SUMMON NIGHT(サモンナイト)OVRE(オーバー)   作:Wisadm

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3.異世界トリップ…気絶中

 

俺は呆然としていた。

この状況下で、何かに見惚れるなんて余裕は無い筈なのにその少女に見惚れてしまっていた。

 

「主、お怪我はないようですね。それでは敵を殲滅してしまいますので、しばしお待ちを」

 

そう言うと、少女――メルクリウスは俺に向かって最敬礼をし、マントから一枚刃を抜き、子人を切り裂いた。

 

「すげぇ…!」

 

まるで剣舞でも舞っているかのように小人を切り刻むメルクリウス。

その舞いが鮮血によって凄く綺麗に映えている。

けどグロい…

さっきからちょっと小人の血が飛んでくる。

 

そして廊下には、飛び散った小人の血と返り血に塗れた俺とメルクリウスだけが残った。

子人はいつの間にか全て切り刻まれていたようだ。

 

「あぁ主、本日はご機嫌麗しゅう御座いま…ム」

 

メルクリウスは呆然としたままの俺に、臣下の礼を取ろうとして途中で止め。

 

「すいません主。この世界のマナは私には少なすぎてこれ以上顕現できそうにありません。これを渡しておきますので、役立ててくださいませ。では…」

 

そう言って消えてしまった。

後に残ったのは、メルクリウスがいた事の証明である小人の血と、彼女が残したであろう一本の刀だった。

 

「何だったんだよ、今の…ッ!!そうだ、先生ぇ!!」

 

まだ何かあるかも知れないため、刀を持ってさっきの場所に戻る。

そこには、やはりというか、物言わぬ死体となった先生がいた…

 

「この人が、何をしたって言うんだ…!」

 

無残な死体となってしまった彼を見ると、自然と涙が出た。

少し口うるさい先生ではあったが、気のいいまじめな先生だった。

最近寝てばかりの俺にも、しっかりと見棄てずに説教までしてくれて…

 

「いったい何で…なんで!!」

 

言ったって答えなんて返ってこないのは分かってた。

分かってたけど、言わないと気がすまなかった…

すると、突然足元が暗くなった。

 

「なっ!?」

 

そして俺は、地面に飲み込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お爺様」

「ああ、もうすぐだ…向こうで生贄も手に入れた」

 

何処かの暗い部屋、わたくしとお爺様は異界の門についての研究を行っている。

生贄というのは、向こうの世界の死んで間もない人の死体のことだ。

別に殺して手に入れているのではなく、向こうの人に確認を取って使わせてもらっているらしい。

らしいというのは、わたくしがまだ召喚術を使えず、向こうでお爺様の召喚獣が何をしているのかを知ることができないから。

 

「レーン、今から生贄の儀式を始める。儀式用の短剣を持ってきてくれるかい?」

「はい、お爺様」

 

今までずっとこの研究をしてきた。

恒久的にある世界への門を開ける研究。

私とお爺様の悲願。

 

「えぇと、儀式用の短剣でしたわね…」

 

確か、これでしたわよね?

早く戻らなくては。

 

「お爺様、これでよかったかしら?」

「おお、それじゃ。ありがとうの…ムゥ、これは」

 

そう言うと、お爺様は少し顔を険しくされて、お爺様の召喚獣が倒されたことを嘆かれました。

それにしてもお爺様の召喚獣を屠るだなんて一体どんな人物なのでしょう。

 

「仕方あるまい、生贄だけでもこちらに引き込まねば…」

 

お爺様は召喚術を少し弄ったものを使い、召喚獣が運んでいた死体を呼び込むようです。

今回の儀式は成功するといいのですけど…

 

「…ハッ!!」

 

お爺様の魔力が周囲を包み始め、地面を暗く染める…

 

「あ!何か出てきましたわ。といっても、死体なんでしょうけど…」

「そういうな、ワシだって死体など好き好んで見たくないわい」

 

そして、暗い地面から出てきた二つの影…

 

「え?二つ?」

「む?予想外じゃな…血だらけなのを見ると、知り合いが死体を見つけて駆け寄ったか?」

 

出てきた影のうち一つは首の乗った死体、そしてもう一つが武器を持ち気を失っている黒髪の少年でした。

 

「その少年はまだ生きているようじゃな…レーン」

「はい、部屋に」

「何を言っておる?召喚獣用の檻に決まっておろう」

 

え?檻?聞き間違えかと思い聞き返す。

 

「檻…ですか…?」

「そうじゃ、その者がワシらと同じ温厚な者か分からぬではないか」

「そう、ですね…」

 

お爺様のおっしゃる事は確かに正しいのですが、納得は…できそうにありません。

渋々頷き、彼を檻へと運ぶ。

 

「武器は取り上げておかないと、いけないわよね…」

 

武器を取り上げ、召喚石を探す。

途中で、名も無き世界の人間が召喚石を持たないというのを思い出したが、召喚石が出てきたのでいぶかしんだ。

ついに、名も無き世界でも召喚術が開発されたのだろうか?

わたくしはそこに興味を持ち、それを自分のポケットへ忍ばせました。

お爺様にも告げずに…

 

「レーン儀式を始めるぞ!」

「はい!今行きますわ」

 

彼のいた世界はどんなところなのかしら。

出来ることなら、お話を聞いてみたいものだわ…

 

その日も、儀式は成功しなかったが、わたくしの心は沈まなかった。

明日が楽しみですわ…

 




分からない所や、描写が不明確な所があれば言って下さい。
何とかします。
他にも純粋に質問や感想をいただければ嬉しいです。
それでは、また次回…
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