満ちる月を越える者 作:業火の跡地
ケルト流の槍術はランナ(SETUNA現レート2位)から現実で出会い教わった
ツクヨミに誘ったのもランナであり彼が居なければ伊織はこんなに早くツクヨミに出会わなかった
勉強が忙しい彩葉に変わりかぐやがKASSENの陣取りゲーム、SENGOKUをROKA、まみまみから教わっている。なお伊織はというと
「えー!伊織どうせなら一緒に来てよ〜」
「SENGOKUはルールしか知らん。ほぼやった事なか。負けんが面白い勝ち方は出来んぞ」
と言う理由で来なかった。結局全員斬れば勝ちと言うのは如何なものかと言うのが真実と彩葉の言い分である
そしてもう一つ、何故か帝に呼び出しを食らっていたのだ
イオリ 殿
いろPの事で話がしたい
帝アキラ
伊織はこの2人の関係性は何となく把握している
細かい動きの癖が凄く似てるのだ。多分親類として真剣な話なのは分かったので指定されたプライベート用SETUNAフィールドへと向かうのだった
===SETUNA===
フィールドに向かうと先に帝が待っていた
「来てくれてありがと、イオリ」
「真面目な話には相応の対応ばする。」
帝の纏う空気が変わった。声色もすこしづつ鋭いモノになっていく
が、当のイオリは変化を見せない
「早速聞きたいんだけど・・・イオリ、いろPとどう言う関係だ?」
「そいを答えるなら、まず確認させい。イロの本名とかの」
「確かにそうだな。まだまだ俺の勘違いかもしれない・・・酒寄彩葉
お前、かぐやちゃんの配信に出てるIORだろ。捻りもねぇ」
「よか。改めて聞くど。何が知りたい?」
伊織の中で確認が取れた。会話に進み出す
「お前は彩葉の何だ?」
「そいは本人に聞けい。俺は酒寄がどう思っとるかなんぞ、本人にしか分からん。俺は友人ぞ。そう思うとる」
「本当にそれだけか?」
「近頃はかぐやの暴走に二人して巻き込まれとっての、良く一緒に居るが、それ以上はなか」
心の何処かで楽しいとすら思ってしまっている自分が居た
「へぇ・・・まぁ、嘘じゃなさそうだな」
「疑い深いの」
「大切な妹の事なんでな」
帝のその言葉に伊織の空気が変わった。帝が息を呑む
「あ"?大切?何巫山戯たこと抜かしょる。どの面下げていうちょる」
言葉に怒気が内包されだす
限界ギリギリな今を放っておいて、本人に直接聞かないで、そして何よりまだ手を伸ばせる癖に伸ばしてない。帝は伊織の逆鱗に触れた
そして、湧き上がってきた怒りを全て帝に向ける
「あんな日常放置しといて何が大切じゃ?諫山や彩紬の方が酒寄こと余程大切だと思うちょるぞ」
「何だと?」
「何が合ったかは一部しか知らん。じゃがあいつは周りが世話焼かんかったらとうに倒れとる。それを何とかしとったんは俺達じゃ」
「んなっ!?こっちの事情も知らねえ赤の他人に言われたかねえ!」
「おう!知らん。他家族の事情なんぞ興味もない
じゃっどん酒寄の今はお前より知っとる!酒寄はお前の家族ぞ!知ろうとしんかったんは誰でもないお前自身の怠慢以外何がある!」
言い合いはエスカレート。掴み合いの喧嘩に発展した。お互いに譲れない主義主張
ここはプライベート部屋ではあるがSETUNAである
議論なぞ野蛮で不毛。ここは穏便に暴力で
「さっさと抜け。その性根と一緒に叩き潰しちゃる」
イオリは太刀を抜いた。帝は金棒を持つ
実力差は言わずもがな
「こい。撫で斬りぞ」
「やれるもんならやってみろ!」
普段は絶対しない物騒な言い回しの挑発に乗る帝
冷静ではない。お互い完全に頭に血が昇っている
伊織のスマコンが青に変色、手元の木刀を握った
イオリが蜻蛉の構え。先に仕掛けた。右足を強く踏み込む
「キェッイァ!」
攻撃を読んだ帝が後ろに避けた。イオリの蜻蛉の構えからの斬撃は大型武器であっても防御ごと捻じ伏せる
故に受けたらその時点で兜割り
避けた帝は金棒のウルトで伊織を殴りに掛かった。が後隙が大きいことなど織り込み済みで、その対応策はとっくの昔に完成している
「オラァ!」
「チェィッ」
帝の股下より刃が下った途端伊織が反発したゴムの用に刀を返し、帝を下から斬り上げ両断
イオリの十八番、SETUNAランカーの中でも避けるのが必須の一撃の連撃
蜻蛉の構えから繰り出される示現流の神速、必殺級の強力な一撃は後隙が大きく、避けられる事もあった
それを自分流に改造した。振り下ろした刀を右足を起点とした全身の間接を使い流れるように神速で斬り上げる。佐々木小次郎の燕返しの記録から編み出した奥義と言うべきもの
編み出して以来ツクヨミでは初めて使う剣技
「蜻蛉返し」
「んなっ!?」
「喪ってからじゃ遅いぞ。その面当分見せんな」
そう言い残し、帝を斬り捨てイオリは部屋から抜けた
一切の抵抗を許されず両断された帝は何を思うのか。完ッ全に帝を軽蔑したイオリは興味すら持たなかった
===伊織の部屋===
ツクヨミからのログアウト
伊織は自分の家族が大好きである
家族を嫌うのは個人の自由とは考えているが家族を蔑ろにする奴は基本的に嫌う
彩葉を大切に思っていた上で彩葉を放置していた帝は伊織にとって口だけ。思いだけの地雷であった
(熱くなりすぎたの)
伊織は自分の脇差を少し抜刀、己を写し、精神を鎮める。いつからか始めた儀式のような事
脇差の刃が月明かりを受けて怪しく光るのだった
「伊織ー!」
そんな事をしているとかぐやが部屋に突撃してくる。今度はなんだ
「伊織!KASSENめっちゃ楽しかった!めっちゃ勝った!」
「ほうか。良かったの」
「えへへぇ、褒めて褒めて!」
「よか。ようやったの」
また、頭を撫でる。かぐやも嬉しそうに頭をぐりぐりと伊織の手に押し付けていた
「次彩葉と一緒に行こ!」
「おう。」
「伊織伊織」
「どした?」
「今度の配信、彩葉と一緒にお話しよ!伊織の話も聞いてみたいし」
「よかぞ。ツクヨミか?」
「いや、部屋から2Dモデルとモーションキャプチャー使おうかなって」
「なんぞ?まぁよか」
「あー、伊織のモデル・・・狐面でもいい?」
「おう」
そして、もう一人、彩葉も部屋にはいってきた
「ちょっとかぐやー!配信したら片付けてって言ってるでしょー」
「彩葉ー!今度伊織も一緒に出てくれるって!」
「ちょっと伊織、かぐやの事あんまり甘やかさないで」
「分かっちょる。叱るときは叱るど」
「頼んだよ、かぐや、さっさと片付けてきなさい!あれでも伊織の言う事なら多少聞くからさ」
「ほうか?・・・」
かぐやは渋々部屋の片付けに行った
普段のアレで言う事聞いてる判定なのか、と思って彩葉の顔をじっと見つめた。人間の瞳ってこんな色合いだったのかと
「どしたの伊織?」
「・・・ここ最近、己が変わってきちょる。それがどんなもんなのか、俺には分からん」
「変わってる・・・」
どうやら彩葉も思う所があるようだ
「ねぇ!今から一緒に遊ぼ!三人で!」
片付けを放り出してパーティーゲームを引っ張り出して来たかぐや。流石に伊織も呆れたようだ
「よか。じゃっどん片付け終わってからの」
「えぇ~」
「そういう約束、したでしょ?」
「ぶぅ~」
「手伝ってやる。パッパと済ませい」
そして、結局日付が変わっても三人で和気あいあいとゲームに没頭してしまう
普通のコントローラーはほぼ握ったことが無い伊織が最下位である
「やーい、伊織最弱〜」
「コマンドとか良く分からんど」
「普通のゲーム下手なんだ」
「うっせぇ」
そうして夜が更ける。3人して夜更かしし、最後まで意識を保っていた伊織が2人を介抱するのだった