特に21巻で感動したので、そこまで確実に描き上げたいと思います。
基本原作のイベントは踏襲して、ベル君じゃない主人公が描く物語、にできたらいいなと思っています。
プロローグ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか。
最近はまったアニメの名前だ。
主人公、ベル・クラネルが挫折と成長、飛躍を遂げて、多くの人を救う話、といえばいいんだろうか。
そう、ベル・クラネルだ。彼こそが主人公なんだ。だから、こんなことはありえないはずなんだ。あってはいけないんだ。
「やったぁ!これで僕にもやっと眷属ができたぞぉ!!」
そう、主人公が、ベルクラネルがいないなんて……。
「はぁ、すっごい満足感……。」
いやぁ、友達からおすすめされたときは何だろうってあんまり興味はなかったけど、これはすごい!
「いや、ほんとにこのアニメ最高!一期から走って来たけどその価値はあったぁ!ベル君ほんと、マジベル君だわぁ!!」
なぜ彼はあんなにもかっこいいのだろうか。それはベル君だからだ。
思わずそんな自問自答をしてしまうほどに夢中になった。魅せられた。
「あ~、俺もダンまちの世界に行ってみたいなぁ。ベル君と一緒に冒険したい……。」
しかし、ねむいな。さすがにアニメ一期から五期まで一気見はきつかった。
「あ、もう……寝そう……。」
そのまま、意識を落とした。
「……んぅ?」
なにか、日が直接当たってる気がする。
「…んしょっと。」
起き上がって周りを見る。
「……は?」
そこは家の中ではなく、草原。どこまでも続く草原だった。
理解が追い付かなかった。家で、アニメを見て、そのまま寝落ちしたはずだ。
「……い、異世界転生?いやあり得ない……あんなのフィクションの産物だ。現実にそんなことが起こるはずがない……。夢?夢なのかこれは…。」
思わず自分の頬を抓る。
「痛い……。」
痛みが、現実であることをいやでも示している。だが、これはあまりにおかしい。別に、よくあるようにトラックにひかれたわけでも、誰かをかばって身代わりになったでもなく。神様転生よろしく特典をもらうフェーズすらなく、ただ草原に置かれていた。
「何がどうなってんだ?」
どうやら、混乱しすぎて一周回って冷静になったらしい。
「いやこれからどうす……る…。」
何となく後ろを向く。が、到底信じられなかった。そこにあったモノを。
「は?え、あれ……ば、バベル?」
そう、さっきまでさんざんアニメで見た建造物、というか、町が見える。
ありえない。そう思っても、目をこすっても、頬を抓ってみても、目の前の景色は揺らがない。
「現実、だっての?これが……。」
どうやら、信じられないことに、俺は「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の世界に転生、いや転移してしまったらしい。
とりあえず、オラリオへと足を運ぶ。これからどうするにせよ、このままというわけにもいかないので向かうしかない。というか、もしかしたらベル君の冒険を傍で見ることができるかもしれない。
「それは……最高すぎるだろう……!」
一オタクとしてこれほど魅力的なものがあるだろうか。いや、ない。
「はい、次の人。」
列に並ぶこと数分。自分の番が来た。
「通行許可証はあるか?」
「いえ、冒険者志望です。」
「ああ、じゃあ背中を向けてもらっていいか?」
指示に従って背中を向ける。
「えっと、なにを?」
「ん?ああ、恩恵がないかの確認だ。外からの間者を入れるわけにもいかないからな。」
「なるほど。」
そういう描写はなかったはずだが……、まぁたしかに、スパイとか入れるわけにはいかないもんな。闇派閥とかいるし。
「よし、大丈夫だ。」
「ありがとうございました。」
「おう、気をつけてな。」
さて、入ったはいいがどうするべきか。選択肢はそう多くない。ロキファミリアか、ヘスティアファミリアか。それくらいだ。フレイヤファミリア?論外だ。殺し合い毎日してたら狂う。日本人の感性ではついていけない。
「とりあえず、ギルドに行ってファミリア探すか。」
先ほど、モンスターフィリアも迫っている話も聞いたので、時系列的にはもうベル君は来ているのだろう。そう思っていた。
ギルドについた。なんだろう。実物を目の前にして感動している。
「おおぉ、実際見ると迫力あるなぁ。まぁ当たり前か。」
目の前で突っ立ってても仕方ないのでギルドに入り受付に行く。昼過ぎのため人はそんないなかった。
「あ、すみません。」
「はい。冒険者ギルドへようこそ。なんの御用でしょうか。」
対応してくれたのはなんと、エイナさんだ!!ベル君のお姉さんだぁ!!
「あ、はい。えっと、冒険者になりたくて、ファミリアを探しているんですけど……。」
内心物凄い叫びをあげ、テンパりながらも用件を伝える。
「なるほど。希望するファミリアの条件はありますか?」
「あ、えっと、ロキファミリアとヘスティアファミリアって団員募集してますか?」
「はい、少々お待ちください。」
エイナさんはカウンターの下から資料らしきものを取り出す。
「はい、ロキファミリアは原則入団試験をだれでも受けることができるので大丈夫だと思いますが…、ヘスティアファミリアは登録されていません。」
「……え?」
登録、されてない?いや、時系列的にはもう存在しているはず…していておかしくない、よね?
「そ、そうですか。ありがとうございました。」
俺はその場を後にした。
「……どういう、ことだ?」
しばらく歩いて、噴水の前についた。
衝撃が抜けない。ヘスティアファミリアが登録されてない。つまり、眷属がいない。
「ベル・クラネルが、いない……?」
何かの冗談、と思いたい。この世界は、彼の物語だ。彼が成長し、救い、進んでいく物語だ。主役がいないなどあり得ないはずなのに。
「ベル君がいないと、英雄が生まれない…。」
最大の懸念はそこだ。彼は間違いなく英雄に至るだろう。というかもうすでに英雄だった。彼は多くを救った。その生きざまにこそ俺は憧れた。なのに……。
「……、いや、まだ…まだ来ていないだけかもしれない……。」
それよりも問題がある。俺はいま一文無しだ。今日生きれるかも怪しい。
正直このままいけば三日持たないだろう。
「はぁ……。」
「そこの君、大丈夫かい?」
「え?」
物凄い、聞き覚えのある声が聞こえた。具体的に言えばアニメで何回も……。
「あ、貴女は……。」
「僕?ボクはヘスティア。炉を司る女神だよ。」
「あ、どうも。俺は祐樹 颯です。あ、こっちで言うとハヤテ 祐樹になるのかな。」
そう、英雄の主神様。ヘスティア様だった。
「それで、えと……さっきこの町に来たんですけど、その。これからどうすればいいかがわからなくて。」
「おや、そうだったのかい?ちなみに何をしにここに?」
「冒険者になりたくて。生きるために。」
「じゃ、じゃあ、僕のファミリアに来ないかい!?」
「貴女の?」
「うん。といっても、眷属はまだ誰もいないから、ゼロからのスタートだけど……。」
どこか不安げに、こちらを見ながらそういうヘスティア様。
これで、確定してしまった。ベルクラネルは今オラリオにいない。いや、まだ…後で来るかも……。
「俺で、いいんでしょうか。俺は戦いの素人です。最初の眷属が俺みたいなので…。」
「うーん。最初からすごい子なんてめったにいないと思うけどね。皆それぞれ成長していくものだと僕は思うよ。」
ああ、これか。ベル君がこの神だと決めた理由は。温かいんだ。この神は。さすがは作中屈指の善神。
「……俺でよろしければ…貴女の眷属にしてください!」
「ほ、ほんとに!?だって、君以外には誰もいないんだよ!?」
「それはあとで増やせばいいと思います。それに、ゼロから成りあがるというのは心が躍ります!」
「っ!ありがとう!じゃあ、ボクについてきてくれ!」
こうして俺はヘスティア様についていき、あの教会についた。
「ごめんね、こんなホームで……。」
「いいえ、謝らないでくださいな。正直、秘密基地みたいでワクワクしてる自分がいます!」
そう、このホームは地下がある。いやカッコいいでしょ地下室。男の子のロマンだろ!
「そっか…。うん!じゃあ下に部屋があるからそこでステイタスを刻もうか!」
「はい!」
祐樹 ハヤテ
LV 1
力:I0 耐久:I0 器用:I0 敏捷:I0 魔力:I0
魔法
スキル
「はい。これがハヤテ君のステイタスだよ。」
「これが、俺の……。」
なんというか普通だな。まぁ仕方ないだろう。
「最初はみんなそんな感じなんだって。まぁこれから頑張っていこう!」
「はい!」
そうだ。この後来るだろうベル君もいる。だから大丈夫だ。
「それじゃあ、冒険者登録をしてきます!」
「行ってらっしゃい!気を付けてね。」
「はい、行ってきます!」
あの後、冒険者登録をして、担当アドバイザーがエイナさんになった。やったぜ!
それに、ダンジョンに関しての勉強も合格を頂き、一層ならば許可が下りた。今の装備は、支給品の胸当てとナイフだ。もちろんベル君リスペクト。まぁ彼が来たら武器を変えるかもしれないが…。
「さて、張り切っていこうか。」
ダンジョンに続く階段を下りていく。
「さて、ダンジョンかぁ。なんか感動だなぁ。」
外とは明らかに空気が違う。これがダンジョン。
少し進むと、ゴブリンがいた。
「あれか……。」
正直、怖い。生き物を殺すのが。日本ではそういったことに触れることはまずない。創作の中だからこそ俺たちは忌避感なく見ていられたが、実際自分がとなるとそうもいかない。
「でも、ベル君が来るまでは、俺がヘスティア様を食わせていくんだ……!」
そうだ。あの神に恩を返すためにも。
「行くぞ……!」
ナイフを抜き一気に走り込む
「グギャギャ!」
気付かれた…が!
「せい!」
勢いそのままに首にナイフを突き刺す。
「グゲ!」
そのまま、ゴブリンは灰になった。
「すぅ、ふぅ。」
動悸が激しい。やはり生き物を殺すというのは精神的にくる。が、慣れるしかない。少なくとも今は冒険者なのだから。
「さて、もう少しだけ探索したら戻ろう。」
その後、ゴブリンを12匹ほど討伐し、約600ヴァリスほど稼いで帰った。
あれから、一週間がたった。
「…来ない?」
そう、来ないのだ。
我らが主人公。ベル・クラネルが。
ハーメルンでの投稿はこれが初めてです。
これからも頑張っていきますので、どうか温かい目で見守っていただけると幸いです。