いやゲームでは行ってます、ピュロイスくんかっこいい
ヴェリナさんケツもタッパも胸もでけぇ
えっちだぁ…(
あと本当はこれも一本に納めようとしたけど断念したんで切り上げ。
次回は気長に待ってほしい。
本日は珍しくすごい早起きしたので七時くらいに開店。
サラはまだ寝ているだろう、たまにはこんな時があってもいい。
適当に昨日の売れ残りのパンを並べ変え、今朝焼いたパンを陳列。
シャッターをガラリと上げてレジの椅子にどっかと座ってステンバイ。
「…たまには早起きもいいねぇ」
太陽の光が燦々としてツカサの身体をいい感じに包んでいる。
朝太陽を浴びると心地いい、なんでも注意力を向上させ、睡眠の質が良くなるとかなんとか。
まぁ基本夜遅くまで起きて作業とかしたりしてることが多々あるから、質の方はたぶん意味がないと思う()
レジにはサラが基本使っているパソコンが置いてある。
っていうかこのパソコンはお店のパソコンであり、たまにツカサもこれでネットサーフィンしてる。
…いや、この世界だとインターノットだからノットサーフィンなのか?
まぁまだ朝早い時間だし早々客とか来ないだろうから、ちょっとユーツーブでも───
「いつもこんな時間なら、常連もできると思うんだけど?」
そんな事を言いながら入り口から一人の女性が入ってきた。
ぴっちりとしたボディスーツのような服に、赤いメッシュの入った女性の治安官。
「朱鳶」
「たとえば、私とかね」
そこには同じ大学の同期だった朱鳶が立っていた。
彼女はクロワッサン三つの袋を一つ掴むとレジへと持ってくる。
「これから?」
「えぇ。ヴィジョンコーポレーションの件でも騒がしくなりそうだし」
「忙しいねぇ、我らがエリート治安官殿は。しんどくなったらちゃんと休めよ」
「残業とかはしてないから大丈夫。ツカサの方こそ儲かってるの?」
代金を置きながら、朱鳶はそんなことを聞いてきた。
「大丈夫だよ、最近有能な人が入ってきたし、もう一人郊外で駆け回ってくれてるんでね」
「? 最近雇った、っていうのは知ってるんだけど、もう一人いたの?」
「実はね。ぶっちゃけそっちが初期メンだね。基本そいつは郊外の方で修理屋みたいなのをお願いしてるから」
代金を取りながらツカサはそんなことを言う。
いつ紹介できるかはわからないが、気長に待っててもらおう。
「そういえば最近噂の〝通りすがり〟に協力してもらったプロジェクト、とやらはどうなの?」
「Gシステムシリーズのこと?」
ふと気になったことを聞いてみる。
何やら少し前にテレビでそんなことをブリンガーが言っていた気がするっていうか協力した記憶があるのである。
何でも〝市民の皆様の安全を、世代を超えて守っていけるように〟とか何とか言ってた気がする。
その日も普通にホロウに入りジャンク品を漁りつつ、迷い込んだ人たちを助けていたら、ホロウレイダーを戦闘している治安官たち…というか朱鳶らを見かけてしまったのである。
気まぐれで助けたとき、朱鳶から協力をお願いされたのだ。
「今のところは順調、かな。提供してくれたデータを再現したG1とG2は、AI制御にしたんだけど、エーテルに当てられたのか、暴走してしまって」
それも知っている。
どんなもんかな、と気になってちょくちょく治安局を覗いていたらそんな事態になって、鎮圧に協力した覚えがあるのだ。
「だから、次は性能を落として、人が着込めるようなアーマーにしようとしてるの」
「なるほど…もうほぼG3ってわけか」
「? ツカサ?」
「あぁ、いや。なんでも」
苦笑いしながら目を逸らす。
たしかG3のモチーフは本来だったらクウガではあるが…こっちだとまさかディケイドがモチーフになってしまうとは。
その時点けていたパソコンからメールが届く音声が鳴った。
朱鳶も時間に気づいたようで
「いけない、そろそろいかないと」
「あ、あぁわかった。毎度どうも」
「また早く開いてたら買いにくるからー」
そう言って朱鳶はDK堂から出て行った。
彼女の背中を見送ると、二階からサラが下りてくる。
サラはくあぁー、とあくびをしつつ、ツカサを視界に入れると
「あら、早いわね」
「たまにはね。それよりなんかメール来てたよ」
メール? とサラは疑問符を浮かべながらレジへとくると慣れた手つきでパソコンをいじり、メールボックスを確認する。
彼女は怪訝な顔をしたと思ったら、考え込むように顎に手を添える。
「サラさん?」
「…ねぇツカサ、いきなりだけど、ちょっと相談したいことがあるの?」
「…て、転職とかは、ちょっと…」
「違うわよ。…離れるつもりはないから」
なんか後半聞き取れなかったような気がするが転職とかじゃないならモーマンタイである。
◇
「今メールしてきた子…まぁ私の友達、なのだけど」
「ともだち」
「えぇ。ここに定期的に通ってくれるうちに仲良くなってね。貴方も会ったことあるでしょう? パーカー着た女の子よ」
そう言われてあー…と思い出す。
いたいた、パーカーに所々雨のような模様が入った服を華麗に着こなしていた、あの学生の子か、とツカサは思い出した。
っていうかいつの間にそんな仲良くなったんだろう。
たしか名前は───
「レイン、だっけ?」
「えぇ、レイン。インターノットでは名の知れたハッカーなんだけど、噂くらいは聞いたことあるでしょう?」
「噂だけだけどね」
そういえばハッカーだったっけ、と思い出す。
正直これまで生きるのに割と必死だったから生前にプレイしていたゼンゼロの知識が薄れまくっている。
そのすべてがうろ覚えだ。
「今届いたメールは、どうも空メールなのよ」
「空メール?」
「えぇ。この分だと私含めて知り合いに送られてると思うけど、実はこれが初めてじゃないのよ」
「? どういうこと?」
「初めてレインから空メールが届いたのが確か二週間前。その時はいたずらだと思ってたけど…よく考えればあの子そんなことしないって思ってね。実は昨日も空メール送られてきたのよ、それも六回も」
「…それはさすがに…」
いくらなんでもそれは異常だ、何かに巻き込まれてると考えていいかもしれない。
っていうか、もう巻き込まれているのだっけ。
「メール自体は? それは普通なの?」
「えぇ。メール自体は本当にただの空メール…でも位置情報は特に何もプロテクトとかされてなかった。…送信してきたところは、バレエツインズ」
「バレエツインズ…」
確かホロウに飲み込まれた高層ビルだったか。
そういえば最近心霊現象が起こるって、パンを買いに来た邪兎屋のアンビーが言ってた気がする。
まぁ幽霊とか出てきても、ワンチャンゴーストにカメンライドすればいけん事もないとは思うが…。
っていうか幽霊とかいるわけないやろ知らんけど。
「でも、バレエツインズはホロウに飲まれてるから、そこからメッセ送るって無理なんじゃないの?」
「普通はそうなんだけど…最近共生ホロウが縮んで、屋上だけはみ出してきたみたいなの。あるとしたらそこね」
ふむふむ、と手を組む。
と、なると…出掛ける必要があるかな。
「そんなわけで、ディケイドさん? 貴方に依頼したいのだけど」
「ホロウ関連の依頼とかは受け付けてないんだけど。っていうかそんな依頼受けてないから普段」
結局のところ表の職業はジャンク屋もといリサイクルショップ兼パン屋なのである。
相変わらず字にすると意味が分かんないなうちの店。
「まぁサラさんからの頼みなら。うちのお客でもあるしね、その子」
面倒ごとに巻き込まれていたのは覚えているが、正直内容は曖昧だ。
けど、助けることに異論はない。
「何が起きるかわからないわ。気を付けてね」
「わかった。それじゃあちょっと行ってきますわ」
そう言ってツカサは立ち上がると指を一つ鳴らす。
すると彼の目の前にオーロラのカーテンが形成されると、ツカサはそこを通り抜けた。
恐らく現場へ向かったのだろう、便利だなぁあれ、とサラは見送りながら思ったのだった。
◇◇◇
子供のころのおぼろげな記憶がある。
エレン・ジョーは学校の机に突っ伏しながら、ふと、幼い時のことを思い出していた。
旧都陥落。
おおよそ十年前としても、誰に記憶にも刻まれているあの大事件。
幼いころに巻き込まれた彼女は右も左もわからないホロウの中で迷子になってしまっていた。
周りには瓦礫と、誰かの叫び声、燃え盛る建物。
子供のころの自分が今ほどクールでもなかったから、怯えるのには十分だった。
オマケにエーテリアスまでやってきて、本当に生きた心地がしなかったと今でもいえる。
そんな自分を助けてくれたのは、今噂になっている〝通りすがりの仮面ライダー〟だった。
まるで風のように彼は現れて、エーテリアスを倒した後幼いエレンを抱えて助け出してくれた。
エレンは保護される前に、その人に名前を聞いた覚えがあった。
───…おにいさん、だれ?
すると彼は慣れた口調でこう言ったのだ。
───通りすがりの仮面ライダーだ、覚えなくていい
そう言うとそいつはまたホロウの中へと戻っていった。
無理だろ、と大きくなったエレンは当時を振り返って思った。
覚えないほうが無理だろう、ぶっちゃけ絶体絶命だった幼いエレンは颯爽と現れたあのピンクっぽいバーコードみたいな男に助けられているのだ、覚えない方が無理だ。
「ねーエレーン、帰りにパン買おーよ! 学生に優しすぎるパン屋があるんだって!」
突っ伏してるエレンの背中にどーん、と寄りかかってくる感覚。
うぇー、と言葉にならない悲鳴をあげつつ特に抵抗はしない、こんな遠慮のないことをしてくるのは学友のルビーだ。
「優しすぎるパン屋ってなに?」
言葉にしても意味が分からない、どういうことだろう。
学生に優しいなんて値段が安いくらいしかでてこないけれども。
「なんでも一袋三個入りで一つ百ディニーなんだって! ホントだとしたら金欠の時に大いに助かるって思ってさー!」
「一袋三個入百ディニー…」
さすがにそれは破格だ。
ホントに? 破格過ぎない? と頭の中で何度か繰り返すぐらいには優しすぎる。
さすがにちょっと行ってみたい…が、そういう時に限って面倒ごとはやってくるもの。
ぴぴぴ、とエレンのスマホが鳴った。
ちらりと画面を見てみると───バイト先の職場の名前。
この時点でエレンの予定が埋まった。
ゆるすまじ。
「ごめん、バイト入っちゃった」
「えー。それなら仕方ないか…そだ、お店の名前だけ共有しようよ」
「ん、そだね。もしバイト終わって行けそうだったら行ってみる。なんて店?」
「んっとねー…」
───DK堂って言うんだって!
◇◇◇
そんなわけでバレエツインズに無事潜入成功である。
きっちりディケイドになった後、アタックライドインビンシブルで姿も隠すというこの徹底ぶり。
これなら基本的にバレることもあるめぇよ、とツカサは思っていた。
こっちからバラすとかしない限りは大丈夫なはずである。
さて何から調べるかな…と思った矢先だった。
「なんか、普通のホロウよりもシンドクねぇか、ここ。入り組んでるし、寒くてジメジメしてるしよ…」
すっごい聞き慣れた声がした。
チラッとそっちに視線を向けると何とびっくり邪兎屋の面々がスカーフ巻いたボンプ…イアスと一緒にバレエツインズの入り口から歩いてきていた。
ニコの姿は見えないが、代わりに見慣れない猫のシリオンがいる。
猫又だっけ。
「変えたばっかの膝関節が錆びないか心配になっちまうぜ」
「得体の知れないB級品には手を出さないほうがいいぞビリー。安いお店でご飯食べたら、おなかを壊しちゃうやつだ」
DK堂はそんなことはない。
品質には結構、というかめちゃくちゃ気を遣っている。
ふと、すごく視線を感じた。
透明になっているのに。
どこからだろう、と思っているとやけにアンビーがこっち…正確にはこっちらへん? に視線を向けてきている。
もしかしてバレてる? 噓でしょ? シンプルにツカサはビビった。
アンビーは勘が鋭いところがある、もしかしたらマジでバレてるかもしれない。
「どうかしたか? アンビー」
「…建物に入ってから、視線を感じる」
周辺を気にするアンビーに向かって、ビリーが問うと彼女はそう答えた。
「あ、俺も俺も。なんか入った瞬間からゾワッと来たんだよな。足元をしょっちゅう何かがすり抜けてくるような感覚がするしよ…ってうぉぁ! いった傍から!」
「おい! それはあたしのしっぽだ!!」
猫又のツッコミが響く。
まぁこいつらになら晒してもいいか、ということでビリーをくすぐって存在をアピール。
脇腹の部分をこしょしょしょ。
「うぉっほっ、うはははははっ! な、なんだ!? 誰かが触ってる!?」
「え!? まさか、ホントのホントにユーレイ!?」
驚く猫又を尻目にアンビーが得物を抜いて構える。
イアスもアンビーの足元に移動してンナっと身構えた。
ある程度くすぐると「はっはっは」と適当に笑い声を零しつつ、インビンシブルを解除してディケイドとしての姿をさらした。
「…ディケイド」
「え? この人が?」
アンビーのつぶやきに猫又が反応した。
「驚かせて悪かったな」
「マジビビったぜ! あんた姿まで消せるのかよ! 多機能が過ぎるぜ!」
ビリーのツッコミを受けながら、改めて皆の前に歩いていく。
彼らのほうへ向き直り、視線を向けたのち、イアスに向かって
「ちょっとした用があってここに入ったら、お前らを見かけてな。もしかしてお前たちも、レインを探しに来たのか?」
「<お前たち、ということは、ディケイドも?>」
イアスから女性の声が聞こえる。
パエトーンは唯一ホロウと現実でリアルタイム通信が行えるのだ。
なんでかは知らんしもう覚えてない()
女性の声だから今回は妹の方かな
「あぁ。目的が同じなら協力しようぜ、そっちのが早く終われる」
「<こっちとしては願ったりかなったり。みんなもいい?>」
「問題ないわ。彼の強さは安心できる」
「俺もだぜ、っていうか百人力だ!」
「おぉ…ビリーとアンビーがそこまで言うんだから、すごいってことは理解したゾ…」
この中では猫又とはあんまり絡んでいないから、そう言われるのも無理はない。
っていうか挨拶もまだだった、しよ。
「あんたは新入り? 俺はまあ、ご存知とは思うが、通りすがりの仮面ライダーだ。通りすがりでも、ディケイドとも、好きに呼んでくれ」
「あたしは猫宮又奈。猫又でいいぞ」
そう言って猫又は手を差し出してくる。
頭を撫でたくなる衝動を抑えつつ差し出してくれた手を握り返すと、改めて視線を感じた。
どうやらアンビーも察したようだ。
「みんな、エーテリアスよ」
「交流の続きは、その後だ」
とまぁこのメンツならその辺のエーテリアスの相手など容易。
ビリーの弾丸が火を噴き、猫又とアンビーの刃が切り裂き、ディケイドの拳や蹴りが叩き込まれる。
割とあっさり殲滅は終わった、しかし油断はできない。
ちらっと猫又を見やる、なんだか毛繕いもとい髪繕いをしている。
猫だ。
「ふー。やったぞ…」
やったぜ。
猫又の呟きに心の中で言う。
特に意味はない。
ないんだって。
「アンビー…さっきの視線だが…エーテリアスだったな!」
「ん…ホントにそうかな」
アンビーは剣を仕舞いながらふむ、みたいな感じで考える。
どうにも嫌な予感が拭えない感じだ。
ディケイドは今も猫みたいな動きをする猫又の所へ歩いてみる撫でてぇ。
犬も嫌いじゃないがツカサは猫派である。
ポケモンも全然知らないけどニャオハとかイーブイが好き。
イーブイは猫か?
どうでもいい、可愛いは正義である。
そして、撫でたいという気持ちもあるが、もう一つ猫又に歩み寄る理由はあった。
アンビーが懸念してたような視線を、ディケイドも感じたからだ。
「───」
刹那、放たれたその一撃をディケイドは受け止めた。
猫又はとてもびっくりした様子でそのままディケイドの後ろに隠れた。
放たれたのは長物だった。
…ハサミか? これ。
とりあえず刃先を地面に突き立て、身構える。
「誰っ…!」
アンビーが剣の柄に手をかけ、いつでも抜ける構えを取る。
ビリーはビビりつつもイアスの近くでいつでも動ける立ち位置。
猫又はディケイドの背中に引っ付きながらひょっこりはん。
ちょっと動きづらいけどまぁいいだろう、ライドブッカーはガンにもなる。
カツカツ、と何だかいい足音が聞こえてくる。
「お見事でした。ここまでの道中…さぞ、容易かったでしょう。ですが、それもここまで。こちらは私有地でして、来客はお断りしております」
暗闇の中から歩いてきたのは、白いオオカミのシリオン。
執事服を着こなし、懐中時計を取り出しつつ。
「三十秒でご用件をどうぞ。それ次第では───」
「ライカンさんっ?」
「え、知り合い?」
あやべつい口に出ちゃった。
猫又の呟きが耳に入る。
「…? 何やらどこかで聞いた声が───」
「ひゃぁぁっ!」
そして何やら向こうもトラブル。
こっちに向かって丸ノコの刃の部分が転がってくる、冷静に考えると普通に危ない光景だ。
「…言ったはずです。武器の手入れと、床磨きは日々欠かさず、と」
「す、すいませんライカンさんっ!」
同じように闇から出てきたのはメイド服のような服を着こんだ、ツインテール緑っぽい髪の少女。
持ってる武器に丸ノコをセットするのだろう、その黒い長物に、今はノコはなかった。
「ふわぁ。ねむ」
「エレン、勤務中ですよ。姿勢よく」
「ちぇ。はいは───は?」
遠目にいたエレンと呼ばれた女性がこっちに視線を向けたとき、なんかフリーズしている。
いやすっごいこっち見てる、なんかしたかな。
そんな丸ノコ女子を見て、ディケイドの後ろにいた猫又が思いだしたように顔を出した。
「あれ、カリンちゃん? カリンちゃんだ!」
「え? 知り合い?」
なんか似たやり取りした気がする。
そんでもってカリンと呼ばれた女の子が猫又やイアスを見て顔を綻ばせた。
「猫又さま! それに、調査員さまも…!」
「カリン、面識が?」
「はい。ホロウで迷子になっていたカリンを助けてくれた方々なんです」
「なるほど。…リナ、もういいでしょう」
「はぁーい」
そんな声がアンビーの後ろから聞こえてきた。
すかさずアンビーが距離を取って、刀を構える。
どうやらディケイドやアンビーがなんとなく感じていた視線はあの人だったみたいだ。
「いつの間に…」
「ふふ。鋭い子ですわ。バレてしまうかと思いました」
「まだまだ甘ェナ!」「アメェナアメェナ!」
リナと呼ばれた女性にくっついてる小さいボンプがそんなことを言う。
「顔見知りなのでしたら、手間が省けます。申し遅れました。我々は、〝ヴィクトリア家政〟です」
いやそれはわかったんですがすっごいサメイドがこっち見てるんですけど。
◇
「…聞いたことないわね」
「ちょっとアンビー。…いやあたしもカリンちゃんと会うまで知らなかったけど…言い方ってのがあるでしょ」
率直なアンビーの感想に思わず猫又が注意する。
優しいのだな、と何となく伝わってくる。
「まぁ、優しい子ですわね。ですがお気になさらないで。私たちは新エリー都の一部の富める方々にお仕えしているのですもの。一般の方々が知らないのは道理ですわ」
「むむっ。あたしたちがビンボーだって言いたいの!?」
「ビンボーだろ邪兎屋は」
ディケイドの言葉に、猫又はしゅんとした。
そうだ、と猫又は思い出したように
「ディケイドこそ、あのオオカミの人と知り合いなの? さっき名前言ってたじゃん」
「…」
「それは私も気になっておりました。貴方は噂の通りすがりのお人…面識があったでしょうか」
ライカンからの視線が刺さる。
まぁ別にそこまでディケイドの姿をトップシークレットにしてはいないし…腹を割らないといけないか。
ディケイドはドライバーを開くと、そこからカメンライドディケイドのカードを引き抜いてその変身を解除した。
ディケイドの色が消え、モザイクがかかるようにその姿が井上ツカサの姿に戻る。
「貴方様は…」
「まぁ、もしや、DK堂の…?」
「パン屋の人…」
「<パン屋のおにーさん!?>」
「<…これは驚いたな、よく買ってるパン屋の人だったとは>」
ライカン、リナ、アンビー、イアスの中のビデオ屋店長たち。
驚きの声をそれぞれあげてくる。
皆パン屋って言ってきてしょんぼりである。
そんなにリサイクルショップのイメージないのか()
「リサイクルショップの兄ちゃんじゃねぇーか!! まさかの正体だぜ!!」
そんな中ビリーは唯一リサイクルショップとして反応してくれた。
邪兎屋でただ一人銃の修理やボディの部品とかを買って行ってくれるからまぁ必然かもしれない。
「まぁ改めて井上ツカサだ。ライカンさん…っていうか、ヴィクトリア家政には週一でお店のお掃除とかお願いしててね」
そう言ってスッと懐からヴィクトリア家政チケットを取り出す。
サラさんの稼いだお金()でチケットを購入し、定期的平日の日にお掃除とかを頼んでおり、その際にパンなどを差し入れしているのだ。
「まさかツカサ様が、あの通りすがりの方だったとは。いつもごひいきありがとうございます」
「…ねぇボス、なんで私にその仕事回してくれなかったの」
「彼が頼んでくる時間は平日…ましてやホロウなどとは関係のない依頼。エレンは学業とかぶってしまうので」
「うぐぅ」
ぐぅの音が出たエレンはなんか苦い顔をしている。
彼女は次にツカサを見たと思ったらずんずん、そしてビチビチと尻尾を左右に揺らしながら彼の方に歩いてくる。
「ねぇ、あんたってば覚えてないの? 私のこと」
「えぇ? …」
まさかの口説き文句。
多分違うだろうけど。
それはそうと覚えてない? と来たか…んー…んー? と考えてよく考えて、彼女のサメの尻尾を見て思い出す。
「…もしかして旧都陥落の時助けた、あのサメのシリオンの…?」
「そうだよ。あんたに小さい頃助けてもらった、あのシリオンだよ。…ね、改めて言わせて。…あの時助けてくれてありがと」
そう言ってエレンはほんのちょっぴり口角をあげて笑顔を作った。
家政の面々は珍しいものを見たかのように、それでいて我が子を労わるような笑みを浮かべて、定位置に戻るエレンを見た。
改めて言われると照れくさいな。覚えなくていいって言ってたのにずっと覚えてたんだ。
そんなエレンを見て、ツカサもちょっぴり笑うのだった。
陰実より大分難産。
まぁ自由に書いてるんでスタンスは変えません。
あともしかしたら〝ディケイドライバーを携えて〟別作品版をもしかしたら書いてしまうかもしれないかも。ンナンナ。