた内容…………こういうことだったの!?)

 

 

 

※   ※   ※

 

 

 

 ――――少し前。

 

 

 

「地柩セト。――――少々、よろしいでしょうか」

 

「………………、…………”導き手(ノア)”」

 

 

 

 セトの表情が、ほんの僅かに強張った。

 それを悟らせまいとするように、一度だけ小さく息を吐いて。声のした方へ視線を向ける。

 

 

 そこにいたのは、白に近い色彩を纏った一人の女。

 

 世界第五位。箱舟教会が擁する最強のファイター…………”導き手”、空葬イドラ。

 

 

(…………来た)

 

 

 セトは、無意識に身構えた。

 

 正直に言えば、先ほどからずっと気まずかった。

 

 

 少し前。第四位がフツオくんについて問い詰めに来たことで。

 

 彼が縛り手であり、共鳴を使わないこと。

 

 

 そして――――その彼が、この世界の常識から大きく外れた理論を、いくつも持っていることまで話は広がった。

 

 

 その時、第四位に続くように、ノアもボクとロウド師範の近くまで来ていた。

 だからてっきり、彼女も何かを聞きに来たのだと思っていた。

 

 けれど、第四位が次々と問いを重ねる傍らで。

 ノアは一度として口を挟まず、ただ交わされる話を静かに聞いていた。

 

 

 共鳴を神聖視する箱舟教会が、フツオくんにまったく思うところがないはずもない。

 

 

 

 そして――――ボクに対しても。

 

 

 

 ボクがまだ箱舟教会にいた頃。ボクらは同期で。

 そして十二聖座に上り詰めるまで、周囲からは競い合うライバルとして見られていた。

 

 だけど、アルマーを失い。十二聖座から退き。

 そのまま、箱舟教会からも去って。

 

 そしてアルマーを取り戻してなお。…………十二聖座にも教会にも戻ることなく、今の生活を続けている。

 

 そんな自分へ、ノアが何も言いたいことがない――――とは、とても思えなかった。

 

 

 だから当然――――何かを聞かれるか、言われるかと思っていた。

 

 けれどノアは、今の今まで問い質すことも、責めることもなく。

 久方ぶりの再会について、口にする様子もなくて。

 

 だからこそ。こうして向こうから声を掛けてきた今。

 セトは、嫌でも身構えずにはいられなかった。

 

 

(…………さて。何を言われるかなぁ)

 

 

 そんなセトの心境など知ってか知らずか。

 ノアは、いつもと変わらぬ静かな調子で。

 

 

「久しいですね、地柩セト」

 

「…………うん。久しぶり、ノア」

 

(…………そこからなんだ)

 

 

 ようやく触れられた再会に、ほんの少しだけ肩の力が抜ける。

 

 

「あなたには言いたいことが多々ありますが」

 

「…………」

 

 

 やっぱりあるんだ。

 

 

「まあ――――今はいいでしょう」

 

 

 穏やかな声音で、まったく穏やかではないものを先送りにされて。

 思わず固まるセトに、ノアは続けた。

 

 

「旧知のよしみで、一つ。頼みたいことがあります」

 

「ボクに?」

 

「ええ」

 

 

 ノアはほんの僅かに、フツオくんの方へ視線を向けた。

 

 

「彼に、私を紹介していただけませんか」

 

「…………フツオくんに?」

 

「ええ。話(・)し(・)た(・)い(・)こ(・)と(・)が(・)あ(・)る(・)の(・)で(・)す(・)」

 

 

 やっぱり来たか。

 

 セトは、ほんの僅かに眉を寄せた。

 

 

「こっちも一つ。確認してもいいかな?」

 

「どうぞ」

 

「…………フツオくんに、何を言うつもり?」

 

「…………」

 

「あの子、共鳴を使わないし。

 教会から見たら色々と思うところはあるのかもしれないけど…………」

 

 

 それでもセトは、言葉を選びながら。

 

 保護者として、譲れない一線だけははっきりと示した。

 

 

「…………あの子に、無理に何かをさせるつもりなら、」

「ありません」

 

 

 即答だった。

 

 

「あなたの懸念は察しています」

 

 

 ノアは怒るでもなく、気分を害した様子もなく、静かに告げた。

 

 

 

「ですが、杞憂ですよ。…………悪いようにはしません。そこは断言いたします」

 

 

 

※   ※   ※

 

 

 

 ――――で、現在。

 

 

 

(悪いようにしないって、そういう意味かぁ…………!)

 

 

 

 確かに。

 ノアにしてみれば、これは文字通り善意なのだ。

 

 縛り手という、本来なら人生から多くの選択肢を奪いかねない呪い。

 

 それを解いてあげられるというのなら、断られるなんて、まず想定してないだろう。

 

 

 

 でも、彼は――――

 

 

 

「あ、別に大丈夫です」

 

 

 

 そうなんだよねー!

 

 あの子、前にカドさんから提案された時も断ってたもんねー!

 

 

 だから今言われても断るだろうなってことは、先に言ってくれてれば予想できたよ正直!

 

 

 

「…………」

 

 

 

 あまりにもストレートに「大丈夫」とばっさり切り捨てられたノアが止まる。

 

 ついでに…………どうやら聞き耳を立てていたらしい何人かまで、一緒になって固まった。

 

 

 その反応を見て、セトは一人だけ肩を落とす。

 

 

 

 一方で。

 

 そんな周囲の反応を眺めながら、僕はむしろ首を傾げていた。

 

 

 …………何がそんなに意外なんだろう。

 

 

 

「…………大丈夫? …………解呪が、必要ないと?」

 

「まあ…………そうですね。今のところ、困ってないので」

 

「…………」

 

 

 ノアさんが僕を見ている。

 なんだろう。予想していた回答と違ったのだろうか。

 

 

「…………理由を、伺っても?」

 

「色んなカード使いたいからですね」

 

「…………はい?」

 

「僕、縛り手に(こう)なる前は、使ってみたいカードとか組み合わせを思いついても、妙に特定のテーマばっかり手札に寄ってきたりしてたので」

 

 

 何を使うか決めたつもりでも。

 実際に回してみれば、思った通りにはいかない。

 

 確率を織り込んだ採用枚数にしているはずなのに、その確率をぶっちぎっての事故が多発してたんだよな…………

 

 

「それがなくなってから、わりと気楽なんですよ。

 今日はこれ使おう、次はあれ試そう、こっちとこっち組み合わせたら面白そうだなー、とか。

 

 そういうのを何の引っかかりもなく選べる」

 

 

 だから、と肩を竦める。

 

 

「戻せるって言われても、今のところは別にいいかなーって」

 

「…………」

 

 

 ノアさんがしばらく黙った。

 

 やがて。

 

 

「…………では」

 

「?」

 

 

「共(・)鳴(・)を(・)取(・)り(・)戻(・)し(・)た(・)う(・)え(・)で(・)、使(・)わ(・)な(・)け(・)れ(・)ば(・)よ(・)い(・)の(・)で(・)は(・)?」

 

 

 一度、僕の答えを受け止めて。

 

 それでもなお別の道筋を探すように、ノアさんは言葉を継いだ。

 

 

「共鳴を用いることを望まないのであれば、普段は今まで通りに。

 そして、使いたくなれば共鳴を用いる。

 解呪さえしてしまえば、それらを適時選べるようになります。

 

 …………あなたが先ほどまで語っていた、両面カードと同じです」

 

「あー…………」

 

 

 そこに持ってくるかー。

 

 筋は通っている。

 というか、僕がさっきまで散々似たようなことを話していた。

 

 

「共鳴を持つあなた。共鳴を用いないあなた。

 …………その双方を、状況によって切り替えればよいのでは?」

 

「いやぁ…………それでも、遠慮しておきます」

 

「何か問題が?」

 

「いや…………それ、似てるようでちょっと違うんですよ」

 

「違うのですか?」

 

「両面カードって、一枚のカードに二つの使い道があるじゃないですか」

 

 

 表で使うか。裏で使うか。

 どちらにしても…………一つのデッキ。一つのプレイスタイルの中で、対応できる範囲を広げているだけだ。

 

 

「でも、共鳴を使う時と使わない時を切り替えるって…………それとは別でしょう?

 

 一つの剣術で色んな間合いに対応できるようになるのと。

 剣術と槍術を両方修めて、状況によって持ち替えるようにするのは、全く別の話です」

 

 

 二つのスタイルを身につけるなら。その分、一つに集中していたリソースを割らなきゃいけない。

 

 共鳴ありの僕と、共鳴なしの僕。

 両方とも今と同じくらい使いこなせるまで鍛えられるなら、そりゃ強いだろうけど…………

 

 現実的かと言われれば…………正直厳しいな。

 

 

 何よりエニグマは元々、相手や状況に合わせてルートを入れ替えるデッキタイプだ。

 つまり…………既に両面カードに近い。

 

 そこへさらに共鳴という別のスタイルまで足すのは――――選択肢を増やすというより、別のゲームプランをもう一つ抱え込むようなものだ。

 

 

(こういうの、サレンなら得意というか、平然とやるんだろうけどな)

 

 

 毎回違う動きをするヴァイスファングを、毎回あれだけ強く回してるし。

 僕じゃ多分抱え落ちするなー。

 

 

 

 

「…………あなたは、それでいいのですか」

 

 

 

 

 返ってきた声には、先ほどまでよりも僅かな強さがあった。

 

 

「共鳴は、望めば得られるものではありません。天より賜る、祝福なのですよ」

 

 

 静かな口調そのものは変わらない。

 けれど。

 

 

 その言葉には、それまでになかった熱が籠もっていた。

 

 

 

 

 

「あなたは――――自らが授かった、天より与えられた才能を、祝福を。

 無為にしてもよいと…………そう言うのですか」

 

 

「え? …………い(・)い(・)ん(・)じ(・)ゃ(・)な(・)い(・)で(・)す(・)か(・)?」

 

 

 

 

「…………………………え??」

 

 

 

 僕の返答がよほど予想外だったのか。

 

 愕然とした表情のまま、ノアさんが固まった。

 

 

 …………そんなに意外な答えだったんだろうか。

 

 才能があったとして。そ(・)れ(・)を(・)無(・)為(・)に(・)す(・)る(・)こ(・)と(・)が(・)何(・)な(・)の(・)だ(・)ろ(・)う(・)。

 

 

(そもそも僕の場合、その才能の先に待ってたのが”あの”マグラだったしな……)

 

 

 才能が齎(もたら)したのは恩恵ではなく、僕にとっては祟りか何かに近かった。

 

 

(悪霊に取り憑かれることが才能の結果なら、そんな才能いらないだろ普通)

 

 

 あんなものまで「授かった才能なのだから大切にしろ」と言われても。

 悪いけど、ありがたがる気にはなれない。

 

 

「いや。本人が使いたいなら使えばいいと思いますけど。

 才能があるからって、絶対使わなきゃいけないものでもないでしょう」

 

「いえ、ですが…………」

 

「それに僕、『自分しか強くなれない強さ』に、あんまり興味ないんですよね」

 

 

 ノアさんの眉が、僅かに動いた。

 

 

「僕が何か凄いことできても、僕にしかできないなら、それで終わりじゃないですか」

 

 

 渡せない。教えられない。残せない。

 

 僕に才能があっても、それは僕だけのもので。

 僕がいなくなったら、そこで終わる。

 

 

「それより、こっちの方が強いよとか、こういう組み方があるよとか、この状況ならこうした方がいいよとか。

 そういうものを積み上げていく方が、僕には性に合ってるんですよね」

 

 

 誰かに教えたら、その人も使える。

 

 その人がまた別の誰かに教えたら、その人も使える。

 

 

 

「僕にはカードと共鳴できるかより、人と共有できるかの方が重要なんですよ。

 

 そっちの方が大事なんです」

 

 

 

 それに、共有するというのは、何もこちらから誰かへ渡すことだけじゃない。

 

 逆もある。

 先に歩いた誰かが残したものを、自分が受け取ることだってそうだ。

 

 

 

「あなたもそうだったんじゃないですか? 第三位。

 

 ――――世にも希少な、カ(・)ウ(・)ン(・)タ(・)ー(・)使(・)い(・)の(・)共(・)鳴(・)使(・)い(・)である、あなたも」

 

 

 

 そう言って。僕は、少し離れた場所にいる第三位へ目を向けた。

 

 

 

◇

 

 

 

 矛先を向けられたセレヴィアが、僅かに目を見開く。

 

 

(…………人と共有できるかが重要、ですか)

 

 

 なるほど。

 

 

(本当に…………よく見ていますね)

 

 

 確かに、そうだ。そうだった。

 

 

 此方(こなた)は今でこそ世界第三位。

 十二聖座でも別格とされる、三英傑(トライスター)に名を連ねているけど。

 

 

 そこへ至るまでの歩みが、最初から順風満帆だったわけではない。

 

 

 シナジーではなく、カウンターを主軸とするテーマへの適合者。

 共鳴の才がなかったのではない。

 

 むしろ逆。才能はあった。

 ただ、その才能が、あまりにも珍し(レア)すぎた。

 

 前例がなく。故に教わる相手も、辿るべき足跡もない。

 だから何もかもを、手探りで積み上げるしかなくて。

 

 そのため芽が出るまでには、随分と時間を要した。

 

 

 

 だが。その手探りが閾(いき)値(ち)を越えてからは――――早かった。

 

 

 

 八十八星座(アステリズム)を駆け抜け。

 

 十二聖座(ラスール)へ名を連ね。

 

 

 そこからも、僅かな期間で三英傑(トライスター)へ至った。

 

 

 けれど。

 

 

「もし、あなたより前に同じことをやった人がいたら…………多分、もっと早かったでしょう?」

 

「…………そうですね。間違いのないことでしょう」

 

「ですよねー!」

 

 

 洗練とは試行錯誤の先にある。

 

 なら――――前の人の失敗を踏まないで済む。成功したところから、その続きを始められる。

 

 

「僕には、そういう事ができる強さの方が魅力的なんです」

 

 

 彼は少しだけ笑って。そう告げた。

 

 …………そう引き合いに出されれば、否定はできなかった。

 

 

 

◇

 

 

 

 

「…………」

 

 

 ノアさんは何も言わない。

 

 否定もしない。

 けれど、納得したようにも見えないな。

 

 

「…………ですが」

 

 

 やがて、彼女は口を開いた。

 

 

「それでも、共鳴を取り戻せば、其方は今より強くなれるかもしれませんよ?

 仮に強くはなれずとも…………安(・)定(・)はするはずです」

 

「安定? …………ですか?」

 

「第三位との戦い。あなた自身、運が良かったと認めていたはずです」

 

「ああ、なるほど」

 

 

 そこか。さっきリオちゃんと話してたの聞いてたんだ。

 

 

「それに先ほど、あちらの少女には――――あなたを相手に十連勝すれば、カードを譲るという約束をしているとも聞きました。

 それが叶っていないということも」

 

 

 つまり。ユウキちゃんに十連勝を許したことこそないものの。

 その途中で、何度か連敗を喫する程度には、普段から負けてもいる。そういう戦績だということは分かる。

 

 世界ランカーを十人抜きする男が。

 世界ランカーでもない相手には、時折あっさり負ける。

 

 共鳴使いの感覚からすれば――――その振れ幅は、あまりにも不自然なのだろう。

 

 

「共鳴は、あなたが言うところの『運』を制御する力でもあります。

 欲しい札を引く。必要な時に、必要なものへ手を伸ばす。

 

 どれほど優れた構築と理論を持っていたとしても――――手札がそれに応えてくれないことはあるのでしょう?」

 

「…………まあ。それは」

 

 

 ある。というか、それが普通だ。

 

 

「ならば、その可能性を減らすことは、そのまま安定した強さに繋がるのではありませんか?」

 

 

 穏やかな口調だった。

 けれど、その問いには迷いがない。

 

 

 世界第五位として。

 共鳴を使い、その力で頂点近くまで登ってきた人間として。

 

 それが当然の結論なのだろう。

 

 

「あなたの言う81点を、一度出せることと。

 それを常に出し続けられることは、同じではありません」

 

「…………」

 

「運に恵まれた一戦で最大値へ届いたとしても、それを毎回再現できなければ、安定した強さとは言えないでしょう」

 

 

 まあ。

 それも、理屈としては分かる。

 

 

「それに――――」

 

 

 ノアさんは、一度言葉を切った。

 

 

「共鳴使いであっても、ベーシックスキルを磨くことはできる。

 

 それは、あなた自身が語っていたことではありませんか?」

 

「…………そうですね」

 

「ならばベーシックスキルを磨いたうえで、さらに共鳴によって手札事故まで減らす。

 その方が、少なくとも平均的な出力(アベレージ)は高くなるのではありませんか?」

 

「うーん…………」

 

 

 少し考える。なんと答えたものか。

 

 

 んー…………第三位とのファイトか。

 

 確かに、あれは運が絡んだ勝利だった。

 

 

 普段のフリーファイトだって同じだ。

 トッププロ相手にも勝てる時がある一方で、ユウキちゃん相手でも負ける時はある。

 

 この人は、そういう僕の戦績を見て。

 最大値の話ではなく――――その振(・)れ(・)幅(・)を問題にしているわけだ。

 

 

(…………言いたいことは分かる)

 

 

 欲しい札を引けない。手札が噛み合わない。

 構築通りの動きができない。

 

 そういう事故を共鳴で減らせるなら。確かに魅力的な話だ。

 

 

(…………まあ。ただ。

 それは、共鳴を主軸(メイン)にするなら、の話でもある)

 

 

 そもそもエニグマは、ルートを入れ替えれば安定寄りにもできるし。

 

 尖らせることもできる。丸くすることもできる。

 僕は尖らせた分、相手に丸く対処できないようにして、ケアを散らして。

 その隙間から刺すピーキーな構築が好きだけど…………

 

 丸さが欲しいのなら、そのための構築案だって持ってるしな。

 

 わざわざ別のスタイルをもう一つ抱え込まなくても、その部分は今のやり方である程度カバーできる。

 

 

 何よりも――――

 

 

(多分だけど…………ひとつ、前提が違うんだよな)

 

 

 

 そもそも、カ(・)ー(・)ド(・)ゲ(・)ー(・)ム(・)で(・)あ(・)る(・)以(・)上(・)、運(・)が(・)絡(・)ま(・)な(・)い(・)フ(・)ァ(・)イ(・)ト(・)な(・)ん(・)か(・)な(・)い(・)。

 

 そしてそれは――――共(・)鳴(・)を(・)使(・)っ(・)た(・)と(・)こ(・)ろ(・)で(・)同(・)じ(・)だ(・)。

 

 

 縛り手であるかどうかは、この話の本質じゃない。

 

 共鳴は、運の要素をなくせる能力ではない。

 

 

 

 

 

結局のところ共鳴とは、運(・)が(・)絡(・)む(・)場(・)所(・)を(・)、変(・)え(・)て(・)い(・)る(・)だ(・)け(・)な(・)の(・)だ(・)か(・)ら(・)。

 

 

 

 

 







「導く手だけが、救いとは限らない。


 立ち止まりたい場所を見つけられたことこそが、
 一つの福音なのだから」


     ――――〈停滞の福音〉別イラスト版



――――――――――




 え? 共鳴って運ゲーを回避できる能力じゃないの??
 答えはノー。実はその分、別方面の運ゲーを加速させる能力でもあるのです。詳しくは次回!



 あと。エピローグ1にも追記したのですが…………
 当初、エピローグは全3話で完結する予定でした。

 ですが、書き進めている途中で、「こっちのエンディングの方が絶対にいい!」と思える着地点を思いついてしまいまして。

 それを書き切るために予定を変更した結果…………ご覧の通り、エピローグが大幅に長期化しましたorz
 流石にあと10話以内には完結する見通しです…………


 ここまで長くお付き合いいただいた分、最後に「ここまで読んでよかった」と思っていただけるエンディングを目指しています。
 どうか今しばらく、お付き合い頂ければと思います。



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