緑谷出久14歳の春。
出久に個性が発現してから実に10年の月日が流れた。
あれから出久は順調に成長し、スタレの女性陣の力で少し魔改造されて、原作デクのチャームポイントであった筈のそばかすが無くなったり、スパルタトレーニング勢によって原作終了時よりも体つきと顔つきが逞しくなったり、引子がストレスで太らずに、寧ろ定期的に出久達と共に稽古する影響で、理想的なスタイルと美貌を手に入れたりと、原作のヒロアカからかなり解離して順調な10年間を過ごしていた。
しかし、そんな彼らの順風満帆な生活にも遂に限界が訪れようとしていた。
「もう、流石に賃貸のマンションじゃ限界だと思うの。」
そう会話を切り出したのは出久の実の母 緑谷引子。
彼女はこの10年で年を取るどころか、10年にも渡るスタレキャラのスパルタトレーニングを出久と共にこなした事で寧ろ若返りを果たし、出久の母と言うよりも、少し年の離れた姉の方がしっくり来そうな程に若々しい肉体と美貌を手にしていた。
「やっぱり、そうだよね…。一応僕の精神世界(?)見たいな所に入って貰えば、スペースはあまりとらない筈なんだけど、僕の個性とは言え、皆僕達のように意思があるわけだし、そんな窮屈な思いはさせてあげられないよ。」
引子の言葉にそう返したのは、引子と同じくこの10年で見違える程の美上丈…つまりイケメンに成長した皆自慢の息子緑谷出久。
ヘルタとルアンが開発した超高性能の美容液と女性陣による念入りなスキンケアにより、もっちりツルスベ卵肌を手に入れ、毎日、飛霄やルカ、雲離、彦卿達によるスパルタトレーニングにより、鋼の肉体を手に入れ、街を歩けば逆ナン待った無しのナイガイに成長したのだ。
「出久、今あの子達は何人いるのかしら?」
「えっと…正確には分からないけど、ざっと80人くらい…。」
今現在、出久と引子は二人だけで家族会議を開いているようだ。
内容は、出久の個性によって増えてしまった人員による居住スペースの圧迫。
80人もいれば、それは限界が訪れても仕方ない。
寧ろ10年間よく耐えしのいだ方である。
「80…そんな大所帯で私達は今までこの家で暮らしてきたのね…。よし!決めたわ!私達緑谷一家は大きな戸建てに引っ越します!」
こうして、緑谷家引っ越し計画が始動した。
「となると先ずはどんな家に住むかだね。やっぱり80人ってなるとかなりの豪邸に成るよね…。それにエミヤさんや姫子さんが台所を使いたがる事を考慮するとかなり設備が充実した厨房が必要だと思う。後、セイレンスさん、セーバルさん、ロビンさんのために防音室やスタジオも欲しいし、アグライアさんのための被服室やキャストリスさん、ペラさん、ステラさんが漫画や同人誌を作る為の仕事部屋も欲しいし、火花さんの為の撮影部屋もいるよね。後は皆それぞれ自室も欲しいから、最低でも1000坪の広さは欲しいね。」
いくら原作から解離しようともこのブツブツ癖は直らないようだ。
「1000…!それっていくらくらいするのかな?」
「土地代と建設費諸々込みで10億くらいかな?」
「10…億…!」
その値段に引子は絶句する。
そんな値段、とても一般的な家庭の緑谷家では出す事など出来ない。
「もう少し、安い家に妥協しましょう…。」
これは止む終えない事だ…大富豪でもなく、芸能人でもない緑谷家に億単位の買い物等出来る訳がない。
しかし、あくまで"緑谷家には"の話である。
「ちょっと、マイフレンド!水臭いじゃないか!」
「引っ越しの話なら私達と無関係って訳には行かないわ。10年間この家に住まわせてもらって、ただ飯も頂いたツケを払う時が遂に来たのよ。」
そう言って、家族会議の場に乱入してきたのは金髪の少し胡散臭いイケメン アベンチュリンと紫髪の妖艶な蛇の様な雰囲気を持つ美女 ジェイドであった。
「二人共、何で…?」
「僕だけじゃないよ、マイフレンド!」
その言葉と共に、ぞろぞろとこの場に数名の見覚えのある顔達が現れる。
「お子ちゃま、困った時は大人に頼りなさい。私はこう見えて結構稼いでいるんだから。」
「ふふっ。とか言ってヘルタは出久さんの力に成れるのが嬉しい見たいです。勿論私も。」
「出久、いつも私の衣装作成にご協力頂いて感謝しております。今回は微力ながら、私からもご助力を。」
「ふふっ出久さんの力に成れるなんて嬉しいわ!この気持ちを歌にしたいくらい。」
「私達が住む家なんだから、私達も会議に参加させるべきだと思うだよね~。」
なんと、ヘルタ、ルアン、アグライア、ロビン、そしてステラがアベンチュリン達に続いて、この会議に乱入してきた。
「良いの?皆を頼って?」
「当たり前じゃないか!僕達は皆マイフレンドとその母君にお世話になったし、皆君達の事が大好きだからね!安心してくれて良いよ!僕達の資産は国家予算に匹敵する程に潤沢だからね。」
と言うのも、実は出久の個性によって、この世界に発現された彼らスタレキャラは出久の個性届けを出す際についでに全員、戸籍を作っているので、今各々の分野で働いている。
ヘルタとルアンは機械学、生物学、天文学で軽く千を越える論文を発表し、あらゆるふ分野で権威を総なめしている。
その為彼女達が持つ資金力は潤沢なのだ。
次にアグライアはファッションの分野で大きな成功を納め、近年では【OKUHEIMA】と言うオリジナルブランドを立ち上げ、今や世界的超高級人気ブランドにまで成長させている。
それからロビンは言わずもがな、元の世界の歌姫としての経験を元に歌手として、芸能界で現在一千を風靡している。
今では、歌枠番組だけに留まらず、バラエティにも引っ張りだこなのだ。
そしてステラはキャストリスとペラをアシスタントとして雇用し漫画家として活動。
星穹列車の旅路を綴った【晴天航路もふもふ号】が世界的に大ブレイク。
最後にアベンチュリン、ジェイド、トパーズ、パールはこの世界にスターピースカンパニーを設立し、たった10年で世界有数の大企業へと成長させている。
そんな彼らにとっては10億も100億も飛んで1兆も、はした金に過ぎない。
「僕達もこれから住む家に成るわけだからね。今まで滞納していた家賃の1000倍くらいは出すよ。その代わり、妥協は許さない。」
「うん!ありがとう!皆!」
こうして、緑谷一家が新たに住む事になる世界一巨大な豪邸を建築するための資金の目処が立ったのだった。
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そして一週間後。
「マ~イフレンド!僕達の新しい家が完成したよ!」
「「は?」」
出久と引子は同時に間抜けな声を漏らす。
仕方のない事だろう、何故なら、資金力の問題が解決して、これから何処の建設会社に依頼しようかと言う話になってまだ、一週間しか経ってないのだ。
つまり、そもそもまだ、家を建ててすらいない筈なのだ。
なのに何故か既に家が建ってしまっている。
「え?僕達まだ、家を建ててくれる建設会社すら見つけてないんだけど…。」
「あーそれなら問題ない。新しい家の建築はスターピースカンパニーの建設部に任せたからね、土地もカンパニーの私有地だから、今回の新築は全て経費で落ちるんだ。本当は10年間の感謝を込めて君達に家をプレゼントしようと10か月前から開始していた計画だったんだけだね。ちょっとばかし早いサプライズになってしまったね。」
このサプライズに関しては遅いも早いも関係なく、人であれば誰だって驚くだろう…。
流石はカンパニーのアベンチュリン総監。
あらゆる面で常識がズレて…いや、逸脱している。
「早速引っ越しの準備をしようか!」
ーーパチンッ!
とアベンチュリンが指を鳴らすと何処からともなく、カンパニーの制服を着た社員が緑谷宅の中へと入っていき、洗礼された動きでどんどん家中の荷物を丁寧にまとめてトラックに積んでいく。
として1時間もしない内に緑谷宅の内装はすっからかんになり、引っ越しの準備はあっという間に済んでしまった。
「…引っ越しの手続きとか、まだなんだけど…。」
「大丈夫、既にこのマンションの大家とは明け渡しの手続きを済ませてあるから。」
「ご近所さんとの挨拶が…。」
「それなら一週間前に菓子折りと手紙を送っておいたよ。」
ーーーこの男…有能過ぎる…!
その場にいる誰もがそう思った。
「それじゃあ、行こうか。僕達の新居へ。」
そうして、決意してたった一週間で緑谷一家は引っ越しを果たすのであった。
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「うわ…。」
「凄い…。」
早速新居にやって来た緑谷親子は目の前に聳え立つ豪邸に言葉を失う。
新居の高さは五階建て、広さは驚異の1500坪、敷地はその約50倍。
これは最早、家ではなく一つのテーマパークの領域である。
「内装もかなり拘っているんだ。見てみてくれるかい?」
アベンチュリンに促され、出久達は恐る恐る新居の敷地内へ足を踏み入れる。
まだ、家の中に入ってないと言うのに、そこには圧巻の景色が広がっていた。
念入りに手入れされた芝生、太陽の光を反射して銀色に輝く巨大な噴水。
そして職人の手の込んだガーデニング技術によって細部まで細かく再現された植物で出来たゴミキング…。
「…何これ?」
「星穹二人組がどうしてもって聞かなくてね…。」
どうやら、このゴミキングはあの二人の仕業らしい。
因みに当の本人達は現在仕事中で留守にしてる。
何の仕事かと言うと、清掃員のようだ。
何でも清掃員ならゴミ収集車を運転できるからと言う理由で就職したらしい。
「庭はこのくらいにして、家の中に入ろう。」
庭の見学も程々に早速出久達は家の中に入る。
「うわ…。」
「凄い…。」
先程と全く同じリアクションである。
彼らが目にした新居の内装は学校の体育館くらいは在るのではないかと思う程の広さのロビーと一階から五階まで上がるためのエスカレーターとエレベーター、高級レストランのように設備が充実している厨房と、植物園のような中庭、更には水族館が敷設された地下一階と、一階から五階まで、100人以上が住んでも問題ない程の部屋の数々。
最早家ではなく、何かのテーマパーク内に併設されたホテルのようである。
「気にいってくれたかな?」
「うっうん…ありがとう…。」
「きっ気持ちは…とても…嬉しいわ…。」
小市民なこの二人にとってはこのような豪邸は寧ろ心臓に悪いどころか、軽く恐れ多さで100回は死ねる程にやり過ぎである。
しかし、彼らスタレキャラ達は皆、宇宙をまたに掛ける超人達。
価値観のスケールも宇宙規模なのだ。
「今日からはここが僕達の家だ!遠慮なく寛いでくれ!」
「あはは…。」
「うん…。」
テンションが天元突破しているアベンチュリンとは対照的に緑谷親子は揃って引き攣った笑いを浮かべるのだった。
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番外編
ファイノン「うわ…凄い…。本当に広いね!ここなら鬼●ごっこが出来そうだよ!」
羅刹「仕方ないから付き合うよ…。」
「素晴らしい提案をしよう…お前も鬼にならないか?」
ファイノン「初対面だが、俺は既に君の事が嫌いだ。」
羅刹「死んでしまうぞ!杏寿郎!破壊殺滅式!!」
ファイノン「炎の呼吸…久の型…奥義 煉獄!!!」
出久「壊れる壊れる!新居壊れるから止めて!」
エミヤ「この上なく惨めだぞ!小僧!」
穹「宿儺!!」
不死途「お前…名前は…?」
アナイクス「伏黒…。」
不死途「禪院…じゃあねえのか…?…良かったな。」
キュレネ「何処まで言っても私がいる限りあんたは半端者よ。いらない物は私が全部持っていってあげるから。」
飛霄「待って!真衣!」
キュレネ「最後にこれだけ置いていってあげるから、後は好きにしなさい。」
飛霄「待って!おい!真衣!」
キュレネ「全部壊してね。全部だからね!」
飛霄「始めるよ、真衣。」
出久「始めなくて良いから!お願いだからね大人しくして!」
穹「出久もやろうぜ!ジャ●プ漫画ごっこ。」
出久「え?でも僕は同じ作品の人いないし…。」
穹「いるじゃあ~ないですか!ナランチャ、5かける6は?」
出久「えーと、ろくご…30!」
穹「正解です!」
出久「おー!ろくご30ね!」
「…楽しいね、これ!」
こうして新居になってもいつもの騒がしい日常が送られるのだった。