というかまぁ大体のカードが商品化してるので基本メイン、サブのどちらにもライドできます。全部にライドするかは未定…というか無理、多すぎるので(
ダークライダーは商品化されてるのもありますが今回はなしでいきます。
各ライダーの最強フォームへのライド。
商品音声ではカメンライドですが今作ではファイナルカメンライドです。
ファイナルカメンライドとなったあとライダー名言って最強フォーム変身音が流れる感じ。
いつなるかは分かりませんがそんな感じ。
そんなわけでそれぞれ戻って…というかツカサに関しては特に準備はない。
ディケイドライバーがあれば特に問題はないので今回はアキラとリンのビデオ屋にお邪魔してイアスと戯れている。
ンナンナ、ンナナンッ と喋るイアスを撫でながらのんびり待つこと数十分。
「ツカサさんっ、ヴィクトリア家政の人たちから連絡があったよ!」
「オッケー、それじゃあまたイアスと一緒に向かうよ、いいかい? イアス」
「ンナッ!(もちろん!)」
「うんっ、それじゃあ今回もイアスをお願いね、ツカサさんっ。終わったらパン買いに行くから!」
そう言ってイアスをまた頭に乗っけて、ツカサはリンに見送られた。
買いに来てくれるのは嬉しいんだけどパン以外も買いに来てくれないかな()
そんなわけで店先に停めてあるディケイダーに跨ると後ろのほうにイアスをちょこんと乗せて、ボンプ用のヘルメットを被せる。
エンジンをかけ、吹かしながらハンドルに手をやって
「そんじゃあわかってるだろうけど、しっかり掴まっとけよイアス」
「ンナッ! ンナン!(うんっ! これ、風が気持ちいいからすき!)」
「嬉しいこと言ってくれるねえ。それじゃあ安全運転で飛ばすか」
そんな会話の後、マシンディケイダーで道路を走らせるのだった。
◇
バレエツインズ外。
イアスを降ろして到着した旨を伝えるとその数分後にイアスにアキラが同期する。
そしてそのまま一人と一匹でヴィクトリア家政の面々と合流した。
「お待ちしておりました、プロキシ様、通りすがり様」
朗らかな笑みなリナがお出迎え。
全然関係ないけどこの人もよく見たらでっけえのだ(唐突な煩悩)
雑念を振り払い笑みで対応。
そんなツカサの心情を知らずに、ライカンが手元のメモを見ながら
「先ほど私とリナでビルの出入口をいくつか偵察してきましたが、反乱軍はまだ警戒を続けており、立ち退く気配はありません」
<「ということは、まだ任務は終わっていない、ということか」>
「だな。まだレインは生きてる」
「えぇ。ですが、周辺を警備していた連中と連絡が取れなくなったことで、奴らは警備を強めております。正面衝突は避けられないでしょう。可能な限り短時間で敵の防衛ラインを抜けて、レイン様を助けなければなりません」
「なら、道案内は任せたぜ、パエトーン」
<「ああ。任せてくれ>」
<マスター、良い知らせをお伝えします。たった今ビルを飲み込んでいるホロウのデータ分析が終了しました。ビル内の熱源をリアルタイムで検知できます>
<「その言葉を待っていたよ、フェアリー」>
「それじゃあ、お仕事開始だ」
ツカサの言葉に皆がうなずき、一行は再度バレエツインズのホロウへと向かっていった。
◇
とはいえ人質がいる以上あまり派手には動けない。
ここは慎重に、それでいて連中の背後がつけるように進んでいった。
「あ、アトリウムの奴らだ!」
「くそが、絶対に止め───へぶっ!」
何か言いだす前にディケイドの鉄拳がそいつの腹に突き刺さる。
多少手加減しているし、なんかよくわからない装備してるから深い怪我にはならないだろう。
そんなことを思いながら別の兵士をしばくと、何やらカバンのようなデバイスを落とした。
「なんだこりゃ」
ディケイドが気になって拾ってみる。
するとそこに逃げようとしていた兵士がディケイドを見やりつつ
「し、しまった、デバイスが!」
「気にしてる場合か! 今は───おわぁ!!」
「まぁ。そんなに急いで。危ないですわよ?」
そんなわけで離れようとしていた兵士二体もリナによって意識を飛ばされた。
ヴィクトリア家政と通りすがりの前では連中は烏合の衆以下の存在だ。
「ライカンさん、お掃除は終わりましたけど、レインさんは見当たりません…」
キョロキョロと周囲を見渡すが、いるのはさっき自分たちが叩きのめした反乱軍の連中ばかり。
まぁ、さすがにレインは隊長、とやらのところにいるのだろう
それはそれとして。
「ところでこいつはなんだい? カバンっぽいデバイスなんだが」
<「通信機、かな」>
よいしょ、とカリンがディケイドからデバイスを受け取ると、ケースのようにデバイスを開く。
内部のボタンとかはなんのこっちゃわからないが、ライカンの腕に乗せられたイアスもといパエトーンが画面をのぞき込んでいる。
どうでもいいけど腕に乗せられたイアス超かわいいな。
「ご明察です。そちらは
「詳しいね、ライカンさん」
「物騒がせで申し訳ありません、ツカサ様。斯様な知識は、家事代行スタッフとして極めてありふれたものでございます」
そうかな?
そうかも(思考停止)
「けど、これではっきりした。連中がレインを攫ったのは、ハッキングできるからだ」
「ねね、こんなのあったよ」
ちょいちょい、とエレンがディケイドをつっついて紙を手渡してくる。
何やら飛行船みたいなのが書かれているが…? とりあえずライカンやパエトーンにそれらを手渡した。
受け取ったパエトーンはイアスの手でその紙を広げて中身を見ていく。
<「これは…司法府の専用飛行船じゃないか」>
「時間やルートの記されたフライトスケジュール…それに総合制御システムのハードウェア構成図まで…。これはいったい…」
<マスター、ビリーから着信です。繋ぎます>
そう言って数秒後、イアスからビリーの電話越しの声が聞こえてくる。
<店長!? 店長か!? まずいぜ、飛行船がまずい状況になってる!!>
<「ビリー、落ち着いてくれ、飛行船で何が起きたんだ?」>
<じ、実はよ、パールマンが十数分前に、スーツケースの中身を確認したいって守衛に頼んだんだ、そんでよ、奴がケースを開けた途端、煙みたいなのが噴き出してきてよ! 操縦士を含めて、俺以外の全員が気を失っちまった! 俺は呼気システムが故障してたから難を逃れたがよ…>
「なんだと? それじゃあ今誰が飛行船動かしてんだ?」
<今は自動操縦になってる。なってんだけど…今さっき気づいたんだ、この飛行船、航路設計が改ざんされてやがる! 今この飛行船は、バレエ・ツインズのあるホロウに向かって飛んでるんだ!! このままだと俺ら全員ホロウん中に突っ込んじまう! な、なぁ、通報した方がいいかな!? 信じてくれるかぁ? これ>
思った以上にまずい状況になっている。
とはいえビリーの言ってる通り航路から離れてしばらく経っているとは思うが、外部は騒いでる様子はない。
「なるほど…。連中はこれのためにレインを攫ったんだ。信号を偽造して正しい航路を進んでるように見せかけてるんだ、通報してから動くんじゃあ後手だぜ」
<な、なぁなぁツカサたち。どういうことだよ、なんでレインが出てくるんだ?>
電話越しのビリーからの当然の疑問。
まぁ向こうは何も知らないから当たり前ではあるが。
「手短に申します、ビリー様。レイン様は反乱軍によって誘拐されました。現在連中は、そのレイン様を使って、あなた方の飛行船を掌握しております」
<な、なんだってー!? マジかよ!? 本当にレインの仕業なら、治安局程度じゃあどうにもなんないぜ!!? 俺たちはもうおしまいなのか!?>
「諦めんなビリー。まだ俺たちがいるだろ」
<「ツカサの言う通りだ、僕たちはそのレインを助けるために、ヴィクトリア家政と一緒にバレエ・ツインズにいるんだ」>
「えぇ。速やかにレイン様を救出できれば、飛行船の未来を変えることができるかもしれません」
<ライカンさんよ、店長も、ツカサも! 信じていいんだな、マジで! てか信じるしかできねぇ! 頼んだぜみんな!>
<「あぁ、飛行船は絶対に助ける。ビリーはこのまま連絡を取り続けてくれ、そっちの力が必要になる時が来るかもしれない」>
<あぁ、わかった!!>
<───マスター、飛行船の軌道の割り出しに成功しました。飛行船は二十五分後にバレエ・ツインズの上空を通過し、その後三十秒でホロウと接触します>
「急ごう、みんな」
ディケイドの言葉に全員がうなずき、パエトーンの案内の下駆けだしていく。
道中はまぁ当然のようにエーテリアスが現れたが一行の前では障害にすらならずあっという間に殲滅されていく。
走りながらイアスからフェアリーの声が聞こえた。
<屋上付近の生命体反応が、移動を始めました>
<「敵は屋上を離れて、撤退する準備をしていたようだ」>
「レインを使っての仕事は終わってるようなもんだ、こりゃ急がないと口封じされる可能性大かもしれない」
「ですね。皆様、ここはどうかお静かに。彼らが彼女に危害を加えることを、警戒せねばなりません。反乱軍の注意を引かないようにしなくては」
ライカンの言葉に頷きつつ、襲ってくるエーテリアスを倒して進んでいくこと数分。
一行はその反乱軍が集まっている場所の前に辿り着いた。
すぐに入るのではなく、入り口付近で息をいったん潜めて、タイミングをうかがう。
「むー! むーっ!!」
覗き込むと隊長と思しき男がレインの首根っこを掴みながら崖? の方へと放り捨てる直前のような状況だった。
単純明快大ピンチである。
「待ってください隊長、こいつが外部にどれだけの情報を漏らしたのか、突き止めろとの雇い主の指示は…!」
「連中はもうじき追い付くだろう、どっちみちこんな足手まといを抱えたままでは逃げ切れん。最優先事項は完遂した。我々は引き上げる。我々は金をもらって仕事をするのみ」
隊長はじろり、とレインの方へ視線を向けて
「なに。こいつは侵食かなにかで死んだことにすればいい」
「!! むーっ!! むーっ!!!!!」
身体を震わせ、目尻に涙を浮かべながら叫ぶレイン。
口にはガムテープかなにか貼り付けられているのか、喚くしかできないみたいである。
「悪く思うな。しかし、知るべきでないことに首を突っ込みすぎた、おまえ自身の過ちだ」
「むーっ!!!!!!」
そう言って隊長はレインを放り投げようとして───
<KAMENRIDE KABUTO><CHANGE BEETLE>
<ATTACKRIDE CLOCKUP>
すかさずカブトにカメンライドしたディケイドがクロックアップを発動し、落ち行くレインをそのままキャッチし、下に無事着地。
<CLOCK OVER>
あまりにも一瞬の出来事で、反乱軍の反応もワンテンポ遅れた。
「なに!? どこから!?」
「っていうかまずい、人質が連中の───ぐばぁぁっ!!」
そうこう言ってる間にライカンらヴィクトリア家政の面々が隊長の近くにいた部下たちを一蹴、制圧した。
隊長の判断は早かった。
「人質は諦めろ、総員撤退だ!」
そう言って素早く残ってる部下たちともにその場を後にしようと駆けだしていく。
「追いかけたほうがよろしいかしら」
「いいえ、今はレイン様と飛行船を救うほうが先決です」
リナの言葉にライカンが返すと、家政の面々はイアスを抱えてディケイドカブトの近くに降り立った。
ディケイドカブトはディケイドに戻り、そこからさらに変身を解除して
「よく頑張ったな。俺たちはニコやサラの友達だ、お前を助けに来た」
頭を撫でながら口に張られたガムテープを優しくぺりりと剥がしていく。
勢いよく剥がすと痛いからね。
やがて口が解放されて息苦しさから解き放たれると大きく息を吸い込んだレインは
「き、君たち、本当に私を助けに…。い、いいや! それより、早くビルの屋上にいかないと!! もうすぐで司法府の飛行船がっ!!」
レインがツカサをつかんでそう言った直後だった。
ドガァァン、と強い揺れがバレエ・ツインズを襲う。
おそらく連中が仕掛けた爆弾か何かだろう。
「…おとなしく幕を引かせてはもらえないようですね」
「多分今の爆発でルートも変わっちまったはずだ、パエトーン!」
<「ああ。フェアリー、今すぐ屋上への別ルートを検索してくれ」>
<了解しました…。マスター、ビルの屋上につながるホロウの出口を検知しました。該当出口は、バレエ・ツインズB棟一回のロビー付近にあります。所要時間は、約七分。ですが、高度侵食エリアを通過する必要があるため、危険度の高い個体に遭遇する可能性があります。ゆえに、実際にかかる時間は未知数です>
「結局はエーテリアスだろう? 俺たちを止めるには至らない。だろ、ライカンさん」
「もちろんでございます。…レイン様、心身共にお疲れとは承知しておりますが、飛行船の件はあなた様にしか頼めないこと…もうしばしお付き合いを」
「飛行船に制御を返すだけなら、防御装置を取り除くだけで済む、だけど反乱軍が言ってた、万全を期すために、操縦士含めて乗客皆眠らせたって。制御が戻っても、誰が操縦を…」
「制御を戻してくださるのならそれで十分。あとはヴィクトリア家政にお任せを」
優雅に言葉を返すライカンに、ツカサはちょっと驚きつつ
「ライカンさん動かせんの…? さすが家事代行スタッフ…」
「動かす程度ですが。さて、入手した情報によれば、飛行船はツインズ上空の僅かなところを掠めるように飛ぶ、とのこと。危険を脱する程度の操縦であれば、私が代わりを務めましょう」
そんなこんなで話はまとまった。
後はひたすらに足を動かすのみである。
ツカサは再度ディケイドへ変身しレインを抱え、しんがりを務める。
前方に現れるエーテリアスたちはヴィクトリア家政の人たちに任せて、ディケイドはレインを守りつつ自衛に勤しむ。
やがてB棟一階ロビー近くのホロウの出口に突っ込んだ。
到着した先はだだっ広い円形のホール、というべき場所か?
左右に階段があり、その先に扉がある感じのやつ。
階段自体はぶっ壊れてたり瓦礫に埋まってたり侵食で使えそうにないが、普通に身体能力でいけそうだ。
<「出口はあそこだ!」>
イアスからアキラの声がして、イアスの手が屋上への道を指さす。
道筋を確認したライカンは、家政の面々に向かい
「突破の準備を!」
「待ってくれライカンさん。…お客さんだ」
レインを地面におろし、ディケイドがつぶやく。
それに呼応するかのように、唐突にムーディーな音楽が聞こえてきた。
そう、マリオネットと戦ってた時のようなあの音楽。
<「この音楽…もしかして」>
バン、バンと電気が消えて…やがて光が一点を照らした。
その一点には、マリオネット。
演出のつもりだろうか。
「あれは、アトリウムの…!」
カリンの言葉に、皆が警戒態勢に入る。
ディケイドはレインに視線を向けると
「離れてろ。パエトーン、レインを頼んだ」
<「あぁ!」>
レインと一緒に離れていくイアスを見届けつつ、皆の視線はマリオネットに注がれる。
マリオネットはロボットダンスのような動きで姿勢を整えると、優雅にくるりと回りだす。
ライカンの目がいぶかしんだ。…音が二つあるような…?
そう思った刹那だった、マリオネットの体が二人に増える。増殖か、あるいは元から二人だったのを隠していたか、たまたま最初に戦った時にはいなかったか。
まぁ、ともかくだ。
相手はシングルではなくツインだったか。
「…姉妹だったとは」
「上等じゃないか。向こうが姉妹…〝シスター〟なら、こっちは〝ブラザー〟だ」
そう言ってディケイドは徐に一枚のカードを取り出した。
二人のライダーが描かれたような、そんなカードだ。
バックルを開いてそのカードをセットする。
<FOAMRIDE>
「だーい、変身!」
<EX-AID MIGHTY BROTHERS XX>
<俺がお前で! お前が俺で! (We're!) マイティ! マイティ! ブラザーズ! (Hey!) XX!>
そんなけたたましい音とともに、ディケイドの体が変わったかと思うとどういうことか二人に分裂したのである。
ベルト部分はそのままで、だ。
ヴィクトリア家政の面々も目が点である。
「…貴方様は本当に規格外ですね」
「まあね」
青メインのディケイドエグゼイドDAGXXLがライカンの言葉に答えライカンとリナの戦線に加わる。
「協力連携プレイで、とっとと道を開くぞ」
「ちょ、あんましゃべんないで、混乱する」
オレンジメインのディケイドエグゼイドDAGXXRがエレンたちの戦線に加わりつつ、マリオネットツインズを見やった。
因みに先の言葉はエレンであり、カリンも増えたディケイドエグゼイドをキョロキョロしてる。
まぁそりゃあ混乱するよね、増えて両方に自我あるんだもん。
ん、んっ、とライカンが軽く咳払いして
「では、参りましょう」
レッツダンス。
◇
先に動いたのはマリオネットツインズの片割れ。
どっちがどっちかわからんが幸いにも白と黒とで色分けされてるのでライカンたちと相対してるのはブラックとする。
踊りながら鋭い足で攻撃してくるマリオネットブラックにライカンも機械義足による鋭い蹴り技で反撃していく。
舞うように連撃してくるブラックに少し手を焼いていたライカンだが、すぐに相手の動きを見切り、的確に氷の脚撃をたたき込んでいき相手の態勢を
無論、その隙にもリナの操るボンプ、ドリシラとアナステラがサポートする。
噛みついたり電撃を浴びせたり、何ならライカンの足やディケイドエグゼイドLの持つライドブッカーソードに雷を付与させたりと見えないところで貢献していく。
相手が大きく態勢を崩したとき、ライカンの一撃とライドブッカーの斬撃が重なりより深いダメージが叩き込まれる。
一方マリオネットホワイトと相対しているエレン、カリン、ディケイドエグゼイドRの三人だ。
二人とも一点突破の火力が得意ではあるので、態勢を崩す役をディケイドエグゼイドRが担う。
<ATTACKRIDE GASHACON KEY SLASHER>
アタックライドでガシャコンキースラッシャーを呼び出してホワイトに攻撃を叩き込んでいく。
何度か切りつけてると不意に上に飛んで奇襲を仕掛けてくるかのように飛び蹴りのようなものを放とうとしてきたが、カリンのチェーンソーが間に入り、鍔迫り合い。
その隙を補うようにエレンもまた中空に飛んで、武器を地面に突き立てながら極寒の嵐をぶち込み、ホワイトを〝凍結〟させていく。
<ズパパパーン!>
すかさずキースラッシャーをアックスモードに変えてぶん殴るようにホワイトに振りぬき、〝砕氷〟がごときダメージを与えていく。
ふと隣のグループを見ると、あっちも大きく態勢を崩したみたいだ。
「決めるぞ、俺!」
「わかってるよ! 俺!!」
そう言ってディケイドエグゼイドRはキースラッシャーをその辺にぶん投げた後、ブッカーから一枚のカードを取り出して、ドライバーに装填する。
<FINAL ATTACK RIDE E E E EX-AID>
<マイティ! ダブル! クリティカル ストライク!>
それぞれのグループにいるディケイドエグゼイドが、ホワイトとブラックに向かって、回し蹴りの要領でライダーキックを叩き込んだ。
吹っ飛ばされたツインズはお互いにぶつかるも、すぐに体制を整えた後、ツインズ達はお互いの手を取って満足したのかその場から消えてしまった。
「やった、行ってくれましたっ」
カリンの言葉は戦闘終了の合図だった。
ディケイドエグゼイドも一人に戻り、ディケイドへと戻っていく。
確かに戦闘は終わったが、まだ完全に終わりではない。
ライカンはふぅ、と一息ついて、そして
「任務続行! 上へ!」
◇
そんなわけで屋上へとたどり着く。
走りながらイアスからリンの声が聞こえてきた。
<「聞こえる!? お兄ちゃん! 飛行船が近づいてるよ!!」>
キョロキョロと見回すと中空にはクジラのような飛行船がゆっくり、しかし確実に飛行していた。
やがて飛行船のベランダ…ベランダ? 的なとこにいたビリーがこっちを見つけたらしくものっそいボディランゲージで手を振っていた。
「てんちょぉー!! 俺はここだぁぁぁ!!」
<飛行船の目標位置到着まで、残り二十秒>
「結構ギリギリだな…ライカンさんっ!」
ディケイドはもう一枚ブッカーからカードを取り出した。
黄色と黒の二色のライダーのやつである。
<FOAM RIDE W LUNA JOKER>
ディケイドダブルルナジョーカーとなった彼は飛行船に向かって、幻想の力が込められた右腕を伸ばし、ビリーのいるベランダ的なところの手すりを強く握った。
出来上がったのは簡素すぎる一本の橋。
だが十分すぎる橋である。
すぐさま意図を察したライカンはその腕を全速力で駆け上がっていった。
長くなったが、ようやくミッションはコンプリートである。
◇◇◇
しばらく経った後。
「店長、ツカサ。これでラストだぜ」
レインとライカンの協力で制御を取り戻した飛行船は無事に不時着。
現在はヴィクトリア家政とイアスINパエトーン、そしてツカサの一行は乗客を外に運び出していた。
そんでもって、今しがたビリーが運び出してきたニコで最後だ。
「さいばんちょぉー…! いぎぃありぃーっ…」
すっかり夢心地なニコはそんな寝言をつぶやいた。
まさか裁判など結局やっていないとは夢にも思うまい。
やるにしてもまた日を改めることになるだろう。
「これ、どれくらいまで寝てるのかな」
「強力な麻酔ではありますが、あと二、三時間もあれば起きると思います」
ツカサの言葉にライカンが答える。
命に別状はないみたいで安心した。
ぽてぽてとイアスがこちらに歩いてくる。
<「ライカンさんとツカサには、借りができてしまったな」>
「俺は借りだなんて思ってないよ。そう思ってくれてるなら、うちの店で買い物してくれ」
「私共としても過分なお言葉です。こちらとしても、プロキシ様という知己を得られたのは、幸運の至りでございます」
「治安局から連絡が来たぜ、今航空隊と救助隊が向かってるってよ」
ライカンやパエトーンと話していると、ビリーがそんなことを言ってくる。
ようやくこれでこちらの仕事もひと段落というわけだ。
ツカサは軽く息を吐きつつ
「ビリー、レインは脅されたとはいえ、ハックしたのは事実だからな。治安局に行くとめんどくさいから、先に俺たちとホロウから出る。んで、お前は治安局来たらなんて言うかわかってるな?」
「おう! 〝俺は麻酔を吸わなかったから、緊急事態に気づいて、飛行船を操縦、ここに不時着させた〟…だろ。? にしても、こんなことになっちまって、ヴィジョンの裁判は予定通り進むのかねぇ」
「まずはパールマンを連れ戻すとこからだから、日を改めて、ってことになるだろうな。さて、そいじゃあ俺たちは行くぜ、後は頼んだ、ビリー」
「おう! ツカサたちも気を付けて帰るんだぜーっ」
そう言って手を振って見送るビリー。
そんなわけでレインを連れたイアス&ヴィクトリア家政、そしてツカサは、一足早くホロウから脱出するのだった。
あ、あとなんか後から聞いたことなんだけど、実は麻酔に耐性があったのかみんなほど効いてなかったパールマンがこの後飛行船ジャックして逃げたらしい。
まあその辺はツカサの仕事ではないので、治安局に頑張ってもらおう。
◇◇◇
数日後のことである。
ようやく安全になったレインが、DK堂に足を運んでくれた。
「お、レイン」
「元気そうね。よかったわ」
「うん。生きてられるのは、パエトーンや、貴方のおかげ。…本当にありがとう」
そういうレインの顔は自然体であり、笑顔を向けてくる彼女の顔は素直に年相応だ。
ようやく肩の荷が降りたのだろう。
「一応聞くんだけど、なんであんなことに?」
「…ある時、新規の顧客が依頼をしてきたんだ。報酬は良かったけど、何をするのかは教えてくれなくて。しつこく聞いてたら直接会って説明するって言ってきて…。怪しいって思ったけど、やっぱり報酬には目が眩んじゃって…」
「なるほど、それであんなことになったわけか…」
やはりお金は魔力である。
「でも、タダで転ばないのはあなたらしいわ。捕まってるのに、屋上からSOSを出すなんて」
「悪くない手だったよ。SOS出したのはバレたけど、おかげで相手の雇い主は何を私が漏らしたのか知りたがった。結果的には時間稼ぎになったから」
「その雇い主は? あの場にはそれっぽいのは見当たらなかったけど」
「うん。現場には出てきてない。電話口で何回か、飛行船について指示してただけ。けど聞いてた感じだと、あいつらはパールマンを消そうとしてたことくらいしかわかんなかった。あとはサクリファイス、とか何とか言ってたぐらいかな」
「サクリファイスぅ?」
なんか重要な単語だった気がする。
だがもう大分ど忘れしてるので遊戯王の新しい召喚スタイルか? とかいうクソどうでもいいことしか過ぎんなかった()
「詳しいことは私も」
「ふむ。…それじゃあ難しい話は終わり。なんか買ってってよ、出来ればリサイクル品がいいな」
「機材とかのは足りてるから、今回はパンがいいな。ここのはとっても安いから。あと美味しいし」
「やっぱりか…」
わかってはいたのだけれど。
何はともあれ、これでレインをめぐる一悶着も、ようやく終わりを告げるのだった。