SUMMON NIGHT(サモンナイト)OVRE(オーバー) 作:Wisadm
「プ、くクくハはハ!そノ子は何ダい?ドうヤら同郷ノ者みタいダけド」
「しちゅれいなやちゅ…」
な、なんだ?いきなり止まって…
「痛い」
…噛んだのか。
「アはハ…!お腹痛イよ!」
「うぅ…!」
馬鹿にされ唸りつつ睨む幼女。
しかし、ふと何かに気付いたようにこちらを振り返る。
「主、どうかいたしましたか?」
やっぱりと言うか、この喋り方。
「もしかして、メルクリウス?」
「はい。いかにもメルクリウスでありましゅ!」
メルクリウス、お前に何があったんだよ。
身体的に幼くなるとか、すぐに思いつくので「真実はいつも1つ」が口癖の探偵が飲んだ薬ぐらいのもんだぞ!
「何があったんだよ…」
「しちゅれいを承知で申し上げましゅと、主の召喚みしゅかと」
「え、俺の?というか、召喚ミスって?」
「召喚に失敗したので、本来の力が上手くちゅかえずこんなしゅがたに」
ま、マジか…
逃げられるのかここから。
「で、ですが、あの程度の悪魔なら今のままでもやれましゅ。発音は苦手でしゅけど、戦闘は得意ですから」
無い胸を張って言うメルクリウス。
「じゃあ、ここから逃げ出すまでの時間稼ぎもして欲しいんだけど、いけるか?」
「はい、受けたみゃわりました」
本当に大丈夫か少し不安だが、そんなことを言えるほど余裕が無い俺にはどうしてやることも出来ない。
無力で、どうしようも無く無力で、何で俺がと本気で思う。
「レーン、逃げよう」
「え、は、はい。ですが…」
「今は、ここから離れよう。それからどうするか考える」
本当は俺だって、ここで戦ってやりたい。
俺なんかのために戦ってくれてるメルクリウスや気を使ってくれたレーンのためにも。
でも、力が無いんだ。
俺には、何も――出来ない。
その言葉が、突き刺さる。
「分かり、ました…」
躊躇いと悔しさとが入り混じったような顔…
俺も、こんな顔してるのかな。
「行くよ」
「逃ガさナいッて言ッてルだロ!」
「それはこちらもでしゅ!」
ヤツが打ち出した透明な球?をメルクリウスが切り裂く。
凄い、本当に戦えてる。
「とりあえず、中庭に出るぞ。上手く行っていれば、門も開いて逃げる準備も、いざとなれば戦える準備も出来てるはずだ」
後ろも見ずに全力で長い階段を駆け上がり中庭まで逃げる。
ロウォンが頼んだことを終えてくれているなら、すぐにここから逃げられる。
しかし、ロウォンが見当たらない。
まさか、ミスった?
それとも――
「いや、でもそんな…」
頭の中に引っかかっていた可能性、今一番信じたくないそれは
――逃げたのか?
その言葉。
「おい、嘘だろ…?」
そして、嫌なことは続くものである。
例えばそう、メルクリウスが傷だらけで階段を走ってくるのがここから見えた。
「メルクリウス!?」
ボロボロで、擦り傷だらけ。
それでも戦うことを止めない。
しかもその理由は、俺のため。
まだ何とか戦えているがこのままじゃ、負けて殺される。
すると、自分の心が磨耗して磨り減っていくような錯覚を覚えた。
あいつを見捨てて逃げれば、お前は助かるぞ?
そんな声が、聞こえた気がした。
「見捨、てる…?」
そうだ、見捨ててしまえばいい。
最初から良く判らないヤツだったじゃないか。
それによく考えろよ?あいつが勝手にお前のことを主だ何だって言ってるだけの関係じゃないか。
利用して逃げればいいんだ…
「逃げ…れる。逃げられる」
ここであいつのために動いたって、また裏切られるかもしれないぞ?
ロウォンみたいに…
「そうか。そうだよな…」
逃げれば俺は助かる…
「なあ、レーン?何か武器になりそうなもの、あるか?」
「え。そ、そうですね…」
青い顔でメルクリウスを見ているレーンに問いかけると、一瞬嬉しそうな顔をしたがすぐに悲しそうな顔になり、謝るように言った。
「ごめんなさい、無色のサモナイト石しかありません。武器があればわたくしだって少しくらいは…」
「ゴメン、サモナイト石って?」
「召喚獣と契約する前の召喚石のことですわ。でも、わたくしには素質が無くて契約の儀式が出来ませんから」
説明から召喚石とサモナイト石の違いは石の中に召喚獣の真の名が刻まれているかいないからしい。
そう言われて、メルクリウスのサモナイト石を見る。
確かに文字の様なものが浮かんでいた。
でも、もしそうなら…この仮説が正しいなら…
「いや、そのサモナイト石貸して!」
そう、もしそうなら…
「俺が契約できるかも」
ふう、更新が少しと言うか遅れました。
まあ、ちまちまやっていこうと思います。
今現在リクエストは、トリスorマグナ、アメル、ネスティに1票ずつです。
この三人については、出来れば次回、次々回に登場予定。
皆さんもどんどんリクエストくださいね。
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